2 / 58
第一章
2. 嫁ぎ先は、冷酷無慈悲な将軍様
しおりを挟む
「良かったわね。陛下が新たな婚約を結んでくださって」
国王の間から出るや否や、テレーゼが馬鹿にするように言う。だが、心底ホッとしている私は、
「はい! 」
笑顔で答えていた。
パトリック様とテレーゼ様に嵌められたことには傷ついたが、意外と気持ちは前向きだ。こんな男と結婚しなくて良かったとさえ思う。
だが、こんな明るい私の気持ちは、テレーゼ様の嘲笑うように吐き出されたその言葉に消えてしまった。
「貴女、ご存知かしら? シャンドリー王国のアンドレ将軍は、冷酷無慈悲な男性として有名ですわ。
悪名高いため、二十七歳になられる今現在まで婚約が結ばれることはありませんでした」
……え?
「その事実を聞いて、どう思われますか?
二十七歳になるまで結婚されなかった。その事実が全てを物語っていますわ」
そうなのか。アンドレ将軍は、一癖も二癖もある人なのか。そんな将軍の妻になることは、確かに罰かもしれない。だが、パトリック様の本性を知ってしまった今、パトリック様との結婚だって相当な罰だ。
私は笑顔で二人にお辞儀をし、家路についた。お父様とお母様は今日の出来事を聞いて、何を思われるだろう。悲しむかな。でも、私は意外にも前向きだ。
ただ……慣れ親しんだこの地を離れるのは、少し切ない。貧乏だったけど、優しい両親と弟と、明るい街の人々に囲まれて、私は幸せだった。
街の外れに立つ、古びた家の扉を開ける。煉瓦で出来た二階建てのその家からは、微かにシチューの香りがする。いつもと同じ夕方。だが、私の世界はがらっと変わってしまった。
「ただいま帰りました」
平静を装って告げると、家の奥からドタドタとお父様とお母様が出てくる。その泣きそうな顔を見ると、もうすでに知らせは届いているのだろう。
「リア……」
お父様が私の前に跪いて、手を握る。
「そんな縁談、受けなくてもいい。罰なら私たちがいくらでも受けるから」
私は幸せ者だ。パトリック様には欺かれたが、お父様やお母様が守ろうとしてくれるから。
「リョヴァン公爵の恋人の件も、私たちは知らなかった。
私のせいで、リアに辛い思いをさせてしまって……本当に申し訳ない」
お父様は泣きそうな顔で私を見上げる。そんな顔で見ないで欲しい。私だって泣きそうになってしまうから。
私はお父様とお母様からたくさんの愛情をもらって生きてきた。貧乏だったが、この家で過ごせたことはかけがえのない幸せな時間だった。
だから私は、お父様お母様に恩返しをしたい。
「シャンドリー王国の将軍様と結婚だなんて、私はやっと親孝行が出来ます。
不誠実なパトリック様よりも、見知らぬ将軍様と結婚したほうが、私は幸せです」
こうして私は、お父様とお母様と抱きしめ合って涙を流した。
この時の私は、人生のどん底を味わった気分だった。まさか、その冷酷無慈悲な隣国の将軍と甘い恋に落ちるなんて、思ってもいなかった……ーー
◆◆◆◆◆
次の日の早朝、私は迎えに来た馬車に乗った。初めて着るような上質な白いドレスと、たくさんの嫁入り道具とともに。
ドレスや嫁入り道具は、有り金を叩いてお父様が準備したものだった。結婚相手がリョヴァン公爵であったため、失礼のないようにと両親が揃えてくれたものだ。パトリック様にとっては地味で安いものかもしれないが、私たちにとっては高級品だった。両親はそこまで私の幸せを願ってくれていたのだ。
馬車と護衛は、陛下が準備してくださった。というのも、ブランニョール家には使用人はおらず、隣国まで辿り着けるような高性能な馬車だってなかったからだ。陛下としても、何としてもこの縁談を成立させたかったのだろう。そんな陛下にも感謝の気持ちでいっぱいだった。
極上馬車は、カタカタと揺れながら隣国へと向かっていく。生まれて初めての極上体験に喜んでいたのも束の間、隣国までの旅路は長い。次第に暇になってきて、私はぼーっと考え事をしていた。
