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First Summer~君と出会った夏の思い出~
父の趣味、それと……
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「……修一、朝だよ~。早く起きないと………何しよう?」
次の日の朝、少々不穏なセリフを口走った父の声で目が覚めた。
しかし、この日の朝は心地よい気温で二度寝がしたくなってきた。
「修一~。……起きないな。なら…《修一さん、起きて下さい。》」
父の声の後に、何故か急に彩夏さんの声が聞こえてきた。
「えっ?彩夏さん?……は?」
「《ふふ。やっと起きましたね?》」
「………はぁ。びっくりするから止めてよ、父さん。」
「いやぁ、だって起きないから。」
急に聞こえてきた彩夏さんの声は、父が彩夏さんのふりをして出した声だった。
父が色々な声を出せるのは確かに知っていだが、あくまで歌うときに本人に似た声が出る程度だと思っていた。だが、実際は日常会話の中でも違う人の声が出せるようだった。それも本人と聞き間違える程に。
「ねぇ父さん。ちょっと聞きたいんだけど。」
「どうしたんだい?」
「そんな風にさ、色んな人の声出せるけど、何で出せるようになったの?ていうか、出せる必要あるの?」
「……随分と急だね。出せるようになった理由は、単純に練習しただけだよ?あと、出せる必要は特にないよ。ただの趣味だし。強いて言うなら、今みたいに人を驚かすとか、コスプレとかでキャラにそっくりになれるくらいだよ。」
特に深い理由は無いらしい。というか……
「父さん。コスプレするの?」
「うん、たまにね。」
「へぇ。」
今度一回、見てみたいなと思った。
「それよりも、修一。早くしないと母さんからのアイアンクローを喰らうよ?」
「……早く言ってよ!?」
流石にもう一度喰らうのは嫌だと思いながら急いで着替えていた。
着替え終わった後は直ぐに居間に向かった。
「あっ修一。おはよう。」
「おはよう母さん。」
今日は祖父母や彩夏さん達もいたがやはり今日も春人さんと紅葉さんは居なかった。
「そう言えば父さん。春人さん達ってどこ行ってるの?」
「ん?あぁあの二人は、仕事が忙しくてね。彩夏ちゃんが夏休みの間は一人で家にいて何かあったら大変だから、ここで預かってるらしいんだよ。」
「へぇ。そうなんだ。じゃあ僕が二人に会ったのは彩夏さんがここに来た日だったんだ。」
「うん、そうだよ。」
「二人とも、なに話してるの?もうご飯出来たから運ぶの手伝って。」
父と話していたらご飯の時間になっていた。「じゃあ行こう。」
「は~い。」
その日の朝は割りとあっさりした物だった。
今日も美味しいご飯を食べてから、母に今日も本を読んでると言った。
「ハイハイ。お昼には帰ってくるの?」
「あ~、彩夏さんどうします?」
「また夢中になるかも知れないですね……。」
「あら、じゃあ弁当持ってく?」
「はい。お願いします。」
「あまり遅くならないでね。」
「は~い。」
そう言った後、僕と彩夏さんは部屋からそれぞれの本を持って昨日の切り株の場所に向かって行った。
切り株の場所に着いた僕達は、早速自分の読んでいる本について話始めた。
「修一さん。今私の持っている本はこれです。」
そう言って僕の前に差し出した本は、見たことのない、しかも日本語ではない本だった。
「彩夏さん、この本何て書いてあるんですか?」
「あっすみません。読めませんでしたか?ちなみにこれは、ドイツ語で『Todloser Tod』と書いてあります。」
「へぇ、そうなんですか。どんな内容なんですか?」
「この本はですね、著者の『ナージャ・ランドバル・ファルナーク』が体験し感じた事を綴った物で、およそ13歳頃からの日記が元になっています。
内容は、まず冒頭に『私は幾度と無く死んでいる。しかし、それは命を失うのではなく、ワタシという人生の概念が消失しているのである』という一文が有ります。この一文は大まかに言ってしまうと、この本に書かれている内容のほぼ9割方についての説明になるんです。そしてその後、日記の内容が書かれていて著者の感じた事と、その生活の中で題名にもなっている終わりのない死についての思考が書かれているというものです。」
「なんだか、だいぶ重い内容ですね……。」
「そうですか?読んでみると色々と役に経ちますけどね。」
「例えばどんなのですか?」
「何か諦めそうになったときに思い出すと、何だか頑張れそうな気がします。多分。」
「それでも多分なんですね……。」
「まぁあまり気に入らなかったとしても大丈夫ですよ。」
「?何故ですか?」
「まだ勧めたい本は沢山有るので!」
