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第一章
逢瀬の代償
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美奈子は、脱力しつつ、肝心の話を振ることにした。
「そういえば、見せたいものがあったんじゃないですか?」
「あぁ、そうそう。忘れてた。これなんだよね」
件のテレビが、リモコンで点けられる。
BSの4K放送で山岳風景が流れている。立山かどこかの山歩きのドキュメンタリーのようだ。
「綺麗でしょー。これが4K。自然の風景を見てるだけで癒されるよね。
それに、最近は4K動画がビデオで撮れるから、そういうのも綺麗に見せてくれるんだ」
入力が切り替えられ、風景よりは少し粗い画像に変わる。
何か白いものが蠢いている。
「はっ……やだ! 」
女性の裸と、嬌声と気づく。
「嫌っ。こんなもの見せたかったんですか!
AV ? ですか? 消してください。いやらしい」
「うん? わからない? 主演なのに」
この中年オタク教師が何を言っているのか、美奈子には瞬時には理解できない。
しかし、画像が女性のアップになって、ようやくわかった。
そこに映っているのは、自分だ。
それも、旧校舎のトイレの鏡で見た紅潮したあの顔だ。
「いや、いやーっ ! 消して、消してください !!
なんでこんなものがあるの? か、監視カメラから?」
「監視カメラがこんなに綺麗に映るもんか。
だいたい旧校舎は、入り口にしか監視カメラはないよ。予算不足で。」
「これはね、ボクの4Kビデオカメラ謹製だよ。
18倍ズームで全体と、横から。三か所に置いたビデオカメラで撮った映像を編集したんだ。
ホントは四台は設置したいところだけど、いい値段するから、まだ三台しかなくてね。
中身は傑作だよ !
是非主演のミナちゃんに一番に見てもらいたくてさ。」
美奈子は凍り付いた。
(この人は何を言ってるのだろう……頭に入って来ない……)
「おっぱいシーンを中心に編集してみたんだ」
(いま、画面に映ってうっとりした顔をしているのは、本当に自分なんだろうか?
顔だけじゃなく、見えてる限り肌全体もうっすらとピンクに染まって見える。
アップで自分の乳房を見ると、シャワーの際にいつも見ているのより張りがあり、
ちっぱいながらもそんなに貧相に見えない気がする。
乳首が少し大きくなってるんだ……)
(乳房が太った男に揉まれたり、乳首を抓られたりしている。
それを見てると、いま実際にされているわけでもないのに、あのムズムズが感じられる
ような気がしてしまう)
いつの間にか、友介が横に密着して肩を抱いて
「ほぉら、綺麗だよね。それにミナちゃんも気持ち良さそう。
乳首ちゃんも、これだとチラッとじゃなくてちゃーんと見えるから、よかったでしょ」
蒼白の美少女は、そんな戯言を聞き流しながら、なぜか画面から目が離せない。
いつの間にか、友介が胸を触り始めているのに。
「これね、残念な事に助演男優の顔とか映ってないんだ。
服装はただのワイシャツとスラックスだしね。
デブってことくらいかな、わかるのは。
だから、主演女優以外は誰が出ている映像かわかんないね」
「えっ……それは、どういう意味ですか?」
美奈子は、現実に引き戻される。
「誰かが見ても、ミナちゃんがかわいやらしいって事以外、わからない映像だってこと」
「誰かに見せるんですか?」
「そうは言ってないよぉ」
「なんて卑怯な」
「だって、このまま推薦確定して大学入学手続きしたら、
ミナちゃんは親バレ覚悟で、ボクを告発しようとか考えてたでしょ」
「そっ、そんなこと」
図星だった。
美奈子は卒業式までこの関係を続けるつもりなんて、さらさらなく、
一刻も早く解消する方法を考えていた。
元会長との交際や写真がオープンになる恥ずかしさより、この状態の方が嫌だ。
彼の推薦と入学に支障なくなる時期を探っていた。
「まあ、確かに生徒会室のあの写真は、あんまり破壊力ないもんねぇ。
でも、これはどうかな?