誰にも言ったことはないが、私には前世の記憶がある。
日本という国で育ち、ピアニストを目指していた。だが、ピアニストになることは出来ず、企業の事務員として働いていた。
平凡な私だが、慎司という恋人がいた。彼の職業は自衛官で、入籍間近だった。
ある日私は、些細なすれ違いにより、彼と大喧嘩をした。そして、気晴らしに掃除しようと窓を開けた瞬間、窓から転落した。すごい勢いで近付く地面が最後の記憶である。私はきっと、あの時死んだのだ。
慎司のことは大好きだったのに、彼とは喧嘩したまま別れることになってしまった。慎司に謝ることが出来なかったのがいまだに心残りではある。そして、あの相思相愛の関係は、この世界では望めないことも理解している。
だけど私は、アンドレ将軍との結婚により、お世話になった両親に恩返し出来ることがとても嬉しかった。
国王の間から出るや否や、テレーゼが馬鹿にするように言う。だが、心底ホッとしている私は、
「はい! 」
笑顔で答えていた。
パトリック様とテレーゼ様に嵌められたことには傷ついたが、意外と気持ちは前向きだ。こんな男と結婚しなくて良かったとさえ思う。
だが、こんな明るい私の気持ちは、テレーゼ様の嘲笑うように吐き出されたその言葉に消えてしまった。
「貴女、ご存知かしら? シャンドリー王国のアンドレ将軍は、冷酷無慈悲な男性として有名ですわ。
悪名高いため、二十七歳になられる今現在まで婚約が結ばれることはありませんでした」
……え?
「その事実を聞いて、どう思われますか?
二十七歳になるまで結婚されなかった。その事実が全てを物語っていますわ」
そうなのか。アンドレ将軍は、一癖も二癖もある人なのか。そんな将軍の妻になることは、確かに罰かもしれない。だが、パトリック様の本性を知ってしまった今、パトリック様との結婚だって相当な罰だ。
私は笑顔で二人にお辞儀をし、家路についた。お父様とお母様は今日の出来事を聞いて、何を思われるだろう。悲しむかな。でも、私は意外にも前向きだ。
ただ……慣れ親しんだこの地を離れるのは、少し切ない。貧乏だったけど、優しい両親と弟と、明るい街の人々に囲まれて、私は幸せだった。
街の外れに立つ、古びた家の扉を開ける。煉瓦で出来た二階建てのその家からは、微かにシチューの香りがする。いつもと同じ夕方。だが、私の世界はがらっと変わってしまった。
「ただいま帰りました」
平静を装って告げると、家の奥からドタドタとお父様とお母様が出てくる。その泣きそうな顔を見ると、もうすでに知らせは届いているのだろう。
「リア……」
お父様が私の前に跪いて、手を握る。
「そんな縁談、受けなくてもいい。罰なら私たちがいくらでも受けるから」
私は幸せ者だ。パトリック様には欺かれたが、お父様やお母様が守ろうとしてくれるから。
「リョヴァン公爵の恋人の件も、私たちは知らなかった。
私のせいで、リアに辛い思いをさせてしまって……本当に申し訳ない」
お父様は泣きそうな顔で私を見上げる。そんな顔で見ないで欲しい。私だって泣きそうになってしまうから。
私はお父様とお母様からたくさんの愛情をもらって生きてきた。貧乏だったが、この家で過ごせたことはかけがえのない幸せな時間だった。
だから私は、お父様お母様に恩返しをしたい。
「シャンドリー王国の将軍様と結婚だなんて、私はやっと親孝行が出来ます。
不誠実なパトリック様よりも、見知らぬ将軍様と結婚したほうが、私は幸せです」
こうして私は、お父様とお母様と抱きしめ合って涙を流した。
この時の私は、人生のどん底を味わった気分だった。まさか、その冷酷無慈悲な隣国の将軍と甘い恋に落ちるなんて、思ってもいなかった……ーー
◆◆◆◆◆
次の日の早朝、私は迎えに来た馬車に乗った。初めて着るような上質な白いドレスと、たくさんの嫁入り道具とともに。
