35 / 102
第二章
ストーカー
しおりを挟む
ドアを開けると、そこには
自分がいた……
自分が、
自分が、
自分が、部屋中に。
壁一面に、天井にも。足元にまで。
全て自分の写真だ。
学校でのスナップ、修学旅行・体育祭・文化祭などのイベント写真。
中学の入学式の時の幼い自分もいる。
一番多いのは、引き延ばしたような粗い画像での
陸上競技ユニフォーム姿や体操服・スクール水着姿。
ニュースサイトに小さく載った記憶のある競技会でのショット、
その結果を報じた新聞の切り抜きもあり、
ご丁寧にパウチされている。
それらは、無秩序ではなく、よく見れば時系列順に並べられているようだ。
美奈子は、その執拗さに寒気を覚え、固まっていた。
(こんな、こんなに……)
「入るなとは言わなかったからなぁ……」
「きゃっ! 」
茫然と見つめていた美奈子は、友介が声を発するまで
近づいていることに、全く気付かなかった……
「まあ、中に入りなよ。
遠慮なく。よく見えるよ」
「なっ……」
思わぬ強い力で背中を強く押され、
不意を突かれた美奈子はベッドにどさりと倒れる。
そのまま友介が背中に圧し掛かってくる。
ただ、乱暴するわけでもなく、静かに美奈子の髪に顔を埋めたまま、語り始めた。
「驚いたでしょ……」
「す、すとーかー……」
「ご名答。そうだよ。ずっと好きだったと言ったじゃない」
「キミが中学一年生で入学してきて、新入生代表として登壇した瞬間に惚れたんだ。
こんな、天使の様な女の子がいるものかと、衝撃だったよ。
存在そのものが可愛く美しい。顔だけじゃなく、輝くような髪も、理知的な声も、
紡ぎ出す内容も、小さくとも引き締まって、弾むような体躯も、全てがすべてが素晴らしかったんだ」
「以来、ずっとストーカーさ」
「キミは、予想通りすぐに陸上部の、学園のアイドルとなり、
アスリートとしても有名人になり、
それを密かに遠巻きに応援する日々は、楽しかったな。
ボクは、三次元のアイドルには興味がなかったけれど、
推し活ってこういうものなのかなと実感して続けていたよ。
水族館で、怪しいサングラスに見覚えあると言ってたよね、
ミナの出る競技会は全部見に行ってたから、当然さ。
最初のころ、ビデオ撮ってたら係員に注意されて、
いつもできるだけ遠い観客席から見るようにしてた。
それでもバレるもんだ。女の子たちは鋭いね」
「だから、それからは競技会ではおとなしく、ビデオもカメラも持ち込まずに、
自分の目にミナの姿を
記憶に焼き付けるようにしてたんだ。
変質者としてつまみ出されたら、たまらないからね」
「その代わりと言ってはなんだけど、セキュリティ担当として、監視カメラ映像からは
たくさんキャプチャー撮らせてもらったよ。
操作ログを残して確認するなんてフロー、この学校にありはしないからね。
管理者権限で自由自在さ。
ミナの入学前に、たまたまだけどカメラを全部新調できていてよかったよ。
その前はだいぶ粗い映像だったから、きっと使い物にならなかっただろうし」
「監視カメラ以外の写真はね、
アルバム委員とか修学旅行実行委員が
共有サーバーにアップしたものが大半かな。
もちろん、ハッキングとかじゃなくて、管理者権限でアクセスして
堂々とダウンロードしてるよ。
やっぱりネットワーク管理業務を、業務委託に出すとか専門家入れるとかしないで
『パソコンに詳しそうな大先生』にやらせるもんじゃないよねぇ。」
「でもね、別に悪用するつもりなんて欠片もなかったんだよ。
学園のアイドルを密かに推しているだけ。
ちょっと自分の部屋に写真が欲しかったから、コレクションしてそれで満足していたんだ。
さすがに、枚数多かったね、ハハ。
あんなアクシデントがあるまでは、
ボクは葛城美奈子の卒業までを見守れれば、それでよかった……」
「あの日、文芸部室からミナが独りで練習しているのを見た時、止めればよかった。
キミの足が、まだまだ完治していないことは、
監視カメラの映像でボクにはわかっていたのに。
本当にミナのことが好きなら、アスリートとして応援していたなら、
勇気を持って止めに行くべきだった。
そうすれば、競技人生が終わる事なんてなかった」
「突然変な事を言う先生が来て止められたって、
ボクが気持ち悪がられ、嫌われるだけですんだんだ……
でも行けなかった。
やっぱり、ミナに不気味に思われたくなかった。
ただ見ていただけ……
ミナが倒れてからは、救急車を呼ぶのが精一杯……
練習を止めに行かなかったことを、後でどれだけ後悔したか」
ずっと黙って聞いていた美奈子が、反応した。
「あ、あの時、救急車呼んでくれたのは、浜田先生だったんですか !
誰が呼んでくれたか全然わからなくて……
私は痛みで、それどころじゃなかったし……」
友介の下から抜け出して、立ち上がると美奈子は、ペコリと頭を下げた。
「今更ですが、その節は、本当にありがとうございました。
あの寒空の中、応急対応に時間がかかっていたら、足の筋肉にもっと影響が
出ていたかもしないとお医者さんに言われました。
迅速な救急車が不幸中の幸いだったと……
おかげさまで、日常生活には支障ない程度には、すぐ復帰できました。
こんなことも……」
ぴょんぴょんと、美奈子が跳ねる。
「ストーカーも、助けになることがあるんだな……
でも、スプリンター葛城美奈子は失われてしまった……」
友介は、ベッドから降りて膝まづき、立っている美奈子の
太ももを、脹脛を、アキレス腱を、そしてつま先を愛でるように触った。
「あの爆発的な、弾けるようなスタートダッシュが好きだった。
追随を許さないスパートの力強さが忘れられない。
懸命にゴールテープを切る瞬間とその後のきらめく笑顔が宝物だった」
「写真を撮れなかった分だけ、ボクの脳裏には焼き付いている。
今も目を瞑れば思い出せる。
だから、だからね、実はミナの脚にはこれまで、ほとんど触れられなかった。
太ももから下は、特に。
あの……研ぎ澄まされた美しいラインが……変わってしまって……るんじゃないかって
……確認するのが嫌で……
あんなに毎日毎日走って努力していたミナの成果が消えてしまうのが、
かわいそうで、かわいそうで……」
元スプリンターの太ももにスカートの上から頬づりしながら、
友介は涙ぐみ、訥々と続けた。
「あの時、焦って練習しようとしたのは、私自身の責任です。
治りきっていないのに、選考会が迫っていたから、焦ってやろうとした。
別に、先生が気に病むことはありませんよ」
(あの救急車の恩人が先生だったなんて……
この人は、どうして泣いてるんだろう。
こんな、泣いて悔いる必要もないのに……
ただのストーカーのくせに……
でも、わたしのそれまでの努力が消えてかわいそう、
なんて言ってくれる人はいなかった……
みんな、大会に出られなくてとか、将来が、とかばかりだった……
お父さんも、お母さんでさえ……
あぁ、そうか、この人はストーカーだから、
ずっとわたしの練習を見ててくれたのか……
それで、わたしに感情移入して泣くなんて、ストーカーで脅迫者なのに……
バカなひと……)
美奈子は、友介の頭を両手で優しく包みながら、そっと少しだけはじめて撫でた。
脂ぎった薄い頭だが、気にならなかった。
暫くの沈黙の後、友介は続けた。
「気づいたかもしれないけど、この部屋の写真コレクションは昨年の二月で終わってる。
葛城美奈子の成長記録は止めたんだ。
もう終わりにした。そのつもりだった。
生徒会という新しい活躍の場を見つけて、
溌剌としてまた輝きだしたミナを見るのはうれしかったよ。
北条アキラは邪魔だったけれど、葛城美奈子をまた表舞台に引っ張り出してくれた
ことには感謝もした。
そのまま、見守って卒業を静かに待とうと思っていたんだ」
「そのはずだったよ……」
「監視カメラのチェックなんて、もう止めておけばよかった……
ミナの事故の後は、業務上必要最低限にしていた。
だから、偶然なんだ、生徒会室の映像確認は。
文化祭では外部の人が入り込んで来るから、これは例年仕事としてきっちりやってる。
特に最終日は、翌日休みなんで、そのまま学校に居残る輩がいたらマズいということで、
念入りに確認することになってるんだ。
で、見つけてしまったわけだ。お二人の痴態を。
びっくりもがっかりもしたよ。品行方正な優等生の二人がね……」
「そっからはよく覚えていないんだ。
画像データを自分のPCにダウンロードした後に、校内ネットワーク上からは
念入りに削除したような気がする。
気が付いたらボクの私用PCには、動画の一部と画像キャプチャーが
たんまりと溜まって、ネットワーク上からは、証拠隠滅されてた。
まあ、後でチェックなんて絶対されない、でも、ボク以外にも、
一応アカウント持ってる教師はいるからね。
ちなみに、お二人の映像の中身はもうほとんど記憶にない、
あまりのショックで。
胸糞悪くて見れないよ……ハァッ……
あとは、ご存じの通りで現在に至るわけだ。」
友介の長い長い告白はおわった。
「いやぁ、長々と語って恥ずかしいね。
さあ、ここにずっといてもしかたない。そのダンボールは適当に置いといて、出よう。
大掃除はまだ終わってないし」
その後は、引き続き大掃除を行ない、綺麗になった中で遅い昼食をとると、
早々に、お開きとなった。
その日、友介がエッチなことを仕掛けてくることはなかった。
帰り道、美奈子はつらつらと考えていた。
(わたしも、あんな話を聞いて、ちょっと複雑気持ちもあったから、
何もシなくてよかったな。
先生も、そーだったのかな。
なんか、またいつもの調子でセックスを迫られてたら、どうしただろう。
OKしちゃったかもしれな……
ないない、ないけれど……)
自分がいた……
自分が、
自分が、
自分が、部屋中に。
壁一面に、天井にも。足元にまで。
全て自分の写真だ。
学校でのスナップ、修学旅行・体育祭・文化祭などのイベント写真。
中学の入学式の時の幼い自分もいる。
一番多いのは、引き延ばしたような粗い画像での
陸上競技ユニフォーム姿や体操服・スクール水着姿。
ニュースサイトに小さく載った記憶のある競技会でのショット、
その結果を報じた新聞の切り抜きもあり、
ご丁寧にパウチされている。
それらは、無秩序ではなく、よく見れば時系列順に並べられているようだ。
美奈子は、その執拗さに寒気を覚え、固まっていた。
(こんな、こんなに……)
「入るなとは言わなかったからなぁ……」
「きゃっ! 」
茫然と見つめていた美奈子は、友介が声を発するまで
近づいていることに、全く気付かなかった……
「まあ、中に入りなよ。
遠慮なく。よく見えるよ」
「なっ……」
思わぬ強い力で背中を強く押され、
不意を突かれた美奈子はベッドにどさりと倒れる。
そのまま友介が背中に圧し掛かってくる。
ただ、乱暴するわけでもなく、静かに美奈子の髪に顔を埋めたまま、語り始めた。
「驚いたでしょ……」
「す、すとーかー……」
「ご名答。そうだよ。ずっと好きだったと言ったじゃない」
「キミが中学一年生で入学してきて、新入生代表として登壇した瞬間に惚れたんだ。
