僕と彼女の夏の思い出

大里 悠

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First Summer~君と出会った夏の思い出~

彩夏さんの本の話

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「次はこれですよ!」
    そう彩夏さんは楽しそうに、どこか嬉しそうに話始めた。
「この本はですね、私が小学生の時に始めて読んだ本なんですよ。題名が『いつかきっと会いましょう』というんです。」
「どんな話何ですか?」
「……修一さん。この本は実際に読んで見て下さい。その方が良いです!」
「は、はい…。」
    彩夏さんにこう言われてしまったので、僕は渡されたこの本を読んでみる事にした。
    しかし、彩夏さんがすぐ横で僕の顔を見ながらそわそわとしていて、中々本に集中出来なかった。
    それでも何とか読んでいると大体の内容が分かってきた。
    この話は、主人公の女性が幼い時から仲の良かった男の子と交わした、20歳になったときにもう一度故郷にある神社で会おう。という約束を果たすために故郷に戻った主人公が数年前から行方不明になってしまった男の子を探すという内容だった。
    しかもかなりの難しい表現なども出て、ただの恋愛ものではなくミステリーの要素も入っていて、どんどんと内容に引き込まれていくかのように感じた。
    読み終わった僕はその感想を彩夏さんに言った。
「彩夏さん、この本、凄いですね。初めは恋愛ものだと思ったらミステリーの要素も出て来てどんどん先が気になっちゃいました。」
「でしょう?だからこの本は説明されるよりも読んだ方がいいと言ったんです。」
「確かにそうでしたね。」
    実際、読んでいる時にも少し分かりにくい所が有ったのに、説明だけ聞いても多分、分からないかな?と思った。



「ところで修一さん。」
「どうしたんですか?彩夏さん。」
「そろそろ12時なのでご飯を食べませんか?」
「あ、良いですね。食べましょうか。」
    そう言ってから僕達は来るときに母に作って貰った弁当を取り出した。
「……あれ?修一さん。どうやら中身が違うようですね。」
「え?…本当だ。一緒に分けながら食べませんか?」
「はい、良いですよ。」
    弁当は二つあったが中身が違っていた。なので一緒に食べようと言ったら良いですよ、と答えられた。
    そのあとは、一緒に弁当を食べていたがお茶を飲もうとしてコップを探したが、一つしかなかった。
「あの、コップが一つしか無いんですですけど大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫ですよ。」
    そう言って彩夏さんはお茶を飲んだが、そのコップを渡された後、僕は少し恥ずかしく思って飲もうか迷っていた。
「修一さん?飲まないんですか?」
「いや、あの……えっと……。」
「?………!!い、いえ、あの……何でもないです……。」
    彩夏さんに聞かれたが、言葉をにごしていると彩夏さんも気付いたようで、少し顔が紅くなり更に顔を下げて僕から見えないようにしていた。
「と、所で、他におすすめの本とかって有りますか?」
「……え?あっはい、ありますけど……。」
「出来ればその本も教えてくれませんか?」
「はい。良いですよ。」
    そのあとも僕と彩夏さんはお互いの気に入っている本を紹介し合った。
    彩夏さんは色々なジャンルの本を読んでいて、しかもフランス語やドイツ語の本もあった。それに比べて僕が読んでいる本はラノベが多く、彩夏さんはこういうのは読むのかと心配になった。
「あの、修一さん?私は基本的に色んな本を読んでいるので、たまにはライトノベルを読むときもありますよ。」
「そうなんですか。」
    どうやら僕の心配は杞憂きゆうに終わったようだ。
「それに、折角教えて貰ったのですから、読まないわけがないですよ。」
    その言葉を聞いて、僕は少し嬉しくなった。何故なら、小学校の時は違ったが、中学の時は友達に勧めても読んでくれないことの方が多かったからだ。
「それじゃあ、これからも色んな本のことを話しましょうね?」
「はい。そうですね。」
    それからも僕達は暫くの間、本について話していた。


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