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第27話 - 招待
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夏が終わり、収穫の季節が近づいてきた
今年も収穫祭の準備で大忙しだ
今年は街や商団の有力者たちへの挨拶も重要だが、戦争の協力者を探さねばならない
リッチが仲間になったあと、リリアナはハーピーたちと交渉が成功し協力が約束できた、街に住むことはなかったがこれで航空部隊が編成できるようになる
今のところ人間軍にはない部隊なので大きな戦果が期待できるだろう
人間軍の英雄たちが厄介だが、今のところこれといった対策のめどは立っていない
魔王軍で人間の英雄に立ち向かえるのは今のところ
俺、アヌビス、リリアナ、リッチの4人くらいだ
英雄クラスの力を持つ魔物と言えば、ヴァンパイアも候補に挙がっていたが、真の力が発揮できるのは夜
夜戦は同士討ちの可能性が高くなるので人間軍もほぼ使わない戦術だ
行うとしても少数精鋭、50人~100人程度の規模で行われる
強力な力を持つヴァンパイアだが、戦争で部隊を運用するのは難しいだろうということで見送られた
今年の収穫祭は今までよりも政治的な下心が強くなってしまうな
あまりいやらしくならないように気を付けたい
今年の収穫祭も前年と同じく、街に交易でやってくる商団のお得意さまを中心に招待状をいくつか配布した
その他、強力な力を持つ魔物を招待して人脈ならぬ魔脈ならぬ...まぁ人脈を広げたいんだ
俺は城の自室で小一時間考えてみたが、そもそもそんなに魔物を知らなかった
ティル、リリアナ、リッチあたりに聞いて回るか
俺はまずティルの部屋へ向かった
ティルは自室でクルハと戯れていた、クルハ可愛いなぁ
「ティル、相談したいことがあるんだ、今いいかな」
「はい、もちろんです」
ティルはクルハを抱いてテーブルについた
「今年は戦争に備えて力のある魔物を収穫祭に招待したいんだが、あてはあるかな?」
「そうですねぇ」
ティルが考えているとクルハがおもちゃを投げつけてくる、パパもお仕事してるんです
もうちょっと優しくしてほしい
「魔物とは違いますが、天使族はいかがでしょう?」
「天使族?この辺にいるのか?」
「いえ、天使族は天界におります、ただ常に何人かはこちらの世界でお仕事をしています」
「なるほどねぇ...でも俺捕まんない?」
「どうして?」
「いやほら俺魔王とか呼ばれてるし...」
「ふふっ、天使族が管理しているのは主に人間だけよ、玄人は大丈夫」
俺も人間なんだけどな
「それが気になるなら、堕天使がいいんじゃないかしら」
「堕天使?堕落した天使かぁ、どこにいるんだ?」
「ちょっと南に行ったところにいるわ、実り多い土地を好むの、お父様に頼んでおくわ、堕天使の招待は任せて」
「わかった、ありがとう」
ティルのおかげで一人はなんとかなりそうだ
次はリリアナに聞いてみよう
リリアナは魔道塔でリッチと言い争いをしていた
何だろう、魔術の討論でもしているのか?白熱しているようだ
リリアナはリッチに向かって怒鳴っている
「リッチさま!お願いですからお風呂に入ってください!!!」
「ワシはアンデッドだぞ!風呂になぞ入ればキレイになるではないか!!」
「キレイにしてくださいと言っているのです!匂いがキツイんですよ!!!」
死ぬほどくだらなかった、まぁ、アンデッドの匂いがつらいのは同意する
リッチは俺を見つけると同意を求めてきた
「玄人!お前もこやつに言ってやってくれ!」
俺はリッチに言った
「黙って風呂入れ、あとその衣装も没収、新しいのを用意してやる」
リリアナが勝ち誇ったようにリッチを見下している
リッチは途方に暮れた顔でしょんぼりした
「俺が来たのは二人に用があるからだ、相談に乗ってくれ」
リッチはがっかりした顔をしながら俺に話しかける
「お前、リッチに対する敬意が足りんぞ?」
「生きてる人間は強い匂いが不快なんだよ!新しいローブにはいくつか魔石を縫い付けた特注品にしてやる、それでいいか?」
リッチは満足げにふんぞり返りった
「むふぅ、よかろう、それで手を打とう」
「ちゃんと風呂入れよ、毎日だぞ」
リリアナはまだ鼻をつまんで不快そうな顔をしている
「それで、ご用は何でしょうか?」
「今度の収穫祭に招待する魔物の話しだ、二人とも候補があれば言ってくれ、可能な限り強い魔物がいい、戦争に参加してもらえないか打診するためだ」
リッチとリリアナは考え、リリアナが先に提案してくれた
「私はトレントを推薦します、移動速度が欠点ですが、魔術に優れ、広大な情報網を持つため確実に戦力となってくれるはずです」
「なるほど、街にもいないしな、早速招待しよう」
リッチも提案した
「ワシからはデュラハンを推そう」
「デュラハン?あれもアンデッドじゃないのか?」
「厳密に言うと違う、魔術生命体に近いが意思を持っておる」
「なるほど、そちらも招待してみよう」
早速候補に上がったトレントとデュラハンに対して商団を通じて招待状を送るよう依頼した
収穫祭に来てくれるといいが...
