てのひらの上で夢をみる

豆ちよこ

文字の大きさ
1 / 10

政略結婚

しおりを挟む

 「お帰りなさい、秋ちゃん!あなたの結婚相手が決まったわよ」
 
 養親から大事な話があると言われ、半年振りに里帰りしたら満面の笑みでそう切り出された。

 「け、っこん…」

 「そうだ。しかもお相手はあの、中条家の次男だぞ!やったな、秋」

 「立派なアルファ様よ!これで秋ちゃんも幸せになれるわね」

 「は、はぁ…、はい」

 喜ぶ養親を後目に、僕はいよいよ身売りされるのか、と目の前が真っ暗になった。
 12歳の時にオメガ養護施設から、立花家に引き取られ今年で10年。養親はとてもいい人達で、僕を本当の息子のように可愛がってくれた。オメガである僕の人権を無視する様な事も無かった。少なくとも今までは…。



 半年前、正月休みに帰省した時に養父の会社の窮状を聞かされた。そこそこ大手の製薬会社を経営する養父は、昨年開発した新薬に危険な副作用が存在する事を発見した。既に発売直前で広告やら販売ルートやら、相当資金を費やした挙げ句の頓挫だったらしく、会社は大きな損害を出した。それでなくても新薬の開発には莫大な資金がかかる。それは薬科大に通う僕にも充分すぎる程理解できた。つまり養父の会社は現状火の車なのだ。立て直す為には外部からの資金援助が必要だった。
 


 ーーーこれは政略結婚だ。

 中条家と言えば、ホテル産業、貿易業、不動産業と、国内だけに留まらず海外にも幾つものグループ会社を持つ名家中の名家。そしてアルファ至上主義の強者だ。
 次男とはいえ、そんな家に嫁ぐのか…。結婚とは名ばかりの子作りの道具だろうな。
 しかし拒否権はない。いや、寧ろ喜んで然るべきだろう。養親にはこれまで充分に可愛がって貰った。棄児だった僕を、オメガと知った上で引取り慈しんで育ててくれた。恩返しの意味でも、ここは有り難く受け容れよう。



 「こんな勿体無い縁談を用意してくれて、ありがとう。父さん母さん」

 にっこり笑って本音を飲み込む。大丈夫。こうなったら10人だろうが20人だろうが子供をポコポコ産んでやる。一度腹を括れば、後は与えられた使命を果たすだけだ。切り替えの早さが僕の長所なんだから。






******

 吹き抜けの高い天井から、豪華なシャンデリアが垂れ下がる。それは午後の陽射しを受けてあちこちに光を屈折させ、キラキラと輝いていた。

 綺麗だなぁ…。

 「中条双葉です。今日はわざわざ足を運んで頂き恐縮です」

 「………」

 「あ、秋ちゃん、ご挨拶っ」

 「へ? あ、はい。す、すみません。立花秋です。こちらこそ、お招き頂きありがとうございます」

 いけない。ついぼんやりと見惚れてしまった。
 顔合わせと今後についての話し合いをと、中条家の別宅に呼ばれた。そこは本当に別宅かと思うくらい豪奢な建物で、僕達親子は緊張しっぱなし。しかも初めて会う僕の結婚相手の中条双葉さんは、想像していた以上の美丈夫だった。それこそ、天井のシャンデリアが霞むくらい。

 「そんなに緊張しないで。私達は夫婦になるんですよ」

 『夫婦』という言葉に、カァっと顔が朱くなる。本当にこんな人が僕の結婚相手なの?何か騙されているんじゃない?それとも、何かとんでもない趣味を持っているとか…。
 横に座る両親を見る。駄目だ。完全にこの場違い感に飲まれている。ここは僕がしっかりしなきゃ。俯いて大きく深呼吸した。

 「はい、すみません。とても緊張はしていますが、大丈夫です。それで、今後についてのお話と伺いましたが、どの様な…」

 僕はしっかりと顔を向け、紅茶色のキラキラした双葉さんの目を見ながら、来訪の目的について問いかけた。

 双葉さんはそれはそれはうっとりする笑顔で僕を見て、低めの落ち着いた優しい声色で応えてくれる。

 「では、私と秋さんの今後について、少しご相談をさせて貰ってもいいですか?」
 「僕と、…中条さんの? 仕事のお話ではないのですか?」

 てっきり会社の今後についてかと思っていたのに、どうやらそうじゃないらしい。
 相変わらずにっこりと笑う双葉さんは、何だか考えの読めない雰囲気の人だ。

 「秋さん。よかったら少し、庭の散策をしませんか?外は暑いですが、風通しのいいガゼボの下なら、然程居心地は悪くありません。冷たい飲み物を運ばせますので、是非」

 「は、…はい」

 立ち上がり僕の側まで来ると、す…と手を差し伸べられた。少し戸惑ったけど、その手を取って誘われるまま庭へ出る。

 緑が眩しい英国調の庭園は、とても手入れが行き届いていて美しい。処々に動物型に切り揃えられた低木が出迎えてくれて、調和の取れた美しさと遊び心の詰まった楽しいお庭だ。
 小さな水路が小川のように造られていて、その水面が太陽の光でキラキラと跳ねる。チョロチョロという水音に鼓膜を擽られ、いつの間にか僕の緊張は何処かへ流されたみたい。

