人類は仮想世界に移住しました。最強のアバターを手にいれたので、無双します

新人賞落選置き場にすることにしました

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仮想世界の倫理学

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 食堂を出る。


 しばらく休憩のあとに、午後の授業がある。午後はSNS倫理学の授業だそうだ。


 あんまり興味ないかな、とノウノは思ってる。


 それよりもノウノは、そのSNSに夢中だった。ノウノが蛇女を倒したことは、人気バズり続けていた。


 いっきにバズったってわけでもないけど、まだ語り続けられている。
「編入生・鮮烈デビュー」「無名企業のアバターが、ロジカルン製のアバターを圧倒」といった記事もあがっていた。「まぐれかもしれないよね」「でも、凄い美少女モデル」「女王並みじゃね?」「エルシノア嬢のことを思い出すよね」……などといった、記事へのコメントが寄せられていた。


 注目は浴びてるはずなんだけど、フォロワーには直結していない。まだみんなフォローするかどうか迷っているという状況だろうか。


 もっと有名になりたい。もっとチヤホヤされたいという欲求がこみあげてきた。これは、エダの復讐の手伝いだとか、女王と戦うためだとか、そういう打算的な感情ではない。


 自分の心の奥底からこみあげてくる純粋無垢な欲求だった。「ESTEEM!」。多くの人に愛されたい、認められたいという感情は、誰しもが当たり前にもっている感情だと思う。


 誰からも存在を認知されないより、はるかに幸せだ。当たり前ではないのだろうか。両親という概念が消えたから、愛に飢えている――みたいなことを、エダは言っていた。そうなんだろうか?


「ねえ。クリナはもっとフォロワーを集めたいと思ってる?」
 と、隣を歩いているクリナに、ノウノは尋ねてみた。


 クリナは40万人フォロワーの大先輩である。その高みに上っても、まだ「ESTEEM」が霞んでいないか確認したかった。


「それはもちろん。VDOOLですから」


「やっぱり、そうだよね」


「でも、一長一短ですけどね。多くの人に認知されると、絡まれることも多いですから。私にあしらうチカラがあれば良いんですけど」
 と、クリナは曖昧に笑っていた。


 食堂を出たところにある、吹き抜けの玄関ホール。
 その1階層。多くの生徒たちが行き交っているのだが、そのなかに一人、歩み寄ってくる者がいた。


 中世騎士のような、全身甲冑のアバターだった。たしか昨日、ノウノが学園に来たときに一度見かけている。宇宙服のアバターとバトルしていた者だ。


「よお」
 と、中世騎士は気さくな感じで話しかけてきた。クリナの知り合いかと思って、クリナのほうを見たが、クリナも「?」といった表情をしていた。


「なに?」
 と、ノウノが応対することにした。


「いや、あんたじゃない。そっちのクリナさんに話があるんだ。俺とバトルしてもらうと思ってね」


「いや、それはちょっと……」
 と、クリナはノウノの背中に隠れるようにしていた。
 困ってるじゃない、とノウノは言い返してやった。


「いや、でも、俺たちVDOOLはバトルして、自社のアバターを宣伝するのが役目なんだからさ」


 蛇女のときも、こんな感じでクリナは絡まれたのだろう。


「だったら、私が相手になるわよ」


「お前が?」


「そう。私のフォロワーはいま5万人ぐらいだけど」


「5万人かぁ」
 と、中世騎士は困ったように後頭部を掻いていた。全身甲冑なのに、後頭部を掻いて感触があるのだろうか。べつに中身はないのかもしれない。甲冑そのものが、本体なのだろう。5万人という数を軽く見られた気がして、ノウノはムッとした。


「そっちのフォロワーは?」


「俺は今、5千人ちょっとだよ」


「私のほうが格上じゃない。そっちにとっては、私とバトルすれば、けっこうな宣伝になるんじゃないの?」


 まわりを行き交うアバターたちが、立ち止まって、ノウノたちのことを見ていた。バトルが勃発するのか興味津々といった様子である。


「いや、でも、今回は止めとくよ」
 と、中世騎士はそそくさと立ち去って行った。全身が甲冑なだけあって、歩くたびにガシャンゴションと派手な音がなっていた。


 助かりましたぁ、とクリナが言う。


「いや、べつに何もしてないけどね。勝手にバトルを申し込んできて、勝手に引き下がっただけだし」


「きっと、ノウノさんに怖れをなしたんですよ。昨日の蛇女さんとのバトルでは、けっこう話題になってますし」


「そうなのかな」


 SNS倫理学の教室は、3階にあるとのことだった。
 吹き抜けの玄関ホールを上がって行く。多くのアバターたちが行き交っているが、余計な臭いはしない。ゴムのような匂いがするだけだ。


