15 / 42
第一章 ヴォルフ・ガーナイン王国編
第15話 エディアノイ VS 魔将ゼルツアム
しおりを挟む
「一騎打ち……だと?」
「ああ。どの道この戦に、お前たちの勝利はない。だったらせめて、剣士として武勲を挙げようとは思わないかね?」
魔族の男はしばし考えた。
「お前は誰だおっさん」
「私はエディアノイ・アーバンデイル。このカッセル国境師団を束ねる者だ。どうだ、私の首を取りたくはないか?」
「なるほど、お前が……」
男は考えた。
このままおめおめと帰ってもシュバールツ様に消されるのが落ち。
ならば、キャンディ・メイの父であるこの男の首を持って帰ればあるいは……
それに、シュバールツ様の計画も、この男がいなくなれば遂行しやすくなる。
「了承した」
「話が早くて助かる。名を聞こう」
「ゼルツアムだ」
エディアノイは片手で剣をゼルツアムの方へ向け、直立のまま構えた。
ゼルツアムは両手で剣を構えた。
「正直、俺には退路がない。様子見はなしで本気で行かせてもらう」
「来たまえ」
ゼルツアムが柄を握る手に力を込めると、ブレイドに電撃がほとばしった。
エディアノイは思った。
なるほど、雷属性の剣か。これはかするだけでも電撃によって動きが後手になる。
厄介な物をもっているな。
ゼルツアムが一気に間合いを詰める。大きく振ってきた剣を、エディアノイは大きな動きでかわす。
エディアノイの技術なら剣先で流すこともできるが、それでは電撃が剣に伝わり剣を持つことさえ困難になる。
ゼルツアムの剣撃を大きく身体を振ってかわし続けるエディアノイ。
このままでは体力の消耗も激しい。攻撃に転じたいが、ゼルツアムに剣で受けられたら電撃の餌食だ。
「どうした! かかって来いよエディアノイ!!逃げるだけか!!」
ゼルツアムの挑発にもエディアノイは冷静だった。
「仕方がない。あまり人の目が多い所では使いたくないんだが」
エディアノイが再び剣を構えると、メイと同じように体を金色のオーラが包み込んでいく。
そして、そのオーラはエディアノイの剣にも伝わり、剣を金色に包んで行く。
「それが人間種が編み出したオーラってやつか。おもしろい!」
今度はエディアノイが一気に間合いを詰める。剣を上に大きく構え、ゼルツアムに振り落としていく。
二人の剣が互いに激しくぶつかり合う!
「ハハハハッ!!俺の剣に触れたな!これでお前は…… !?」
気づくと、エディアノイの剣がゼルツアムの胸に突き刺さっていた。
ゼルツアムは困惑した。確かに上から剣を振り下ろしてきたはず。なぜ、俺の胸に剣が刺さっている?
「かっ……かは!! な、なに……が」
剣を振ってきたエディアノイがスーッと消えていき、その後ろからもう一人のエディアノイが姿を現した。
ゼルツアムは膝から崩れ落ちた。
「今のは私のスキルでね。君が受けたのは私の残像だったのだよ」
「……ざ、残像……だと!?」
エディアノイのスキル『タイムアフター(時間残像)』は、寸前の自分の動きが残像として現れ、本体が追加攻撃を行うもの。
残像には違いないが、ほんの少しの間は実体が残るため、実質は瞬間的な分身に値する必殺の剣技だ。
「このスキルは、同じ相手に二度は通用しないのでね。見せたからには討ち損じるわけにはいかないのだよ」
「そ、そん……なスキル……をかくし……」
倒れ込んだゼルツアムは灰のように朽ちて、風にさらわれ消えて行った。
エディアノイはゼルツアムの剣を拾い上げ、いろいろな角度から眺めている。
「んー、この剣はなかなかのものだった。ありがたく頂戴するよ、ゼルツアム君」
「ああ。どの道この戦に、お前たちの勝利はない。だったらせめて、剣士として武勲を挙げようとは思わないかね?」
魔族の男はしばし考えた。
「お前は誰だおっさん」
「私はエディアノイ・アーバンデイル。このカッセル国境師団を束ねる者だ。どうだ、私の首を取りたくはないか?」
「なるほど、お前が……」
男は考えた。
このままおめおめと帰ってもシュバールツ様に消されるのが落ち。
ならば、キャンディ・メイの父であるこの男の首を持って帰ればあるいは……
それに、シュバールツ様の計画も、この男がいなくなれば遂行しやすくなる。
「了承した」
「話が早くて助かる。名を聞こう」
「ゼルツアムだ」
エディアノイは片手で剣をゼルツアムの方へ向け、直立のまま構えた。
ゼルツアムは両手で剣を構えた。
「正直、俺には退路がない。様子見はなしで本気で行かせてもらう」
「来たまえ」
ゼルツアムが柄を握る手に力を込めると、ブレイドに電撃がほとばしった。
エディアノイは思った。
なるほど、雷属性の剣か。これはかするだけでも電撃によって動きが後手になる。
厄介な物をもっているな。
ゼルツアムが一気に間合いを詰める。大きく振ってきた剣を、エディアノイは大きな動きでかわす。
エディアノイの技術なら剣先で流すこともできるが、それでは電撃が剣に伝わり剣を持つことさえ困難になる。
ゼルツアムの剣撃を大きく身体を振ってかわし続けるエディアノイ。
このままでは体力の消耗も激しい。攻撃に転じたいが、ゼルツアムに剣で受けられたら電撃の餌食だ。
「どうした! かかって来いよエディアノイ!!逃げるだけか!!」
ゼルツアムの挑発にもエディアノイは冷静だった。
「仕方がない。あまり人の目が多い所では使いたくないんだが」
エディアノイが再び剣を構えると、メイと同じように体を金色のオーラが包み込んでいく。
そして、そのオーラはエディアノイの剣にも伝わり、剣を金色に包んで行く。
「それが人間種が編み出したオーラってやつか。おもしろい!」
今度はエディアノイが一気に間合いを詰める。剣を上に大きく構え、ゼルツアムに振り落としていく。
二人の剣が互いに激しくぶつかり合う!
