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番外
お話
「ミアとさ、一緒にいる人たちさ、私のこと怒ってる?」
1番初めに思いついた言葉がそれだった。ちょっと眉を八の字にして小首を傾げてみる。できれば怒られたくないなーと思いながら。
「聖女様、怒っていないかとは、何のお話でしょうか」
授業中だから、ミアは小声で返してくる。
「アカリでいいよ。私さ、周りに男の子多いじゃん。ベンネルとかカルとか、それこそブレイグとかね。みんな婚約者いるって聞いてるからさ、政略とかでも婚約者が他の人といるのは気分悪いのかなと思って」
どうかな、と聞いてみる。我ながら上手くまとめられた気がする。ミアがブレイグについてどう思ってるのか聞いてみたかった。
ミアは考えるために一瞬黙った。
「私は特には。ブレイグ様とは婚約してから殆ど関わりも無いですし。他の方々は思うところがあるようではありますが」
ミアは淡々と言った。
「本当に?本当にミアは何にも気にならないの?」
「ええ、本当に。私とブレイグ様の婚約期間は短いものですし、お会いした機会も殆どないですから。もしミア様がブレイグ様のことが気になっているのなら、私は領地をクロシェット侯爵家が援助し続けてくださるのなら、喜んでミア様とブレイグ様の事を応援します」
ミアの言葉が終わるか終わらないかのうちに外が光った。大きな稲光。続いて大きな音がして雨も強く降り始める。
「珍しいですね、突然の大雨なんて」
ミアが窓の外を見て呟く。
「アカリ、大丈夫?」
少し離れた席からレーブが近寄ってきて私を立たせる。授業がまだ終わってないのに教室から連れ出された。
「どうしたのレーブ?確かにちょっとびっくりしたけど、授業抜けるほどじゃ…」
「そうじゃない」
ない。と言い切る前にレーブがこちらに顔を向ける。何故かもどかしげな顔をしていた。
そのまま突然抱きしめられた。
「え?え?どうしたの?」
背中に手を回すと私を抱きしめる手に力が入る。いや、優しいハグなんだけどさ。
「君には幸せでいてほしい。幸せでいてもらわないといけないんだ」
レーブがどこか切なげな声で言う。どうしたんだろう。
「私十分幸せだよ?突然何?」
「違う、そうじゃないんだ」
レーブはただ首を振るだけだった。雨はいつの間にか上がっていたようだった。
1番初めに思いついた言葉がそれだった。ちょっと眉を八の字にして小首を傾げてみる。できれば怒られたくないなーと思いながら。
「聖女様、怒っていないかとは、何のお話でしょうか」
授業中だから、ミアは小声で返してくる。
「アカリでいいよ。私さ、周りに男の子多いじゃん。ベンネルとかカルとか、それこそブレイグとかね。みんな婚約者いるって聞いてるからさ、政略とかでも婚約者が他の人といるのは気分悪いのかなと思って」
どうかな、と聞いてみる。我ながら上手くまとめられた気がする。ミアがブレイグについてどう思ってるのか聞いてみたかった。
ミアは考えるために一瞬黙った。
「私は特には。ブレイグ様とは婚約してから殆ど関わりも無いですし。他の方々は思うところがあるようではありますが」
ミアは淡々と言った。
「本当に?本当にミアは何にも気にならないの?」
「ええ、本当に。私とブレイグ様の婚約期間は短いものですし、お会いした機会も殆どないですから。もしミア様がブレイグ様のことが気になっているのなら、私は領地をクロシェット侯爵家が援助し続けてくださるのなら、喜んでミア様とブレイグ様の事を応援します」
ミアの言葉が終わるか終わらないかのうちに外が光った。大きな稲光。続いて大きな音がして雨も強く降り始める。
「珍しいですね、突然の大雨なんて」
ミアが窓の外を見て呟く。
「アカリ、大丈夫?」
少し離れた席からレーブが近寄ってきて私を立たせる。授業がまだ終わってないのに教室から連れ出された。
「どうしたのレーブ?確かにちょっとびっくりしたけど、授業抜けるほどじゃ…」
「そうじゃない」
ない。と言い切る前にレーブがこちらに顔を向ける。何故かもどかしげな顔をしていた。
そのまま突然抱きしめられた。
「え?え?どうしたの?」
背中に手を回すと私を抱きしめる手に力が入る。いや、優しいハグなんだけどさ。
「君には幸せでいてほしい。幸せでいてもらわないといけないんだ」
レーブがどこか切なげな声で言う。どうしたんだろう。
「私十分幸せだよ?突然何?」
「違う、そうじゃないんだ」
レーブはただ首を振るだけだった。雨はいつの間にか上がっていたようだった。
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