「……そうですか。」
「はい!」
そう言って彩夏さんは横に置いてあった本の中から黒い背表紙の本を取り出し始めた。
次の日の朝、少々不穏なセリフを口走った父の声で目が覚めた。
しかし、この日の朝は心地よい気温で二度寝がしたくなってきた。
「修一~。……起きないな。なら…《修一さん、起きて下さい。》」
父の声の後に、何故か急に彩夏さんの声が聞こえてきた。
「えっ?彩夏さん?……は?」
「《ふふ。やっと起きましたね?》」
「………はぁ。びっくりするから止めてよ、父さん。」
「いやぁ、だって起きないから。」
急に聞こえてきた彩夏さんの声は、父が彩夏さんのふりをして出した声だった。
父が色々な声を出せるのは確かに知っていだが、あくまで歌うときに本人に似た声が出る程度だと思っていた。だが、実際は日常会話の中でも違う人の声が出せるようだった。それも本人と聞き間違える程に。
「ねぇ父さん。ちょっと聞きたいんだけど。」
「どうしたんだい?」
「そんな風にさ、色んな人の声出せるけど、何で出せるようになったの?ていうか、出せる必要あるの?」
「……随分と急だね。出せるようになった理由は、単純に練習しただけだよ?あと、出せる必要は特にないよ。ただの趣味だし。強いて言うなら、今みたいに人を驚かすとか、コスプレとかでキャラにそっくりになれるくらいだよ。」
特に深い理由は無いらしい。というか……
「父さん。コスプレするの?」
「うん、たまにね。」
「へぇ。」
今度一回、見てみたいなと思った。
「それよりも、修一。早くしないと母さんからのアイアンクローを喰らうよ?」
「……早く言ってよ!?」
流石にもう一度喰らうのは嫌だと思いながら急いで着替えていた。
着替え終わった後は直ぐに居間に向かった。
「あっ修一。おはよう。」
「おはよう母さん。」
今日は祖父母や彩夏さん達もいたがやはり今日も春人さんと紅葉さんは居なかった。
「そう言えば父さん。春人さん達ってどこ行ってるの?」
「ん?あぁあの二人は、仕事が忙しくてね。彩夏ちゃんが夏休みの間は一人で家にいて何かあったら大変だから、ここで預かってるらしいんだよ。」
「へぇ。そうなんだ。じゃあ僕が二人に会ったのは彩夏さんがここに来た日だったんだ。」
「うん、そうだよ。」
「二人とも、なに話してるの?もうご飯出来たから運ぶの手伝って。」
父と話していたらご飯の時間になっていた。「じゃあ行こう。」
「は~い。」
その日の朝は割りとあっさりした物だった。
今日も美味しいご飯を食べてから、母に今日も本を読んでると言った。
「ハイハイ。お昼には帰ってくるの?」
「あ~、彩夏さんどうします?」
「また夢中になるかも知れないですね……。」
「あら、じゃあ弁当持ってく?」
「はい。お願いします。」
「あまり遅くならないでね。」
「は~い。」
そう言った後、僕と彩夏さんは部屋からそれぞれの本を持って昨日の切り株の場所に向かって行った。
切り株の場所に着いた僕達は、早速自分の読んでいる本について話始めた。
「修一さん。今私の持っている本はこれです。」
そう言って僕の前に差し出した本は、見たことのない、しかも日本語ではない本だった。
「彩夏さん、この本何て書いてあるんですか?」
「あっすみません。読めませんでしたか?ちなみにこれは、ドイツ語で『Todloser Tod』と書いてあります。」
「へぇ、そうなんですか。どんな内容なんですか?」
「この本はですね、著者の『ナージャ・ランドバル・ファルナーク』が体験し感じた事を綴った物で、およそ13歳頃からの日記が元になっています。
内容は、まず冒頭に『私は幾度と無く死んでいる。しかし、それは命を失うのではなく、ワタシという人生の概念が消失しているのである』という一文が有ります。この一文は大まかに言ってしまうと、この本に書かれている内容のほぼ9割方についての説明になるんです。そしてその後、日記の内容が書かれていて著者の感じた事と、その生活の中で題名にもなっている終わりのない死についての思考が書かれているというものです。」
「なんだか、だいぶ重い内容ですね……。」
「そうですか?読んでみると色々と役に経ちますけどね。」
「例えばどんなのですか?」
「何か諦めそうになったときに思い出すと、何だか頑張れそうな気がします。多分。」
「それでも多分なんですね……。」
「まぁあまり気に入らなかったとしても大丈夫ですよ。」
「?何故ですか?」
「まだ勧めたい本は沢山有るので!」
「……そうですか。」
「はい!」
そう言って彩夏さんは横に置いてあった本の中から黒い背表紙の本を取り出し始めた。
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