 「よかった。少しは緊張が解れたみたいだね」
 「…え?」
 「ガチガチだったよ、さっきまで」
 
 悪戯っぽく笑う双葉さんも、ぐうっと腕を上に上げて背中を伸ばしている。もしかして、この人も緊張してたのかな?

 「ああいう堅苦しいのは苦手なんだ。けど、初顔合わせでだらしない所なんか見せられないだろ。あれでも結構頑張ったんだよ」

 ああ。この人なら大丈夫だ。僕は何故だかそう直感した。自然と口角が上がる。

 「改めてよろしく、秋さん」
 「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

 真夏の太陽みたいに燦々と降り注ぐ陽射しのような、眩しい笑顔だった。







******

 「…秋、起きなさい。…秋っ!」 

 「ひっ、ひゃい!」

 しまった…。またやってしまった。
 リビングのソファでちょっと横になったつもりが、いつの間にか深く眠り込んでいたらしい。
 
 「ご、ごめんなさい!す、すぐにご飯の支度します」

 時計の針は午後9時を回っている。パタパタと大急ぎでキッチンへと向かう僕を、大きな溜息が追いかけてきた。
 ああ…。また呆れられた。己の不甲斐無さにもう涙も出ない。自分がこんなにダメ人間だなんて、結婚するまで知らなかった。

 中条双葉さんと結婚してそろそろ1年になる。婚約中に色々と話し合った結果、僕は大学を卒業後そのまま院へと進み、ゆくゆくは実家である立花の会社へ研究員として身を置くべく、勉強を続けている。
 一方の双葉さんも、グループ傘下の会社を幾つか任されていて、いつも忙しそうに国内外を飛び回っていた。
 僕が腹を括って覚悟した子作りも、暫くは互いのやるべき事に専念する為、当分は作らない方向で話が纏まった。
 これには正直ほっとした。ほっとしたんだけど……。 

 「あ、あの双葉さん。ご飯、出来ました」
 「…ああ、今行く」

 テーブルに並べた一人分の食事。それを見た双葉さんはまた小さく溜息をつく。けれど黙って席に着くと両手を合わせて一礼し、黙々と僕の作ったお粗末な食事に手を付けた。
 今夜は鶏の照り焼きと小松菜の炒り浸し。里芋とネギの味噌汁に五穀米のご飯。本当は焼き茄子も付けるつもりだったけど、時間が掛かるから諦めた。

 「秋、ちょっとそこへ座って」
 
 お茶を出そうと用意していたら、双葉さんに向かいの席へと呼ばれる。…またお説教かな。

 「…はい」
 
 項垂れて席に着くと、箸を置いた双葉さんにジッと見られた。チラッと上目遣いで覗くように視線を向けると、無表情の双葉さんが口を開く。

 「秋。学業と家事の両立が難しいなら、家政婦を雇うと言ったよな」
 「……はい」
 「要らない。自分がやる。秋はそう言ったよね。 どう? 今、ちゃんと出来てる?」
 「……ぃぃぇ」
 「声が小さいよ。どっち?」
 「……出来てません」

 そうなのだ。結婚当初、双葉さんは僕の負担を少しでも軽くしようと、家政婦を雇おうとしてくれた。でもただでさえ人見知りの僕には、例え家政婦といえども他人に家の中を動き回られるのが嫌で、折角の好意を断ってしまった。元々家事は得意だったし、一人暮らしもしていたのだから大丈夫だろうと高を括っていた。けれど、院の研究課程はかなりシビアで泊まり込む事も多く、その結果家の事が疎かになってしまうのだ。

 「来週から週3日、家政婦に来てもらうよ。いいね」
 「………はぃ」

 ますます僕の存在意義が薄れた瞬間だった。こんなんで本当にいいのだろうか。夫婦らしい事なんか、もう他に何も無いよ。だって……

 「ところで。 …あっちはどうなってる?」
 
 ギクリ。この話題は苦手だ。どうしたって劣等感に苛まれる。

 「……まだ、みたいです」
 「…そうか」

 双葉さんはそれ以上何も言わず、再び箸を持ち上げ食事を続ける。居たたまれなくなった僕は、今度こそお茶の用意をする為にトボトボとキッチンへと向かった。


 

