辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

文字の大きさ
155 / 208
第十章 家族の時間

第317話 グランとの時間 1

しおりを挟む
ナリアとの二人の時間を終えてエターレインの屋敷に戻ってきたクリフは、ナリアがいつもの女子会を開催したので、部屋で一人次に一緒に行動するグランについて考えていた。

「グランとの出会いは学生時代だったよな~。ギルドの依頼で初めて報酬をもらったお金で召喚の魔法書とテイムのスキル書を買ったんだっけ。」

グランとの出会いは、学生時代にクリフが召喚魔法を使った時だ。クリフは召喚魔法でドラゴンを呼ぼうとしてその時限界まで魔力を注ぎ込んで召喚魔法を使った。その時に現れたのが赤いスライムだった。その赤いスライムはクリフのいる世界とは別の世界にいたスライムで名前もすでにあり、災厄と呼ばれていた存在だった。

「あの時からグランとはずっと一緒だな。しかも俺よりも圧倒的に強かったし・・・今なら良い勝負できるかもしれないけど。そう言えばグランのステータスってみた事ないな?当初は鑑定できませんだったし・・・今ならステータスを鑑定できるかも。まあ多分しないけど・・・」

クリフは昔は頻繁に自分のステータスを確認していたが、最近は見ると逆に疲れてしまうのでステータス鑑定するのを控えていた。

「そういや~グランに特訓してもらった事もあったな。あれで俺のレベルって一気に上がったんだったな。銀色のスライムは強かったし脅威だったな。銀色のスライムのくせに強いって反則だよな~。まあ経験値は多かったと思うけど。銀色のスライムか~。エターレインのダンジョンでも出してみると面白いよな~。一撃で倒せるけどすばしっこい感じで見つけるのに苦労するけど倒せば一気にレベルが5上がる。みたいな感じならエターレインの不思議ダンジョンにもマッチするかも。」

クリフは学生時代にグランとの特訓で限界を突破しステータスを大幅に上げていた。その時の訓練と言うのが大量の銀色のスライムとひたすら戦うというモノだった。しかもただのスライムではない。グランの様に人型になった大量の銀色のスライム達だった。その地獄とも言える訓練を乗り越え今があると言っても過言ではなかった。

「グランとの時間か~・・・予想が全くつかないな。普段は家でゴロゴロしてるイメージしかないからな~。まあグランとだったら本気で訓練できるし、銀色のスライムと戦った時みたいに場所を用意してくれるならグランと戦うのも面白いかもしれないな。自分の今の実力が図れるだろうし。」

そんな事を考えながら、部屋のベッドでゴロゴロしている頃、女子会では・・・

「やっぱりクリフとの二人の時間は良いわね。」

「「でしょ~」」

「久しぶりに楽しい時間を過ごせたわ。最近は子守もあって色々忙しかったし。いない間はヨウコの面倒みてくれてありがとね。」

「全然かまいませんよ。私も良い気分転換になりましたから。」

「そうそう。ヨウコちゃん可愛いからね。」

ナリアがクリフとの時間の内容を報告し、その間にエターレイン領で会った事を報告し合っていた。

そして・・・

「次は我の番なのだが、皆にお願いがあるのじゃ。」

「どうしたのよグラン?」

「実はマスターと共に行きたい場所があるのじゃが、もしかしたら1週間では戻って来れぬかもしれんのじゃ。どうなるかはわからぬが、長いと1カ月程かかるかもしれん。」

「どこに行くつもりなの?」

グランは、他の嫁達にクリフと共に行く予定の場所を話した。

「そう言う事なら絶対行くべきだわ。私は賛成よ。」

「すまぬのじゃ。特にサラサとライシャは次を楽しみにしてただろう?」

「かまわないわよ。それに私もグランはそこに絶対行くべきだと思うわ。だから気にしないで。私達は大丈夫だから。」

「そうね。サラサも言ってるように気にしないわ。一週間後が一カ月後になっただけだもの。」

「ありがとうなのじゃ。」

「グラン・・・気を付けてね。」

☆☆☆

そして翌日、クリフはグランの部屋を尋ねた。

「おはようグラン。準備はできてる?」

「もちろんじゃ。今日からよろしく頼むのじゃ。」

「うん。それでどこに行く?昨日は女子会が終わるまで待てなかったから先に寝てたし、グランから要望を聞いてなかったよね?」

「それなのじゃが、セリーヌ達には了承を取った。マスターには、我とともに我の故郷に行ってほしいのじゃ。」

「故郷・・・ってグランの故郷ってどこ?」

「この世界ではない別世界じゃ。我が元々住んでた世界じゃな。」

「ああそうか。グランが召喚される前にいた世界って事だね。でもそこに行く事ってできるの?」

「もちろんじゃ。召喚されてから一度も戻った事がないから今どうなってるかわからぬが、少なからず友人達がおったのでな。この機会にマスターの事を紹介したいのじゃ。向こうも我がいなくなって不思議に思ってるだろうしのぉ。」

「なるほどそう言う事ね。グランのいた世界か~。楽しみだね。でも何で今なの?けっこう行く機会ってあったと思うけど?」

「今のマスターなら問題ないと判断したのが一つじゃ。正直我のいた世界は、我より強い存在もいる。もちろん今のマスターと我ならそいつよりも強いと思うがのぉ。」

(マジか~・・・グランよりも強い存在か・・・興味はあるけどちょっと怖いな。無事に戻って来れるんだろうか?ついこの間まで力を封印してたから全力を出せるのはありがたいけど・・・グランのいた世界ってけっこうヤバいんだな。)

「わかったよ。グランの要望なら俺は喜んでついて行くよ。」

そうしてクリフとグランの二人の時間が始まったのだった。
しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。