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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
40.鍵の処遇を決めます。
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貴族の争族に巻き込まれた私は、最初から遺産の鍵を握っていた事と遺言の本当の意味を知った。
そして、どうやら現時点を以てヘルデス家の遺産を相続したらしいのだが、驚くほど実感が湧かない。
「どうしたアレク?扉の向こう、何があったんだ?」
そうか、テルマの位置からは見えないのか。
「(スタスタスタ……スッ)」
「何だ?鍵なんて差し出して……」
「直接、自分の目で見て。その方が早い。」
「(ハシッ)……まぁ、良いけどよ。(スタスタスタ………)」
「……はぁ。」
「(シュクッ)ん?」
……クローゼットが宝物庫になってしまった。やるなら地下とかにすべきだったな。
「(カチッ…カチカチッカチッ)おい、アレク?」
ここの財宝を全て何処かに移すか?……やるとしたら、相当時間がかかるな。
「アレク、聞いてんのか?」
このことが広まれば狙われるのは目に見えているし……このまま秘匿するしかないか?
「アレクゥゥゥ!!」
「うぉっ!?な……何だ?」
「鍵…(カチッカチカチッ)…出ねえんだけど。」
「……は?」
「(スッ)もう一回出してくれ。」
「あ…あぁ……(ハシッ)」
ブローチを受け取る。
「こうやってブローチの宝石を押すと(カチッ…カション)はい。(スッ)」
「おう。(シュッ)あ……」
「えっ?……引っ込んだ?」
「無駄ですよ。そのブローチはアレクさんにしか使えません。」
「……どう言う事だ?」
「恐らく、マサールさんからアレクさんに所有権の譲渡が行われたのでしょう。誰でも使えては鍵の意味がありませんからね。」
「なっ!?」
「そういえば、遺言にもあったな?自分の死後に最初に鍵を握ってた奴にくれてやるって。」
「なるほど。それが鍵の譲渡条件だったんでしょうね。」
「…えっと……つまり………」
「要するに、この鍵はお前にしか使えなくなったって事だ。だよな?」
「えぇ、そうです。これでヘルデス家の遺産は、正真正銘アレクさんのものですね。」
「………」
してやられたな。遺族への嫌がらせの為にまんまと利用されたって訳か。
勘弁してくれ。おかげで、ヘルデス家と変な因縁が結びついて離れられなくなったじゃないか。
「そんな浮かない顔すんなよ。俺が欲しいくらいだぜ?」
「だったらテルマ、この鍵をお前に譲渡して良いか?」
「は?」
「今後も連中の残党がイチャモンを付けて来るのは目に見えてるだろ?少なくとも、連中は私が持っていると考える筈だ。なら、既に疑いの晴れたテルマが持っていても狙われることはないだろ?」
何より、テルマが持っている方がマサールさんも本望だと思う。
「……そりゃあ、俺としても願ったりだが、どうやって譲渡すんだ?」
「現時点を以て、私はこの鍵の所有権をテルマに譲渡する。(スッ)受け取れ。」
「(ハシッ)…あ、あぁ……」
「それじゃあ、試しに押してみてくれ。」
「(カチカチッ)……やっぱり出ないな。(スッ)」
「(カチッ…カション)…………だよな。」
やっぱり死なないと譲渡出来ないのか?けど、それを実際に試すわけにもいかないしな……
「こりゃあ、ほとぼりが冷めるまで外出は控えた方が良いな。」
「…だな。」
「まぁ、心配しなくてもいざとなったら素直にこの鍵を渡せば良いんですよ。アレクさんにしか使えないんですから。」
「それ、1番の悪手だろ。」
「そうだな。あくまで連中が欲しいのは鍵じゃなくて遺産だからな。」
「……開けられない貯金箱を渡すようなものですかね。」
「そうだ。煽ってる様にしか見えないし、何らかのきっかけで秘密がバレれば飼い殺しコース待った無しだ。」
兎にも角にも、このまま隠し持っているのが1番だな。それまでは封印だ、封印。
「まぁ、アレクさんを捕らえられる檻なんて早々なさそうですけど。」
「それについては俺も同意見だ。」
そういう問題じゃないんだよ……とは、いえなかった。
解せぬ。
そして、どうやら現時点を以てヘルデス家の遺産を相続したらしいのだが、驚くほど実感が湧かない。
「どうしたアレク?扉の向こう、何があったんだ?」
そうか、テルマの位置からは見えないのか。
「(スタスタスタ……スッ)」
「何だ?鍵なんて差し出して……」
「直接、自分の目で見て。その方が早い。」
「(ハシッ)……まぁ、良いけどよ。(スタスタスタ………)」
「……はぁ。」
「(シュクッ)ん?」
……クローゼットが宝物庫になってしまった。やるなら地下とかにすべきだったな。
「(カチッ…カチカチッカチッ)おい、アレク?」
ここの財宝を全て何処かに移すか?……やるとしたら、相当時間がかかるな。
「アレク、聞いてんのか?」
このことが広まれば狙われるのは目に見えているし……このまま秘匿するしかないか?