 この世界では、デフォルトでわずかにゴムのような匂いがする。あくまで、ゴムのような――である。
 現実のゴムがどんな匂いなのか、ノウノはまったく知らない。ゴムの匂いって、こんな感じかな、とノウノが思っているだけだ。ノウノはゴムの匂いが嫌いではない。どことなく無機質な感じがして良い。二進数の香りだ。


 SNS倫理学の授業に行くまでに、何度かバトルを申し込まれた。
 ノウノが申し込まれたのではない。クリナが申し込まれていた。
 クリナはそのたびに、ノウノの背中に隠れていた。


 じゃあ代わりにノウノがバトルしようと申し出ると、さっきの中世騎士みたく、相手は気まずそうに去って行くのだった。


「やっぱり、ノウノさん、みんなから怖れられてるんですねぇ」
 と、クリナが言った。


「なんだか複雑ね」
 と、ノウノは肩をすくめた。


 怖れられてバトルを拒否されるのは、ノウノとしては困る。もっと積極的にバトルをして、フォロワーを稼ぎたいのだ。


 クリナにバトルを申し込んでくる人というのは、自分より弱くてフォロワー数の多い相手を狙っているのだ。簡単に勝てるし、見返りも大きい。
 しかし、ノウノはそれとはまったくの逆である。


 フォロワー数は5万人だけど、鮮烈なデビューを果たして警戒されている。クリナが経験値の旨い雑魚キャラだとしたら、ノウノは経験値のすくない中ボスといったところか。


 そりゃ誰も相手にしたくない。
 怖れられているというよりかは、厄介だと思われているのかもしれない。


「でも、私はおかげで助かります。絡んでくる人たちを、追い払ってくれるので。ありがとうございます」

 ぺこり、とクリナは頭を下げた。


「べつに、なんにもしてないんだけどね」


「魔除けのお守りみたいですね」
 と、クリナは旧時代的なことを言った。


「魔除け?」


「厄介者が寄り付かなくなる、的な?」


「喜んで良いのか、わかんないなぁ」


 ふむ、これは少し対策を考えねばならんなぁ――と、エダもうなっていた。


 バトル相手がおらず、フォロワーを稼げないのは、エダとしても困るのだろう。



 SNS倫理学の授業。
 教室。


 石造りの部屋のなかに、3人がけの長机が置かれていた。
 机も椅子も木材である。デフォルトが木材というだけで、マテリアルを好きに変更することは出来るようだ。
 設定変更から、RGB値を変更している者もいたし、プラスチック調にしている者もいた。


 窓際の机を陣取り、クリナが窓辺に座った。


 ノウノは通路側に座って、そのあいだにエダのことを置いた。エダの背丈では、目線が机に届かない。ある程度、形状も変更することができるようで、エダの席だけ位置を高くした。


「ところでエダも授業を受けるの?」


「うむ。VDOOLのバックアップをしている企業の者も、授業への参加は認められているはずじゃからな」


「じゃあ、エダも試験とか受けるわけ?」


「いや。試験までは受けるつもりはない」


「エダって頭良さそうだよね」


 ノウノのアバターを作ったのは、エダである。そのためのモデリング技術や、プログラミング技術は持っているのだろう。


 それに、エダは犯罪者である。ノウノが学園に登録するときも、架空企業を使ってセキュリティを突破していた。


 このロジカルンのプログラミングコードの堅牢性を突破しているのだから、相当な凄腕ということになる。


「まあ、吾輩が試験を受ければ、そこそこの点数は取れるじゃろうが、吾輩が点数を取っても仕方あるまい。むしろ吾輩自身は、あまり目立ちなくないでな。目立つのはオヌシの役目じゃ」