こんな、天使の様な女の子がいるものかと、衝撃だったよ。
存在そのものが可愛く美しい。顔だけじゃなく、輝くような髪も、理知的な声も、
紡ぎ出す内容も、小さくとも引き締まって、弾むような体躯も、全てがすべてが素晴らしかったんだ」
「以来、ずっとストーカーさ」
「キミは、予想通りすぐに陸上部の、学園のアイドルとなり、
アスリートとしても有名人になり、
それを密かに遠巻きに応援する日々は、楽しかったな。
ボクは、三次元のアイドルには興味がなかったけれど、
推し活ってこういうものなのかなと実感して続けていたよ。
水族館で、怪しいサングラスに見覚えあると言ってたよね、
ミナの出る競技会は全部見に行ってたから、当然さ。
最初のころ、ビデオ撮ってたら係員に注意されて、
いつもできるだけ遠い観客席から見るようにしてた。
それでもバレるもんだ。女の子たちは鋭いね」
「だから、それからは競技会ではおとなしく、ビデオもカメラも持ち込まずに、
自分の目にミナの姿を
記憶に焼き付けるようにしてたんだ。
変質者としてつまみ出されたら、たまらないからね」
「その代わりと言ってはなんだけど、セキュリティ担当として、監視カメラ映像からは
たくさんキャプチャー撮らせてもらったよ。
操作ログを残して確認するなんてフロー、この学校にありはしないからね。
管理者権限で自由自在さ。
ミナの入学前に、たまたまだけどカメラを全部新調できていてよかったよ。
その前はだいぶ粗い映像だったから、きっと使い物にならなかっただろうし」
「監視カメラ以外の写真はね、
アルバム委員とか修学旅行実行委員が
共有サーバーにアップしたものが大半かな。
もちろん、ハッキングとかじゃなくて、管理者権限でアクセスして
堂々とダウンロードしてるよ。
やっぱりネットワーク管理業務を、業務委託に出すとか専門家入れるとかしないで
『パソコンに詳しそうな大先生』にやらせるもんじゃないよねぇ。」
「でもね、別に悪用するつもりなんて欠片もなかったんだよ。
学園のアイドルを密かに推しているだけ。
ちょっと自分の部屋に写真が欲しかったから、コレクションしてそれで満足していたんだ。
さすがに、枚数多かったね、ハハ。
あんなアクシデントがあるまでは、
ボクは葛城美奈子の卒業までを見守れれば、それでよかった……」
「あの日、文芸部室からミナが独りで練習しているのを見た時、止めればよかった。
キミの足が、まだまだ完治していないことは、
監視カメラの映像でボクにはわかっていたのに。
本当にミナのことが好きなら、アスリートとして応援していたなら、
勇気を持って止めに行くべきだった。
そうすれば、競技人生が終わる事なんてなかった」
「突然変な事を言う先生が来て止められたって、
ボクが気持ち悪がられ、嫌われるだけですんだんだ……
でも行けなかった。
やっぱり、ミナに不気味に思われたくなかった。
ただ見ていただけ……
ミナが倒れてからは、救急車を呼ぶのが精一杯……
練習を止めに行かなかったことを、後でどれだけ後悔したか」
ずっと黙って聞いていた美奈子が、反応した。
「あ、あの時、救急車呼んでくれたのは、浜田先生だったんですか !
