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本編
おままごと①
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僕は三歳になった。ちょうどこの頃から嫌われ始めていたと思うのだが、そんな気配は一切無い。
姉が言うには、ティーニーは『ワガママで乱暴』らしいが、幼児でも前世の年齢はそこそこいっていた僕はそんなこと出来ない。それが嫌われないことに繋がっているのかな。
「ティーニー様、本日は何をしましょうか」
僕が生まれてから週に2回程、シル(シルビーの事はシルと呼ぶことになった)は伯爵家から遊びに王宮を通っている。ティーはいつも執事の格好をしていて、控えめに言ってカッコよすぎる。僕が女の子だったら迷わずに「抱いて!」と胸に飛び込んでいただろう。
「しう!ティーのことはティーってよんでってなんかいもゆってるでしょ。もう。つぎ、さまづけしたらダメだからね!」
「じゃあ…せめて二人きりの時だけですからね?公の場ではいけないことになっているのですから」
「…ぶぅ」
…今、ワガママっぽかったかな。突き放されたような、他人行儀な接し方が気に食わなかった僕は、シルに僕を呼び捨てにするよう言った。
僕の方が身分が高くはあるけれど、そこまで遠慮されるのは悲しい。この前呼び捨てにしてと強く願ったら、渋々了承してくれた。優しい。
「おいシルビー!なんでティーと二人きりで遊んでいるんだ、俺たちもまぜろ!」
「…はぁ」
「あっ!にいたまたちぃ!」
シルといつも二人で遊んでいたらいつの間にか兄達も加わって、僕とシルと兄様達三人、計五人で遊ぶのが習慣となっていた。
「おままごとしよ~!」
先程前世の年齢がどうとか言ったものの、やはり気持ちは引っ張られてしまう。
王子である為無闇矢鱈と外で走り回ることが出来なく、どうしても屋内の遊びに限られる。僕、今日はママゴトがしたい気分だ。
「ティーは何役がいいんだい?」
いま質問してきた水色の髪に金目な男の子は二番目のお兄ちゃん、第二王子のサリアンだ。サリ兄様と呼んでいる。
「ティーはね、ママがいい!」
「「じゃあ、俺(僕)がパパだな(ね)!...ん?」」
何故か睨み合い始めたこの二人。右は赤髪に金目の一番目のお兄ちゃん、第一王子のアディウス。ディー兄様と呼んでいる。左は黄色い髪と金目の三番目のお兄ちゃん、第三王子のウィリアスだ。アス兄様と呼んでいる。
ちなみに僕は白い髪に金目。兄弟皆金目。お揃いみたいで嬉しく思ってるのは内緒だ。
「じゃあ、間をとって私がパパになろうか」
「サリにいたまがティーのむこさまなんだぁ、よおしくね、だぁりん!」
ふざけてそう言うと両手を広げ目一杯に兄様をギューした。兄様が「ぐぅっ...」っと呻き声?をあげた為、不思議に思い上を見上げると眉を寄せて赤面していた。空気悪くしてごめん…
「じゃあ、しうがあかたんで、ディーにいたまがおばあしゃん、アスにいたまがおじいしゃんね!」
シルを呼ぶ時、どう足掻いても『しう』になってしまう。これから練習して、シルの気が悪くならないようにしなければ。
「バブバブー...(貴方のお婿さんになりたかったです)」
僕が考え事をしていると、早速シルが赤ちゃんを演じ始めた。少しやる気が無さそうだ。気が乗らないのかな…
よし!シルの気が乗るように頑張ろう!
「しうたん!いっしょにねんねしましょうねぇ」
「バブバブ」
「おやしゅみでちゅーっ」
いつもお母様がしてくれるおやすみの頬へのキスをしようと思うと、誤って口にしてしまった。赤ちゃん出来ちゃうかな?!やっちゃった...
「あっごめんしう!ゆるして~」
「バブ」
シルは何も無かったような顔をして声を上げた。赤ちゃんは出来なかったっぽい。口と口とのキス、初めてじゃあ無かったのかな。シルはもう十歳、加えてイケメン。この世界の成人年齢は十五歳だ。これならしていてもおかしくは無い。そう思ったら少し胸がツキンと痛んだ。
僕は前世も今世もしたことがなかったからつい赤面してしまう。シルが祐太郎激似である事を思い出し、もっと顔が熱くなった。
赤い顔を隠すようにして、シルの頭を僕の膝に乗せた。所謂膝枕というやつだ。
「っチ、子供役の方が役得だったか…ボソッ」
「?サリにいたまどうかしましたか?」
サリ兄様が少し怖い顔をしていた。何か悪い事をしてしまったのかな。
あっ、そういえば兄様は僕のお婿さん役だった!
