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第2話 希望と失意、そして開き直り
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魔力適性検査が楽しみだったわたしは、夜明けとともに目が覚めてしまった。この頃になると、転生前の記憶がはっきりするようになり、子供っぽく演じることを念頭に置くようになった。
「お母さん、おはよう!」
「おはよう、プラム」
台所で朝食の準備をしている早起きの母にあいさつをすると、母は手を止めて膝をつき、わたしをぎゅっと抱きしめてくれた。
「お誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
「今日は朝ごはんを食べたら、準備をして集会所へ行くからね。そろそろお父さんを起こしてきて」
「はーい」
わたしは父が寝ている部屋へ行き、父が寝ているベッドに飛び乗った。
「お父さん、朝だよっ。おきておきて」
「んー?まだ2の刻半じゃないか。まだ収穫の時期じゃないし、もう少し寝かせてくれ」
「今日はわたしの誕生日だよ、おきておきてー」
わたしは起きようとしない父の肩をゆさゆさ揺さぶる。
こちらの世界では1日が12の刻で刻まれていて、家庭により時計の形などが異なっている。リーヴ家の時計はメスシリンダーのような目盛りの付いた器に母の魔力が込められているジェル状の液体が少しずつ溜まっていき、その目盛りの位置で今の時刻が分かるというしくみになっている。器が満タン=1日経過を意味しており、器の下から液体が抜けていき、また上から落ち始める。
面白いことに、毎日6の刻に集落全域に鳴り響くチャイムで、各家庭が時計の時刻調整を行い正確さを保っている。
今は地球で言うところの、午前5時になったところ。
「あぁ、そうだったな。プラム、誕生日おめでとう」
と言って、父はわたしの頭を撫でてくれた。
家族みんなで朝ごはんを食べた後、いつもよりちょっと高そうな服を着せてもらって、みんなで集会所に向かった。小さな集落なので、集会所はそんなに遠くない。
同じ集落の住人は皆知り合いなので、歩いているとみんなに声をかけられた。
「プラムちゃん、今日が誕生日か。おめでとう」
「ありがとうございますっ」
程なくして私たちは集会所につき、集落の長から魔法適性検査の説明と、魔法使用時のこの集落での決まり事の説明を受ける。3歳児向けの簡単な説明だったけれど、やっと魔法が使えるようになることに、私は胸を躍らせていた。
そしていよいよ魔法適性測定器で測定するときがやってきた。
私は何の属性だろう、すごくドキドキしている。先ほどの説明で魔法の種類は火水風土の4種類あることが分かった。
「この測定器の上に手を置いて、さっき説明したようにゆっくり魔力を測定器に向かって流すのじゃ」
「はいっ」
わたしは説明通りに自分の体の中にある魔力を感じながら測定器に流すことをイメージした。自分が出した魔力が測定器に吸い込まれていく感じがする。
「結果が出たようじゃな…」
測定器にあるゲージを見ると、水魔法だけ目盛り1になっていて、それ以外何も変わっていない。
「水魔法ランク1のみか…」
父がボソッと言うのが聞こえた。
「わたし…ランク1しかないの…?」
「そう、みたいだな」
「じゃあ、魔法研究所には入れないの…?」
「…ああ」
申し訳なさそうに返事をする父、その後ろで何て言ったらいいのか分からないような顔をしている母、測定器をガン見している兄を見て、これが現実なんだと実感した。
目から涙がこぼれ始め我慢しようと上を向いたら余計に止まらなくなった。
「う…うわーーーーーーーーーん」
ここが集会所だということも忘れて、大泣きした。何で?何で?何でわたし、ランク1の魔法しかないの?
魔法研究所に入って、ももがおいしく育つ研究をしたかった、みんなの役に立つ魔法を作りたかった、そんなわたしの夢が今ここで閉ざされてしまった——
本来なら、この後両親から魔法の杖が贈られるはずだったけれど、わたしがずっと泣き止まなかったため、わたしは父に抱きかかえられてそのまま家に帰った。
家に着いて父に降ろしてもらうと、わたしはそのまま自分のベッドへ行き、うずくまった。
何もしたくない。
せっかく魔法のある世界に生まれ変わったのに、大した魔法が使えない。測定器の結果が間違いということもないし、成長してもランクは一生変わらない。属性も1種類だけ…組み合わせを考えることもできない。わたし、何で転生したんだろう?3歳で人生詰んでしまった。
わたしはトイレ以外ベッドから動くこともなく、昼食も夕食も食べず、ただうずくまっていた。いつもならわたしの方が先に寝るんだけど、兄がベッドに入る時間になっても眠れる気がしない。いろいろ考えることもやめてボーっとしていたところ、両親が目の前に来た。
「朝、渡せなかった魔法の杖、今渡すわね」
母がわたしに手渡そうとした杖は、20cmぐらいの長さの木製の杖で、持ち手部分に何かが埋め込まれている。
「いらない」
わたしは母から目をそらしてうつむいた。
「魔法のランクは一生変わらないけれど、魔力量は鍛錬…魔法の練習を繰り返すことで増やすことができるの。お父さんみたいに魔力が多ければ、些細な魔法でもこの果樹園全域に魔法をかけるだってできるようになれるわ」
「プラムの魔法ランクが低いのは俺のせいかもしれない。本当にすまん…」
お父さんがわたしに頭を下げた。魔法はほぼ遺伝しないのだから父のせいではないのだけれど、父はすごく責任を感じているようだった。父が責任を感じ必要はないし、わたしが落ち込んでいることで家族みんなの雰囲気まで悪くなってしまうことを感じてしまった。
「今日はこのまま一人にしてほしいの…」
明日にはいつもの自分に戻れるよう、気持ちを切り替える時間が欲しかった。
「わかったわ、杖はここに置いておくわね」
母は机の上に魔法の杖を置いて、両親は台所のテーブルに戻っていった。そして疲れ切っていたわたしは、いつの間にかうずくまったまま寝てしまっていた。
翌朝、わたしはいつものように起きて、両親に心配させないよう何事もなかったかのように台所にいる母親にあいさつをした後、みんなで朝ごはんを食べて、部屋に戻った。
机の上に置かれた魔法の杖を見て、強い魔法は使えないし異なる属性の組み合わせ魔法も使えないけれど、この日のために読んだ魔法の教本に書かれていた魔法が本当に使えるのか試したくなり、杖を手に取った。初めて杖を持つのに、なぜか手に馴染んでいる気がする。
「どうせ、ランク1の魔法しか使えないし、大人がついている必要もないから、一人で練習してみようかな…」
ランク3以上の魔法を練習するときは大人が見ている必要があるのだけれど、わたしにはその心配がなくなったので、兄のように魔法の練習時間を制限されることもないだろう。兄が魔法の練習をするときは、いつも母がついている。母や水魔法レベル3で、兄は水魔法ランク4、風魔法ランク2だ(羨ましい…)。兄が強い魔法を練習する時に暴走しないよう、手取り足取り教えている。
魔法を練習すると決めたのはいいけれど、できればこっそりひっそり練習したい。わたしは魔法石を探すと言って家を出た。
魔法石とは魔法効果を込められる石のことで、例えば虫よけの魔法と魔力を魔法石に込めて果樹園にばらまいておくと虫が寄り付かなくなる、とても便利な石である。この魔法石を拾ってくると父がとても喜ぶので、わたしは家の近くの森でよく探しているのね。この集落の近くにある森は昔から不思議な結界が張られているらしくとても安全な場所だったりするんだけど、2歳児が一人で森に出かけても全く心配していない両親ってある意味すごい。あ、愛情はたっぷりもらってるわよ。
わたしは森の中にある川沿いまで行き、水魔法レベル1の杖から水を出す魔法を唱えた。
「ヴァッサー」