誰が呼んでくれたか全然わからなくて……
私は痛みで、それどころじゃなかったし……」
友介の下から抜け出して、立ち上がると美奈子は、ペコリと頭を下げた。
「今更ですが、その節は、本当にありがとうございました。
あの寒空の中、応急対応に時間がかかっていたら、足の筋肉にもっと影響が
出ていたかもしないとお医者さんに言われました。
迅速な救急車が不幸中の幸いだったと……
おかげさまで、日常生活には支障ない程度には、すぐ復帰できました。
こんなことも……」
ぴょんぴょんと、美奈子が跳ねる。
「ストーカーも、助けになることがあるんだな……
でも、スプリンター葛城美奈子は失われてしまった……」
友介は、ベッドから降りて膝まづき、立っている美奈子の
太ももを、脹脛を、アキレス腱を、そしてつま先を愛でるように触った。
「あの爆発的な、弾けるようなスタートダッシュが好きだった。
追随を許さないスパートの力強さが忘れられない。
懸命にゴールテープを切る瞬間とその後のきらめく笑顔が宝物だった」
「写真を撮れなかった分だけ、ボクの脳裏には焼き付いている。
今も目を瞑れば思い出せる。
だから、だからね、実はミナの脚にはこれまで、ほとんど触れられなかった。
太ももから下は、特に。
あの……研ぎ澄まされた美しいラインが……変わってしまって……るんじゃないかって
……確認するのが嫌で……
あんなに毎日毎日走って努力していたミナの成果が消えてしまうのが、
かわいそうで、かわいそうで……」
元スプリンターの太ももにスカートの上から頬づりしながら、
友介は涙ぐみ、訥々と続けた。
「あの時、焦って練習しようとしたのは、私自身の責任です。
治りきっていないのに、選考会が迫っていたから、焦ってやろうとした。
別に、先生が気に病むことはありませんよ」
(あの救急車の恩人が先生だったなんて……
この人は、どうして泣いてるんだろう。
こんな、泣いて悔いる必要もないのに……
ただのストーカーのくせに……
でも、わたしのそれまでの努力が消えてかわいそう、
なんて言ってくれる人はいなかった……
みんな、大会に出られなくてとか、将来が、とかばかりだった……
お父さんも、お母さんでさえ……
あぁ、そうか、この人はストーカーだから、
ずっとわたしの練習を見ててくれたのか……
それで、わたしに感情移入して泣くなんて、ストーカーで脅迫者なのに……
バカなひと……)
美奈子は、友介の頭を両手で優しく包みながら、そっと少しだけはじめて撫でた。
脂ぎった薄い頭だが、気にならなかった。
暫くの沈黙の後、友介は続けた。
「気づいたかもしれないけど、この部屋の写真コレクションは昨年の二月で終わってる。
葛城美奈子の成長記録は止めたんだ。
もう終わりにした。そのつもりだった。
生徒会という新しい活躍の場を見つけて、
溌剌としてまた輝きだしたミナを見るのはうれしかったよ。
北条アキラは邪魔だったけれど、葛城美奈子をまた表舞台に引っ張り出してくれた
ことには感謝もした。
そのまま、見守って卒業を静かに待とうと思っていたんだ」
「そのはずだったよ……」
「監視カメラのチェックなんて、もう止めておけばよかった……
ミナの事故の後は、業務上必要最低限にしていた。
だから、偶然なんだ、生徒会室の映像確認は。
文化祭では外部の人が入り込んで来るから、これは例年仕事としてきっちりやってる。
特に最終日は、翌日休みなんで、そのまま学校に居残る輩がいたらマズいということで、
念入りに確認することになってるんだ。
で、見つけてしまったわけだ。お二人の痴態を。
びっくりもがっかりもしたよ。品行方正な優等生の二人がね……」
「そっからはよく覚えていないんだ。
画像データを自分のPCにダウンロードした後に、校内ネットワーク上からは
念入りに削除したような気がする。
気が付いたらボクの私用PCには、動画の一部と画像キャプチャーが
たんまりと溜まって、ネットワーク上からは、証拠隠滅されてた。
まあ、後でチェックなんて絶対されない、でも、ボク以外にも、
一応アカウント持ってる教師はいるからね。
ちなみに、お二人の映像の中身はもうほとんど記憶にない、
あまりのショックで。
胸糞悪くて見れないよ……ハァッ……
あとは、ご存じの通りで現在に至るわけだ。」
友介の長い長い告白はおわった。
「いやぁ、長々と語って恥ずかしいね。
さあ、ここにずっといてもしかたない。そのダンボールは適当に置いといて、出よう。
大掃除はまだ終わってないし」
その後は、引き続き大掃除を行ない、綺麗になった中で遅い昼食をとると、
早々に、お開きとなった。
その日、友介がエッチなことを仕掛けてくることはなかった。
帰り道、美奈子はつらつらと考えていた。
(わたしも、あんな話を聞いて、ちょっと複雑気持ちもあったから、
何もシなくてよかったな。
先生も、そーだったのかな。
なんか、またいつもの調子でセックスを迫られてたら、どうしただろう。
OKしちゃったかもしれな……
ないない、ないけれど……)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる