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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
39.遺産を相続されました。
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学園を停学になった私は、貴族の争族に巻き込まれた。その後、何とか屋敷から脱出したのだが……どうやら、知らない間に受け取っていたブローチが遺産の鍵だったらしい。
「とにかく、これで遺産はアレクのものだな。」
「いやいやいや……鍵があってもその鍵で開ける箱か扉がここにないんじゃ意味がない。またあそこに舞い戻るなんてゴメン被る。そもそも、これが遺産の鍵とは限らないだろ?」
「いいや、受け取ったタイミングやその時の言動からして、そいつは本物で間違いないだろう。あと、箱や扉の話については、前もしたよな?で、あの爺さんがそんな簡単でつまらん仕掛けを用意する訳ないって結論に至った筈だが?」
「……あぁ、そうだったな。」
そういえば、鍵付きの何某はヘルデス家の連中が片っ端から壊しまくってたんだっけか?今聞いても気が狂ってんな。
「お前、昨日俺が見せたメモは覚えてるか?」
「もちろん。確かあのメモには、『鍵で』じゃなくて『鍵に』封じたと書いてあったな。けど、鍵に封じたって何だよ?この鍵にマジックバックの機能が付随してるとでも言うのか?」
「そこに気付くとは、お二人とも流石ですね。」
「「……へ?」」
唐突に、オルブが話に割り込んで来た。
「ご明察の通り、この鍵は特定の鍵穴に差し込むことを目的とした鍵ではありません。」
「特定の……」
「鍵穴…?」
「僕が使い方をお教えしますよ。えっと…(キョロキョロ)アレクさん、あそこに鍵穴付きの扉があるじゃないですか。」
「えっ…と……あのクローゼットの事か?」
「はい。あそこの鍵穴にその鍵を差し込んで回してみてください。」
「いや、あの扉の鍵穴は……」
「良いから、やってみてください。」
「あ…あぁ……(テクテクテクテク)」
オルブの気迫に押されるようにしてクローゼットの方へ向かう。
「…(スッ)」
でもこの鍵穴、ただの飾りなんだけど……
「(チャカッ)」
と、思いつつも鍵穴へと差し込む。そして回す……
「(カチッ……チャカン)……ん?」
開錠音?
「……やっぱり、本物だ。」
「本物?」
「アレクさん、そのまま扉を開けてみてください。」
「……わかった。(キィィ……)」
オルブに促されるまま、恐る恐る扉を開ける。
すると、扉の奥には数多の古着……
〈シャラララァァァン……〉
…の代わりに、黄鉄鉱とは別格の荘厳な輝きを放つ見渡す限りの黄金が現れた。
さらに、部屋の彼方此方には絵画やら宝石やら骨董品の類まであった。
「(バタン)………」
あまりにもベタ過ぎる。白昼夢か錯覚かもしれない。もう一度……
「(ガチャッ…キィィ……)」
〈シャラララァァァン……〉
「(バタン)……オルブ、何だこれは?」
「次元鍵です。」
「……次元鍵?」
「差し込んだ扉を須く収納空間に繋げる鍵です。平たく言えばマジックバックの鍵版ですね。」
「………なるほど。」
鍵に封じた……って、そういう意味かよ。
「それにしたって、何でこんなまどろっこしい真似を……?」
「質問を返す様ですが、絶対に破れない南京錠とはどんなものだと思います?」
「……難しいな。あまり鍵開けに詳しくないからなぁ。」
「答えは至ってシンプルで、鍵穴が無い南京錠なんです。」
「鍵穴が………無い?」
「鍵穴がある限り、鍵師はその情熱と矜持に賭けて必ず開けてみせるでしょう。しかし、情熱を注ぎ、矜持を向ける鍵穴がなければ手の出しようがありません。打つ手がありません。」
「……なるほど。そう考えると、この鍵……物凄く惨いな。」
「全くです。いわば鍵穴そのものがこの世に存在しないんですから、情熱もへったくれもありません。」
「………なるほど。」
なんというか、マサールさんの執念を感じるな。
故に、本当にこの鍵に遺産の全てが封じられてるんだろうと思う。
「………」
けど、驚くほど実感が湧かないな。何かの間違いじゃないだろうか?
