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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
8.協力者に呆れられました。
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「それじゃあ何です?もし本物を僕らが破り捨てても問題ないって事ですか?!」
「あぁ、寧ろ助かると思うぞ。」
「燃やそうが捨てようが、この世から消えるならアイツにとってはそれで良いんだよ。」
「それじゃあ、何故わざわざ僕らを……別にわざわざ探索しなくても……」
「いいや、そこは重要だ。アイツが『権利書』を手に入れるにはこの迷宮に誰かが挑まなきゃならないんだよ。」
「それも、ちゃんと身分が明確になってる奴じゃなきゃダメだ。そして、全滅しなければならない。」
「……どういう事ですか?」
「連中の目的は恐らく『仮定』……『権利書』をいかにして手に入れたかっていう『仮定』が欲しいんだよ。」
「……『仮定』?」
「考えてもみろ。先代と何の血縁もない養子が、『爺さんから預かった『権利書』に従って、今後は俺に金を払え。』なんて言ってきたとして、それで職人連中が納得すると思うか?」
「……思えませんね。」
「意地悪な爺さんの、意地悪な暗号と迷宮をクリアして、苦労した末に『権利書』を手に入れた……って事なら、まだある程度は納得出来るだろう?」
「………確かに。」
「しかも、ダンジョンから持ち帰った奴らは全員命を落とした……なんて話も付けば、確認のしようもないだろうよ。」
「おまけに『本物の権利書』があるなら、これを機に処分する事も可能だしな。」
「……え゛?」
「やっぱり、そこにも気付いたか。」
「寧ろ、そっちの方が重要だろ。偽書を疑われるだけでも相当危ないのに、後から本物が出てくるなんて不安は抱えたくないのが人の心理って奴じゃないか?」
「……確かに。」
「無事に迷宮を踏破すれば、そんな『権利書』があるかどうかがわかるし、もし私たちが戻って来なければ、『偽物』の方を危険な迷宮から命からがら持って来た『本物』だと言いくるめれば良い。そんな所だろ?」
「あぁそうだ。どっちにしろ、誰かを迷宮に挑ませて死なせる事でアイツの元に『都合の良い権利書』が行く手筈になるってわけだ。」
「改めて聞くと、なんともアコギな話だな?」
「てなわけで、俺らの生き残る術はこの迷宮からの脱出って事になる訳だ。」
「そういう訳だから、君にも一緒に抜け道を探して欲しい。良いかな?」
「…………」
オルブは沈黙してしまった。
当然だ。こんな話を聞かされて平常でいられるとは思えない。
「何度も言うが、こんな事に巻き込んで申し訳ないと思っている。」
「けど、私たちは謝罪を受け止めて欲しくてこんな話をした訳じゃない。」
「オルブにも、事情をちゃんと共有すべきだと考えたからだ。」
「それが、巻き込んだ側の責任だと思うからだ。」
「当然、これからの探索でも俺たちはオルブを優先して守る。」
「だから……一緒に抜け道を探してくれないか?」
「あっ、いえ……それについては全然気にしてません。」
「「え?」」
思っていた反応と違うな。
「言ったじゃないですか。今回の件は、僕の不注意とあの頭がおかしな人が原因です。お二人を責めるつもりはありませんよ。」
「「あぁ…うん。」」
「それに、新たな切り口からダンジョンを探索するのは、正直ワクワクします。そんなことより僕は………」
「「……?」」
「2人の息がぴったりな事に若干ビビっています。何というかイキイキとしてるし。」
「「え?」」
「…………おふたりは、幼馴染でしょうか?」
「「いいや?」」
「……その割には、とても仲が宜しい様ですが。」
「別にそうでも……」
「ないよなぁ?」
「わかりました。これ以上追及するのは辞めます。」
「「?」」
「お話、ありがとうございました。(ペコッ)それじゃ(スクッ)先に進みましょうか。」
「あ…あぁ、わかった。」
「さっさと……見つけちまおう。」