「ハハハハッ!!俺の剣に触れたな!これでお前は…… !?」
気づくと、エディアノイの剣がゼルツアムの胸に突き刺さっていた。
ゼルツアムは困惑した。確かに上から剣を振り下ろしてきたはず。なぜ、俺の胸に剣が刺さっている?
「かっ……かは!! な、なに……が」
剣を振ってきたエディアノイがスーッと消えていき、その後ろからもう一人のエディアノイが姿を現した。
ゼルツアムは膝から崩れ落ちた。
「今のは私のスキルでね。君が受けたのは私の残像だったのだよ」
「……ざ、残像……だと!?」
エディアノイのスキル『タイムアフター(時間残像)』は、寸前の自分の動きが残像として現れ、本体が追加攻撃を行うもの。
残像には違いないが、ほんの少しの間は実体が残るため、実質は瞬間的な分身に値する必殺の剣技だ。
「このスキルは、同じ相手に二度は通用しないのでね。見せたからには討ち損じるわけにはいかないのだよ」
「そ、そん……なスキル……をかくし……」
倒れ込んだゼルツアムは灰のように朽ちて、風にさらわれ消えて行った。
エディアノイはゼルツアムの剣を拾い上げ、いろいろな角度から眺めている。
「んー、この剣はなかなかのものだった。ありがたく頂戴するよ、ゼルツアム君」
11
あなたにおすすめの小説
四つの前世を持つ青年、冒険者養成学校にて「元」子爵令嬢の夢に付き合う 〜護国の武士が無双の騎士へと至るまで〜
最上 虎々
ファンタジー
ソドムの少年から平安武士、さらに日本兵から二十一世紀の男子高校生へ。
一つ一つの人生は短かった。
しかし幸か不幸か、今まで自分がどんな人生を歩んできたのかは覚えている。
だからこそ今度こそは長生きして、生きている実感と、生きる希望を持ちたい。
そんな想いを胸に、青年は五度目の命にして今までの四回とは別の世界に転生した。
早死にの男が、今まで死んできた世界とは違う場所で、今度こそ生き方を見つける物語。
本作は、「小説家になろう」、「カクヨム」、にも投稿しております。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。
王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。
物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。
そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。
原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。
彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。
マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが―
「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」
なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。
こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。
※他小説投稿サイトにも投稿中
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います
リヒト
ファンタジー
不幸な事故の結果、死んでしまった少年、秋谷和人が転生したのは闇落ちし、ゲームの中ボスとして主人公の前に立ちふさがる貴族の子であるアレス・フォーエンス!?
「いや、本来あるべき未来のために死ぬとかごめんだから」
ゲームの中ボスであり、最終的には主人公によって殺されてしまうキャラに生まれ変わった彼であるが、ゲームのストーリーにおける闇落ちの運命を受け入れず、たとえ本来あるべき未来を捻じ曲げてても自身の未来を変えることを決意する。
何の対策もしなければ闇落ちし、主人公に殺されるという未来が待ち受けているようなキャラではあるが、それさえなければ生まれながらの勝ち組たる権力者にして金持ちたる貴族の子である。
生まれながらにして自分の人生が苦労なく楽しく暮らせることが確定している転生先である。なんとしてでも自身の闇落ちをフラグを折るしかないだろう。
果たしてアレスは自身の闇落ちフラグを折り、自身の未来を変えることが出来るのか!?
「欲張らず、謙虚に……だが、平穏で楽しい最高の暮らしを!」
そして、アレスは自身の望む平穏ライフを手にすることが出来るのか!?
自身の未来を変えようと奮起する少年の異世界転生譚が今始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる