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第十一章 新大陸ウエストディザイア
第357話 イプシロンハイ
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クリフは、イプシロンハイに向かう為に馬車に乗っていた。馬車には仲間のララと共に、幾人かの冒険者の恰好をした人が乗っていた。
「今日はサーフェスの町に泊まるんだよな?」
「ええ。今日サーフェスで泊まって、明日にはイプシロンハイには着くと思うわ。サーフェスまで行けばイプシロンハイの試練の塔も見えると思うわ。」
「ララはイプシロンハイの試練の塔には行った事あるの?」
「ええ。何度か行った事あるわよ。でもアルファロードの試練の塔とはあまり変わらないわよ。」
「そうなの?じゃあ試練の塔ってどこも一緒なの?」
「なんだ?そんな事も知らないのかい?」
クリフとララが話していると同じ馬車に乗ってる冒険者が話しかけてきた。
「そうなんですよ。冒険者になったばかりでアルファロードとスタンフォールしか知らなくて。今回も初めて他の国に行くんですよ。」
「そうなのかい?という事は教会の指名依頼かい?」
「そうです。」
「それなら納得だよ。アタシはミュラって言うんだ。」
「俺はクリフで、こっちがララだ。ミュラ達もイプシロンハイに向かってるのか?」
「いやアタシ達はイプシロンハイを経由して、ガンマトルネードに向かう途中さ。」
「ガンマトルネードですか?そういえば試練の塔について行ってましたね。ガンマトルネードの試練の塔はアルファロードやイプシロンハイと何か違うんですか?」
「ああ。基本的にどの試練の塔も100階から成ってるけど、出てくる魔物の種類が違うんだ。アタシ達は今Bランクだからね。アルファロードよりもガンマトルネードの方が早く上に行けそうだから、拠点を移そうと思ってね。」
(なるほど。相性とかかな?見るからに剣士っぽいからガンマトルネードの41階から60階は剣士に有利な敵が多いって事か?逆にアルファロードの41階から60階は剣士には苦手なのか?)
「へぇ~。そういうのがあるんですね。私も初めて知りました。どこの試練の塔も一緒だと思ってました。」
「まあそう思ってる冒険者は多いだろうね。ドロップアイテムだって多少は違うんだぜ。例えばアルファロードの試練の塔は飲み物が一切ドロップしない。とかな。」
「そうなんですか?」
「ああ、飲み物、野菜、果物、肉、穀物、それぞれどれかが全く出ないんだ。まあ逆に言えばそれがあるから各国の流通が盛んになってるんだけどね。何でも間でも出たら国から出る必要性が無いからね。」
(成程確かにミュラの言う通りだ。その辺はうまい事できてるんだな。まあそれでなくても冒険者の移動は結構あるだろう。例えば俺ならモンスターウエーブが発生した国は1年間は発生しないから、その国へ移動しようか?とか思ったりもするし。)
「そう言えば私も飲み物がドロップした事なかったです。」
「情報は大事だよ。上に行くならね。」
「ありがとうございます。為になります。」
「いいって事さ。教会の指名依頼を受けるって事は将来期待されてる証だからね。」
「ちなみにイプシロンハイの試練の塔はどうなんですか?」
「あそこは肉が一切出ないんだ。まあイプシロンハイはこの世界の中心だから多くの冒険者がいるね。競争が激しいから遠慮する人も多い。アタシ的には周りの国の方がやりやすいね。」
(たしかに世界の中心なら人が多いか。競争が激しい分物価が高いとか?なら同じ素材を売るにしても高値で売れるとかもあるかもな。良い所と悪い所がどこにもあるか?ミュラさんは冒険者生活が長そうだし、その辺の心得とかを聞いておいてもいいかもしれないな。)
「ミュラさん。俺達二人でメンバーを組んでるんですけど、ミュラさん達は4人ですよね?最初から4人でやってたんですか?」
「いや自然と集まったって感じだね。」
その後も、試練の塔の情報や、冒険者の事、教会の事など知りたい事をどんどんクリフは聞いて行った。サーフェスの町を経由して、イプシロンハイに着くまでの間は、当初の予定通り、何事もなくただただ馬車に乗って移動していただけだったので、ミュラのパーティと話しながら進めたのは良い時間つぶしとなっていた。
そして、目的地であるイプシロンハイに辿り着いた。
「ミュラさん。色々教えて頂きありがとうございました。」
「良いって事よ。しばらくアタシ達はガンマトルネードにいると思うから、来る事があったら声かけてくれよ。」
「ありがとうございますミュラさん。」
「ララもがんばりなよ。アンタの境遇はつらいと思うけど、冒険者は常に死と隣合わせさ。気にするなってのは無理だろうけど、アンタとクリフならうまく行くよ。」
馬車を降り、クリフとララはミュラのパーティと別れた。
「良い人達だったな。」
「ええ。ガンマトルネードも行ってみたくなったわ。」
「だな。さてっと教会に向かうのは明日よな?とりあえず宿を探そうか?」
「宿なら私がわかるわ。」
(さて教会のおひざ元に着いたな。明日は教会の人と会うのか。折角来たんだ。何かしたら良い情報を仕入れたい所だよな。まあ依頼が終われば少し滞在してこっちの試練の塔を見てみるのも良いだろう。それに・・・奴隷に関しても。)
そうして、無事にイプシロンハイへと辿り着いたクリフ達なのであった。
「今日はサーフェスの町に泊まるんだよな?」
「ええ。今日サーフェスで泊まって、明日にはイプシロンハイには着くと思うわ。サーフェスまで行けばイプシロンハイの試練の塔も見えると思うわ。」
「ララはイプシロンハイの試練の塔には行った事あるの?」
「ええ。何度か行った事あるわよ。でもアルファロードの試練の塔とはあまり変わらないわよ。」
「そうなの?じゃあ試練の塔ってどこも一緒なの?」
「なんだ?そんな事も知らないのかい?」
クリフとララが話していると同じ馬車に乗ってる冒険者が話しかけてきた。
「そうなんですよ。冒険者になったばかりでアルファロードとスタンフォールしか知らなくて。今回も初めて他の国に行くんですよ。」
「そうなのかい?という事は教会の指名依頼かい?」
「そうです。」
「それなら納得だよ。アタシはミュラって言うんだ。」
「俺はクリフで、こっちがララだ。ミュラ達もイプシロンハイに向かってるのか?」
「いやアタシ達はイプシロンハイを経由して、ガンマトルネードに向かう途中さ。」
「ガンマトルネードですか?そういえば試練の塔について行ってましたね。ガンマトルネードの試練の塔はアルファロードやイプシロンハイと何か違うんですか?」
「ああ。基本的にどの試練の塔も100階から成ってるけど、出てくる魔物の種類が違うんだ。アタシ達は今Bランクだからね。アルファロードよりもガンマトルネードの方が早く上に行けそうだから、拠点を移そうと思ってね。」
(なるほど。相性とかかな?見るからに剣士っぽいからガンマトルネードの41階から60階は剣士に有利な敵が多いって事か?逆にアルファロードの41階から60階は剣士には苦手なのか?)
「へぇ~。そういうのがあるんですね。私も初めて知りました。どこの試練の塔も一緒だと思ってました。」
「まあそう思ってる冒険者は多いだろうね。ドロップアイテムだって多少は違うんだぜ。例えばアルファロードの試練の塔は飲み物が一切ドロップしない。とかな。」
「そうなんですか?」
「ああ、飲み物、野菜、果物、肉、穀物、それぞれどれかが全く出ないんだ。まあ逆に言えばそれがあるから各国の流通が盛んになってるんだけどね。何でも間でも出たら国から出る必要性が無いからね。」
(成程確かにミュラの言う通りだ。その辺はうまい事できてるんだな。まあそれでなくても冒険者の移動は結構あるだろう。例えば俺ならモンスターウエーブが発生した国は1年間は発生しないから、その国へ移動しようか?とか思ったりもするし。)
「そう言えば私も飲み物がドロップした事なかったです。」
「情報は大事だよ。上に行くならね。」
「ありがとうございます。為になります。」
「いいって事さ。教会の指名依頼を受けるって事は将来期待されてる証だからね。」
「ちなみにイプシロンハイの試練の塔はどうなんですか?」
「あそこは肉が一切出ないんだ。まあイプシロンハイはこの世界の中心だから多くの冒険者がいるね。競争が激しいから遠慮する人も多い。アタシ的には周りの国の方がやりやすいね。」
(たしかに世界の中心なら人が多いか。競争が激しい分物価が高いとか?なら同じ素材を売るにしても高値で売れるとかもあるかもな。良い所と悪い所がどこにもあるか?ミュラさんは冒険者生活が長そうだし、その辺の心得とかを聞いておいてもいいかもしれないな。)
「ミュラさん。俺達二人でメンバーを組んでるんですけど、ミュラさん達は4人ですよね?最初から4人でやってたんですか?」
「いや自然と集まったって感じだね。」
その後も、試練の塔の情報や、冒険者の事、教会の事など知りたい事をどんどんクリフは聞いて行った。サーフェスの町を経由して、イプシロンハイに着くまでの間は、当初の予定通り、何事もなくただただ馬車に乗って移動していただけだったので、ミュラのパーティと話しながら進めたのは良い時間つぶしとなっていた。
そして、目的地であるイプシロンハイに辿り着いた。
「ミュラさん。色々教えて頂きありがとうございました。」
「良いって事よ。しばらくアタシ達はガンマトルネードにいると思うから、来る事があったら声かけてくれよ。」
「ありがとうございますミュラさん。」
「ララもがんばりなよ。アンタの境遇はつらいと思うけど、冒険者は常に死と隣合わせさ。気にするなってのは無理だろうけど、アンタとクリフならうまく行くよ。」
馬車を降り、クリフとララはミュラのパーティと別れた。
「良い人達だったな。」
「ええ。ガンマトルネードも行ってみたくなったわ。」
「だな。さてっと教会に向かうのは明日よな?とりあえず宿を探そうか?」
「宿なら私がわかるわ。」
(さて教会のおひざ元に着いたな。明日は教会の人と会うのか。折角来たんだ。何かしたら良い情報を仕入れたい所だよな。まあ依頼が終われば少し滞在してこっちの試練の塔を見てみるのも良いだろう。それに・・・奴隷に関しても。)
そうして、無事にイプシロンハイへと辿り着いたクリフ達なのであった。
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