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14話
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ヒュドラが形を成したころ、ルーシーは二人に声をかける
「ここなら俺のスキルも存分に活用して戦えるだろ、二人でやってみな」
カーラは驚いてルーシーを見る
「ハァ!?ルーちんうそでしょ!!」
アンテは涙目で訴えかけてくる
「るーちん…仲間外れにしたことはあやまりますぅ…次はるーちんも一緒に探求しましょぉぉ」
「そこに怒ってるんじゃないんだよ、いいから行ってこい」
ヒュドラは固まっている勇者たちに向けて毒液を飛ばす
ビュッ バシャッ
アンテとカーラは飛び退いて躱す、ルーシーは避ける素振りも見せず直撃する
ルーシーはねばつく紫色の液体を見ながら話し出す
「あーあ、毒浴びちゃった。ちょっと洗ってくるから早く戦って」
アンテとカーラは焦った表情を見せたが平気そうなルーシーを見て混乱していた
ヒュドラは首を一つ伸ばし、カーラに噛みつく。カーラは攻撃に気づくとジャンプして躱そうと試みるが、足をくわえられてしまう
ヒュドラは大きく首を振り回しカーラが宙を舞う
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
ブンブン振り回されるカーラ
アンテは慌てて防護障壁を張る
「防護障壁を張りますぅ」
ヒュドラは2回ほどカーラを壁に叩きつけるとカーラは障壁でダメージこそほとんどないもののどんどん鎧が剥がれていく、カーラのブーツが脱げると勢いよく飛んでいきカーラはまた壁にぶつかった
「うぅっ目が回る…」
ヒュドラは標的をアンテに切り替えると首を伸ばして噛みつこうとする
「ひゃぁぁぁ!結界を展開しますぅ」
アンテの周りに光の幕が展開され、ヒュドラが牙がアンテの結界に阻まれる
ルーシーは関心しながら見ていた
(ヒュドラの攻撃も受け止めるのか、アンテの結界は予想以上に強力だな。しかしカーラは障壁があるのになんで鎧が剥がれるんだ?もはや自分で脱いでるとしか思えない)
一方的にやられる二人を見てルーシーは発破をかける
「お前たち一太刀も入れずにこのままやられるようなら助けてやんないからな」
カーラは立ち上がり、剣を構えた
「黙ってやられるわけないっての!」
ヒュドラは余った首でカーラに攻撃を仕掛ける
カーラは大きく息を吸って剣を上に構えるとタイミングを見計らって勢いよく振り下ろす
「すぅぅぅっ……やぁ!!」
カーラに攻撃をしかけたヒュドラの首が真っ二つに割れる
勢いにのってカーラがヒュドラの首を辿って駆け上がる
「まずひとぉつ!」
カーラが叫ぶと二つに割れたヒュドラの首がバラけ、小さな無数の蛇になった。カーラは急に足場を失い宙に浮く。ヒュドラのバラけた細い蛇がカーラの右手に絡みついていく。カーラは左手で蛇を払おうとする間に左足にも絡みついてくる。気を取られているうちに左手、右足も絡み取られカーラを大の字に拘束してしまう
「いやぁぁぁ!ちょ!恥ずかしいでしょ!!放せよぉぉぉぉ」
アンテはハラハラしながら見ていたがハッと思いついたようにルーシーを見ると呪文を唱え始めた
「大いなる父に祈りを捧げる子らが願う!迷える僕の祈りを聞き、大いなる父の威光を我が手に示せ!邪悪を断つ光の柱となりて敵を裁きたもう!」
するとどこからともなくカーラを中心に光の柱が上から振ってきた。一瞬まばゆい光を放つと共に何度も現れては消えていく。
光の柱はまばゆい光を放つたびに高熱を纏い、ヒュドラの首を何度も焼き、カーラを拘束する蛇たちは黒く焼け焦げていく。拘束がとけたカーラも着地すると呪文を唱え始める
「ミズガルズの尊い守護者トール!汝が敵、蛇なる獣に怒りを示せ!まばゆく輝く神速の鉄槌をボクの手に授けよ!」
”神雷槌”
