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第十章 家族の時間
第332話 サラサ&ライシャとの時間 5
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世界樹の大陸を観光地にする為にサラサとライシャとともに行動しているクリフは、3人で過ごす時間の間にできる事を進めた。
クリフでないとできない事は、転移魔法陣の設置だ。王都サリマン、帝都テキサス、聖都クリスティンにそれぞれセンターランドへの転移魔法陣を設置し、センターランドは受け入れの町として、街を大きく拡張した。責任者が必要になるが、3人での時間中はエターレインへは戻らないと決めていたので、転移魔法陣の設置だけする事にした。使用はまだ開始していない。
やるべき事を終えたクリフ達は、世界樹の大陸の端っ子で釣りを楽しんでいた。
「ありがとうクリフ。私達の為に動いてくれて。」
「何をいまさら。嫁を助けるのは旦那として当然の事だろ?」
「それはそう・・・なんだけど・・・私達ってクリフの妻になったのも最後だったじゃない?ちょっと遠慮しちゃって。自信をつけようと思ってレイン商会もがんばっているけど、セリーヌ達って私以上にがんばってるから、全然自信つかなくて・・・」
「そんな事思ってたのか?サラサはとてもがんばってるよ。もちろんライシャも。レイン商会だって世界で最も有名な商会って言われてるじゃないか?十分すぎるだろ?それに・・・それに、がんばらなくたっていいんだ。毎日を笑って楽しそうに生活してくれさえいればいいんだ。」
「「クリフ・・・」」
「って俺が言っても説得力ないかも・・・。エターレイン家の中で一番仕事してないのって俺だからな。今回の事だって、みんな頑張ってるのに俺だけ何もしてないなって思って、何かできる事を探そうと思って始めた事だし。二人のお陰で定期的にリンに会いに行く予定ができた。その時はもちろんサラサとライシャも一緒に来てくれるだろ?」
「「もちろん」」
「ちょっとずつちょっとずつこの大陸を良くして行こうよ。俺の力を使えばすぐに理想に近いところまでできるかもしれない。だけど、ゆっくり少しずつ変えて行ってそれを3人で見ていくのってめっちゃワクワクするじゃん。俺はそうやって過ごしていきたい。」
(やりすぎはよくないからな。仕事にしても家族サービスにしても。俺ってのめり込むと周りが見えなくなって、やりすぎちゃうからな。自重していかないと。それに、こうやってそれぞれの嫁の今後の約束を作っていくのって大事だよな~。まあ後は俺がその約束を忘れたり、破ったりせずにちゃんと実行していくのが重要なんだろうな。前世でも結婚記念日や恋人や嫁の誕生日を忘れて破局とか、離婚になったりするニュースも見た事あるし。)
3人で海に向かって釣り糸を垂らして、海を眺めながらまったりと色々な話をしたクリフ達。
(こんな時間はセリーヌ達とも作れなかったな。何かしら目的があって行動してたり、街をブラブラする事はあったけど、のんびり釣りをしながら話をするってのも案外いいもんだな。エターレインには海がないから無理だけど、ちょくちょく考え事する時なんかはここに来て釣りをしながらぼーっとするのも気分転換に良いかもしれないな。)
「そろそろエターレインに戻りましょうか?」
「まだ時間はあるぞ?ギリギリまで楽しまないのか?」
「もちろん楽しむわよ。クリフの転移で戻るのはもったいないでしょ。3人いるからお姫様抱っこはあきらめるけど、この島の周りに何があるのか見てみたいの。私達二人と一緒に飛行魔法で島の外に出てほしいの。」
(なるほど。たしかにそれは気になるだろうな。まあ空を飛んで移動したいっていうのも本音だろうな。正直、この大陸が世界のどこにあるかはわからないって事にはなってるけど、ある程度目星はついてるんだよな~。俺の場合、飛行魔法だけで世界一周とかして世界を見て回る事はできるけど、してないもんな。なんか楽しみが減っちゃう気がして・・・。要望だからここからエターレインまで飛んで戻っても良いかもしれないな。)
「わかった。ならここからエターレインまで空の旅をして帰ろうか。」
「「えっ!?」」
「どうしたの?」
「いや・・・クリフ。この大陸がどこにあるのかわかってたの?」
「ん~なんとなくだけどね。まあ神様達からも世界樹の重要性は知ってたからわざと知らないふりをしてたんだ。船とかでここに来られると困るしね。」
「そうなんだ・・・ならお願い。ここからエターレインまでどれだけ海が続いてて、どんな景色が見えるのか見てみたい。」
「わかったよ。お二人にここからエターレインまでの空の旅をお届け致しましょう。」
クリフはそういうと、両手でサラサとライシャを抱き寄せた。
「窮屈かもしれないけど、しっかり掴まっててね。怖かったら言ってよ。一応スピードは抑えるつもりだけど、もしもの事があったら困るから。」
「大丈夫よ。むしろ気持ち良い。」
「私も。」
