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第三章
危ない非看板娘
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店の奥から艶かしい雰囲気を醸し出しながら女が出てきた。
エレオノーラ・ヴァン・ユラーク
神の祝福により太陽を克服したダンピールで、この世の者ならぬ美貌を持ち、魔術師としての才覚にも溢れ、絶大な魔力を持っていた。
しかし、悪しき魔術師の呪いによって醜い姿に変えられて奴隷となっていたところを偶然サトと出会い、救われている。
その後は忠誠を誓い、密かに恋心も抱いている。
「エレンさん。うん、とりあえずこれだけ出してみようと思ってね。客がどんな反応するかも気になるし」
「大丈夫ですよ、サト様。もし、不貞な輩がいても私が即座に灰も残さないように跡形もなく消し去りますから」
「うん、絶対やめてね」
ニコッと笑いながら物騒な事を言うエレン。
ダンピールであるエレンは人族と比べて魔力量が高く、高度な魔法を操れる。
そして普段は冷静沈着で物腰も柔らかいが、気分を害されると激昂するところがあった。
特に主人であるサトが害されると全く自制が効かなくなる事があった。
店をオープンしてから間もない時に酒に酔った男がサトにしつこく絡んできた事があった。
別に暴れている訳でもなかったので、サトは適当に相槌を打っていたのだが、たまたまその男がサトの肩に手をかけたところを店の奥から見たエレンが激昂。
その男に向かって火魔法を放ち、火だるまにしてしまった。
幸い、サトがすぐに消火したので命に別状はなかったが、何故か髪の毛だけは全焼し、2度と生えてこなかったと言う。
「エレンさん。前の人は問題ばかり起こす人だったからお咎め無しだったけど、普通なら傷害で捕まる行為なんだよ? 次からは注意しないと」
「で、ですがっ! サト様を傷つける輩は放ってはおけません!」
「いや、傷つけられてないし、何かあっても隣に衛兵がいるから直ぐに駆けつけてくれるって」
「で、でも……」
「でもは無し! それと、これ忘れてるよ」
サトはそう言うとエレンに目元だけを隠すヴェネツィアンマスクのような仮面を渡した。
実はエレンには魔法と性格以外にも問題がある。
それはその圧倒的な美貌だ。
エレンの容姿は街を歩けば誰もが足を止めて振り返り、中には跡をつけて来る者までいる程だ。
更に王都の目抜き通りは貴族も多く立ち寄る場所であり、そこで色好きの貴族の目に留まれば狙われかねない。
そこでエレンが人前に出る時は認識阻害効果のある仮面を着けることにした。
「面倒だとは思うけど忘れずにお願いね」
「はい。でも、貴族が襲ってきても燃やしてしまえば……」
仮面をつけながらそう言うエレンにサトは注意を促した。
「いやいや、さすがに貴族に手を出すのはまずいよ。不敬罪とかあるし」
「証拠を残さないように跡形もなく燃やしてしまえば良いのではないでしょうか?」
「いや、だからそうじゃなくて……」
サトの説得はその後しばらく続いた。
エレオノーラ・ヴァン・ユラーク
神の祝福により太陽を克服したダンピールで、この世の者ならぬ美貌を持ち、魔術師としての才覚にも溢れ、絶大な魔力を持っていた。
しかし、悪しき魔術師の呪いによって醜い姿に変えられて奴隷となっていたところを偶然サトと出会い、救われている。
その後は忠誠を誓い、密かに恋心も抱いている。
「エレンさん。うん、とりあえずこれだけ出してみようと思ってね。客がどんな反応するかも気になるし」
「大丈夫ですよ、サト様。もし、不貞な輩がいても私が即座に灰も残さないように跡形もなく消し去りますから」
「うん、絶対やめてね」
ニコッと笑いながら物騒な事を言うエレン。
ダンピールであるエレンは人族と比べて魔力量が高く、高度な魔法を操れる。
そして普段は冷静沈着で物腰も柔らかいが、気分を害されると激昂するところがあった。
特に主人であるサトが害されると全く自制が効かなくなる事があった。
店をオープンしてから間もない時に酒に酔った男がサトにしつこく絡んできた事があった。
別に暴れている訳でもなかったので、サトは適当に相槌を打っていたのだが、たまたまその男がサトの肩に手をかけたところを店の奥から見たエレンが激昂。
その男に向かって火魔法を放ち、火だるまにしてしまった。
幸い、サトがすぐに消火したので命に別状はなかったが、何故か髪の毛だけは全焼し、2度と生えてこなかったと言う。
「エレンさん。前の人は問題ばかり起こす人だったからお咎め無しだったけど、普通なら傷害で捕まる行為なんだよ? 次からは注意しないと」
「で、ですがっ! サト様を傷つける輩は放ってはおけません!」
「いや、傷つけられてないし、何かあっても隣に衛兵がいるから直ぐに駆けつけてくれるって」
「で、でも……」
「でもは無し! それと、これ忘れてるよ」
サトはそう言うとエレンに目元だけを隠すヴェネツィアンマスクのような仮面を渡した。
実はエレンには魔法と性格以外にも問題がある。
それはその圧倒的な美貌だ。
エレンの容姿は街を歩けば誰もが足を止めて振り返り、中には跡をつけて来る者までいる程だ。
更に王都の目抜き通りは貴族も多く立ち寄る場所であり、そこで色好きの貴族の目に留まれば狙われかねない。
そこでエレンが人前に出る時は認識阻害効果のある仮面を着けることにした。
「面倒だとは思うけど忘れずにお願いね」
「はい。でも、貴族が襲ってきても燃やしてしまえば……」
仮面をつけながらそう言うエレンにサトは注意を促した。
「いやいや、さすがに貴族に手を出すのはまずいよ。不敬罪とかあるし」
「証拠を残さないように跡形もなく燃やしてしまえば良いのではないでしょうか?」
「いや、だからそうじゃなくて……」
サトの説得はその後しばらく続いた。
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それと、サトの余りにもハッキリとしない性格には、ちょっと共感できないか?!
感想ありがとうございます。
こちらの小説にも目を通していただいて、御意見をくださって本当に感謝です。
御指摘の点ですが、私の文章が拙いせいで伝わりにくく申し訳ありません。
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