 僕はオメガだ。オメガは男性でも子宮があり、子を成す事が出来る。思春期から成年期にかけて第二次性徴期を迎えたオメガには、本来なら発情期が訪れ子を宿す子宮の成熟を促すのだ。…が、僕には未だにその発情期が来ていない。
 婚前健診の時にオメガ専門病院では、未熟なだけで何れはちゃんと妊娠できますよと言われたが、その何れがいつなのかは分からない。
 診断結果を双葉さんに伝えると『秋はまだ子供って事だな』と笑われた。それから『秋の身体がちゃんと大人になるまでは、夫婦の営みはおあずけにしよう』そう提案されてしまった。だから僕達夫婦は、もうすぐ結婚して1年になるというのに、未だに清い仲のまま。
 その負い目もあって、せめて家事くらいはきちんとやりたいと思っていたのに。それすらちゃんと熟す事も出来ない僕は、この夜も双葉さんとは別々の寝室で、一人鬱々と夜を過ごす事になったのだ。



 
 

 

******

 カレンダーを見て、小さな印に溜息が出る。もうすぐ僕と双葉さんの結婚記念日。相変わらず僕の発情期はやってくる気配もない。

 「秋さんっ!お鍋、吹いてますよ!」
 「えっ? あ、っ!…っつ」
 「あら、大変!は、早く冷やしてください」

 吹きこぼれる鍋の蓋を慌てて持ち上げたら、指先を火傷した。もう…、何やってるんだ僕は。
 じくじくと痛む指先より、胸の奥がキリキリとする。

 「あらあら、どうしましょう。痛みますか?」
 「いえ。大丈夫ですよ、このくらい」

 先週から月、水、金の3日、この家に通いでやって来る家政婦の有沢さんは、50代のふくよかな女性でとても穏やかで親切な人だ。
 
 「有沢さん、ごめんなさい。僕が余計な事をしたばっかりに、心配かけちゃって」
 「いいんですよ。旦那様の為にお料理がしたいなんて言われたら、私に止める資格はありませんもの」

 優しく微笑んでくれる、お母さんみたいな有沢さんに癒やされる。
 今日は金曜日。研究室の行程が一段落ついたので、久々に夕飯の支度をしたいと有沢さんにお願いした。献立から一緒に考えてくれて、折角ここまで上手くいってたのに…。

 「僕、もうあっちで大人しくしています。後をお願いしてもいいですか?」
 「それは勿論構いませんけど、秋さんはそれでよろしいんですか?」
 「…はい。ゆ、指も痛いし、お任せします」

 本当は僕が作りたかった。でもこれ以上、有沢さんに迷惑をかける訳にはいかない。にっこり笑ってぺこりと頭を下げた後、自室へと逃げ込んだ。
 
 柔らかいベッドにぽふんと身を投げ、やるせなさを噛み締める。何だか僕は、結婚してからダメダメだ。何をやっても上手くいかない。
 この頃はいつ双葉さんに、三行半を叩きつけられてしまうのかと、ビクビクしてしまう毎日だ。お陰でまともに双葉さんの顔も見られない。
 僕が双葉さんに離婚を言い渡されたら、立花の家は、会社はどうなってしまうんだろう。不甲斐ない僕のせいで、両親にまで迷惑をかける事になってしまったら…。
 そしたらもう、……生きていけない。

 悲しくて怖くて、情けない事に涙が出てきた。このままじゃダメなのに…。泣いたってどうにもならないのに…。

 コンコン

 ノックの音と共に「入るよ」と双葉さんの声がする。どうしよう。…泣いてる所なんか見られたくない。
 急いで目を擦る。ガチャっとドアを開けて、双葉さんが部屋に入って来た。

 「秋。火傷をしたんだって? 見せてごらん」
 「だ、大丈夫です。すぐに冷やしたし、もう痛くありません」
 「いいから。見せなさい」

 有無を言わせない双葉さんの言葉に、恐る恐る手を前に出す。双葉さんは僕の前に跪くと、その手をそっと握ってまだ少し赤い指先をジッと見て、それから僕と視線を合わせた。

 「まだ少し赤いね。本当に痛くない?」

 僕はうんうんと小さな頷きを繰り返す。口を開いたら、何だか泣いてしまいそうだったから。

 「…そう。 ねぇ、秋」

 呼ばれてもう一度、双葉さんの目を見た。紅茶色のキラキラした瞳に、僕が映ってる。榛色の柔らかそうな髪と同じ色の長い睫毛が、ゆっくりと閉じて、それからまたゆっくりと開いた。
 
