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故意は水色、黄金色!?
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――はじめての一人旅。
不安はないと言ったらうそになる。
ひとたび沸き上がると静かな湖面に小石を投げ入れたように心を揺さぶる。
夏の日差しに揺れる常盤色の海。
ひとすじ刷いた田舎道。
涼やかな潮騒の音を響かせ、湿り気を帯びた熱風が走り抜ける。
「……遠い」
噴き出す汗をぬぐい、ため息を落とした。
目印のこんもりとした緑はずいぶん前から確認している。
歩いているのは田舎の一本道――迷いようがない。
「見えてるのに遠いって、どういうことよ?」
不安は苛立ちに変わり、堪えきれずに愚痴となって口をついて出る。
それは田舎の洗礼、第二弾。
(目的地が見えるのに遠い!)
それは実際に遠い。単に遮るものがなく近く感じるだけ。
見通しが――良すぎる。
(熱気で喉が焼けそう)
遅めの昼食を済ませたラーメン店から歩くこと十分。
小さな影が足元で踊る。真夏の日差しがツライ。
目指すはこんもりとした緑の黄泉寺。
そこまでいけば宿は目と鼻の先。
再びため息を落とした菜月を慰めるように赤トンボが旋回する。
ささくれた気持ちを弄ばれているようで口の端を下げた。
(……トンボにまでからかわれてる)
汗をぬぐって視線を道の彼方に向けた。
熱を孕んだ揺らめきの向こう見えたのは――。
(第一町人、発見っ!)
その姿に浮かれる前に、眉根が寄った。
「――?」
なにやら様子がおかしい。立っているにしてはずいぶんと身長が低い。
炎天下の道の真ん中で――座って――否、うずくまっている。
(……って、マズくない?)
「大丈夫ですか!?」
スーツケースを引きずって駆け寄ると、傍らに屈みこんでその様子をうかがった。
顔をうつむけて喘ぐように肩を大きく揺らすのは――涼しげなブルーグレイのスーツを着た青年。
緩く波打つ栗色の髪が彩る横顔は青白い。
少し離れた場所に転がる白い夏物の帽子。
「もしかして熱中症……?」
なけなしの保健体育の知識では、熱中症の対処法は木陰の風通しの良い涼しい場所へ移動させて休ませる、だ。
「……どうしよう」
不安をあおるように常盤色がざわめく。
ここに日陰などない。周囲に民家もなければ車も通らない。
助けを求めようにも相手がいない。
「――――っ!」
苦しそうに唸る青年の手が砂利を握り込んだ。
このままではいけないと思っていても、どうすればよいのか分からない。
「……水、を」
呻いてわずかに顔を上げた青年に鼓動が跳ね上がったのは緊張のせいだけではない。
途方に暮れる菜月に水を要求するが、手持ちがない。
あるのはリュックに押し込んだのはおやつと――。
「水じゃないんですけど、これなら……」
迷う余地はなかった。
青年は差し出したそれをひったくるような勢いで受け取り、キャップを捩じ切って黄金色の液体を一気に喉に流し込んだ。
長距離マラソンの給水スポットのような光景に目をしばたたかせた。
(……は?)
ペットボトルを握る手に奇妙な蕁麻疹。
そして水かきのような――。
天を仰ぐ栗色の髪の青年。
切れ長な目と鼻筋の通った端正な顔立ちは世間一般に言ういわゆるイケメン。
それは見上げた顔にそれさえなければの話。
「くち……!?」
口元が妙に黄色い。
否。唇にしては少し肉厚で尖っいて――哺乳類にあってはならないもの。
「はあぁぁっ?」
汗でずり落ちたメガネを押し上げ、目をこすってもう一度、確認。
一般的に大空を羽ばたくものについているデザイン――。
(ウソでしょ……!?)
「ぷっ……はあぁっ、生き返るぅぅ!」
飲み干した青年が歓喜の声を上げ、器用に口元をぬぐった。
「く、くち……!? えぇっ!? どえぇっ!?」
視線を上げて腰を抜かしそうになりながら驚愕と悲鳴が入り混じった声を上げた。
いささか行儀が悪い声だが見逃してほしい。
「――――っ!」
刹那、不意に端正な顔が再び苦痛に歪む。
眉根を寄せて低くうめいて胸元を鷲掴んだ。
ネクタイの結び目のあたりを握る手は関節が白く見えるほど。
そのまま腹を抱えるようにして身体を二つに折り曲げて崩れるように地面に膝をつく。
低く唸って小刻みに体を震わせる。
「え、うそ。……まさか」
驚きというより恐怖で菜月の鼓動が跳ね上がった。
(アレルギー!?)