…
収穫祭の準備をしていると、まめいが近寄ってきた
「どうした?新作の水着でも作ってもらったのか?」
まめいはいつになく上機嫌だ
「ふふー、当ててみ~」
こういうのは苦手だ、わかるわけないだろ
だが、女性がこう言い出すときはだいたい髪の毛だ!前髪1ミリ切ったとかだ
「髪型変わった?似合ってるよ」
まめいはあからさまに不満げな顔をした
「適当だろ?わかんないならそう言えよ」
はいすいません、当ててみろって言ったじゃん...
俺はサッと顔を横に向け素直に返答した
「わかりません、すいません」
まめいは腕を組み、ため息をつきながら偉そうに言う
「うむ、わかればよいぞ」
まめいは続けた
「じゃ、次は当ててみ?」
わかんないって言わせたのに当てないといけないの?理不尽じゃない??
「いや無理、降参」
「しょーがないなぁ、知りたいかぁ?知りたいだろぉ」
まめいは俺の肩に肘を置き、ものすごく偉そうにしつつも聞いてほしそうだ
「今日はいつになくご機嫌だな」
「へへ、ちょっと耳貸して」
まめいが妊娠したと告げてきた
ティルに続きまめいも妊娠した、嬉しそうなまめいを見ていると俺もうれしくなる
ただまぁ、一夫多妻など経験がないので元の世界でいう将軍の奥様方が争う、みたいな事にならないかが心配だ、しばらく様子を伺いながら決めていこうと思う
「おめでとう!体に気を付けて元気な子を産んでくれよ」
「うん、ふふ、嬉しいなぁ」
まめいはご機嫌でスリスリしてきた
めんどくさい子だけど、こういう無邪気なところはかわいい
戦争なんて無ければいいのに
ミミが次は自分と言わんばかりにこっそりと厨房から見ている
俺は気づかないふりをした
…
収穫祭が始まって忙しくなる前に、まめいの懐妊祝いをした
ティルの時同様、古いメンバーたちが集まり、ささやかながら盛り上がった
ティルの時は盛り上がりすぎて割としんどかったので今回はささやかに
翌日はどこから聞きつけたのか商団の有力者たちが集まった
さらにその次の日も街の有力者たちが集まった
そしてどういうわけか竜の一族もまた集まった
前回は5日間、今回は4日間だったがこれはこれで大変だ
付き合い続ける俺の身にもなってほしい
魔物の社会で飲み会的な催しはないのでこういう機会を見つけるととびかかってくる
まぁ、国の交易と産業で財が俺に集まっており、そんなものを主催するほどの財力を持つ者が他にいないからなんだけど
個人の経営を許して税を取る形にしてもいいんだけど
そうすると罰則だったり脱税だったりの対策が面倒なのでまだしていない
法律に強い人材が参加してくれたら考えよう
…
収穫祭
農作はもうダンジョンの内部拡張空間を利用しているので収穫の季節なんてのはもう関係ないんだが、収穫祭は習慣として残していこうと思う
前回の収穫祭の時に使った空間を利用して今年も開催する
今年も屋台が並び、まめい主導でお面や射的などの遊びも増えた
参加している種族はまるで違うが、見慣れた日本のお祭り、という印象が強い
前回は収穫祭の開催と同時に交流会のようなものを開始してしまったので今年は少し交流会の時間をずらした
ティル、まめい、ミミ、リリアナとクルハを連れて序盤はお祭りを楽しんだ
ティルとクルハはわたがしがお気に入り
まめいはりんご飴、ミミは焼き鳥、アリアナはかき氷がそれぞれ気に入っている
戦争がいつ始まるかわからないが今のうちに楽しんでおこう
まめいがはしゃぎ気味に話しかけてくる
「玄人!なんか食べないのか?買ってこようか?」
「ん?じゃあ、焼き鳥でももらおうかな」
まめいはパタパタと走り、買いに行ってしまった
身重なんだからちょっと落ち着いて...