主演女優の、あの表情はインパクトあるよね。
ねぇ、いつも北条アキラにあんな顔見せてるの ? 妬けるなぁ」
そんなはずがあるわけない。
アキラとのキスや軽いペッティングでは、精神的な満足度は高くても、こんな風にキモチヨクなんて、なったことはない。
「そ、そんなこと……」
「北条アキラに見せて確認しようか? キミの時と比べてどうって」
「やめ、やめて! アキラくんには、絶対見せないで! ……おねがい」
「いいよぉっ。 ミナちゃんが、ちゃんと彼女を務めてくれるなら」
と、おもむろに、友介はグイっと美奈子の頭を引き寄せ、唇を寄せてキスを奪った!
予想外の行動に、美奈子は映像に気を取られていることもあり、
あっさりとキスを許してしまった。
「……っ、やっ……どうして、キスはしないって」
「確かにそういう約束はしたけどさ、先に約束を破ったのはミナちゃんだよ。
ちゃんと償いはしてもらわないと。
キスをしないという約束は、もうおしまい。 仕方ないよね」
必死に、唇をこする少女に構わず、中年教師は再度頭をがっちり押さえて、深くキスをした。
唇と唇を合わせるのではなく、口を開けて美奈子の小さな口元を覆いつくした。
まるで口元を食べてしまうように。
「うっ」
そうすると、中年の口臭が美少女を襲う。
(何、このにおい。臭い。サイアク)
思わず鼻の息を止める。
友介は、美奈子の唇の周りを舌でなぞるようにし、舌を入れる隙間を伺う。
(いやだ、舌を入れようとしてる)
美奈子とて、そういう深いキスがあることを知っているが、アキラとはまだしたことはない。
(そうしてもいいのに)と、最近は思っていたところだ。
昨夜の短時間のデートでも、別れ際にアキラとキスしたは、あっさりしたものだった。
(絶対に入れさせないから。)
口元を一文字にして耐える。
鼻の息を止めていると苦しくなる。
やむなく、息をすると、またあの臭いだ。
(絶対、昨日ニンニクとか食べたんだわ。あとは、タバコかな……)
また息を止める。
暫く、舌の動きに耐えて辛くなったところで、
友介が急に右手を下に下ろして、スカートをめくろうとする。
咄嗟に「やめっ」と声が出る。息をこらえていただけに、止められない。すかさず、友介の舌が美奈子の口中に入り込んだ。
「はぅっ」
友介と美奈子の舌が触れ合う。
ジュっ! 不思議な感覚が走る。慌てて美奈子は舌を引っ込める。
ちょっとした追いかけごっこになったが、あっさりとそのまま舌を絡めとられてしまう。
美奈子の舌に比べて、友介の舌は長く、くねくね動くのだ。
巻きつかれ、舌全体を舐めまわされてしまう。
そうしていると唾が溜まってくる。
すると、なんと友介の舌がそれを掬い取る。
「ゴクリっ」
唾が飲み込まれたのが美奈子にも伝わる。
(いゃっ ! いゃっ ! わたしの唾をのんだの!?
なんてことするの、気持ち悪い)
すると、友介はキスをやめて、にこやかに笑う
「ごちそうさま! ミナちゃんの甘い甘い唾は美味しかったよ」
「うそうそ! やめてください。気持ち悪いです」
美奈子は、自分の大切な何かを奪われた気がして、猛烈に恥ずかしくなった。
ポカポカと友介の胸を叩く。
「さあ、お返しだ」
委細構わず、再び友介がキスを迫る。
美奈子は顔を左右に振って逃げるが、またスカートに手を伸ばされて、気が散った瞬間に唇を捉えられる。
(わたしったら、また……)
そんな気落ちの間に、また舌に侵入される。
(ああ、もう ! 臭い !)
友介の舌は口内を蹂躙し、奥歯から前歯の裏まで、くまなくまさぐられ、舌全体を舌の裏側まで舐めまわされる。
(そんなところまで!? )
美奈子の頭は、この強烈な舌の愛撫の刺激にあてられて、だんだんボーッとしてくる。
(これがベロチューとかいうの? 舌と舌のセックスみたい。
これじゃあアキラくんとのキスは、ちょっとした挨拶に思える。
あんなに幸せな瞬間だったのに)
アキラとのキスが汚された気がして、悲しくなっていると、
今度は美少女の舌が中年教師の口の中に引っ張られる。
(やん、先生の臭い口の中に? やだやだ)
抵抗空しく、強烈に吸い込まれ、舌先が痺れるような感覚を覚える。
上下の歯をくぐって入った先は、じゅくじゅくしている。
(なにこれ? 生暖かい……
もしかして、これは先生の唾だ! 助けて! )
すると、それに応えたかのように、友介の唾まみれにされた自分の舌が押し戻される。
大量の唾と一緒に。
(やっ、唾入ってる)
「うーっ!」
抗議の目を友介に向けると、
何を勘違いしたのか、大きくうなずかれる。
(?? ……もしかして、この唾をわたしにも飲めってこと!! )
嫌だとばかりに上目遣いに訴えかけても、
早くしろと言わんばかりに、アゴをあげて急かしてくる。
「むーっ」
必死に耐えるが、友介はどんどん唾を追加してくる。
思わず、えずきそうになった瞬間
「ゴクっ !」
喉が動いて少し飲み込んでしまう。
続いて、「ゲホゲホっ」と咳き込む。
唾はこぼれて、美奈子のアゴや首筋に垂れたが、幾らかは胃の中だ。
(の、飲んじゃったー ! 先生の唾を。)
心理的ショックが大きい。
何だか、お腹が熱いような気がするし、悪魔に身体の中に入られたようにも思える。
(ごめんなさい……アキラくん。わたし、何てことを。ディープキスどころか、唾まで)
「先生の唾は美味しかったかい? 苦しそうだし、次からは無理して我慢しちゃダメだよ。」
心配していそうで無神経な言葉をかけてくる。
「美味しいわけないです」
美奈子は、ぷぅっと膨れてそっぽを向く。
「な、なんだぁ! おい、なんて可愛い反応するんだよ、ミナ! 」
「きゃっ、なんですか」
友介は美奈子をぎゅっと抱き締めてくる。
熱い。なんだかダイレクトな熱を感じる。
「あれ?」
美奈子がディープキスで翻弄されている間に、カーディガンは
大きくはだけられ、ワンピースの胸元も開け広げられていたようだ。しかも、友介はいつの間にかシャツを脱ぎすてて、Tシャツ一枚になっている。体温を感じるはずだ。
そして、抱き締めた手が、まさに背後でブラジャーをはずそうとしているではないか。
スルっとキャミ越しにブラが抜き取られ、あっという間に足元に落とされる。
「さあっ、もういっそのことワンピースもキャミも全部脱いじゃおう。
綺麗な服が、汚れたり、シワになったら、やでしょ」
またしてもの無神経な言葉だ。
「できません! アキラくんにもほとんどは肌を見せたこともないのにぃ……
どうして、そんなこと気軽に言えるんですか?」
「そっかぁ……また、内緒でアキラくんに肌見せるつもりなんだね」
「そっ、そんなことは考えてません! 」
(どうしてわかるの?)