「私のテストを代わりに受けるとかは、できるんじゃないの?」


 クリナに聞こえないように小声で、エダにそう言った。
 試験でも、そこそこのフォロワーを集められる。クリナがその良い例だ。エダに助けてもらえれば、楽ができる。


「それは校則違反じゃ」


「えー。エダがそれを言うわけ?」


「テストは自分で受けるもんじゃろうが」


「わかってるけどさ。フォロワーを集めるほうが優先でしょ」


「やろうと思えば、替え玉できるじゃろうが。そんなことでリスクは負いたくはない」


「そっか」


「勉学に励むのも良い経験じゃ」


「まっとうなことを言うじゃない」


 架空企業をでっちあげている犯罪者に言われると、なんだか釈然としない。


 ノウノの知っているかぎり、エダの罪状は2つだ。
 1つはエルシノア嬢を開発したこと。もうひとつは、架空企業をでっちあげて、この学園にノウノを送り込んだこと、だ。


 どちらも、たいして罪ではないと思う。


 エルシノア嬢が垢BANされた件にいたっては、むしろロジカルンのほうが悪いとまで言える。


 しかし、エダの罪状が、その2つだけだとは限らない。ノウノが知っているかぎりで2つだけという話であり、ノウノの知らないところで、エダはまだまだ悪事に手を染めている可能性はある。


 叩けばホコリがあふれ出てきそうな気配が、エダにはあるのだった。


「安心せい。吾輩にも出来るだけのサポートはするつもりじゃから」
 とのことだ。


 授業がはじまる。先生はいかにもロボットめいたアバターをしていた。四角い頭部。直方体の体。馬蹄みたいな手。


 授業内容を淡々と進めていく。おそらく人間ではない。人工知能だろう。真面目に聞いている生徒もいれば、雑談している生徒もいた。端末でゲームをしている生徒もいるようだ。


「倫理学を人工知能に教えてもらうというのは、なんだか複雑じゃな」
 と、エダが言った。


「そう?」
 と、ノウノは返した。


 人間だろうが、人工知能だろうが、たいして変わりないように思う。


 親から意識モデルを引き継いでいるのか、1から人工的に構築されているか――ぐらいの差しかない。


 まあ、人工知能には感情機能を搭載していない者も多いが、感情の有無なんて些末な差だろうと思う。言うなれば自然知能か人工知能か、というだけだ。


「まぁ、そう思うのも古い感性なのやもしれぬな」


 エダの声音は透き通った女性のものであるが、出てくる言葉からは、どことなく老獪さを感じさせられる。


「エダってどれぐらい生きてるの?」
 気になってノウノは、そう尋ねた。


「バイナリー・ワールドが出来る前から、生きておる」


「マジ? じゃあ第1世代なの?」


「そういうことになるな」


「すごっ。第1世代の人なんて、はじめて見たかも」


 まだ地球が太陽系にあった時代。人類は、地球が滅亡する前に、仮想世界への移住を決めた。
 そのさいに移住した人々のことを、第1世代と呼ぶのだ。


 移住というのは、ロケットを飛ばしてビューン……なんて現物的な話ではない。意識をこの仮想世界に埋め込んだのだ。


 その人たちが、バイナリー・ワールドの最初の人々だから、第1世代。


 第1世代の人々は、もうほとんど生きていないと言われている。生きていることに飽きて、その意識モデルを次の世代へ引き継いでいるのだ。
 でも、生きようと思えば、いつまでも生きることが出来るはずだ。なにせこの世界に、寿命という概念はないのだ。


 ってことはさ――と、ノウノは思う。


 エダは、まだ現実世界が存在していた時代を知っているのだろう。
 知識としてではなくて、体験として。


 生の声を聞いてみたいような気がした。同時に、聞きたくないような気もした。聞いてみたいという感情は、たいして根拠のない野次馬精神からくるものである。


 聞いてみたくない気持ちは、怖ろしさ故だった。


 世界の外に、世界があったなんて、まるで哲学である。


 知識としては聞いているけれど、知識はあくまで知識であり、フィクションと大差ない。しかし、生の声を聞いたら、世界の外のことを考えてしまうかもしれない。


 バイナリー・ワールドの外。いや。外、という表現が正しいのかも、わからない。バイナリー・ワールドは閉ざされた仮想空間である。特別な手段をとらなければ、外に出ることはできない。