まめいは戻ってくると焼き鳥を俺に渡し、話し出した
「次は花火もみたいね~」
「花火かぁ、魔術でなんとか出来ん事もないのかなぁ」
ティルやミミ、リリアナが興味を示し、大いに賛同した
たしかに、収穫祭の収入もそれなりに大きくなってきたので目玉の催しとして呼び込みに使えるかもしれないな、検討しよう
…
交流会
今年、新たに招待状を送ったトレント、デュラハン、堕天使が参加してくれている
俺は早速各種族代表に挨拶を済ませ、それぞれの所へ挨拶へ向かった
トレント、デュラハンはダンジョンの核を提供するという条件で戦争への協力
幾人かの移住を承諾してくれた、定住する場所を決めた事で土地の問題に頭を悩ませていたからだ
初期投資用の魔石もいくつか提供する、すると快く快諾してくれた
次は堕天使だ、堕天使はルシファー、聞いたことあるぞ、悪魔の王だ
俺は堕天使へ挨拶した
「この度はご足労頂きありがとうございます、玄人です」
ルシファーはこちらに気づくと、丁寧にあいさつをしてくれた
「玄人殿、お噂は伺っております、ルシファーと申します」
上から来るわけでもなく、下手に出すぎるわけでもなく、とても好印象だ
軽く雑談をした後、戦争について、協力を仰いだ
「ルシファー、春には人間達が攻めてくる可能性がある、堕天使から何人か戦力をお借りできないだろうか?」
「玄人殿が人間と争っていることは聞いている、なぜ戦争になったんだ?」
「人間たちは土地が欲しいらしくてね、この大陸を人間の領土にしたいそうだ、だが人間たちは魔物を討伐する、そうなるとこの街もあぶない、おそらく皆の村や町も、だから戦う事にした」
「うーむ、我々もまったくの無関係ではいられないという事か」
ルシファーは何人かの上位悪魔とガーゴイルの部隊を派兵することを約束してくれた
ハーピーに続き航空部隊が新たに編成できる、これは嬉しい誤算だ
報酬として今交易で入手できる酒を全種類100樽ずつ、という事で決まった
いいのかそれで
今年もソロモンが来てくれた、今回は娘も一緒だ
フリート、テオ、ドラグと談笑している
俺はソロモンの所へ行き、挨拶をした
「ソロモン王、お久しぶりです、楽しんでおられますか?」
「玄人殿、昨年ぶりだな、紹介しよう、娘のシトリだ」
フリートに聞いた通り、黒ギャルだ、容姿は20前後の女性
ゴテゴテに装飾品で盛っている
「初めまして、玄人と申します、以後お見知りおきください」
「はじめましてぇ~、シトリでぇ~す」
めんどくさそうに挨拶してくれた、喋り方も黒ギャルか...どこで覚えたんだ
しばらく近況の歓談などしているとリッチが来た
「ソ、ソ、ソロモン王陛下でございますか!?」
「ほぅ、リッチ、ん?」
するとソロモンはリッチのつけている腕輪に目をやる
「ソレを手に入れたのか」
リッチは恐縮そうに跪き、話した
「ハッ、いずれ陛下のお役に立つべく力を蓄えております」
シトリが腕輪を見て何かに気づき、とても不快な顔をしながらリッチに近づいた
「きっしょ」
そういうとシトリはリッチの頭を蹴飛ばし、リッチの頭は転がっていく
リッチは慌てて頭を拾い、戻ってきた
フリートはものすごくニヤニヤしている
ソロモンはフリートの表情に気づき、フリートのいたずらに気づいたようだ
リッチはシトリに猛抗議した
「な、何をなさいますか!?お戯れがすぎますぞ!!」
シトリはリッチの頭をわしづかみにし、すごみながらリッチに話す
「なぁんでオメーがあたしの電話番号しってんだよぉ~」
「なななな何の事でございましょう...か、解放してくださいぃぃぃだだだだ」
「オメ~絶対かけてくんなよ?」
ソロモンがシトリをなだめる
「これ、そこまでにしなさい」
「...はぁい」
シトリは手を放したが、納得がいかないようでずっとリッチを睨みにつけていた
リッチは何がなんだかわかっておらず、ひたすら混乱している
その様子を見て皆で談笑し、今年の収穫祭は終わりを告げた
今年も収穫祭の準備で大忙しだ
今年は街や商団の有力者たちへの挨拶も重要だが、戦争の協力者を探さねばならない
リッチが仲間になったあと、リリアナはハーピーたちと交渉が成功し協力が約束できた、街に住むことはなかったがこれで航空部隊が編成できるようになる
今のところ人間軍にはない部隊なので大きな戦果が期待できるだろう
人間軍の英雄たちが厄介だが、今のところこれといった対策のめどは立っていない