「ふーん。まあ、そういうことなら、手っ取り早く主演動画を見せてあげよっか?」
「えっ?」
「LIME IDは知らないけど、メアドはわかるからね。
緊急連絡用として、セキュリティ担当教師は見れるんだよ。
捨てアドから動画をメールで送るね」
「っ……そんな」
がっくりと少女は首を垂れる。
(キスも奪われて、唾まで飲まされちゃったし、下着も胸も見られた……
もうどうしようもないのかな。
それに、これ以上機嫌を損ねたら、このまま乱暴にセックスされるかもしれない……
それだけは避けなきゃ)
「……わかりました。ちょっとどいてもらえますか」
美奈子は、心を押し殺して立ち上がり、淡々と裸になり、服を綺麗に畳んだ。
さすがに、ショーツを脱ぐのはためらわれた。
「そういえば、見せたいものがあったんじゃないですか?」
「あぁ、そうそう。忘れてた。これなんだよね」
件のテレビが、リモコンで点けられる。
BSの4K放送で山岳風景が流れている。立山かどこかの山歩きのドキュメンタリーのようだ。
「綺麗でしょー。これが4K。自然の風景を見てるだけで癒されるよね。
それに、最近は4K動画がビデオで撮れるから、そういうのも綺麗に見せてくれるんだ」
入力が切り替えられ、風景よりは少し粗い画像に変わる。
何か白いものが蠢いている。
「はっ……やだ! 」
女性の裸と、嬌声と気づく。
「嫌っ。こんなもの見せたかったんですか!
AV ? ですか? 消してください。いやらしい」
「うん? わからない? 主演なのに」
この中年オタク教師が何を言っているのか、美奈子には瞬時には理解できない。
しかし、画像が女性のアップになって、ようやくわかった。
そこに映っているのは、自分だ。
それも、旧校舎のトイレの鏡で見た紅潮したあの顔だ。
「いや、いやーっ ! 消して、消してください !!
なんでこんなものがあるの? か、監視カメラから?」
「監視カメラがこんなに綺麗に映るもんか。
だいたい旧校舎は、入り口にしか監視カメラはないよ。予算不足で。」
「これはね、ボクの4Kビデオカメラ謹製だよ。
18倍ズームで全体と、横から。三か所に置いたビデオカメラで撮った映像を編集したんだ。
ホントは四台は設置したいところだけど、いい値段するから、まだ三台しかなくてね。
中身は傑作だよ !
是非主演のミナちゃんに一番に見てもらいたくてさ。」
美奈子は凍り付いた。
(この人は何を言ってるのだろう……頭に入って来ない……)
「おっぱいシーンを中心に編集してみたんだ」
(いま、画面に映ってうっとりした顔をしているのは、本当に自分なんだろうか?
顔だけじゃなく、見えてる限り肌全体もうっすらとピンクに染まって見える。
アップで自分の乳房を見ると、シャワーの際にいつも見ているのより張りがあり、
ちっぱいながらもそんなに貧相に見えない気がする。
乳首が少し大きくなってるんだ……)
(乳房が太った男に揉まれたり、乳首を抓られたりしている。
それを見てると、いま実際にされているわけでもないのに、あのムズムズが感じられる
ような気がしてしまう)
いつの間にか、友介が横に密着して肩を抱いて
「ほぉら、綺麗だよね。それにミナちゃんも気持ち良さそう。
乳首ちゃんも、これだとチラッとじゃなくてちゃーんと見えるから、よかったでしょ」
蒼白の美少女は、そんな戯言を聞き流しながら、なぜか画面から目が離せない。
いつの間にか、友介が胸を触り始めているのに。
「これね、残念な事に助演男優の顔とか映ってないんだ。
服装はただのワイシャツとスラックスだしね。
デブってことくらいかな、わかるのは。
だから、主演女優以外は誰が出ている映像かわかんないね」
「えっ……それは、どういう意味ですか?」
美奈子は、現実に引き戻される。
「誰かが見ても、ミナちゃんがかわいやらしいって事以外、わからない映像だってこと」
「誰かに見せるんですか?」
「そうは言ってないよぉ」
「なんて卑怯な」
「だって、このまま推薦確定して大学入学手続きしたら、
ミナちゃんは親バレ覚悟で、ボクを告発しようとか考えてたでしょ」
「そっ、そんなこと」
図星だった。
美奈子は卒業式までこの関係を続けるつもりなんて、さらさらなく、
一刻も早く解消する方法を考えていた。
元会長との交際や写真がオープンになる恥ずかしさより、この状態の方が嫌だ。
彼の推薦と入学に支障なくなる時期を探っていた。
「まあ、確かに生徒会室のあの写真は、あんまり破壊力ないもんねぇ。
でも、これはどうかな?