差し出したそれには柑橘の成分が含まれていた。
アレルギーに悩む人は老若男女問わず。
だとしたら迷っている場合ではない。
「そうだ救急車!?」
苦悶の表情を浮かべる青年を前に携帯電話を握りしめた。
震える手がもどかしい。
「……ちょっと、待て」
がっし、とそれを阻むように青年が菜月の手を掴んだ。
額に汗を浮かべて肩を揺らし、荒い息を繰り返している。
頬には翡翠色の鱗のような奇妙な蕁麻疹。顔色も土気色だ。
「誰か助けを呼ばないと……!」
「なにを……?」
「なにって、お茶、レモンティーです!」
低く問われて震える声を返すが、そんな問答をしている場合ではない。
にらんだ青年の肩が、不自然に揺れていた。
「だから、かい。……なんじゃいこりゃぁぁ!?」
刹那――周辺に響き渡る大声。茂みに潜んでいた小鳥が飛び立った。
耳鳴りを残したのは昭和の刑事ドラマさながらの叫び声。
「え?」
危うく携帯電話を落としそうになった。
空のペットボトルを手に仁王立ちの青年を前に、言葉を失った。
菜月に一番的確な言葉を当てるのなら――硬直。
とりあえず、今すぐ命にかかわるということはなさそうだ。
(――夢だ。現実ではない)
処理能力を超えたそれに菜月はそう結論づけた。
なぜならそこにいたのは……黄金色の。
正確にはレモンティー色の。
「どえぇぇっ!?」
菜月を見下ろすモデルさながらの長身、緩く波打つ栗色の髪、端正な顔立ちは文句なしでイケメンと言っていいだろう。
それがなければ。
「だから水をくれって言ったのに。……参ったな。これから取引先との大事な会合があるってのに」
汗で張り付いた前髪をかきあげてペットボトルのラベルをまじまじと見て青年はうなだれた。
黄金色の肌と、黄色い――。
「クチバシ!?」
目元で翡翠色の鱗がきらりと光る。羽毛はない。
近いものを絵本で見かけた覚えがある。
「……カッパ?」
「――それ以外に何に見える? オレは夢の国のアヒルか?」
すかさず問い返して当の本人はあっさり認めた。
「お皿、ないですけど?」
「あるか、阿呆。あんなモノあっても邪魔だ」
「……び、病院に行かなきゃ! 変な病気かもしれない!」
「いや、ちょっと揶揄っただけだから大丈夫。昔の癖が出たんだよなぁ。本能って言うのかな、昔っから子供を見ると驚かす癖があってさぁ」
「――はああぁぁっ!?」
そんな癖があってたまるかい。
「大丈夫、命の恩人の尻子玉は頂かねぇよ」
そう言って豪快に笑った。
軽薄だ。軽すぎる。
吹けば舞い踊る羽毛より、風に乗り種を運ぶという任務を背負ったタンポポの綿毛よりも軽い。
(目の前にカッパがいる。暑さのせいで幻覚を見てるんだ。……夢だ)
不安はないと言ったらうそになる。
ひとたび沸き上がると静かな湖面に小石を投げ入れたように心を揺さぶる。
夏の日差しに揺れる常盤色の海。
ひとすじ刷いた田舎道。
涼やかな潮騒の音を響かせ、湿り気を帯びた熱風が走り抜ける。
「……遠い」
噴き出す汗をぬぐい、ため息を落とした。
目印のこんもりとした緑はずいぶん前から確認している。
歩いているのは田舎の一本道――迷いようがない。
「見えてるのに遠いって、どういうことよ?」
不安は苛立ちに変わり、堪えきれずに愚痴となって口をついて出る。
それは田舎の洗礼、第二弾。
(目的地が見えるのに遠い!)
それは実際に遠い。単に遮るものがなく近く感じるだけ。
見通しが――良すぎる。
(熱気で喉が焼けそう)
遅めの昼食を済ませたラーメン店から歩くこと十分。
小さな影が足元で踊る。真夏の日差しがツライ。
目指すはこんもりとした緑の黄泉寺。
そこまでいけば宿は目と鼻の先。
再びため息を落とした菜月を慰めるように赤トンボが旋回する。
ささくれた気持ちを弄ばれているようで口の端を下げた。
(……トンボにまでからかわれてる)
汗をぬぐって視線を道の彼方に向けた。
熱を孕んだ揺らめきの向こう見えたのは――。
(第一町人、発見っ!)
その姿に浮かれる前に、眉根が寄った。
「――?」
なにやら様子がおかしい。立っているにしてはずいぶんと身長が低い。
炎天下の道の真ん中で――座って――否、うずくまっている。
(……って、マズくない?)
「大丈夫ですか!?」
スーツケースを引きずって駆け寄ると、傍らに屈みこんでその様子をうかがった。
顔をうつむけて喘ぐように肩を大きく揺らすのは――涼しげなブルーグレイのスーツを着た青年。
緩く波打つ栗色の髪が彩る横顔は青白い。
少し離れた場所に転がる白い夏物の帽子。
「もしかして熱中症……?」
なけなしの保健体育の知識では、熱中症の対処法は木陰の風通しの良い涼しい場所へ移動させて休ませる、だ。
「……どうしよう」
不安をあおるように常盤色がざわめく。
ここに日陰などない。周囲に民家もなければ車も通らない。
助けを求めようにも相手がいない。
「――――っ!」
苦しそうに唸る青年の手が砂利を握り込んだ。
このままではいけないと思っていても、どうすればよいのか分からない。
「……水、を」
呻いてわずかに顔を上げた青年に鼓動が跳ね上がったのは緊張のせいだけではない。
途方に暮れる菜月に水を要求するが、手持ちがない。
あるのはリュックに押し込んだのはおやつと――。
「水じゃないんですけど、これなら……」
迷う余地はなかった。
青年は差し出したそれをひったくるような勢いで受け取り、キャップを捩じ切って黄金色の液体を一気に喉に流し込んだ。
長距離マラソンの給水スポットのような光景に目をしばたたかせた。
(……は?)