カーラが剣を振り下ろすと巨大なハンマーの形をした稲妻が現れヒュドラに叩きつける
叩きつけられた稲妻は目も眩むほどの輝きを放つとヒュドラが激しく震え、感電した
数秒ヒュドラが震え続け、ゆっくりと地に伏せる
ルーシーはヒュドラに近づいて生死を確認すると、アンテとカーラに声をかけた
「おつかれ、すごいね。ヒュドラを倒しちゃうなんて」
アンテが答える
「そんなぁ…るーちんのスキルが無ければ無理ですよぉ」
カーラは息を切らしながらルーシーに話しかけた
「そういえば、なんでルーちん毒液平気なの?直撃してたよね?」
「ん?そうだね、俺にはあらゆる状態異常が効かないってだけ」
「えぇ…どうしてそんなにルーちんは特別なの…ボクたち追いつけるかなぁ…」
「アハハ、俺は万を超える魔物を倒してきたからね。すぐ追いつくよ」
アンテが力が抜けたように脱力しながら答える
「わたくしとあまり年齢変わらないのに万を超える魔物を倒してるんですかぁ…もしかして一人で魔王の目を閉じたりしてたんですかぁ?」
「んー?このダンジョンだってここに来るまでに100は倒してるでしょ、あと100回繰り返せばいいんだよ」
「………」
「………」
カーラとアンテは俺を見ながら言葉を失ってしまった
(2,000年も魔界で魔物を殺し続けたんだぞ。数千万はやってるけどな…)
アンテがため息をつきながら話す
「はぁ、るーちんの場合はスキルが異様に強いのでそれほど無理したように感じないのが困りますわぁ」
「最初は俺もみんなと一緒だったよ、スキルが増えるごとに効率はあがってくから頑張れ頑張れ」
「ほんとうですかぁ?るーちんがそういうならそうなんでしょうけれどぉ」
ヒュドラを解体した後は馬車もいっぱいになるので一度帰還することにした
(まだ俺の妄魔創成頼りとは言えこれで女神の加護も強くなるだろう。きっと自分たちだけで倒せるようになる日も遠くないはずだ、いずれ上位の悪魔たちを独力で倒せるようになってきたらかなり効率もあがるはず。他にも魔力を使った戦い方など教えたいことは山ほどある、早く成長してくれよ)
「ここなら俺のスキルも存分に活用して戦えるだろ、二人でやってみな」
カーラは驚いてルーシーを見る
「ハァ!?ルーちんうそでしょ!!」
アンテは涙目で訴えかけてくる
「るーちん…仲間外れにしたことはあやまりますぅ…次はるーちんも一緒に探求しましょぉぉ」
「そこに怒ってるんじゃないんだよ、いいから行ってこい」
ヒュドラは固まっている勇者たちに向けて毒液を飛ばす
ビュッ バシャッ
アンテとカーラは飛び退いて躱す、ルーシーは避ける素振りも見せず直撃する
ルーシーはねばつく紫色の液体を見ながら話し出す
「あーあ、毒浴びちゃった。ちょっと洗ってくるから早く戦って」
アンテとカーラは焦った表情を見せたが平気そうなルーシーを見て混乱していた
ヒュドラは首を一つ伸ばし、カーラに噛みつく。カーラは攻撃に気づくとジャンプして躱そうと試みるが、足をくわえられてしまう
ヒュドラは大きく首を振り回しカーラが宙を舞う
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
ブンブン振り回されるカーラ
アンテは慌てて防護障壁を張る
「防護障壁を張りますぅ」
ヒュドラは2回ほどカーラを壁に叩きつけるとカーラは障壁でダメージこそほとんどないもののどんどん鎧が剥がれていく、カーラのブーツが脱げると勢いよく飛んでいきカーラはまた壁にぶつかった
「うぅっ目が回る…」
ヒュドラは標的をアンテに切り替えると首を伸ばして噛みつこうとする
「ひゃぁぁぁ!結界を展開しますぅ」
アンテの周りに光の幕が展開され、ヒュドラが牙がアンテの結界に阻まれる
ルーシーは関心しながら見ていた
(ヒュドラの攻撃も受け止めるのか、アンテの結界は予想以上に強力だな。しかしカーラは障壁があるのになんで鎧が剥がれるんだ?もはや自分で脱いでるとしか思えない)