主演女優の、あの表情はインパクトあるよね。
ねぇ、いつも北条アキラにあんな顔見せてるの ? 妬けるなぁ」
そんなはずがあるわけない。
アキラとのキスや軽いペッティングでは、精神的な満足度は高くても、こんな風にキモチヨクなんて、なったことはない。
「そ、そんなこと……」
「北条アキラに見せて確認しようか? キミの時と比べてどうって」
「やめ、やめて! アキラくんには、絶対見せないで! ……おねがい」
「いいよぉっ。 ミナちゃんが、ちゃんと彼女を務めてくれるなら」
と、おもむろに、友介はグイっと美奈子の頭を引き寄せ、唇を寄せてキスを奪った!
予想外の行動に、美奈子は映像に気を取られていることもあり、
あっさりとキスを許してしまった。
「……っ、やっ……どうして、キスはしないって」
「確かにそういう約束はしたけどさ、先に約束を破ったのはミナちゃんだよ。
ちゃんと償いはしてもらわないと。
キスをしないという約束は、もうおしまい。 仕方ないよね」
必死に、唇をこする少女に構わず、中年教師は再度頭をがっちり押さえて、深くキスをした。
唇と唇を合わせるのではなく、口を開けて美奈子の小さな口元を覆いつくした。
まるで口元を食べてしまうように。
「うっ」
そうすると、中年の口臭が美少女を襲う。
(何、このにおい。臭い。サイアク)
思わず鼻の息を止める。
友介は、美奈子の唇の周りを舌でなぞるようにし、舌を入れる隙間を伺う。
(いやだ、舌を入れようとしてる)
美奈子とて、そういう深いキスがあることを知っているが、アキラとはまだしたことはない。
(そうしてもいいのに)と、最近は思っていたところだ。
昨夜の短時間のデートでも、別れ際にアキラとキスしたは、あっさりしたものだった。
(絶対に入れさせないから。)
口元を一文字にして耐える。
鼻の息を止めていると苦しくなる。
やむなく、息をすると、またあの臭いだ。
(絶対、昨日ニンニクとか食べたんだわ。あとは、タバコかな……)
また息を止める。
暫く、舌の動きに耐えて辛くなったところで、
友介が急に右手を下に下ろして、スカートをめくろうとする。
咄嗟に「やめっ」と声が出る。息をこらえていただけに、止められない。すかさず、友介の舌が美奈子の口中に入り込んだ。
「はぅっ」
友介と美奈子の舌が触れ合う。
ジュっ! 不思議な感覚が走る。慌てて美奈子は舌を引っ込める。
ちょっとした追いかけごっこになったが、あっさりとそのまま舌を絡めとられてしまう。
美奈子の舌に比べて、友介の舌は長く、くねくね動くのだ。
巻きつかれ、舌全体を舐めまわされてしまう。
そうしていると唾が溜まってくる。
すると、なんと友介の舌がそれを掬い取る。
「ゴクリっ」
唾が飲み込まれたのが美奈子にも伝わる。
(いゃっ ! いゃっ ! わたしの唾をのんだの!?
なんてことするの、気持ち悪い)
すると、友介はキスをやめて、にこやかに笑う
「ごちそうさま! ミナちゃんの甘い甘い唾は美味しかったよ」
「うそうそ! やめてください。気持ち悪いです」
美奈子は、自分の大切な何かを奪われた気がして、猛烈に恥ずかしくなった。
ポカポカと友介の胸を叩く。
「さあ、お返しだ」
委細構わず、再び友介がキスを迫る。
美奈子は顔を左右に振って逃げるが、またスカートに手を伸ばされて、気が散った瞬間に唇を捉えられる。
(わたしったら、また……)
そんな気落ちの間に、また舌に侵入される。
(ああ、もう ! 臭い !)