魔王軍で人間の英雄に立ち向かえるのは今のところ
俺、アヌビス、リリアナ、リッチの4人くらいだ
英雄クラスの力を持つ魔物と言えば、ヴァンパイアも候補に挙がっていたが、真の力が発揮できるのは夜
夜戦は同士討ちの可能性が高くなるので人間軍もほぼ使わない戦術だ
行うとしても少数精鋭、50人~100人程度の規模で行われる
強力な力を持つヴァンパイアだが、戦争で部隊を運用するのは難しいだろうということで見送られた
今年の収穫祭は今までよりも政治的な下心が強くなってしまうな
あまりいやらしくならないように気を付けたい
今年の収穫祭も前年と同じく、街に交易でやってくる商団のお得意さまを中心に招待状をいくつか配布した
その他、強力な力を持つ魔物を招待して人脈ならぬ魔脈ならぬ...まぁ人脈を広げたいんだ
俺は城の自室で小一時間考えてみたが、そもそもそんなに魔物を知らなかった
ティル、リリアナ、リッチあたりに聞いて回るか
俺はまずティルの部屋へ向かった
ティルは自室でクルハと戯れていた、クルハ可愛いなぁ
「ティル、相談したいことがあるんだ、今いいかな」
「はい、もちろんです」
ティルはクルハを抱いてテーブルについた
「今年は戦争に備えて力のある魔物を収穫祭に招待したいんだが、あてはあるかな?」
「そうですねぇ」
ティルが考えているとクルハがおもちゃを投げつけてくる、パパもお仕事してるんです
もうちょっと優しくしてほしい
「魔物とは違いますが、天使族はいかがでしょう?」
「天使族?この辺にいるのか?」
「いえ、天使族は天界におります、ただ常に何人かはこちらの世界でお仕事をしています」
「なるほどねぇ...でも俺捕まんない?」
「どうして?」
「いやほら俺魔王とか呼ばれてるし...」
「ふふっ、天使族が管理しているのは主に人間だけよ、玄人は大丈夫」
俺も人間なんだけどな
「それが気になるなら、堕天使がいいんじゃないかしら」
「堕天使?堕落した天使かぁ、どこにいるんだ?」
「ちょっと南に行ったところにいるわ、実り多い土地を好むの、お父様に頼んでおくわ、堕天使の招待は任せて」
「わかった、ありがとう」
ティルのおかげで一人はなんとかなりそうだ
次はリリアナに聞いてみよう
リリアナは魔道塔でリッチと言い争いをしていた
何だろう、魔術の討論でもしているのか?白熱しているようだ
リリアナはリッチに向かって怒鳴っている
「リッチさま!お願いですからお風呂に入ってください!!!」
「ワシはアンデッドだぞ!風呂になぞ入ればキレイになるではないか!!」
「キレイにしてくださいと言っているのです!匂いがキツイんですよ!!!」
死ぬほどくだらなかった、まぁ、アンデッドの匂いがつらいのは同意する
リッチは俺を見つけると同意を求めてきた
「玄人!お前もこやつに言ってやってくれ!」
俺はリッチに言った
「黙って風呂入れ、あとその衣装も没収、新しいのを用意してやる」
リリアナが勝ち誇ったようにリッチを見下している
リッチは途方に暮れた顔でしょんぼりした
「俺が来たのは二人に用があるからだ、相談に乗ってくれ」
リッチはがっかりした顔をしながら俺に話しかける
「お前、リッチに対する敬意が足りんぞ?」
「生きてる人間は強い匂いが不快なんだよ!新しいローブにはいくつか魔石を縫い付けた特注品にしてやる、それでいいか?」
リッチは満足げにふんぞり返りった
「むふぅ、よかろう、それで手を打とう」
「ちゃんと風呂入れよ、毎日だぞ」
リリアナはまだ鼻をつまんで不快そうな顔をしている
「それで、ご用は何でしょうか?」
「今度の収穫祭に招待する魔物の話しだ、二人とも候補があれば言ってくれ、可能な限り強い魔物がいい、戦争に参加してもらえないか打診するためだ」
リッチとリリアナは考え、リリアナが先に提案してくれた
「私はトレントを推薦します、移動速度が欠点ですが、魔術に優れ、広大な情報網を持つため確実に戦力となってくれるはずです」
「なるほど、街にもいないしな、早速招待しよう」
リッチも提案した
「ワシからはデュラハンを推そう」
「デュラハン?あれもアンデッドじゃないのか?」
「厳密に言うと違う、魔術生命体に近いが意思を持っておる」
「なるほど、そちらも招待してみよう」
早速候補に上がったトレントとデュラハンに対して商団を通じて招待状を送るよう依頼した
収穫祭に来てくれるといいが...
