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第二章~勇者修行編~
8.アレクサンダーが強すぎる件
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ヴァニラとの戦いが終わり俺たちは今、教会へと足を踏み入れた。
「ん?なんじゃ?もう帰ってきたのか。」
「あいや、俺があまりにも弱すぎて。」
隣でヴァニラが苦笑いをしている。
「兎に角、わしと戦う気があるのか?」
「...先ほどまでありまくりでしたが、今はゼロに等しいですね...。」
「...そうか。」
アレク爺さんは俺と戦いたかったのかもしれないな。だって無茶苦茶悲しそうな顔をしているからである。
「わし、久しぶりに本気を出すことができると思ったんじゃがな。」
「なるほど。なんか悲しい顔をしていると思ったら...。ていうか、アレク爺さんって強いんですか?もし仮にクッソ強かったら俺、死んでましたよ。」
「わしか。多分強いと思うぞ。ちょっとまっとれ。」
(ガサゴソ)
アレク爺さんがなんかよくわからん部屋に入っていった。教会の地下だろうか。
「またせたな。」
あれから二分ほどたった気がする。そして、アレク爺さんは帰ってきた。謎の板と共に。
「なんですか?それは。」
「...。これは純粋なダイヤモンドさん柔構造の超硬固石板じゃ!!!!!!」
アレク爺さんはおれらに名前が若干ダサい板を見せつけてきた。ダイヤモンドはまぁそこらへんにたくさんあるし、高度はアウトブロッククリスタル(この世界で最も固いクリスタル)よりは劣るだろうが、三重構造ともなれば一体どれくらいの硬さを誇っているのかが気になるな。そして、アレク爺さんが歩き出した。
「ヴァニラくん。きたまえ。」と、アレク爺さんがヴァニラを呼び、二人で教会の外及びさっきの空き地へと向かっていった。まて、俺はのけものなのか...。
教会の外から声が聞こえる。
「ヴァニラくん、さっきも言ったが、この板はクッソ固いんじゃ。どれ、試してみるがよい。」
一人取り残された俺は外から聞こえてくるアレク爺さんの音声に耳を傾けている。そして、ヴァニラの「はい!!やってみます。」という声も聞こえてきた。
(コツン。こつん、コツン。)と音が聞こえる。ヴァニラが頑張っているのだろう。ヴァニラの猫パンチもどきでもダイヤモンドの板は一切砕ける音を奏でない。むしろ、ヴァニラの心が砕けるかもね。
「じゃあ、今度はわしが...。」
(ドゥドゥドゥドォゥン!!!)
耳をつんざくような大大大爆音と強風に俺は突然襲われた。しかし、俺がそれに気づいたのはもう遅かった。取り返しがつかない。なぜなら...。
「教会の壁がぶっ飛んだんですけど!!!」
気づいたら俺は叫んでいた。いや、気づかなくても叫んでいた気がする。だってジジイの拳一つで教会が半壊したんだぞ...。
「...あら。わし、やりすぎた?」
「お、おう。」
フラニック・オブ・クライネスのおかげか知らんが俺は奇跡的に無傷だった。しかし、超硬固石板はおろか、教会の壁までがれき一つ残さず拭き取んでいったので、俺の目の前の風景は、床と草原と唖然したヴァニラとジジイだけしかない。
「じいさんどの。強いのは分かった。コッピディアン教会、これからどうするのかや?」
「...。これは神もお怒りだろう。グランドドイッスおよび東アニマニクス同盟共和国大聖堂の教皇様に謝罪して再建してもらうしかなかろう。...ソフィアには、わしが壊したってことはない所じゃぞ。」
―俺は笑うしかなくなった。なぜなら、後ろからソフィアが駆けてくることに気が付いてしまったからだ。背後から足音と共に声が聞こえる。
「アレクサンダー様!!私、場所間違えたみたいなので帰りまーす!カッコ笑。......。どういうことか説明してくれます?」
ソフィアの明るく暗い声が俺の背後から聞こえてくる。アレク爺はカナルおどおどしている様子だ。
「い、いや。ちょっとな。わしがこの子たちに本気を見せつけたら、こうなってしまったのじゃ。」
...ひどい理由だ。ソフィアは「は?」と言っているが、なんとヴァニラは満面の笑みだ...。コッピディアン教会に何かうらみでもあるのだろうか。
しかし、俺の考えと事実は大きく異なっていた。
「じいさんどの。かっこいいね!!私、強い人がタイプなんだ。」
ヴァニラはその青い目をきらめかせながらアレク爺さんに話しかけている。しかし、その一方でソフィアはアレク爺さんに対して殺気を浴びせているように見えるな。
「ソフィア。そんなにキレる必要あるか?」
聞いてみた。
「一回目は許しました。」
「一回目...?じゃあ、二回目なんだな?」
「......。いや、三十七回目の破壊です。」
「三十七回はびっくりだね。でもそれだけ強いってことはそれだけ強くなるための練習メニューを知っているということかもね。よかったじゃん、勇者どの。」
ろうそくの消えた部屋のような暗いムード漂う空間で、ヴァニラは楽観的な言葉を俺の鼓膜に響かせてくれた。
「じゃあ、じいさんどの。お忙しいところすみませんが、どうかうちの勇者どのをよろしくお願いします。」
「お前は俺の母親か!?」
「いいのいいの。じゃあ、修行始めよう!」