ドレスや嫁入り道具は、有り金を叩いてお父様が準備したものだった。結婚相手がリョヴァン公爵であったため、失礼のないようにと両親が揃えてくれたものだ。パトリック様にとっては地味で安いものかもしれないが、私たちにとっては高級品だった。両親はそこまで私の幸せを願ってくれていたのだ。
馬車と護衛は、陛下が準備してくださった。というのも、ブランニョール家には使用人はおらず、隣国まで辿り着けるような高性能な馬車だってなかったからだ。陛下としても、何としてもこの縁談を成立させたかったのだろう。そんな陛下にも感謝の気持ちでいっぱいだった。
極上馬車は、カタカタと揺れながら隣国へと向かっていく。生まれて初めての極上体験に喜んでいたのも束の間、隣国までの旅路は長い。次第に暇になってきて、私はぼーっと考え事をしていた。
誰にも言ったことはないが、私には前世の記憶がある。
日本という国で育ち、ピアニストを目指していた。だが、ピアニストになることは出来ず、企業の事務員として働いていた。
平凡な私だが、慎司という恋人がいた。彼の職業は自衛官で、入籍間近だった。
ある日私は、些細なすれ違いにより、彼と大喧嘩をした。そして、気晴らしに掃除しようと窓を開けた瞬間、窓から転落した。すごい勢いで近付く地面が最後の記憶である。私はきっと、あの時死んだのだ。
慎司のことは大好きだったのに、彼とは喧嘩したまま別れることになってしまった。慎司に謝ることが出来なかったのがいまだに心残りではある。そして、あの相思相愛の関係は、この世界では望めないことも理解している。
だけど私は、アンドレ将軍との結婚により、お世話になった両親に恩返し出来ることがとても嬉しかった。
186
あなたにおすすめの小説
「婚約破棄された聖女ですが、実は最強の『呪い解き』能力者でした〜追放された先で王太子が土下座してきました〜
鷹 綾
恋愛
公爵令嬢アリシア・ルナミアは、幼い頃から「癒しの聖女」として育てられ、オルティア王国の王太子ヴァレンティンの婚約者でした。
しかし、王太子は平民出身の才女フィオナを「真の聖女」と勘違いし、アリシアを「偽りの聖女」「無能」と罵倒して公衆の面前で婚約破棄。
王命により、彼女は辺境の荒廃したルミナス領へ追放されてしまいます。
絶望の淵で、アリシアは静かに真実を思い出す。
彼女の本当の能力は「呪い解き」——呪いを吸い取り、無効化する最強の力だったのです。
誰も信じてくれなかったその力を、追放された土地で発揮し始めます。
荒廃した領地を次々と浄化し、領民から「本物の聖女」として慕われるようになるアリシア。
一方、王都ではフィオナの「癒し」が効かず、魔物被害が急増。
王太子ヴァレンティンは、ついに自分の誤りを悟り、土下座して助けを求めにやってきます。
しかし、アリシアは冷たく拒否。
「私はもう、あなたの聖女ではありません」
そんな中、隣国レイヴン帝国の冷徹皇太子シルヴァン・レイヴンが現れ、幼馴染としてアリシアを激しく溺愛。
「俺がお前を守る。永遠に離さない」
勘違い王子の土下座、偽聖女の末路、国民の暴動……
追放された聖女が逆転し、究極の溺愛を得る、痛快スカッと恋愛ファンタジー!
妹に全て奪われて死んだ私、二度目の人生では王位も恋も譲りません
タマ マコト
ファンタジー
第一王女セレスティアは、
妹に婚約者も王位継承権も奪われた祝宴の夜、
誰にも気づかれないまま毒殺された。
――はずだった。
目を覚ますと、
すべてを失う直前の過去に戻っていた。
裏切りの順番も、嘘の言葉も、
自分がどう死ぬかさえ覚えたまま。
もう、譲らない。
「いい姉」も、「都合のいい王女」もやめる。
二度目の人生、
セレスティアは王位も恋も
自分の意思で掴み取ることを決める。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる