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第8話 果樹園を潤す力
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最近、お父さんの元気がなくなっている。先日、お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいることがわかって大喜びしていたのに、ここのところ夏場の晴天が続いて雨が降らず、果樹園の土が乾きだしているからだ。
身重で体調が良くないお母さんの代わりに、お兄ちゃんが水魔法を使って果樹園に水を与えているけれど、日照りが続き過ぎて追いつかなくなっている。
「このままだと果実に影響が出るかもしれないな……」
雨不足のせいでりんごの収穫量が減ればわたしたちの生活にも影響が出てくるし、お母さんも申し訳なさそうにしていると、こっちまで辛くなってくる。
この世界で、雨乞いのように祈りで雨を降らせる儀式などがあるならわたし踊るよ!と思ったけれど、調べてもそういう祈りや儀式は見つからなかった。魔法の世界なのにないんだぁ……
今まで家族には魔法の練習をしていることを言っていなかったけれど、ランク1の水撒きの魔法ならわたしにもできるので、カミングアウトすることにした。
「お父さん、わたし、水撒きの魔法なら使えるから果樹園の水やり手伝うよ!」
「へっ?プラム、いつの間に水撒きの魔法を覚えたんだ?」
「えへへ。魔法石を拾いに森へ行った時にこっそり練習してたの」
「そうなのか!?いつから練習してたんだ?」
「うーんと…3歳の時からかな?」
「……全然知らなかったわ」
お父さんもお母さんもすごく驚いてる。そうだよね、3歳の誕生日にランク1の魔法しか適性がないことを知ったショックでしばらく塞ぎ込んでいたし、魔法の練習をしたいって一度も言ったことないもんね。
「わたし、ランクは1だけど、魔力はいーっぱいあるからまかせて!!」
わたしは胸を張ってグーにした左手で胸を叩いた。
「あら、頼もしいわね」
「ふむ……1本でも2本でも助かる木があるのなら……プラム!早速頼んでいいか?リカルドが今日水やり出来なかった範囲を少しでもカバーしたい」
「うん!わたし頑張るよ!!」
わたしがお父さんと一緒に果樹園へ向かうと、なぜかお兄ちゃんも無言で付いてきた。
「ここまで水やりが終わっているが、もうだいぶ乾いているな……」
「じゃあ、まずはまだ水やりが終わってないところから水撒きの魔法を始めるね」
わたしは魔法の杖を持ち、りんごの木が植えられている土に向かって、「ヴァッサーリース」と散水の魔法を唱えた。じょうろから水やりをしているような感じの水が杖から放出されていく。
「できるだけ広範囲に水やりをしたいから、水やりが充分じゃなくてもどんどん移動してほしい」
「うん、わかった!」
わたしは少しずつ移動しながら水やりを続けていく。果樹園はかなり広いけれど魔力が減っていく感じがあまりしていないから、この調子ならりんご園全てともも園にも水やりができそう。
ただ歩きながら水やりをしているのもつまらなくなってきたので、わたしはたまに歌いながらスキップをしたり、一人しりとりをしながらりんごの木々の間を歩いて行く。
「そんなふざけやがって、途中で疲れて父さんに迷惑かける気かよ」
少し離れたところからわたしの行動を見ていたお兄ちゃんが怒っている。
「ご……ごめんなさい」
「ただ水やりをするだけじゃつまらなかったよな?プラム、ごめんな……」
わたしが謝ると、なぜかお父さんも謝ってきた。
森の中での魔法の練習や魔法石拾いなどで普通の5歳児よりも体力はあるつもりだけど、わたしが今まで何も言わなかったんだから知るわけもないし、真面目すぎるが故に5歳児にも容赦ないのがお兄ちゃんだから、「元気になぁれ」とりんごの木に声を掛けるだけで、大人しく水やりを続けていくことにした。
「本当に、魔力がいっぱいあるんだな。お父さん、ビックリしてるよ。でも、魔力が空になる前に止めるんだよ」
かなりの範囲を水やりし終えたところで、お父さんが心配し始めた。でも、ヴァッサーリースって水魔法の中でも省魔力な魔法だから、わたしの魔力はまだ半分残っている。余裕で果樹園全体に水やりができそう。
そういえば、あの範囲で魔力が枯渇しちゃったお兄ちゃんは、何の水魔法で水やりをしていたんだろう?