 「俺の為に、食事の支度をしてくれようとしたんだって?」
 「っ、…」
 「秋のその気持ち、凄く嬉しいよ。ありがとう」
 「…ふ、ぅ、…ふぇ…」

 ダメだ…。久しぶりに優しい言葉をかけられて、緩んでいた涙腺が決壊してしまった。

 「ご、ごめ…なさい。…ぼく、僕…上手く、出来な、…て」
 「泣かなくていいんだよ。秋の気持ちが嬉しいと言っただろう」

 並んでベッドに座った双葉さんが、そっと僕の肩を抱きながら優しく諭すようにそう言った。

 ああ…、僕はこの人が好きだ。

 始まりは形ばかりの政略結婚だったけれど、この1年側に居て一度たりとも逃げ出したいとは思わなかった。それどころか、もっとこの人を知りたい、もっと近くに行きたい、ずっと一緒に居て欲しいと、欲ばかり膨らませている。
 僕は双葉さんに嫌われたくない。だから彼の為に何かしたいと、空回りばかりしてしまうのだろう。
 こんなに居心地のいい場所にいるのに毎日が不安だったのは、双葉さんに呆れられ捨てられたくないという思いがあるから。

 「双葉さん。僕、僕、…双葉さんが好きです」
 「…秋」
 「双葉さんに、き、嫌われたくないです」
 「嫌うもんか。ありがとう秋。俺も秋が好きだよ」
 「ほ、ほんと?」
 「ああ。大好きだ」

 誂うようにそう言ってくれる双葉さん。…嬉しい。でも、きっと、これは僕の片想いだね。10歳も年下の、発情期も来ない出来損ないのオメガなんか、双葉さんにしてみたら小さな子供と一緒だもの。
 
 「…嬉しいです」

 どうせ子供なら、とことん甘えてやるんだ。
 僕は双葉さんにぎゅっと抱きついた。ジャスミンの様な爽やかな、双葉さんの匂いがふわっと鼻孔を抜けていく。この匂いはどこか懐かしくて、とても落ち着く。それなのに、いつからだろう。こんなにもドキドキする様になったのは……。










******

 初めてあの子を見かけたのは、母の慈善事業の手伝いに駆り出された16歳の春。様々な事情で親元から離された子供達が過ごす、児童養護施設だった。
 6歳になったばかりの秋は、部屋の隅で床にぺたりと座り、一人黙々と積み木を重ねて遊んでいた。
 
 その姿がやけに気にかかり、歩み寄って話しかけた。

 『何してるの?』
 『おうち、つくってるの』
 『おうち?』
 『うん。あきのおうち。…ないから』
 『っ、…あっちで皆と遊ばないの?』
 『…ひとりでいい』

 小さな身体はどこもかしこも細く頼りない。今にも消えてしまいそうな儚さだった。
 この小さな子供を護りたい。唐突にそう思った。この子の『おうち』を俺が造ってあげよう。そしてその中で大事に大事に育ててあげる。

 家に帰ってからも、あの子の事ばかり気になって仕方がなかった。グズグズしていたら誰かに取られてしまうんじゃないか。もしかしたら消えて居なくなってしまうんじゃないか。居ても立っても居られなくなり母にそう告げると、せめてバース性がはっきり分かるまで待ちなさい、と止められた。

 それからも度々養護施設に足を運んでは、あの子を影から見守った。少しづつ成長していく姿に胸が高鳴る。もう少し、あと少し。そうやって手を拱いている内に、あの子は突然施設から姿を消した。
 親に聞いても知らぬ存ぜぬを貫かれ、挙げ句家の為にと婚約者まで用意された。けれど俺の意思は変わらない。あの子を手に入れる為なら家だって捨ててやる。大学を卒業し、やがて社会へと足を踏み入れても意思は変わらず、いつしか親も諦めたんだろう。
 グループ傘下の、業績の落ちている数社の立て直しが全て出来たら、望みを叶えてくれると約束を取り付けた。 

 そして漸くここまで来た。
 俺の可愛い秋。お前は何も知らないだろう。立花の家に養子に迎えられたのも、その会社の不渡も、全てはお前を手に入れる為に仕組まれた罠だなんて…。

 知らなくてもいいよ。知る必要もないさ。
 お前の『おうち』は、俺が全部用意してあげる。
 発情期が来ない事を、気に病んでいるのは分かっていた。
 けれどそれがなんだ。俺は全く気にもしていない。寧ろそのお陰で、今まで無事でいてくれた事を、神に感謝すらしている。
 だから焦る事はないんだよ。

 少しづつ堕ちておいで。
 この手の中に…。
 
 
 
 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

彼は当て馬だから

藤木みを
BL
BLです。現代設定です。 主人公(受け):ユキ 攻め:ハルト

処理中です...