ちょろちょろちょろちょろと杖の先から水が下に流れてすぐに止まった。噴射するんじゃないんかいっ。
水を出す魔法を合計3回唱えたら、魔力が空になったっぽくて水が出なくなった。
魔力は一晩寝るとよっぽど魔力量が多くない限り、満タンに回復するらしい。また、魔力を使い切ることで、魔力量も少しずつ増えていくって本に書いてあった。大人になると魔力を空にするのはいろんな意味で危険らしく、こういう無茶なことができるのは子供のうちだけらしい。でも、貴族の家庭などは親の都合で魔法の練習は5歳以上になってから始めることが多いらしい(これも本の知識)。
とりあえず、すっごいしょぼかったけれどちゃんと水魔法は使えたので、これで良しとして、私は森の中に転がっている魔法石を探してから家路についた。
「お母さん、おはよう!」
「おはよう、プラム」
台所で朝食の準備をしている早起きの母にあいさつをすると、母は手を止めて膝をつき、わたしをぎゅっと抱きしめてくれた。
「お誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
「今日は朝ごはんを食べたら、準備をして集会所へ行くからね。そろそろお父さんを起こしてきて」
「はーい」
わたしは父が寝ている部屋へ行き、父が寝ているベッドに飛び乗った。
「お父さん、朝だよっ。おきておきて」
「んー?まだ2の刻半じゃないか。まだ収穫の時期じゃないし、もう少し寝かせてくれ」
「今日はわたしの誕生日だよ、おきておきてー」
わたしは起きようとしない父の肩をゆさゆさ揺さぶる。
こちらの世界では1日が12の刻で刻まれていて、家庭により時計の形などが異なっている。リーヴ家の時計はメスシリンダーのような目盛りの付いた器に母の魔力が込められているジェル状の液体が少しずつ溜まっていき、その目盛りの位置で今の時刻が分かるというしくみになっている。器が満タン=1日経過を意味しており、器の下から液体が抜けていき、また上から落ち始める。
面白いことに、毎日6の刻に集落全域に鳴り響くチャイムで、各家庭が時計の時刻調整を行い正確さを保っている。
今は地球で言うところの、午前5時になったところ。
「あぁ、そうだったな。プラム、誕生日おめでとう」
と言って、父はわたしの頭を撫でてくれた。
家族みんなで朝ごはんを食べた後、いつもよりちょっと高そうな服を着せてもらって、みんなで集会所に向かった。小さな集落なので、集会所はそんなに遠くない。
同じ集落の住人は皆知り合いなので、歩いているとみんなに声をかけられた。
「プラムちゃん、今日が誕生日か。おめでとう」
「ありがとうございますっ」
程なくして私たちは集会所につき、集落の長から魔法適性検査の説明と、魔法使用時のこの集落での決まり事の説明を受ける。3歳児向けの簡単な説明だったけれど、やっと魔法が使えるようになることに、私は胸を躍らせていた。
そしていよいよ魔法適性測定器で測定するときがやってきた。
私は何の属性だろう、すごくドキドキしている。先ほどの説明で魔法の種類は火水風土の4種類あることが分かった。
「この測定器の上に手を置いて、さっき説明したようにゆっくり魔力を測定器に向かって流すのじゃ」
「はいっ」
わたしは説明通りに自分の体の中にある魔力を感じながら測定器に流すことをイメージした。自分が出した魔力が測定器に吸い込まれていく感じがする。
「結果が出たようじゃな…」
測定器にあるゲージを見ると、水魔法だけ目盛り1になっていて、それ以外何も変わっていない。
「水魔法ランク1のみか…」
父がボソッと言うのが聞こえた。
「わたし…ランク1しかないの…?」
「そう、みたいだな」
「じゃあ、魔法研究所には入れないの…?」
「…ああ」
申し訳なさそうに返事をする父、その後ろで何て言ったらいいのか分からないような顔をしている母、測定器をガン見している兄を見て、これが現実なんだと実感した。
目から涙がこぼれ始め我慢しようと上を向いたら余計に止まらなくなった。
「う…うわーーーーーーーーーん」
ここが集会所だということも忘れて、大泣きした。何で?何で?何でわたし、ランク1の魔法しかないの?
