言語研究部(笑)

大里 悠

文字の大きさ
8 / 8

『おにぎり』

しおりを挟む
    今日の部活はいったい何をやるんだろうと考えながら部室に入るとそこにはまだ先生しか来ていなかった。

「先生、おはようございます」
「…………」
「先生?」
「今いいところだから少し待て」

    熱心に何かやっていると思ったら先生はゲームをしていたようだ。
    どんなゲームをやっているかは分からないけど、ものすごい早さで指を動かしていた。

「っし!ふぅ、あ、さっきはすまんな、おざなりな返事で」
「いえ、大丈夫ですよ。それより、部長達はどうしました?」

    部室にはそれぞれが荷物を置くスペースが作られていて、そこにははむ以外の荷物が置いてあった。
    しかし、誰の姿も見えないので僕は中にいたりゅう先生に聞いてみた。

「はとは教室に忘れ物を取りに行ったな。で、ひめとかめは図書室に借りていた資料の返却をしに行ったぞ。あぁ、はむは用事があるって言って帰った」
「あ、はい。分かりました」

    とりあえず、荷物だけ置いてある理由が分かったので、後は部長達が帰って来るまで暇をつぶすことになった。



──────



   僕が部室に来てからおよそ三十分ほどだった頃、はとが帰って来た。

「戻りました~、あ、ねこ先輩、こんにちは~」
「うん、こんにちは……はと、それは?」

    挨拶をされたので挨拶を返すためにはとを見ると、なぜか台車を牽いていて、さらに不思議なことにその台車には体育座りをして気絶しているかめ先輩がいた。

「それは~「さっき私が渡したおにぎりを食べたとたんに気絶したんだ」それで~その前を通りかかったわたしにここまで運ぶのを手伝って欲しいって言われて~」
「なんとなく理解しました」

    おそらく、資料の片付けを終えたかめ先輩に部長が自分で作ったおにぎりを渡されたのだろう。
    疲れていた先輩は疑うことも無く食べたら酷い味で、そのせいで気絶したという所かな。

「一応聞きますけど部長、そのおにぎりの中身は?」
「わさび醤油漬けレバーマヨネーズとサバとトマトだ」
「………はい?……すいません、なんか、聞くことの無さそうな組み合わせが聞こえたんですけど、もう一度言ってもらえますか?」
「だから、わさび醤油漬けレバーマヨネーズとサバとトマトだ」
「………味見はしましたか?」
「うっすらと川が見えたな!」
「それ渡っちゃアカンやつや!は!思わず突っ込んでしまった……」

    部長の作った物は、大抵変なものを入れるか、分量がおかしくなるせいで酷い味になることが多いけれど、今回はどちらなのだろうか。
    組み合わせとしては聞くことはなさそうだけど、別に変な味になることもなさそうな食材が使われているのに先輩が気絶するほどの味になる、ということは………

「部長、何か入れましたか?例えば、塩とか砂糖とかをたくさん入れたとか」
「何か、って言われてもなぁ……角砂糖と岩塩とユーグレナとかだな」
「ユーグレナ?ってなんですか?」

    ユーグレナ、どこかで聞いたことあるような気がするけどなんだったのかは全然分からない。
    というか、角砂糖と岩塩って……なんで固まってるの?

「ユーグレナとはな、微生物であるミドリムシの別名だ。ちなみに、とても栄養が豊富でエネルギーもたくさんとれるぞ!あと、ロケットの燃料としても使われるらしい」
「……まあ、食べられる物なら別にいいですか」
「…見た目が緑色になってたけどな」

    話している途中で、かめ先輩が起きたようで話しに参加していました。

「ひめ、頼むから食べれる物を作ってくれ」
「食べれるが?」
「味が問題なんだよ!」

 起きてからは部長と言い合いが始まり、終わる気配がしないです……

「ねこ」
「どうしました?先生」
「時間だから閉めたいんだが……」
「あぁ……鍵、渡しておきます」
「助かるよ。じゃ、早く帰れよ~」

 先生と、はとは先に帰り、僕も部長に鍵を渡して帰りました。


 次の日に部長から聞きましたけど、あの後一時間近く話していたそうです。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

処理中です...