…
収穫祭の準備をしていると、まめいが近寄ってきた
「どうした?新作の水着でも作ってもらったのか?」
まめいはいつになく上機嫌だ
「ふふー、当ててみ~」
こういうのは苦手だ、わかるわけないだろ
だが、女性がこう言い出すときはだいたい髪の毛だ!前髪1ミリ切ったとかだ
「髪型変わった?似合ってるよ」
まめいはあからさまに不満げな顔をした
「適当だろ?わかんないならそう言えよ」
はいすいません、当ててみろって言ったじゃん...
俺はサッと顔を横に向け素直に返答した
「わかりません、すいません」
まめいは腕を組み、ため息をつきながら偉そうに言う
「うむ、わかればよいぞ」
まめいは続けた
「じゃ、次は当ててみ?」
わかんないって言わせたのに当てないといけないの?理不尽じゃない??
「いや無理、降参」
「しょーがないなぁ、知りたいかぁ?知りたいだろぉ」
まめいは俺の肩に肘を置き、ものすごく偉そうにしつつも聞いてほしそうだ
「今日はいつになくご機嫌だな」
「へへ、ちょっと耳貸して」
まめいが妊娠したと告げてきた
ティルに続きまめいも妊娠した、嬉しそうなまめいを見ていると俺もうれしくなる
ただまぁ、一夫多妻など経験がないので元の世界でいう将軍の奥様方が争う、みたいな事にならないかが心配だ、しばらく様子を伺いながら決めていこうと思う
「おめでとう!体に気を付けて元気な子を産んでくれよ」
「うん、ふふ、嬉しいなぁ」
まめいはご機嫌でスリスリしてきた
めんどくさい子だけど、こういう無邪気なところはかわいい
戦争なんて無ければいいのに
ミミが次は自分と言わんばかりにこっそりと厨房から見ている
俺は気づかないふりをした
…
収穫祭が始まって忙しくなる前に、まめいの懐妊祝いをした
ティルの時同様、古いメンバーたちが集まり、ささやかながら盛り上がった
ティルの時は盛り上がりすぎて割としんどかったので今回はささやかに
翌日はどこから聞きつけたのか商団の有力者たちが集まった
さらにその次の日も街の有力者たちが集まった
そしてどういうわけか竜の一族もまた集まった
前回は5日間、今回は4日間だったがこれはこれで大変だ
付き合い続ける俺の身にもなってほしい
魔物の社会で飲み会的な催しはないのでこういう機会を見つけるととびかかってくる
まぁ、国の交易と産業で財が俺に集まっており、そんなものを主催するほどの財力を持つ者が他にいないからなんだけど
個人の経営を許して税を取る形にしてもいいんだけど
そうすると罰則だったり脱税だったりの対策が面倒なのでまだしていない
法律に強い人材が参加してくれたら考えよう
…
収穫祭
農作はもうダンジョンの内部拡張空間を利用しているので収穫の季節なんてのはもう関係ないんだが、収穫祭は習慣として残していこうと思う
前回の収穫祭の時に使った空間を利用して今年も開催する
今年も屋台が並び、まめい主導でお面や射的などの遊びも増えた
参加している種族はまるで違うが、見慣れた日本のお祭り、という印象が強い
前回は収穫祭の開催と同時に交流会のようなものを開始してしまったので今年は少し交流会の時間をずらした
ティル、まめい、ミミ、リリアナとクルハを連れて序盤はお祭りを楽しんだ
ティルとクルハはわたがしがお気に入り
まめいはりんご飴、ミミは焼き鳥、アリアナはかき氷がそれぞれ気に入っている
戦争がいつ始まるかわからないが今のうちに楽しんでおこう
まめいがはしゃぎ気味に話しかけてくる
「玄人!なんか食べないのか?買ってこようか?」
「ん?じゃあ、焼き鳥でももらおうかな」
まめいはパタパタと走り、買いに行ってしまった
身重なんだからちょっと落ち着いて...
