僕と彼女の夏の思い出

大里 悠

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First Summer~君と出会った夏の思い出~

いつの間にか……

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    僕と彩夏さんはしばらく本について話していたが、とても夢中だったのか辺りは薄暗くなっていた。
「おや?もうこんな時間ですか……どうやら話しすぎた見たいですね。」
「そうですね。……まずいです。」
「何がですか?」
「ここまで遅くなるとは思わなかったので、言ってきて無いんですよ……。」
「それは……まあ頑張ってください。」
「……はい。」
    何だか帰りたく無かったが、どうせ帰らなければならないのだからと諦めた。
「あの、修一さん。」
「どうしたんですか?彩夏さん。」
「もし良ければ明日もここで一緒に本を読みませんか?」
    僕はそうやって彩夏さんに聞かれたので、嬉しいと思いながら返事を返した。
「はい。構いませんよ。」
「それは良かったです。まあ、取りあえずは家に帰りましょうか。」
「そうですね。……何を言われるかな。」
「……ふふ。」
「……笑わないでくださいよ……はぁ。」
    僕と彩夏さんは話しながら少し暗くなった木々の間を通って家に帰った。



    家に帰って一番始めにあったことは、母からの怒りの言葉だった。
「修一、言い残すことは?」
「……何も報告せずに、誠に申し訳ございませんでした!!」
「………許さん♪」
「ですよね~。」
    満面の笑みを浮かべた母はゆっくりと近付いて来て、僕の頭にアイアンクローを掛けた。
「ちょっ!?痛い痛い!」
「まったく。心配したんだからね?」
「はい!分かった!分かったから!これ!アイアンクロー止めて!」
「後3分だから。」
「結構長いよ!?ギャア~!!」
    3分と言いながら5分はやっていた。その光景を見た彩夏さんは………
「フフ。楽しいお母さまですね。」
「(違いますよ!?何処がです!)あの、笑わないで「あら、元気そうね?ならもう少し……」ギャア~!!」
    さらに延びてしまった。
    因みに、父と祖父も庭などで色々やっていたらしく、父は母から。祖父は祖母からアイアンクローをやられたようで、頭に少し跡が残っていた。



「さ、散々な目に会った……。」
「大丈夫ですか?」
「ま、まぁ大丈夫です。」
    居間に向かいながら彩夏さんに先程の事を心配された。
「これからも気を付けないといけませんね。」
「はい……。」
「では皆待っているので早くいきましょうか?」
「分かりました。」
「今日の続きはまた明日話しましょうか。」
「そうですね。」
    僕と彩夏さんは軽く話ながら歩いていた。
    およそ5分程かけて着いた居間では、また大量の料理が置いてあり、全て美味しそうだった。
「あっ、修一。それと彩夏ちゃんお帰り。じゃあ修一達も来たし食べようか。」
    猪鍋や焼き魚があり、全て美味しかった。



    ご飯を食べてからお風呂へ向かった。ちなみに、この家のお風呂はひのき風呂でとても気持ちが良かった。
    お風呂を出てから母とすれ違ったが何故か安堵あんどの表情だった。その事を疑問に思いながら部屋に戻った僕は、いつもは毎日書いている日記を昨日の分も含めて書いていた。
「えっと昨日は……あれ?ご飯を食べる前の記憶が曖昧な気が………ま、いっか。」
    特に気にすることもなく今日の分も書いてから、明日の事を考えていた。
「明日はどの本の話をしようかな?ああ!楽しみだなぁ。」
    楽しみで眠れないかもとも思っていたが、すんなりと眠ることができた。


    当然と言えば当然だが、僕はこの時、彩夏さんと全く同じような事を考えていた事などは知らなかった。



「明日は修一さんと何を話しましょう?……楽しみでとても悩みます。……ゴホゴホ。風邪ですかね?……取りあえずは寝ないと。お休みなさい。」



    そして、彩夏さんの身体のことも、知ることなどなかったのだ。


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