友介の舌は口内を蹂躙し、奥歯から前歯の裏まで、くまなくまさぐられ、舌全体を舌の裏側まで舐めまわされる。
(そんなところまで!? )
美奈子の頭は、この強烈な舌の愛撫の刺激にあてられて、だんだんボーッとしてくる。
(これがベロチューとかいうの? 舌と舌のセックスみたい。
これじゃあアキラくんとのキスは、ちょっとした挨拶に思える。
あんなに幸せな瞬間だったのに)
アキラとのキスが汚された気がして、悲しくなっていると、
今度は美少女の舌が中年教師の口の中に引っ張られる。
(やん、先生の臭い口の中に? やだやだ)
抵抗空しく、強烈に吸い込まれ、舌先が痺れるような感覚を覚える。
上下の歯をくぐって入った先は、じゅくじゅくしている。
(なにこれ? 生暖かい……
もしかして、これは先生の唾だ! 助けて! )
すると、それに応えたかのように、友介の唾まみれにされた自分の舌が押し戻される。
大量の唾と一緒に。
(やっ、唾入ってる)
「うーっ!」
抗議の目を友介に向けると、
何を勘違いしたのか、大きくうなずかれる。
(?? ……もしかして、この唾をわたしにも飲めってこと!! )
嫌だとばかりに上目遣いに訴えかけても、
早くしろと言わんばかりに、アゴをあげて急かしてくる。
「むーっ」
必死に耐えるが、友介はどんどん唾を追加してくる。
思わず、えずきそうになった瞬間
「ゴクっ !」
喉が動いて少し飲み込んでしまう。
続いて、「ゲホゲホっ」と咳き込む。
唾はこぼれて、美奈子のアゴや首筋に垂れたが、幾らかは胃の中だ。
(の、飲んじゃったー ! 先生の唾を。)
心理的ショックが大きい。
何だか、お腹が熱いような気がするし、悪魔に身体の中に入られたようにも思える。
(ごめんなさい……アキラくん。わたし、何てことを。ディープキスどころか、唾まで)
「先生の唾は美味しかったかい? 苦しそうだし、次からは無理して我慢しちゃダメだよ。」
心配していそうで無神経な言葉をかけてくる。
「美味しいわけないです」
美奈子は、ぷぅっと膨れてそっぽを向く。
「な、なんだぁ! おい、なんて可愛い反応するんだよ、ミナ! 」
「きゃっ、なんですか」
友介は美奈子をぎゅっと抱き締めてくる。
熱い。なんだかダイレクトな熱を感じる。
「あれ?」
美奈子がディープキスで翻弄されている間に、カーディガンは
大きくはだけられ、ワンピースの胸元も開け広げられていたようだ。しかも、友介はいつの間にかシャツを脱ぎすてて、Tシャツ一枚になっている。体温を感じるはずだ。
そして、抱き締めた手が、まさに背後でブラジャーをはずそうとしているではないか。
スルっとキャミ越しにブラが抜き取られ、あっという間に足元に落とされる。
「さあっ、もういっそのことワンピースもキャミも全部脱いじゃおう。
綺麗な服が、汚れたり、シワになったら、やでしょ」
またしてもの無神経な言葉だ。
「できません! アキラくんにもほとんどは肌を見せたこともないのにぃ……
どうして、そんなこと気軽に言えるんですか?」
「そっかぁ……また、内緒でアキラくんに肌見せるつもりなんだね」
「そっ、そんなことは考えてません! 」
(どうしてわかるの?)
「ふーん。まあ、そういうことなら、手っ取り早く主演動画を見せてあげよっか?」
「えっ?」
「LIME IDは知らないけど、メアドはわかるからね。
緊急連絡用として、セキュリティ担当教師は見れるんだよ。
捨てアドから動画をメールで送るね」
「っ……そんな」
がっくりと少女は首を垂れる。
(キスも奪われて、唾まで飲まされちゃったし、下着も胸も見られた……
もうどうしようもないのかな。
それに、これ以上機嫌を損ねたら、このまま乱暴にセックスされるかもしれない……
それだけは避けなきゃ)
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美奈子は、心を押し殺して立ち上がり、淡々と裸になり、服を綺麗に畳んだ。
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