辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第十章 家族の時間

第333話 ジャンヌとの時間 1

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「そういえばジャンヌと二人っきりでどこか行く事ってなかなかなかったね?」

「たしかにそうね。私とソフィアはセリーヌ達みたいにあなたの横で戦える訳じゃないもの。まあでも私は満足してるわよ?毎日楽しいし、クリフだって優しいし、無事に子供も生まれたしね。」

「今回はジャンと3人でユーティリアでゆっくり過ごすんでいいんだよな?どこか行きたい所があればどこでも行けるけどいいのか?」

「ええ。ユーティリアには世話になってるメイドも友達もいるから、ジャンを見せたいのよ。それに、領のみんなにも見せてあげたいからね。里帰りってヤツよ。いつもはクリフが来てもそんなに長居する事なかったでしょ?今回はゆっくりまったり過ごしたいのよ。その方がクリフもありがたいでしょ?」

(たしかに最近は、セリーヌ達嫁の為にあれこれしてたからハードど言えばハードではあったな。それを考えたらゆっくり過ごせるのはありがたいか?ジャンヌに気を使わせたかな?)

「そう言う事ならゆっくり過ごすか。ジャンと3人だしな。」

「ええ今から楽しみよ。」

「移動はどうする?」

「セリーヌ達みたいにお姫様抱っこで行きたい所だけど、ジャンもいるからね。ユーティリアの近くまで転移魔法で移動して、そこから馬車で町に入るのはどうかしら?折角だし、私達が来た事が分かる方がみんなも喜ぶと思うの。」

「ジャンヌがそれを希望するならそれで構わないよ。」

そうして、クリフとジャンヌとジャンの3人は、クリフの転移魔法でジャンヌの地元であるユーティリアへと向かうのだった。いつもであれば飛行魔法を使って移動中に盗賊に出くわすというのが最近のテンプレであったが、今回は転移魔法と馬車移動、更に言えば小さな子供もいるので、そんなイベントは起こさせない様にクリフが全力で対応したため、何事もなく馬車はユーティリアへと到着した。

「熱烈な歓迎だね。」

「そうね。事前に来る事はお父様に伝えていたからそれが町の人達にも伝わってるみたいね。」

「みんなジャンヌの里帰りを喜んでるみたいだね。ジャンも笑ってるよ。」

「私の育った町だしね。とりあえずお父様の屋敷に向かうわよ。きっと待ちきれなくて総出で家の前で待ってると思うから。」

「それなら早く向かわないとね。」

クリフが指示すると、馬車はジャンヌの屋敷へと向かって行った。ちなみに御者はクリフの魔法で作ったゴーレムで、半自動で動く事ができるのだ。

屋敷の前に着くとジャンヌの予想通り、門を挟んで入口前にユーティリア公爵家族とメイドに執事達が並んで待っていた。ゴーレムを通してその様子を見ていたクリフは、

「ジャンヌの予想通りだね。早く降りようか?待たせると悪いし。」

「大丈夫よ。待ってたって言っても門番から伝令が来て、外に出てただろうからさっき出てきたばかりだと思うし、それよりジャンはクリフが抱っこする?」

「いやジャンヌに任せるよ。俺が抱いてたら近寄りがたいだろ?」

「それもそうね。わかったわ。」

ジャンヌはジャンを抱いたまま、クリフに支えられながら馬車を出た。すると・・・

「「「「お帰りなさいませお嬢様。」」」」

入口前に並んでる執事&メイドが一斉にジャンヌに挨拶をしてきたのだ。

「ただいまみんな。久しぶりね。それにお嬢様って・・・私はもう子供も産んで母になったのよ。」

「いえいえ、ジャンヌ様は、いつまで経っても我々からしたらジャンヌお嬢様のままですから。」

「変わらないわねあなたも。まあいいわ。お父様お母様ただいま戻りました。クリフとジャンも一緒です。」

「おかえりジャンヌ。待っておったぞ。お祝いの時以来だな。母子ともに元気そうでなによりだ。」

「おかえりジャンヌ。待ってたわ。早く孫を私にも抱かせて。ちょっと見ない間に大きくなったんじゃない?」

「お祝い会の時から日が経ってますから。毎日すくすく育ってますよ。」

「ユーティリア公爵お久しぶりです。お祝い会の時はわざわざ来ていただきありがとうございました。少しですがお世話になります。」

「クリフ殿も良く来てくれた。是非ゆっくりして行ってくれ。とりあえずここでは何だし、中に入ってくれ。お昼まではまだ時間もあるしお茶でも用意しよう。」

そうして、ユーティリア公爵が屋敷の中へと入ると、それに続いてクリフとジャンヌも屋敷の中に入って行った。

パーティでもできそうな広間に通されたクリフとジャンヌ。そこには豪勢な食事が用意されていた。

「お父様・・・これは?」

「ははは。お前がクリフ殿と孫を連れてくるって聞いてたからみんな張り切ってしまったみたいだ。使用人達からのお祝いだと思ってくれ。」

「みんな・・・ありがとう。」

「「「お嬢様おめでとうございます。」」」

ジャンは今、ジャンヌの母親が抱いているため、ジャンヌは母親とともにそれぞれの使用人と談笑し始めた。その度にジャンの顔を見せて抱っこさせたりと和やかな雰囲気を出していた。

「クリフ殿。ジャンヌ達は自由にしておるようだし、座ってお茶でもせぬか?」

「そうですね。」

そうして、ジャンヌとジャンとの3人の時間が始まったのだった。
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