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第一章
徹夜の作業
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「サト? お前さん、何をしとるんじゃ?」
キッチンに持ち込まれた大量の肉を前にロンメルは唖然としながら、せっせと動いているサトに声をかけた。
「あっ、すいません。ちょっと試したいことがありまして、キッチン借りてます」
「それは構わんのじゃが……これ、全部オーク肉か? こんな大量に……全部でどれくらいあるんじゃ?」
「全部で78キロですね。普段の買取値の半分以下ですよ。キロ当たり2400で買い取りました」
「78キロ……それで、どうするんじゃ? 今は都市内にはオーク肉が溢れておる。誰も買ってはくれんし、かと言って気候が良いとはいえ、オーク肉もあと数日以内に消費せんと腐ってしまうじゃろ? どうするんじゃ?」
「実はさっきの客が肉と一緒にある物を持ち込んでくれましてね。それを使って俺の世界の料理を出来ないかと思ったんです」
サトは炊き出し用の巨大な寸胴鍋で何かを作っていた。
その中にハンター達によってある程度の大きさに切られたオーク肉を次々に漬け込んでいった。
その工程をひたすら繰り返して、キッチンには10個の寸胴鍋が所狭しと置かれていた。
「このたくさんの鍋も買ってきたのか? また随分と大胆な事を……」
「ああ、これは借りただけです。金物屋のマークスさんの弟子さんが作ったやつですよ。ちゃんと使えるか試して、良かったら幾つか仕入れるって話をしたらあるだけ貸してくれました」
「なるほどのぅ。それは上手く交渉したな。それで? これは何なのじゃ? 煮込み料理か何かか?」
ロンメルは一つの鍋を覗き込んだ。
すると、何やらいい香りがしてきて、少し食欲が湧いてくる気がした。
「これはまだ仕込みですよ。実はこっからが大変でしてね。とりあえず、明日までは突っ込んでおきます」
次の日、サトは店をロンメルにお願いしてオーク肉の処理にかかっていた。
78キロもあるオーク肉を鍋から取り出し、それを水の魔石で水を出しながら洗っていった。
洗い終わると今度はそれを網の上に並べて、それを何枚も重ねていき、上から鎧の胴体部分を被せ、下からは木のチップを火の魔石を使って燻した。
その工程をひたすら繰り返し、全てが終わった頃にはもう夜が更けていたが、まだサトの作業は終わらない。
今度はオーク肉をせっせと自室に運んで漁で使う投網を部屋中に張って、その上にオーク肉を並べていった。
並べ終えると、今度は風の魔石を部屋に仕込んで風を循環させた。
この作業が終わった時には、すでに外は明るくなり始めており、サトの疲労はピークに達していた。
「はぁ……やっと終わった……さすがに78キロもやるんじゃなかった。まぁ、いいか。あとは完成を待つばかりだけだし。しかし、この部屋では寝れないな。仕方ない。店の方で転がって寝るか」
サトは毛布を持ち、疲れた身体を引きずりながら一階の店に降りると、椅子に座ってカウンターに伏すようにして眠った。
キッチンに持ち込まれた大量の肉を前にロンメルは唖然としながら、せっせと動いているサトに声をかけた。
「あっ、すいません。ちょっと試したいことがありまして、キッチン借りてます」
「それは構わんのじゃが……これ、全部オーク肉か? こんな大量に……全部でどれくらいあるんじゃ?」
「全部で78キロですね。普段の買取値の半分以下ですよ。キロ当たり2400で買い取りました」
「78キロ……それで、どうするんじゃ? 今は都市内にはオーク肉が溢れておる。誰も買ってはくれんし、かと言って気候が良いとはいえ、オーク肉もあと数日以内に消費せんと腐ってしまうじゃろ? どうするんじゃ?」
「実はさっきの客が肉と一緒にある物を持ち込んでくれましてね。それを使って俺の世界の料理を出来ないかと思ったんです」
サトは炊き出し用の巨大な寸胴鍋で何かを作っていた。
その中にハンター達によってある程度の大きさに切られたオーク肉を次々に漬け込んでいった。
その工程をひたすら繰り返して、キッチンには10個の寸胴鍋が所狭しと置かれていた。
「このたくさんの鍋も買ってきたのか? また随分と大胆な事を……」
「ああ、これは借りただけです。金物屋のマークスさんの弟子さんが作ったやつですよ。ちゃんと使えるか試して、良かったら幾つか仕入れるって話をしたらあるだけ貸してくれました」
「なるほどのぅ。それは上手く交渉したな。それで? これは何なのじゃ? 煮込み料理か何かか?」
ロンメルは一つの鍋を覗き込んだ。
すると、何やらいい香りがしてきて、少し食欲が湧いてくる気がした。
「これはまだ仕込みですよ。実はこっからが大変でしてね。とりあえず、明日までは突っ込んでおきます」
次の日、サトは店をロンメルにお願いしてオーク肉の処理にかかっていた。
78キロもあるオーク肉を鍋から取り出し、それを水の魔石で水を出しながら洗っていった。
洗い終わると今度はそれを網の上に並べて、それを何枚も重ねていき、上から鎧の胴体部分を被せ、下からは木のチップを火の魔石を使って燻した。
その工程をひたすら繰り返し、全てが終わった頃にはもう夜が更けていたが、まだサトの作業は終わらない。
今度はオーク肉をせっせと自室に運んで漁で使う投網を部屋中に張って、その上にオーク肉を並べていった。
並べ終えると、今度は風の魔石を部屋に仕込んで風を循環させた。
この作業が終わった時には、すでに外は明るくなり始めており、サトの疲労はピークに達していた。
「はぁ……やっと終わった……さすがに78キロもやるんじゃなかった。まぁ、いいか。あとは完成を待つばかりだけだし。しかし、この部屋では寝れないな。仕方ない。店の方で転がって寝るか」
サトは毛布を持ち、疲れた身体を引きずりながら一階の店に降りると、椅子に座ってカウンターに伏すようにして眠った。
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