一方的にやられる二人を見てルーシーは発破をかける
「お前たち一太刀も入れずにこのままやられるようなら助けてやんないからな」
カーラは立ち上がり、剣を構えた
「黙ってやられるわけないっての!」
ヒュドラは余った首でカーラに攻撃を仕掛ける
カーラは大きく息を吸って剣を上に構えるとタイミングを見計らって勢いよく振り下ろす
「すぅぅぅっ……やぁ!!」
カーラに攻撃をしかけたヒュドラの首が真っ二つに割れる
勢いにのってカーラがヒュドラの首を辿って駆け上がる
「まずひとぉつ!」
カーラが叫ぶと二つに割れたヒュドラの首がバラけ、小さな無数の蛇になった。カーラは急に足場を失い宙に浮く。ヒュドラのバラけた細い蛇がカーラの右手に絡みついていく。カーラは左手で蛇を払おうとする間に左足にも絡みついてくる。気を取られているうちに左手、右足も絡み取られカーラを大の字に拘束してしまう
「いやぁぁぁ!ちょ!恥ずかしいでしょ!!放せよぉぉぉぉ」
アンテはハラハラしながら見ていたがハッと思いついたようにルーシーを見ると呪文を唱え始めた
「大いなる父に祈りを捧げる子らが願う!迷える僕の祈りを聞き、大いなる父の威光を我が手に示せ!邪悪を断つ光の柱となりて敵を裁きたもう!」
するとどこからともなくカーラを中心に光の柱が上から振ってきた。一瞬まばゆい光を放つと共に何度も現れては消えていく。
光の柱はまばゆい光を放つたびに高熱を纏い、ヒュドラの首を何度も焼き、カーラを拘束する蛇たちは黒く焼け焦げていく。拘束がとけたカーラも着地すると呪文を唱え始める
「ミズガルズの尊い守護者トール!汝が敵、蛇なる獣に怒りを示せ!まばゆく輝く神速の鉄槌をボクの手に授けよ!」
”神雷槌”
カーラが剣を振り下ろすと巨大なハンマーの形をした稲妻が現れヒュドラに叩きつける
叩きつけられた稲妻は目も眩むほどの輝きを放つとヒュドラが激しく震え、感電した
数秒ヒュドラが震え続け、ゆっくりと地に伏せる
ルーシーはヒュドラに近づいて生死を確認すると、アンテとカーラに声をかけた
「おつかれ、すごいね。ヒュドラを倒しちゃうなんて」
アンテが答える
「そんなぁ…るーちんのスキルが無ければ無理ですよぉ」
カーラは息を切らしながらルーシーに話しかけた
「そういえば、なんでルーちん毒液平気なの?直撃してたよね?」
「ん?そうだね、俺にはあらゆる状態異常が効かないってだけ」
「えぇ…どうしてそんなにルーちんは特別なの…ボクたち追いつけるかなぁ…」
「アハハ、俺は万を超える魔物を倒してきたからね。すぐ追いつくよ」
アンテが力が抜けたように脱力しながら答える
「わたくしとあまり年齢変わらないのに万を超える魔物を倒してるんですかぁ…もしかして一人で魔王の目を閉じたりしてたんですかぁ?」
「んー?このダンジョンだってここに来るまでに100は倒してるでしょ、あと100回繰り返せばいいんだよ」
「………」
「………」
カーラとアンテは俺を見ながら言葉を失ってしまった
(2,000年も魔界で魔物を殺し続けたんだぞ。数千万はやってるけどな…)
アンテがため息をつきながら話す
「はぁ、るーちんの場合はスキルが異様に強いのでそれほど無理したように感じないのが困りますわぁ」
「最初は俺もみんなと一緒だったよ、スキルが増えるごとに効率はあがってくから頑張れ頑張れ」
「ほんとうですかぁ?るーちんがそういうならそうなんでしょうけれどぉ」
ヒュドラを解体した後は馬車もいっぱいになるので一度帰還することにした
(まだ俺の妄魔創成頼りとは言えこれで女神の加護も強くなるだろう。きっと自分たちだけで倒せるようになる日も遠くないはずだ、いずれ上位の悪魔たちを独力で倒せるようになってきたらかなり効率もあがるはず。他にも魔力を使った戦い方など教えたいことは山ほどある、早く成長してくれよ)
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