「とにかく、これで遺産はアレクのものだな。」
「いやいやいや……鍵があってもその鍵で開ける箱か扉がここにないんじゃ意味がない。またあそこに舞い戻るなんてゴメン被る。そもそも、これが遺産の鍵とは限らないだろ?」
「いいや、受け取ったタイミングやその時の言動からして、そいつは本物で間違いないだろう。あと、箱や扉の話については、前もしたよな?で、あの爺さんがそんな簡単でつまらん仕掛けを用意する訳ないって結論に至った筈だが?」
「……あぁ、そうだったな。」
そういえば、鍵付きの何某はヘルデス家の連中が片っ端から壊しまくってたんだっけか?今聞いても気が狂ってんな。
「お前、昨日俺が見せたメモは覚えてるか?」
「もちろん。確かあのメモには、『鍵で』じゃなくて『鍵に』封じたと書いてあったな。けど、鍵に封じたって何だよ?この鍵にマジックバックの機能が付随してるとでも言うのか?」
「そこに気付くとは、お二人とも流石ですね。」
「「……へ?」」
唐突に、オルブが話に割り込んで来た。
「ご明察の通り、この鍵は特定の鍵穴に差し込むことを目的とした鍵ではありません。」
「特定の……」
「鍵穴…?」
「僕が使い方をお教えしますよ。えっと…(キョロキョロ)アレクさん、あそこに鍵穴付きの扉があるじゃないですか。」
「えっ…と……あのクローゼットの事か?」
「はい。あそこの鍵穴にその鍵を差し込んで回してみてください。」
「いや、あの扉の鍵穴は……」
「良いから、やってみてください。」
「あ…あぁ……(テクテクテクテク)」
オルブの気迫に押されるようにしてクローゼットの方へ向かう。
「…(スッ)」
でもこの鍵穴、ただの飾りなんだけど……
「(チャカッ)」
と、思いつつも鍵穴へと差し込む。そして回す……
「(カチッ……チャカン)……ん?」
開錠音?
「……やっぱり、本物だ。」
「本物?」
「アレクさん、そのまま扉を開けてみてください。」
「……わかった。(キィィ……)」
オルブに促されるまま、恐る恐る扉を開ける。
すると、扉の奥には数多の古着……
〈シャラララァァァン……〉
…の代わりに、黄鉄鉱とは別格の荘厳な輝きを放つ見渡す限りの黄金が現れた。
さらに、部屋の彼方此方には絵画やら宝石やら骨董品の類まであった。
「(バタン)………」
あまりにもベタ過ぎる。白昼夢か錯覚かもしれない。もう一度……
「(ガチャッ…キィィ……)」
〈シャラララァァァン……〉
「(バタン)……オルブ、何だこれは?」
「次元鍵です。」
「……次元鍵?」
「差し込んだ扉を須く収納空間に繋げる鍵です。平たく言えばマジックバックの鍵版ですね。」
「………なるほど。」
鍵に封じた……って、そういう意味かよ。
「それにしたって、何でこんなまどろっこしい真似を……?」
「質問を返す様ですが、絶対に破れない南京錠とはどんなものだと思います?」
「……難しいな。あまり鍵開けに詳しくないからなぁ。」
「答えは至ってシンプルで、鍵穴が無い南京錠なんです。」
「鍵穴が………無い?」
「鍵穴がある限り、鍵師はその情熱と矜持に賭けて必ず開けてみせるでしょう。しかし、情熱を注ぎ、矜持を向ける鍵穴がなければ手の出しようがありません。打つ手がありません。」
「……なるほど。そう考えると、この鍵……物凄く惨いな。」
「全くです。いわば鍵穴そのものがこの世に存在しないんですから、情熱もへったくれもありません。」
「………なるほど。」
なんというか、マサールさんの執念を感じるな。
故に、本当にこの鍵に遺産の全てが封じられてるんだろうと思う。
「………」
けど、驚くほど実感が湧かないな。何かの間違いじゃないだろうか?
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***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
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