「アレクゥゥゥ!!」
「うぉっ!?な……何だ?」
「鍵…(カチッカチカチッ)…出ねえんだけど。」
「……は?」
「(スッ)もう一回出してくれ。」
「あ…あぁ……(ハシッ)」
ブローチを受け取る。
「こうやってブローチの宝石を押すと(カチッ…カション)はい。(スッ)」
「おう。(シュッ)あ……」
「えっ?……引っ込んだ?」
「無駄ですよ。そのブローチはアレクさんにしか使えません。」
「……どう言う事だ?」
「恐らく、マサールさんからアレクさんに所有権の譲渡が行われたのでしょう。誰でも使えては鍵の意味がありませんからね。」
「なっ!?」
「そういえば、遺言にもあったな?自分の死後に最初に鍵を握ってた奴にくれてやるって。」
「なるほど。それが鍵の譲渡条件だったんでしょうね。」
「…えっと……つまり………」
「要するに、この鍵はお前にしか使えなくなったって事だ。だよな?」
「えぇ、そうです。これでヘルデス家の遺産は、正真正銘アレクさんのものですね。」
「………」
してやられたな。遺族への嫌がらせの為にまんまと利用されたって訳か。
勘弁してくれ。おかげで、ヘルデス家と変な因縁が結びついて離れられなくなったじゃないか。
「そんな浮かない顔すんなよ。俺が欲しいくらいだぜ?」
「だったらテルマ、この鍵をお前に譲渡して良いか?」
「は?」
「今後も連中の残党がイチャモンを付けて来るのは目に見えてるだろ?少なくとも、連中は私が持っていると考える筈だ。なら、既に疑いの晴れたテルマが持っていても狙われることはないだろ?」
何より、テルマが持っている方がマサールさんも本望だと思う。
「……そりゃあ、俺としても願ったりだが、どうやって譲渡すんだ?」
「現時点を以て、私はこの鍵の所有権をテルマに譲渡する。(スッ)受け取れ。」
「(ハシッ)…あ、あぁ……」
「それじゃあ、試しに押してみてくれ。」
「(カチカチッ)……やっぱり出ないな。(スッ)」
「(カチッ…カション)…………だよな。」
やっぱり死なないと譲渡出来ないのか?けど、それを実際に試すわけにもいかないしな……
「こりゃあ、ほとぼりが冷めるまで外出は控えた方が良いな。」
「…だな。」
「まぁ、心配しなくてもいざとなったら素直にこの鍵を渡せば良いんですよ。アレクさんにしか使えないんですから。」
「それ、1番の悪手だろ。」
「そうだな。あくまで連中が欲しいのは鍵じゃなくて遺産だからな。」
「……開けられない貯金箱を渡すようなものですかね。」
「そうだ。煽ってる様にしか見えないし、何らかのきっかけで秘密がバレれば飼い殺しコース待った無しだ。」
兎にも角にも、このまま隠し持っているのが1番だな。それまでは封印だ、封印。
「まぁ、アレクさんを捕らえられる檻なんて早々なさそうですけど。」
「それについては俺も同意見だ。」
そういう問題じゃないんだよ……とは、いえなかった。
解せぬ。
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