薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…

6.3人で迷宮へと降ります。

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「おっと……取り込み中でしたか。これは失礼致しました。」

 少年は申し訳なさそうに、それでいて落ち着いた様子で謝罪する。

「では、話が終わった頃にまた……」
「(パチンッ)」
「「(ガシッ)」」
「……へ?」

 少年は黒服二人に両側から腕を捕まれ、突然の事態に面食らっていた。

「えっ?あの……自分が何か…」
「黙っていろクソガキ。」
「まだ死にたくないだろ?」
「あ………はい。」
「……さてさて、君たちが入らないというのなら、代わりに彼に入って貰うとするかな?」
「………」

 だから、どうしたと言うのか。人質のつもりだろうか?だが生憎、その少年と私は全くの無関係だ。

 行き当たりばったりっていうか、無理矢理過ぎるしベタ過ぎる展開で笑えないな。

「さて、この状況を君なら…」
「(スッ)はじめまして、私はアレク。」
「へ?あぁ、どうも。」
「「っ!?」」
「えっ?は!?」
「い、いつの間に……!?」
「(ハシッ)いきなりだけど、屋敷の地下の探索に同行してくれ。」
「……はい?」

 大人達の反応を無視して少年に話しかける。

「えっと……状況がよくわからないのですが……」
「非常に申し訳ないが、時間がない。話は道中でするから(グイッ)早速出発だ。」
「へ?え?」
「お、おい!」
「何を勝手に!」
「そういう訳で、手を……離して貰えませんか?」
「「っ……(パッ)」」

 黒服の静止する声に問いかける。すると、少年を掴む手を離してくれた。

「ありがとうございます。テルマ、早速出発だ。準備は良いか?」
「あぁ、出来てる。」
「では、(チラッ)そういう事で宜しいですよね?御当主殿?」
「(ビクッ)あ……あぁ、頼んだ。」
「では、行ってきます。」

 やれやれ、気が進まないが入るしか無さそうだ。

「あぁそれと(スッ)これもお返ししますね。(パラッパラパラッパラッ)各々で拾って付け直してください。」

 シャツの第二ボタンが床に散らばる。

「「「「(ビクッ)っ!?」」」」
「さっきみたいな事をするなら、相応の覚悟が出来てからにしてください。後腐れがあると面倒です。次は、どんなに安く見積もっても手足の一本で済むとは思わないでくださいね?」
「「「「(ドシャッ)っ…っっ………(カタカタカタカタ)」」」」

 というか、さっきからリアクションが単調だな。つまらん。

「あ…あの……」
「急かしてしまい申し訳ありません。しかし、ここの方が危険ですので一緒に来て貰えますか?」
「あ…はい、わかりました。」
「行くぞ、テルマ。」
「あ…あぁ……」

 こうして、私とテルマと見知らぬ少年の3人で屋敷の地下へと降っていった。


***


《ポウッ…ポウッ……ポウッ》

 地下への道は、螺旋階段らせんかいだんの様になっていて、踏み出した所をぼんやりと足元をランプが照らしていた。

 そして、下へと降る螺旋階段らせんかいだんの道中でこれまでの経緯を少年に話していた。

「てな訳で、あの時は地下へと行く様に命令されたって訳だ。」
「なるほど。そこにちょうど僕が現れたって事だったんですね。」
「本当に……申し訳ない。」
「俺らの事情に巻き込んじまった。俺らの責任だ。もう……どう謝れば良いのやら……」
「いえいえいえ、事情は把握しましたがあなた方は何も悪くないじゃないですか。僕が部屋に入るタイミングが悪かったんです。そもそも、話を聞く限りお二人だって巻き込まれた側じゃないですか!悪いのはあの人です!あの頭がおかしな人のせいですから!」
「結構辛辣だね。事実だけどさ。」
「お前って良い奴だな。気に入ったよ……えっと、そういや名前は……」
「オルブです。よろしくです。」
「おう、よろしくオルブ。俺はテルマで……」
「私はアレクだ。よろしく。」
「はい、よろしくお願いします。お二人とも。」

 全く、何とも奇妙な縁だな。

「そういや、ここには仕事で来たのか?」
「えぇ、注文を受けていた商品を納品しに来ました。」
「て事は、まだ仕事の途中か。ほんとごめんな。職場には俺が一緒に謝りに行くからよ。事情も説明する。」
「いえいえ、ちょうど最後の配達でしたし、友人が運営している商会の手伝いなのでさして問題はありませんよ。」
「そうか。まぁどっちにしろ何かしらの埋め合わせはするからよ。なぁ、アレク。」
「あぁ、出来ればそうさせて貰いたいな。それはそれとして、どうやら下に着いたみたいだ。」

 もう随分降った気がする。途中で分岐してなかったし、ここが最下層と考えて良いよな。

「……広いな。」

 思っていたよりずっと広い。地下室とかそんなレベルじゃない。これじゃあまるで……

迷宮ダンジョン……」
「そう、ダンジョ……なんだって?」
「……これ、迷宮ダンジョンになってますね。」
「は?」

 迷宮ダンジョンに……??

「おい、迷宮ダンジョンって、まさかあの?」
「はい。王都内にも複数箇所ある魔物の出現する地下建造物です。」
「魔物が?」
「出現?!」
「はい。構造も環境も多種多様ですが、どれも共通して魔物が出現します。」
「それは……また……」
「とんだ面倒役を、受けちまったもんだな。」

 というか、この世界にもあるんだ。そりゃそうか。異世界だもんな。

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