何か夫婦っぽいこと…しないとな。
姉が言うには、ティーニーは『ワガママで乱暴』らしいが、幼児でも前世の年齢はそこそこいっていた僕はそんなこと出来ない。それが嫌われないことに繋がっているのかな。
「ティーニー様、本日は何をしましょうか」
僕が生まれてから週に2回程、シル(シルビーの事はシルと呼ぶことになった)は伯爵家から遊びに王宮を通っている。ティーはいつも執事の格好をしていて、控えめに言ってカッコよすぎる。僕が女の子だったら迷わずに「抱いて!」と胸に飛び込んでいただろう。
「しう!ティーのことはティーってよんでってなんかいもゆってるでしょ。もう。つぎ、さまづけしたらダメだからね!」
「じゃあ…せめて二人きりの時だけですからね?公の場ではいけないことになっているのですから」
「…ぶぅ」
…今、ワガママっぽかったかな。突き放されたような、他人行儀な接し方が気に食わなかった僕は、シルに僕を呼び捨てにするよう言った。
僕の方が身分が高くはあるけれど、そこまで遠慮されるのは悲しい。この前呼び捨てにしてと強く願ったら、渋々了承してくれた。優しい。
「おいシルビー!なんでティーと二人きりで遊んでいるんだ、俺たちもまぜろ!」
「…はぁ」
「あっ!にいたまたちぃ!」
シルといつも二人で遊んでいたらいつの間にか兄達も加わって、僕とシルと兄様達三人、計五人で遊ぶのが習慣となっていた。
「おままごとしよ~!」
先程前世の年齢がどうとか言ったものの、やはり気持ちは引っ張られてしまう。
王子である為無闇矢鱈と外で走り回ることが出来なく、どうしても屋内の遊びに限られる。僕、今日はママゴトがしたい気分だ。
「ティーは何役がいいんだい?」
いま質問してきた水色の髪に金目な男の子は二番目のお兄ちゃん、第二王子のサリアンだ。サリ兄様と呼んでいる。
「ティーはね、ママがいい!」
「「じゃあ、俺(僕)がパパだな(ね)!...ん?」」
何故か睨み合い始めたこの二人。右は赤髪に金目の一番目のお兄ちゃん、第一王子のアディウス。ディー兄様と呼んでいる。左は黄色い髪と金目の三番目のお兄ちゃん、第三王子のウィリアスだ。アス兄様と呼んでいる。
ちなみに僕は白い髪に金目。兄弟皆金目。お揃いみたいで嬉しく思ってるのは内緒だ。
「じゃあ、間をとって私がパパになろうか」
「サリにいたまがティーのむこさまなんだぁ、よおしくね、だぁりん!」
ふざけてそう言うと両手を広げ目一杯に兄様をギューした。兄様が「ぐぅっ...」っと呻き声?をあげた為、不思議に思い上を見上げると眉を寄せて赤面していた。空気悪くしてごめん…
「じゃあ、しうがあかたんで、ディーにいたまがおばあしゃん、アスにいたまがおじいしゃんね!」
シルを呼ぶ時、どう足掻いても『しう』になってしまう。これから練習して、シルの気が悪くならないようにしなければ。
「バブバブー...(貴方のお婿さんになりたかったです)」
僕が考え事をしていると、早速シルが赤ちゃんを演じ始めた。少しやる気が無さそうだ。気が乗らないのかな…
よし!シルの気が乗るように頑張ろう!
「しうたん!いっしょにねんねしましょうねぇ」
「バブバブ」
「おやしゅみでちゅーっ」
いつもお母様がしてくれるおやすみの頬へのキスをしようと思うと、誤って口にしてしまった。赤ちゃん出来ちゃうかな?!やっちゃった...
「あっごめんしう!ゆるして~」
「バブ」
シルは何も無かったような顔をして声を上げた。赤ちゃんは出来なかったっぽい。口と口とのキス、初めてじゃあ無かったのかな。シルはもう十歳、加えてイケメン。この世界の成人年齢は十五歳だ。これならしていてもおかしくは無い。そう思ったら少し胸がツキンと痛んだ。
僕は前世も今世もしたことがなかったからつい赤面してしまう。シルが祐太郎激似である事を思い出し、もっと顔が熱くなった。
赤い顔を隠すようにして、シルの頭を僕の膝に乗せた。所謂膝枕というやつだ。
「っチ、子供役の方が役得だったか…ボソッ」
「?サリにいたまどうかしましたか?」
サリ兄様が少し怖い顔をしていた。何か悪い事をしてしまったのかな。
あっ、そういえば兄様は僕のお婿さん役だった!
何か夫婦っぽいこと…しないとな。
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