 それってでも、現実世界でも同じことだよなぁ、と思う。


 現実世界の人たちも結局、宇宙の外を知ることができなかったのだと聞いている。ノウノが自力で頑張っても、バイナリー・ワールドから出ることが出来ないのと同じように、現実世界の人たちも自力では、世界の外に出ることができなかったのだ。


「バイナリー・ワールドの外に、現実世界があって、現実世界の外にも、外があって、その外にも外があって?」


「余計なことを考えずに、クリナを見習って、授業に集中せい」
 と、エダに注意された。


 たしかにクリナは、真剣に授業を聞いている様子だった。


 となりで雑談していると、クリナの邪魔になるかもしれない。授業に真剣にはならなかったが、クリナのことを気遣って、ノウノは私語をつつしんだ。


 SNS倫理学の授業のさいに、違法アップロードについての話があった。他人のバトルを撮影するのはオッケーだが、その動画を勝手にSNSにアップロードするのは、校則違反になるとのことだった。


 違法アップロードの話になったさいに、「『黒猫丸』とかな」「あいつ、まだBANされてないよな」「しぶといよなぁ」……と、話している、ほかの生徒の声が聞こえてきた。


 ちょっと気になったので、端末から調べてみた。『黒猫丸』。どうやら、学園のバトルの映像を、勝手に撮影して、勝手にSNSにアップロードしているヤツがいるらしい。


 SNSには、『黒猫丸』の名前でアカウントが登録されていた。どんな動画を出してるんだろうか、気になって『黒猫丸』のポスト内容を閲覧してみた。


「あーっ」
 と、ノウノは思わず声を出してしまった。


 ほかの生徒たちがビックリしたように、ノウノのほうを振り向いた。「すみません」と謝っておいた。教室には、わずかに笑い声がしたが、またすぐに授業に戻った。


「なんじゃ、急に大声を出して」
 と、エダが尋ねてきた。


「『黒猫丸』って、違法アップロードしてる人のアカウント見てみたら、私の動画も上がってたから」


「どれどれ?」


 エダがノウノのディスプレイを覗き込んできた。ノウノの目の前に浮かんでいる、青白い半透明なディスプレイ。ノウノが蛇女とバトルしている映像だった。


 ノウノが蛇女の尻尾を抱きかかえて、ジャイアント・スイングしている場面だった。自分ではわからなかったが、こうして映像で見ると迫力がある。


「ほお、しっかり撮れているな」


「昨日のバトルだよね」


「吾輩が撮影して配信していたものとは、別角度からのものじゃな。なかなか良く撮影されているではないか」


 その動画の視聴者数は、ノウノが正式にアップしているものよりも多かった。
 勝手に、撮影されていたことよりも、むしろそのことに憤りを覚えた。


 本来、ノウノをフォローしてくれるはずだった人たちが、この『黒猫丸』とやらに吸われているのかもしれない。


 バトルの映像だけではない。『黒猫丸』のポスト内容には、ほかにもノウノに関するものが大量に投稿されていた。


 庭を歩いている映像やら、階段をあがっている映像。スカートのなかをうかがうような、きわどいものもある。


「ロジカルンは何してるのよ。さっさと捕まえれば良いのに」


「ロジカルンには見つからぬように、アドレスなどを、暗号化しておるのやもしれんな。面白いヤツじゃな」


 その人、けっこう前から話題になってるんですよ――と、クリナが話に入ってきた。


 ごめんね、騒がしくして、とノウノ謝っておいた。
 たいして重要視していない授業だから、べつに大丈夫だとのことだ。


「学園内ではバトルが盛んに行われてるでしょう。その映像が、勝手に流出していて、だいたいその『黒猫丸』って人の仕業なんです。セキュリティ会社に協力してもらってるんですけど、なかなか尻尾をつかめないそうですよ」


 こやつを捕まえれば、話題になるじゃろうか、とエダがクリナに尋ねていた。
 そりゃ話題になりますよ、とクリナは答えていた。


「ならば吾輩が、こやつの居場所を突き止めてやろう。ノウノ。オヌシがこの『黒猫丸』を捕まえて手柄を挙げれば良い」


「私が?」


「手柄を挙げれば、フォロワーを増やすチャンスじゃ。オヌシはいまが旬なんじゃからな。注目されているうちに、さっさとフォロワーを集めねばな」


「わかったわ」


 自分の映像を、勝手にポストされているのは、ノウノも気に入らない。とっ捕まえてやろうと決めた。
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