魔法研究所に入って、ももがおいしく育つ研究をしたかった、みんなの役に立つ魔法を作りたかった、そんなわたしの夢が今ここで閉ざされてしまった——
本来なら、この後両親から魔法の杖が贈られるはずだったけれど、わたしがずっと泣き止まなかったため、わたしは父に抱きかかえられてそのまま家に帰った。
家に着いて父に降ろしてもらうと、わたしはそのまま自分のベッドへ行き、うずくまった。
何もしたくない。
せっかく魔法のある世界に生まれ変わったのに、大した魔法が使えない。測定器の結果が間違いということもないし、成長してもランクは一生変わらない。属性も1種類だけ…組み合わせを考えることもできない。わたし、何で転生したんだろう?3歳で人生詰んでしまった。
わたしはトイレ以外ベッドから動くこともなく、昼食も夕食も食べず、ただうずくまっていた。いつもならわたしの方が先に寝るんだけど、兄がベッドに入る時間になっても眠れる気がしない。いろいろ考えることもやめてボーっとしていたところ、両親が目の前に来た。
「朝、渡せなかった魔法の杖、今渡すわね」
母がわたしに手渡そうとした杖は、20cmぐらいの長さの木製の杖で、持ち手部分に何かが埋め込まれている。
「いらない」
わたしは母から目をそらしてうつむいた。
「魔法のランクは一生変わらないけれど、魔力量は鍛錬…魔法の練習を繰り返すことで増やすことができるの。お父さんみたいに魔力が多ければ、些細な魔法でもこの果樹園全域に魔法をかけるだってできるようになれるわ」
「プラムの魔法ランクが低いのは俺のせいかもしれない。本当にすまん…」
お父さんがわたしに頭を下げた。魔法はほぼ遺伝しないのだから父のせいではないのだけれど、父はすごく責任を感じているようだった。父が責任を感じ必要はないし、わたしが落ち込んでいることで家族みんなの雰囲気まで悪くなってしまうことを感じてしまった。
「今日はこのまま一人にしてほしいの…」
明日にはいつもの自分に戻れるよう、気持ちを切り替える時間が欲しかった。
「わかったわ、杖はここに置いておくわね」
母は机の上に魔法の杖を置いて、両親は台所のテーブルに戻っていった。そして疲れ切っていたわたしは、いつの間にかうずくまったまま寝てしまっていた。
翌朝、わたしはいつものように起きて、両親に心配させないよう何事もなかったかのように台所にいる母親にあいさつをした後、みんなで朝ごはんを食べて、部屋に戻った。
机の上に置かれた魔法の杖を見て、強い魔法は使えないし異なる属性の組み合わせ魔法も使えないけれど、この日のために読んだ魔法の教本に書かれていた魔法が本当に使えるのか試したくなり、杖を手に取った。初めて杖を持つのに、なぜか手に馴染んでいる気がする。
「どうせ、ランク1の魔法しか使えないし、大人がついている必要もないから、一人で練習してみようかな…」
ランク3以上の魔法を練習するときは大人が見ている必要があるのだけれど、わたしにはその心配がなくなったので、兄のように魔法の練習時間を制限されることもないだろう。兄が魔法の練習をするときは、いつも母がついている。母や水魔法レベル3で、兄は水魔法ランク4、風魔法ランク2だ(羨ましい…)。兄が強い魔法を練習する時に暴走しないよう、手取り足取り教えている。
魔法を練習すると決めたのはいいけれど、できればこっそりひっそり練習したい。わたしは魔法石を探すと言って家を出た。
魔法石とは魔法効果を込められる石のことで、例えば虫よけの魔法と魔力を魔法石に込めて果樹園にばらまいておくと虫が寄り付かなくなる、とても便利な石である。この魔法石を拾ってくると父がとても喜ぶので、わたしは家の近くの森でよく探しているのね。この集落の近くにある森は昔から不思議な結界が張られているらしくとても安全な場所だったりするんだけど、2歳児が一人で森に出かけても全く心配していない両親ってある意味すごい。あ、愛情はたっぷりもらってるわよ。
わたしは森の中にある川沿いまで行き、水魔法レベル1の杖から水を出す魔法を唱えた。
「ヴァッサー」
ちょろちょろちょろちょろと杖の先から水が下に流れてすぐに止まった。噴射するんじゃないんかいっ。
水を出す魔法を合計3回唱えたら、魔力が空になったっぽくて水が出なくなった。
魔力は一晩寝るとよっぽど魔力量が多くない限り、満タンに回復するらしい。また、魔力を使い切ることで、魔力量も少しずつ増えていくって本に書いてあった。大人になると魔力を空にするのはいろんな意味で危険らしく、こういう無茶なことができるのは子供のうちだけらしい。でも、貴族の家庭などは親の都合で魔法の練習は5歳以上になってから始めることが多いらしい(これも本の知識)。
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