まめいは戻ってくると焼き鳥を俺に渡し、話し出した
「次は花火もみたいね~」
「花火かぁ、魔術でなんとか出来ん事もないのかなぁ」
ティルやミミ、リリアナが興味を示し、大いに賛同した
たしかに、収穫祭の収入もそれなりに大きくなってきたので目玉の催しとして呼び込みに使えるかもしれないな、検討しよう
…
交流会
今年、新たに招待状を送ったトレント、デュラハン、堕天使が参加してくれている
俺は早速各種族代表に挨拶を済ませ、それぞれの所へ挨拶へ向かった
トレント、デュラハンはダンジョンの核を提供するという条件で戦争への協力
幾人かの移住を承諾してくれた、定住する場所を決めた事で土地の問題に頭を悩ませていたからだ
初期投資用の魔石もいくつか提供する、すると快く快諾してくれた
次は堕天使だ、堕天使はルシファー、聞いたことあるぞ、悪魔の王だ
俺は堕天使へ挨拶した
「この度はご足労頂きありがとうございます、玄人です」
ルシファーはこちらに気づくと、丁寧にあいさつをしてくれた
「玄人殿、お噂は伺っております、ルシファーと申します」
上から来るわけでもなく、下手に出すぎるわけでもなく、とても好印象だ
軽く雑談をした後、戦争について、協力を仰いだ
「ルシファー、春には人間達が攻めてくる可能性がある、堕天使から何人か戦力をお借りできないだろうか?」
「玄人殿が人間と争っていることは聞いている、なぜ戦争になったんだ?」
「人間たちは土地が欲しいらしくてね、この大陸を人間の領土にしたいそうだ、だが人間たちは魔物を討伐する、そうなるとこの街もあぶない、おそらく皆の村や町も、だから戦う事にした」
「うーむ、我々もまったくの無関係ではいられないという事か」
ルシファーは何人かの上位悪魔とガーゴイルの部隊を派兵することを約束してくれた
ハーピーに続き航空部隊が新たに編成できる、これは嬉しい誤算だ
報酬として今交易で入手できる酒を全種類100樽ずつ、という事で決まった
いいのかそれで
今年もソロモンが来てくれた、今回は娘も一緒だ
フリート、テオ、ドラグと談笑している
俺はソロモンの所へ行き、挨拶をした
「ソロモン王、お久しぶりです、楽しんでおられますか?」
「玄人殿、昨年ぶりだな、紹介しよう、娘のシトリだ」
フリートに聞いた通り、黒ギャルだ、容姿は20前後の女性
ゴテゴテに装飾品で盛っている
「初めまして、玄人と申します、以後お見知りおきください」
「はじめましてぇ~、シトリでぇ~す」
めんどくさそうに挨拶してくれた、喋り方も黒ギャルか...どこで覚えたんだ
しばらく近況の歓談などしているとリッチが来た
「ソ、ソ、ソロモン王陛下でございますか!?」
「ほぅ、リッチ、ん?」
するとソロモンはリッチのつけている腕輪に目をやる
「ソレを手に入れたのか」
リッチは恐縮そうに跪き、話した
「ハッ、いずれ陛下のお役に立つべく力を蓄えております」
シトリが腕輪を見て何かに気づき、とても不快な顔をしながらリッチに近づいた
「きっしょ」
そういうとシトリはリッチの頭を蹴飛ばし、リッチの頭は転がっていく
リッチは慌てて頭を拾い、戻ってきた
フリートはものすごくニヤニヤしている
ソロモンはフリートの表情に気づき、フリートのいたずらに気づいたようだ
リッチはシトリに猛抗議した
「な、何をなさいますか!?お戯れがすぎますぞ!!」
シトリはリッチの頭をわしづかみにし、すごみながらリッチに話す
「なぁんでオメーがあたしの電話番号しってんだよぉ~」
「なななな何の事でございましょう...か、解放してくださいぃぃぃだだだだ」
「オメ~絶対かけてくんなよ?」
ソロモンがシトリをなだめる
「これ、そこまでにしなさい」
「...はぁい」
シトリは手を放したが、納得がいかないようでずっとリッチを睨みにつけていた
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累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!
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