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5年前、とあるダンジョンで罠に引っ掛かり、僕の身体にはいくつかの縛りが科せられた。話すことができないのもそのうちの一つ。意思疎通が難しい僕と組んでくれる人は全然いなくて困り果てていた時に拾ってくれたのがデリックだった。アナベルとコンビだったデリックは僕に対して、話せなくてもいい、こっちが勝手に汲み取る。と宣言して、本当に僕の意志を全て読み取るような動きで戦ってくれた。ある程度実力のあるトリオとして認められ出した時に、とある依頼でユーリアと出会い、4人パーティを組むことになった。
パーティリーダーのデリックは、24歳、豪放磊落、質実剛健なんて言葉が似合うような強くて逞しい男。見た目は細身なのに大剣を振り回して敵を倒すすごく強い人。
アナベルは22歳、ちょっと気が強すぎるところがあるけど、本当はとっても優しい人。魔法使いとしての能力は超一流でどこのパーティからも勧誘を受けてる。
ユーリアは少しおっとりとしてる18歳。パーティ最年少で、パーティを組むのも僕たちが初めて。ソロで行ったクエストに苦戦しているところをデリックが手助けしたのが出会いだった。ヒーラーとしての能力以外にも知識豊富で物品の採集みたいな僕たちが苦手なクエストは彼女頼りになった。
ついでに、僕はテオ、19歳。シーフ。昔いたパーティで罠に嵌って縛りが掛けられた瞬間置いてけぼりにされた哀れなシーフ。今はデリックたちがいるから良いけどね。
罠の解除と鑑定が主な仕事の僕はパーティに必須なわけでは無いから僕が邪魔、と言う気持ちもわかる。パーティ人数は4人まで、って所が多いし。
でも、僕は結構自分では優秀な方だと思うし、身を守ることぐらいはできるからパーティに置いておいて損はないんじゃないかな、なんて考えてみる。みんなには伝えない。多分気を使わせてしまう。
パーティを解散、又は個人を追放できるのはパーティメンバーか、パーティを組んだギルドの人間だけになる。ギルドの人は知らない様子だったし、3人のうち誰かに追放されたと考えるのが無難なんだけど。
(そう考えたくはないなぁ)
みんなのことが好きだから、信じたいとは思っている。顔を突き合わせて話し合うみんなの声に耳を傾けながら、個人で調査してみることを心に決めた。
パーティリーダーのデリックは、24歳、豪放磊落、質実剛健なんて言葉が似合うような強くて逞しい男。見た目は細身なのに大剣を振り回して敵を倒すすごく強い人。
アナベルは22歳、ちょっと気が強すぎるところがあるけど、本当はとっても優しい人。魔法使いとしての能力は超一流でどこのパーティからも勧誘を受けてる。
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