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♡
しおりを挟む「で、最後に1つ。バイト辞めてね」
「あ・・・そうだね。でも、5月いっぱいまで働いてって言われるかも」
「そうなのかな」
私は、携帯をとってカフェとコンビニと居酒屋のバイト先に電話をした。
下からお願いしたからか、あっさりと3つとも承諾された。
なんだか拍子抜け。あっさりと10時間以上の労働から解放されてしまった。
コンビニと居酒屋なんて今日出勤だったのに。
「めちゃ、あっさり」
私は、そのついでに愛ちゃんにもメッセージを送る。
【隼人くんと、どうだったの?大丈夫?? 実は、バイト辞めることにした。でも、愛ちゃんとはまた会いたいから連絡してね】
すぐに既読がついた。ギャルだからかレスポンスがめちゃくちゃ早かった。
【ありがとう!隼人くんとは、一緒に呑んだだけだから大丈夫~。また話聞いて!】
【バイト辞めたんびっくり。私も次のバイト探す~】
私は、スタンプを返してやりとりを終えた。
「湊音ちゃんさ、じゃ今から映画観よ。なにすき?」
「なんでも、映画なんて全然観ないから」
「そうなんだ。休みの日は?」
「バイト三昧だけど、図書館によく行くよ。ミステリー系すきなんだ」
「あ、そうなんだ。じゃ、この映画観よう」
それは、私が高校時代に読んだことのある本が実写化されたものだった。
私は嬉しくなって、すぐに「観よう」と返事した。
大きいソファーに大きいテレビ。
そんな中近くに彼がいて。ドキドキしながら、ちょっとおしゃべりしながら観た。
あっという間の2時間で、一緒に感想を言いあえた。
こんなに、話が合うなんて。こんなに嬉しい気持ちになるなんて。
こんな日がずっと続くのかな?なんて期待をして過ごしていた。
夕飯は、彼と一緒にパスタを茹でた。
トマト缶や玉ねぎなどあったので一緒に料理をしながら作ることが出来た。
でも、楽しい時間はあっと言う間だった。
彼が仕事に行く時間になってしまった。
「行きたくないな~」
「そうだね。私、待ってる。」
「俺、夜中に帰って来るからゆっくり休んでてね」
「わかった。気をつけてね、」
彼は、優しく微笑む。
このきれいな微笑みがお客さんのものへと渡っていくと思ったらとてつもなく悲しい気持ちになる。
でも、彼氏でもない私は嫉妬の態度を表す権限がないわけで。
「うん。じゃ。湊音ちゃん、おやすみ」
そう言って頭を優しく撫でてくれて外へと出ていった。
私は、2回目のお風呂に入り家から持ってきた寝まぎという名の高校時代のジャージを着る。
彼の部屋には入らない、と忠実に守りゲストルームという私の部屋へ行く。
黒と白のシンプルな部屋。
そこに甘い、彼の香りが充満している。
ふかふかの布団へとダイブして、彼との会話を1つずつ思い返す。そのうちに、意識が遠くなりゆっくりと眠りに落ちる。
ーーーこれは、完全に彼へ恋している。
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