水やりに適した魔法は何種類かあって、水魔法ランク4のリカルドお兄ちゃんなら色々使えるから効率が良さそうな水魔法を使ったんだと思うんだけど。でも、威力の制御とかに注力しすぎて消費魔力のことまで考えていなかったら、すぐに魔力が枯渇してもおかしくない。
わたしは水魔法ランク1しか使えないし、ルシアンから教えてもらった知識で威力の制御と消費魔力の両方を考えながら魔法の練習をしていたから、わたしの方が効率は絶対いいと思う。お兄ちゃんのプライドを傷つけちゃうかもしれないから言わないけど……
そんなことを考えながら水やりを続けていたら、いつの間にかりんご園全体の水やりが終わっていた。
「プラム凄いぞ!!りんご園全体が潤って、りんごが元気になったぞ!!」
水やりが完了したわたしにお父さんが駆け寄って頭を撫でてくれる。
「えへへぇ、わたしの魔法が役に立ってうれしい。お父さんの言うとおり、りんごが元気になったね!」
そんな短時間で変わるわけがないって突っ込まれるかもしれないけど、本当に1個1個のりんごの生命力が強くなった気がする。
「ねぇ、お父さん。わたし、まだ魔力が余っているからももにも水やりをしていい?」
「それはありがたいし、ももの木は少ないけれど、プラムの魔力は本当にまだ大丈夫か?」
「うん。それに魔力が枯渇した方が魔力量が早く増えるもん。わたし毎日魔力を使い切って魔力を増やしたの」
「確かに魔法書にはそう書いてあるが……あぁ、おまえには誰も魔法を教えていないからか。普通は何かあった時の為に魔力は残すよう教育するんだ。うちみたいな平民は魔力回復薬などを手に入れることはほとんどないからな」
魔力回復薬があれば魔力を使い切っていても、いざという時に薬を飲んで魔力を復活させればいいのだけど、それができない我が家ではお兄ちゃんは魔力を枯渇させることなく練習していたということになる。そうすると……きっと、わたしの方がお兄ちゃんよりも魔力が多いってことよね。と思ったところでお兄ちゃんに目を向けると、苦虫を噛み潰したような表情をしている。
「お父さん、ももの木にも水やりしてくるね!」
わたしはお兄ちゃんから逃げるようにもも園へ走って、ももの木への水やりを始めた。
「おいしいももがみのりますように!」
わたしは気持ちを切り替えるように自分に言い聞かせて、ももに話しかけながら水やりをしていたけれど、ももの木は本数が少なくてあっという間に水やりが終わってしまった。わたしに付いてきていたお父さんに、水やりが終わったことを伝える。
「お父さん、ももの木も水やりも終わったよ!」
「あぁ、プラムすごいな。ありがとう、本当に助かったよ」
お父さんが屈んでわたしをぎゅっと抱きしめてきたので、わたしもお父さんをぎゅっとした。わたし、腕、短いな。お父さんは本当に嬉しかったのだろう、しばらくわたしを抱きしめたまま固まっている。5歳の体では大人の力を振りほどけないので、なすがままである。
「これから雨が降るまで、わたしも水やりするね!」
「あぁ、ありがとう。プラム、本当にありがとう」
いい加減お父さんをぎゅっとしている手が疲れてきたのでそう言うと、お父さんはやっとわたしの体を解放してくれた。
お兄ちゃんが明日からどういう行動を取るのか全くわからないけれど、さっきの顔が嫉妬からくるものだったら、わたしのことを嫌ってしまうかもしれない。わたしは家族みんなと仲良くしたいから、お兄ちゃんを立てる方法を考えなきゃと思うのだった。
身重で体調が良くないお母さんの代わりに、お兄ちゃんが水魔法を使って果樹園に水を与えているけれど、日照りが続き過ぎて追いつかなくなっている。
「このままだと果実に影響が出るかもしれないな……」
雨不足のせいでりんごの収穫量が減ればわたしたちの生活にも影響が出てくるし、お母さんも申し訳なさそうにしていると、こっちまで辛くなってくる。
この世界で、雨乞いのように祈りで雨を降らせる儀式などがあるならわたし踊るよ!と思ったけれど、調べてもそういう祈りや儀式は見つからなかった。魔法の世界なのにないんだぁ……
今まで家族には魔法の練習をしていることを言っていなかったけれど、ランク1の水撒きの魔法ならわたしにもできるので、カミングアウトすることにした。
「お父さん、わたし、水撒きの魔法なら使えるから果樹園の水やり手伝うよ!」
「へっ?プラム、いつの間に水撒きの魔法を覚えたんだ?」
「えへへ。魔法石を拾いに森へ行った時にこっそり練習してたの」
「そうなのか!?いつから練習してたんだ?」
「うーんと…3歳の時からかな?」
「……全然知らなかったわ」
お父さんもお母さんもすごく驚いてる。そうだよね、3歳の誕生日にランク1の魔法しか適性がないことを知ったショックでしばらく塞ぎ込んでいたし、魔法の練習をしたいって一度も言ったことないもんね。
「わたし、ランクは1だけど、魔力はいーっぱいあるからまかせて!!」
わたしは胸を張ってグーにした左手で胸を叩いた。
「あら、頼もしいわね」
「ふむ……1本でも2本でも助かる木があるのなら……プラム!早速頼んでいいか?リカルドが今日水やり出来なかった範囲を少しでもカバーしたい」
「うん!わたし頑張るよ!!」
わたしがお父さんと一緒に果樹園へ向かうと、なぜかお兄ちゃんも無言で付いてきた。