二人を抱き寄せたクリフは、世界樹の大陸を出て、エターレイン領へと向かって行った。一面に広がる海を眺めて移動した先には、クリフ達が住む大陸が見えた。
「あれがそうなの?」
「ああ。ここは東の端だな。西に進めばエターレインがあるよ。」
「私達すごい秘密を知っちゃったわね。」
「ああ俺達3人だけの秘密だ。」
「「3人だけの秘密・・・」」
そうして、サラサとライシャとの時間を有意義にすごしたクリフは、二人に抱き着かれたままエターレイン領へと帰って行くのだった。
クリフでないとできない事は、転移魔法陣の設置だ。王都サリマン、帝都テキサス、聖都クリスティンにそれぞれセンターランドへの転移魔法陣を設置し、センターランドは受け入れの町として、街を大きく拡張した。責任者が必要になるが、3人での時間中はエターレインへは戻らないと決めていたので、転移魔法陣の設置だけする事にした。使用はまだ開始していない。
やるべき事を終えたクリフ達は、世界樹の大陸の端っ子で釣りを楽しんでいた。
「ありがとうクリフ。私達の為に動いてくれて。」
「何をいまさら。嫁を助けるのは旦那として当然の事だろ?」
「それはそう・・・なんだけど・・・私達ってクリフの妻になったのも最後だったじゃない?ちょっと遠慮しちゃって。自信をつけようと思ってレイン商会もがんばっているけど、セリーヌ達って私以上にがんばってるから、全然自信つかなくて・・・」
「そんな事思ってたのか?サラサはとてもがんばってるよ。もちろんライシャも。レイン商会だって世界で最も有名な商会って言われてるじゃないか?十分すぎるだろ?それに・・・それに、がんばらなくたっていいんだ。毎日を笑って楽しそうに生活してくれさえいればいいんだ。」
「「クリフ・・・」」
「って俺が言っても説得力ないかも・・・。エターレイン家の中で一番仕事してないのって俺だからな。今回の事だって、みんな頑張ってるのに俺だけ何もしてないなって思って、何かできる事を探そうと思って始めた事だし。二人のお陰で定期的にリンに会いに行く予定ができた。その時はもちろんサラサとライシャも一緒に来てくれるだろ?」
「「もちろん」」
「ちょっとずつちょっとずつこの大陸を良くして行こうよ。俺の力を使えばすぐに理想に近いところまでできるかもしれない。だけど、ゆっくり少しずつ変えて行ってそれを3人で見ていくのってめっちゃワクワクするじゃん。俺はそうやって過ごしていきたい。」
(やりすぎはよくないからな。仕事にしても家族サービスにしても。俺ってのめり込むと周りが見えなくなって、やりすぎちゃうからな。自重していかないと。それに、こうやってそれぞれの嫁の今後の約束を作っていくのって大事だよな~。まあ後は俺がその約束を忘れたり、破ったりせずにちゃんと実行していくのが重要なんだろうな。前世でも結婚記念日や恋人や嫁の誕生日を忘れて破局とか、離婚になったりするニュースも見た事あるし。)
3人で海に向かって釣り糸を垂らして、海を眺めながらまったりと色々な話をしたクリフ達。
(こんな時間はセリーヌ達とも作れなかったな。何かしら目的があって行動してたり、街をブラブラする事はあったけど、のんびり釣りをしながら話をするってのも案外いいもんだな。エターレインには海がないから無理だけど、ちょくちょく考え事する時なんかはここに来て釣りをしながらぼーっとするのも気分転換に良いかもしれないな。)
「そろそろエターレインに戻りましょうか?」
「まだ時間はあるぞ?ギリギリまで楽しまないのか?」
「もちろん楽しむわよ。クリフの転移で戻るのはもったいないでしょ。3人いるからお姫様抱っこはあきらめるけど、この島の周りに何があるのか見てみたいの。私達二人と一緒に飛行魔法で島の外に出てほしいの。」
(なるほど。たしかにそれは気になるだろうな。まあ空を飛んで移動したいっていうのも本音だろうな。正直、この大陸が世界のどこにあるかはわからないって事にはなってるけど、ある程度目星はついてるんだよな~。俺の場合、飛行魔法だけで世界一周とかして世界を見て回る事はできるけど、してないもんな。なんか楽しみが減っちゃう気がして・・・。要望だからここからエターレインまで飛んで戻っても良いかもしれないな。)
「わかった。ならここからエターレインまで空の旅をして帰ろうか。」
「「えっ!?」」
「どうしたの?」
「いや・・・クリフ。この大陸がどこにあるのかわかってたの?」
「ん~なんとなくだけどね。まあ神様達からも世界樹の重要性は知ってたからわざと知らないふりをしてたんだ。船とかでここに来られると困るしね。」
「そうなんだ・・・ならお願い。ここからエターレインまでどれだけ海が続いてて、どんな景色が見えるのか見てみたい。」
「わかったよ。お二人にここからエターレインまでの空の旅をお届け致しましょう。」
クリフはそういうと、両手でサラサとライシャを抱き寄せた。
「窮屈かもしれないけど、しっかり掴まっててね。怖かったら言ってよ。一応スピードは抑えるつもりだけど、もしもの事があったら困るから。」
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