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1章 始まったもの
星川高校へようこそ
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ジリリリリリ、ジリリリリリ!
目覚ましの音が鳴った。
心が透き通るような快晴、温かい朝。 春を迎えた天気に小鳥や虫も鳴いている。
そんな中、新しいことが始まる人もいる。
「英一!壮二!起きなさい!!!」そう母が言うと
「もう朝かよ。」
英一が起き上がる。
「えっと…もう、朝?」少し遅れて壮二も起き上がった。
「今日は入学式なんだから‥しっかりしなさい」
そう母が言う。
「壮二早く起きなさい!」
「もう起きてるよ」
「全く…見分けがつかないじゃん」
そうなのだ。
この二人は、
双子なのだ。
そしてこれから、二人は高校に進む。
そして、新生活が始まるのだ。
新しい制服。新しい通学カバン。
彼らの心は、自然と軽く感じた。
壮ニの表情のない顔も、広角が上がっているように見える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家から歩いて10分ほど、京急鶴見駅までやってきた。
昨日お母さんと一緒に買った定期券の入ったパスケースを右手に、改札を通り過ぎる。
「なんか電車に乗るのってワクワクするよな」
「…うん。」
無口な壮二はそう答えながら、右手の傷跡を見る。
この赤い京急電車と一度触れたことがあり、そのときに右手を怪我してしまったことがある。
その時はまだ8歳だったが、今でも覚えている。
だから少し虎馬なのだ。
電車に乗るたびに今も思い出す。
「1番線、エアポート急行 逗子葉山行きが参ります。」
駅員のアナウンスと接近メロディが流れ、京急特有の赤い電車がやって来る。
彼らは空いている席に座る。
壮二は隅に座り、英一もその横に座る。
電車が動く。
速い京急電車。
横浜の街を颯爽と駆けていく。
…まぁ、みなとみらいのようなお洒落なものではないが。
横にはJRの線路。
そんな中、壮二はぼぉっと並走していく電車や街並みを眺める。
英一は音楽でも聞いてるのだろうか。
イヤホンをつけていつも通りにっこり笑っている。
神奈川新町、京急東神奈川。
どんどん駅を過ぎていき、横浜駅に到着した。
到着した二番線は、東京方面の1番線と対照的に混雑はしていない様子である。
彼らは横浜駅で降り、相鉄線に向かっていく。
最近直通がどうこうとかやってたが、混雑している模様だ。
「えっと‥これからどこへ向かうんだったっけ」
「あっ、星川‥? って駅だったよ」
「うん。」
こんな会話を交わしながら相鉄線横浜駅の横に長ーーい改札をくぐる。
相鉄線は混雑している。
ホームドアが開き、二人はドアから飛び乗る。
さっきと同じ、隅の席に二人は座る。
自分たちと同じ制服を着ている人たちが、何人がいる。 初めて見る顔だった。
これから降りる星川は、快速電車の停車駅である。
快速停車駅なのだから、それは都会なのだろうなぁ。
そう思ったのか、「星川って都会なのかな」と壮二は聞く。
「でも前行ったとき都会じゃなかったような」
「うん。」
果たしてこの兄弟で10分間会話が続いたことがあるだろうか。
小学生の時はあったかもしれないが、
中学生になってからはほぼない。
趣味も違う、話題も合わない、性格も真逆。
コイツらは赤の他人なのではないかと二人にあった誰もが思ったかもしれない。
また近くに居る同じ制服を着た男も、そう思ってるだろう。
快速だけあって、すぐ到着した。
星川駅の近くには区役所、そしてケーズデンキがある。
「そこそこの都会じゃん。」
「まぁまぁだな。」
珍しく二人は同じ意見をいった。
言った言葉はバラバラだが。
そんなあまり見慣れない街並みを見ながら、二人は歩いていく。
星川高校の場所はすぐわかった。
歩いて五分ほどのところにある星川高校。
桜の木が散りながら、いかにも入学式のようなムードを醸し出している。
入って早々、部活勧誘の人たちが多くやってきた。
何の部活にしようかと考えつつも、第一校舎に進む。
第一校舎は一年が使う。
第二校舎はニ・三年の文化コース、
第三校舎はニ・三年の数理コース。
大きな敷地内に、3つも校舎がある。
二人の心もワクワクする。
校舎に入ると大きく「星川高校へようこそ! 1年のクラス分け」と出された紙が張り出されている。