こうして私たちは、迷宮に詳しい協力者を得て本格的な探索を始めた。
たった一つの、不可解な疑問を残して。
……私たち、一体何に対して呆れられたのだろうか。
「あぁ、寧ろ助かると思うぞ。」
「燃やそうが捨てようが、この世から消えるならアイツにとってはそれで良いんだよ。」
「それじゃあ、何故わざわざ僕らを……別にわざわざ探索しなくても……」
「いいや、そこは重要だ。アイツが『権利書』を手に入れるにはこの迷宮に誰かが挑まなきゃならないんだよ。」
「それも、ちゃんと身分が明確になってる奴じゃなきゃダメだ。そして、全滅しなければならない。」
「……どういう事ですか?」
「連中の目的は恐らく『仮定』……『権利書』をいかにして手に入れたかっていう『仮定』が欲しいんだよ。」
「……『仮定』?」
「考えてもみろ。先代と何の血縁もない養子が、『爺さんから預かった『権利書』に従って、今後は俺に金を払え。』なんて言ってきたとして、それで職人連中が納得すると思うか?」
「……思えませんね。」
「意地悪な爺さんの、意地悪な暗号と迷宮をクリアして、苦労した末に『権利書』を手に入れた……って事なら、まだある程度は納得出来るだろう?」
「………確かに。」
「しかも、ダンジョンから持ち帰った奴らは全員命を落とした……なんて話も付けば、確認のしようもないだろうよ。」
「おまけに『本物の権利書』があるなら、これを機に処分する事も可能だしな。」
「……え゛?」
「やっぱり、そこにも気付いたか。」
「寧ろ、そっちの方が重要だろ。偽書を疑われるだけでも相当危ないのに、後から本物が出てくるなんて不安は抱えたくないのが人の心理って奴じゃないか?」
「……確かに。」
「無事に迷宮を踏破すれば、そんな『権利書』があるかどうかがわかるし、もし私たちが戻って来なければ、『偽物』の方を危険な迷宮から命からがら持って来た『本物』だと言いくるめれば良い。そんな所だろ?」
「あぁそうだ。どっちにしろ、誰かを迷宮に挑ませて死なせる事でアイツの元に『都合の良い権利書』が行く手筈になるってわけだ。」
「改めて聞くと、なんともアコギな話だな?」
「てなわけで、俺らの生き残る術はこの迷宮からの脱出って事になる訳だ。」
「そういう訳だから、君にも一緒に抜け道を探して欲しい。良いかな?」
「…………」
オルブは沈黙してしまった。
当然だ。こんな話を聞かされて平常でいられるとは思えない。
「何度も言うが、こんな事に巻き込んで申し訳ないと思っている。」
「けど、私たちは謝罪を受け止めて欲しくてこんな話をした訳じゃない。」
「オルブにも、事情をちゃんと共有すべきだと考えたからだ。」
「それが、巻き込んだ側の責任だと思うからだ。」
「当然、これからの探索でも俺たちはオルブを優先して守る。」
「だから……一緒に抜け道を探してくれないか?」
「あっ、いえ……それについては全然気にしてません。」
「「え?」」
思っていた反応と違うな。
「言ったじゃないですか。今回の件は、僕の不注意とあの頭がおかしな人が原因です。お二人を責めるつもりはありませんよ。」
「「あぁ…うん。」」
「それに、新たな切り口からダンジョンを探索するのは、正直ワクワクします。そんなことより僕は………」
「「……?」」
「2人の息がぴったりな事に若干ビビっています。何というかイキイキとしてるし。」
「「え?」」
「…………おふたりは、幼馴染でしょうか?」
「「いいや?」」
「……その割には、とても仲が宜しい様ですが。」
「別にそうでも……」
「ないよなぁ?」
「わかりました。これ以上追及するのは辞めます。」
「「?」」
「お話、ありがとうございました。(ペコッ)それじゃ(スクッ)先に進みましょうか。」
「あ…あぁ、わかった。」
「さっさと……見つけちまおう。」
こうして私たちは、迷宮に詳しい協力者を得て本格的な探索を始めた。
たった一つの、不可解な疑問を残して。
……私たち、一体何に対して呆れられたのだろうか。
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