「...わし、オッケーって言ってないんじゃが...。」
と、なんかアレク爺さんが言っているようだが、聞こえない聞こえない。
「ん?なんじゃ?もう帰ってきたのか。」
「あいや、俺があまりにも弱すぎて。」
隣でヴァニラが苦笑いをしている。
「兎に角、わしと戦う気があるのか?」
「...先ほどまでありまくりでしたが、今はゼロに等しいですね...。」
「...そうか。」
アレク爺さんは俺と戦いたかったのかもしれないな。だって無茶苦茶悲しそうな顔をしているからである。
「わし、久しぶりに本気を出すことができると思ったんじゃがな。」
「なるほど。なんか悲しい顔をしていると思ったら...。ていうか、アレク爺さんって強いんですか?もし仮にクッソ強かったら俺、死んでましたよ。」
「わしか。多分強いと思うぞ。ちょっとまっとれ。」
(ガサゴソ)
アレク爺さんがなんかよくわからん部屋に入っていった。教会の地下だろうか。
「またせたな。」
あれから二分ほどたった気がする。そして、アレク爺さんは帰ってきた。謎の板と共に。
「なんですか?それは。」
「...。これは純粋なダイヤモンドさん柔構造の超硬固石板じゃ!!!!!!」
アレク爺さんはおれらに名前が若干ダサい板を見せつけてきた。ダイヤモンドはまぁそこらへんにたくさんあるし、高度はアウトブロッククリスタル(この世界で最も固いクリスタル)よりは劣るだろうが、三重構造ともなれば一体どれくらいの硬さを誇っているのかが気になるな。そして、アレク爺さんが歩き出した。
「ヴァニラくん。きたまえ。」と、アレク爺さんがヴァニラを呼び、二人で教会の外及びさっきの空き地へと向かっていった。まて、俺はのけものなのか...。
教会の外から声が聞こえる。
「ヴァニラくん、さっきも言ったが、この板はクッソ固いんじゃ。どれ、試してみるがよい。」
一人取り残された俺は外から聞こえてくるアレク爺さんの音声に耳を傾けている。そして、ヴァニラの「はい!!やってみます。」という声も聞こえてきた。
(コツン。こつん、コツン。)と音が聞こえる。ヴァニラが頑張っているのだろう。ヴァニラの猫パンチもどきでもダイヤモンドの板は一切砕ける音を奏でない。むしろ、ヴァニラの心が砕けるかもね。
「じゃあ、今度はわしが...。」
(ドゥドゥドゥドォゥン!!!)
耳をつんざくような大大大爆音と強風に俺は突然襲われた。しかし、俺がそれに気づいたのはもう遅かった。取り返しがつかない。なぜなら...。
「教会の壁がぶっ飛んだんですけど!!!」
気づいたら俺は叫んでいた。いや、気づかなくても叫んでいた気がする。だってジジイの拳一つで教会が半壊したんだぞ...。
「...あら。わし、やりすぎた?」
「お、おう。」
フラニック・オブ・クライネスのおかげか知らんが俺は奇跡的に無傷だった。しかし、超硬固石板はおろか、教会の壁までがれき一つ残さず拭き取んでいったので、俺の目の前の風景は、床と草原と唖然したヴァニラとジジイだけしかない。
「じいさんどの。強いのは分かった。コッピディアン教会、これからどうするのかや?」
「...。これは神もお怒りだろう。グランドドイッスおよび東アニマニクス同盟共和国大聖堂の教皇様に謝罪して再建してもらうしかなかろう。...ソフィアには、わしが壊したってことはない所じゃぞ。」
―俺は笑うしかなくなった。なぜなら、後ろからソフィアが駆けてくることに気が付いてしまったからだ。背後から足音と共に声が聞こえる。
「アレクサンダー様!!私、場所間違えたみたいなので帰りまーす!カッコ笑。......。どういうことか説明してくれます?」
ソフィアの明るく暗い声が俺の背後から聞こえてくる。アレク爺はカナルおどおどしている様子だ。
「い、いや。ちょっとな。わしがこの子たちに本気を見せつけたら、こうなってしまったのじゃ。」
...ひどい理由だ。ソフィアは「は?」と言っているが、なんとヴァニラは満面の笑みだ...。コッピディアン教会に何かうらみでもあるのだろうか。
しかし、俺の考えと事実は大きく異なっていた。
「じいさんどの。かっこいいね!!私、強い人がタイプなんだ。」
ヴァニラはその青い目をきらめかせながらアレク爺さんに話しかけている。しかし、その一方でソフィアはアレク爺さんに対して殺気を浴びせているように見えるな。
「ソフィア。そんなにキレる必要あるか?」
聞いてみた。
「一回目は許しました。」
「一回目...?じゃあ、二回目なんだな?」
「......。いや、三十七回目の破壊です。」
「三十七回はびっくりだね。でもそれだけ強いってことはそれだけ強くなるための練習メニューを知っているということかもね。よかったじゃん、勇者どの。」
ろうそくの消えた部屋のような暗いムード漂う空間で、ヴァニラは楽観的な言葉を俺の鼓膜に響かせてくれた。
「じゃあ、じいさんどの。お忙しいところすみませんが、どうかうちの勇者どのをよろしくお願いします。」
「お前は俺の母親か!?」
「いいのいいの。じゃあ、修行始めよう!」
「...わし、オッケーって言ってないんじゃが...。」
と、なんかアレク爺さんが言っているようだが、聞こえない聞こえない。
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