ペットボトルを握る手に奇妙な蕁麻疹。
そして水かきのような――。
天を仰ぐ栗色の髪の青年。
切れ長な目と鼻筋の通った端正な顔立ちは世間一般に言ういわゆるイケメン。
それは見上げた顔にそれさえなければの話。
「くち……!?」
口元が妙に黄色い。
否。唇にしては少し肉厚で尖っいて――哺乳類にあってはならないもの。
「はあぁぁっ?」
汗でずり落ちたメガネを押し上げ、目をこすってもう一度、確認。
一般的に大空を羽ばたくものについているデザイン――。
(ウソでしょ……!?)
「ぷっ……はあぁっ、生き返るぅぅ!」
飲み干した青年が歓喜の声を上げ、器用に口元をぬぐった。
「く、くち……!? えぇっ!? どえぇっ!?」
視線を上げて腰を抜かしそうになりながら驚愕と悲鳴が入り混じった声を上げた。
いささか行儀が悪い声だが見逃してほしい。
「――――っ!」
刹那、不意に端正な顔が再び苦痛に歪む。
眉根を寄せて低くうめいて胸元を鷲掴んだ。
ネクタイの結び目のあたりを握る手は関節が白く見えるほど。
そのまま腹を抱えるようにして身体を二つに折り曲げて崩れるように地面に膝をつく。
低く唸って小刻みに体を震わせる。
「え、うそ。……まさか」
驚きというより恐怖で菜月の鼓動が跳ね上がった。
(アレルギー!?)
差し出したそれには柑橘の成分が含まれていた。
アレルギーに悩む人は老若男女問わず。
だとしたら迷っている場合ではない。
「そうだ救急車!?」
苦悶の表情を浮かべる青年を前に携帯電話を握りしめた。
震える手がもどかしい。
「……ちょっと、待て」
がっし、とそれを阻むように青年が菜月の手を掴んだ。
額に汗を浮かべて肩を揺らし、荒い息を繰り返している。
頬には翡翠色の鱗のような奇妙な蕁麻疹。顔色も土気色だ。
「誰か助けを呼ばないと……!」
「なにを……?」
「なにって、お茶、レモンティーです!」
低く問われて震える声を返すが、そんな問答をしている場合ではない。
にらんだ青年の肩が、不自然に揺れていた。
「だから、かい。……なんじゃいこりゃぁぁ!?」
刹那――周辺に響き渡る大声。茂みに潜んでいた小鳥が飛び立った。
耳鳴りを残したのは昭和の刑事ドラマさながらの叫び声。
「え?」
危うく携帯電話を落としそうになった。
空のペットボトルを手に仁王立ちの青年を前に、言葉を失った。
菜月に一番的確な言葉を当てるのなら――硬直。
とりあえず、今すぐ命にかかわるということはなさそうだ。
(――夢だ。現実ではない)
処理能力を超えたそれに菜月はそう結論づけた。
なぜならそこにいたのは……黄金色の。
正確にはレモンティー色の。
「どえぇぇっ!?」
菜月を見下ろすモデルさながらの長身、緩く波打つ栗色の髪、端正な顔立ちは文句なしでイケメンと言っていいだろう。
それがなければ。
「だから水をくれって言ったのに。……参ったな。これから取引先との大事な会合があるってのに」
汗で張り付いた前髪をかきあげてペットボトルのラベルをまじまじと見て青年はうなだれた。
黄金色の肌と、黄色い――。
「クチバシ!?」
目元で翡翠色の鱗がきらりと光る。羽毛はない。
近いものを絵本で見かけた覚えがある。
「……カッパ?」
「――それ以外に何に見える? オレは夢の国のアヒルか?」
すかさず問い返して当の本人はあっさり認めた。
「お皿、ないですけど?」
「あるか、阿呆。あんなモノあっても邪魔だ」
「……び、病院に行かなきゃ! 変な病気かもしれない!」
「いや、ちょっと揶揄っただけだから大丈夫。昔の癖が出たんだよなぁ。本能って言うのかな、昔っから子供を見ると驚かす癖があってさぁ」
「――はああぁぁっ!?」
そんな癖があってたまるかい。
「大丈夫、命の恩人の尻子玉は頂かねぇよ」
そう言って豪快に笑った。
軽薄だ。軽すぎる。
吹けば舞い踊る羽毛より、風に乗り種を運ぶという任務を背負ったタンポポの綿毛よりも軽い。
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