「ここまで水やりが終わっているが、もうだいぶ乾いているな……」
「じゃあ、まずはまだ水やりが終わってないところから水撒きの魔法を始めるね」
わたしは魔法の杖を持ち、りんごの木が植えられている土に向かって、「ヴァッサーリース」と散水の魔法を唱えた。じょうろから水やりをしているような感じの水が杖から放出されていく。
「できるだけ広範囲に水やりをしたいから、水やりが充分じゃなくてもどんどん移動してほしい」
「うん、わかった!」
わたしは少しずつ移動しながら水やりを続けていく。果樹園はかなり広いけれど魔力が減っていく感じがあまりしていないから、この調子ならりんご園全てともも園にも水やりができそう。
ただ歩きながら水やりをしているのもつまらなくなってきたので、わたしはたまに歌いながらスキップをしたり、一人しりとりをしながらりんごの木々の間を歩いて行く。
「そんなふざけやがって、途中で疲れて父さんに迷惑かける気かよ」
少し離れたところからわたしの行動を見ていたお兄ちゃんが怒っている。
「ご……ごめんなさい」
「ただ水やりをするだけじゃつまらなかったよな?プラム、ごめんな……」
わたしが謝ると、なぜかお父さんも謝ってきた。
森の中での魔法の練習や魔法石拾いなどで普通の5歳児よりも体力はあるつもりだけど、わたしが今まで何も言わなかったんだから知るわけもないし、真面目すぎるが故に5歳児にも容赦ないのがお兄ちゃんだから、「元気になぁれ」とりんごの木に声を掛けるだけで、大人しく水やりを続けていくことにした。
「本当に、魔力がいっぱいあるんだな。お父さん、ビックリしてるよ。でも、魔力が空になる前に止めるんだよ」
かなりの範囲を水やりし終えたところで、お父さんが心配し始めた。でも、ヴァッサーリースって水魔法の中でも省魔力な魔法だから、わたしの魔力はまだ半分残っている。余裕で果樹園全体に水やりができそう。
そういえば、あの範囲で魔力が枯渇しちゃったお兄ちゃんは、何の水魔法で水やりをしていたんだろう?
水やりに適した魔法は何種類かあって、水魔法ランク4のリカルドお兄ちゃんなら色々使えるから効率が良さそうな水魔法を使ったんだと思うんだけど。でも、威力の制御とかに注力しすぎて消費魔力のことまで考えていなかったら、すぐに魔力が枯渇してもおかしくない。
わたしは水魔法ランク1しか使えないし、ルシアンから教えてもらった知識で威力の制御と消費魔力の両方を考えながら魔法の練習をしていたから、わたしの方が効率は絶対いいと思う。お兄ちゃんのプライドを傷つけちゃうかもしれないから言わないけど……
そんなことを考えながら水やりを続けていたら、いつの間にかりんご園全体の水やりが終わっていた。
「プラム凄いぞ!!りんご園全体が潤って、りんごが元気になったぞ!!」
水やりが完了したわたしにお父さんが駆け寄って頭を撫でてくれる。
「えへへぇ、わたしの魔法が役に立ってうれしい。お父さんの言うとおり、りんごが元気になったね!」
そんな短時間で変わるわけがないって突っ込まれるかもしれないけど、本当に1個1個のりんごの生命力が強くなった気がする。
「ねぇ、お父さん。わたし、まだ魔力が余っているからももにも水やりをしていい?」
「それはありがたいし、ももの木は少ないけれど、プラムの魔力は本当にまだ大丈夫か?」
「うん。それに魔力が枯渇した方が魔力量が早く増えるもん。わたし毎日魔力を使い切って魔力を増やしたの」
「確かに魔法書にはそう書いてあるが……あぁ、おまえには誰も魔法を教えていないからか。普通は何かあった時の為に魔力は残すよう教育するんだ。うちみたいな平民は魔力回復薬などを手に入れることはほとんどないからな」
魔力回復薬があれば魔力を使い切っていても、いざという時に薬を飲んで魔力を復活させればいいのだけど、それができない我が家ではお兄ちゃんは魔力を枯渇させることなく練習していたということになる。そうすると……きっと、わたしの方がお兄ちゃんよりも魔力が多いってことよね。と思ったところでお兄ちゃんに目を向けると、苦虫を噛み潰したような表情をしている。
「お父さん、ももの木にも水やりしてくるね!」
わたしはお兄ちゃんから逃げるようにもも園へ走って、ももの木への水やりを始めた。
「おいしいももがみのりますように!」
わたしは気持ちを切り替えるように自分に言い聞かせて、ももに話しかけながら水やりをしていたけれど、ももの木は本数が少なくてあっという間に水やりが終わってしまった。わたしに付いてきていたお父さんに、水やりが終わったことを伝える。
「お父さん、ももの木も水やりも終わったよ!」
「あぁ、プラムすごいな。ありがとう、本当に助かったよ」
お父さんが屈んでわたしをぎゅっと抱きしめてきたので、わたしもお父さんをぎゅっとした。わたし、腕、短いな。お父さんは本当に嬉しかったのだろう、しばらくわたしを抱きしめたまま固まっている。5歳の体では大人の力を振りほどけないので、なすがままである。
「これから雨が降るまで、わたしも水やりするね!」
「あぁ、ありがとう。プラム、本当にありがとう」
いい加減お父さんをぎゅっとしている手が疲れてきたのでそう言うと、お父さんはやっとわたしの体を解放してくれた。
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