英一は二組、壮二は五組。
そのクラス分けには、聞き覚えのある名前が、書いていたのだった。
目覚ましの音が鳴った。
心が透き通るような快晴、温かい朝。 春を迎えた天気に小鳥や虫も鳴いている。
そんな中、新しいことが始まる人もいる。
「英一!壮二!起きなさい!!!」そう母が言うと
「もう朝かよ。」
英一が起き上がる。
「えっと…もう、朝?」少し遅れて壮二も起き上がった。
「今日は入学式なんだから‥しっかりしなさい」
そう母が言う。
「壮二早く起きなさい!」
「もう起きてるよ」
「全く…見分けがつかないじゃん」
そうなのだ。
この二人は、
双子なのだ。
そしてこれから、二人は高校に進む。
そして、新生活が始まるのだ。
新しい制服。新しい通学カバン。
彼らの心は、自然と軽く感じた。
壮ニの表情のない顔も、広角が上がっているように見える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家から歩いて10分ほど、京急鶴見駅までやってきた。
昨日お母さんと一緒に買った定期券の入ったパスケースを右手に、改札を通り過ぎる。
「なんか電車に乗るのってワクワクするよな」
「…うん。」
無口な壮二はそう答えながら、右手の傷跡を見る。
この赤い京急電車と一度触れたことがあり、そのときに右手を怪我してしまったことがある。
その時はまだ8歳だったが、今でも覚えている。
だから少し虎馬なのだ。
電車に乗るたびに今も思い出す。
「1番線、エアポート急行 逗子葉山行きが参ります。」
駅員のアナウンスと接近メロディが流れ、京急特有の赤い電車がやって来る。
彼らは空いている席に座る。
壮二は隅に座り、英一もその横に座る。
電車が動く。
速い京急電車。
横浜の街を颯爽と駆けていく。
…まぁ、みなとみらいのようなお洒落なものではないが。
横にはJRの線路。
そんな中、壮二はぼぉっと並走していく電車や街並みを眺める。
英一は音楽でも聞いてるのだろうか。
イヤホンをつけていつも通りにっこり笑っている。
神奈川新町、京急東神奈川。
どんどん駅を過ぎていき、横浜駅に到着した。
到着した二番線は、東京方面の1番線と対照的に混雑はしていない様子である。
彼らは横浜駅で降り、相鉄線に向かっていく。
最近直通がどうこうとかやってたが、混雑している模様だ。
「えっと‥これからどこへ向かうんだったっけ」
「あっ、星川‥? って駅だったよ」
「うん。」
こんな会話を交わしながら相鉄線横浜駅の横に長ーーい改札をくぐる。
相鉄線は混雑している。
ホームドアが開き、二人はドアから飛び乗る。
さっきと同じ、隅の席に二人は座る。
自分たちと同じ制服を着ている人たちが、何人がいる。 初めて見る顔だった。
これから降りる星川は、快速電車の停車駅である。
快速停車駅なのだから、それは都会なのだろうなぁ。
そう思ったのか、「星川って都会なのかな」と壮二は聞く。
「でも前行ったとき都会じゃなかったような」
「うん。」
果たしてこの兄弟で10分間会話が続いたことがあるだろうか。
小学生の時はあったかもしれないが、
中学生になってからはほぼない。
趣味も違う、話題も合わない、性格も真逆。
コイツらは赤の他人なのではないかと二人にあった誰もが思ったかもしれない。
また近くに居る同じ制服を着た男も、そう思ってるだろう。
快速だけあって、すぐ到着した。
星川駅の近くには区役所、そしてケーズデンキがある。
「そこそこの都会じゃん。」
「まぁまぁだな。」
珍しく二人は同じ意見をいった。
言った言葉はバラバラだが。
そんなあまり見慣れない街並みを見ながら、二人は歩いていく。
星川高校の場所はすぐわかった。
歩いて五分ほどのところにある星川高校。
桜の木が散りながら、いかにも入学式のようなムードを醸し出している。
入って早々、部活勧誘の人たちが多くやってきた。
何の部活にしようかと考えつつも、第一校舎に進む。
第一校舎は一年が使う。
第二校舎はニ・三年の文化コース、
第三校舎はニ・三年の数理コース。
大きな敷地内に、3つも校舎がある。
二人の心もワクワクする。
校舎に入ると大きく「星川高校へようこそ! 1年のクラス分け」と出された紙が張り出されている。
英一は二組、壮二は五組。
そのクラス分けには、聞き覚えのある名前が、書いていたのだった。
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