35 / 58
第二章
35. 変わらない日常
しおりを挟む
「リア、行ってくる」
アンドレ様は目を細め、私の髪をそっと撫でた。無表情だったアンドレ様は、今や私に心を開いてくださるようになった。白銀色の髪に整った顔立ち、それだけで美しいのに、この美男の笑顔といったら……
(ご馳走様です)
そう、その言葉がぴったりだ。
私はこうして、楽しい使用人と優しいアンドレ様に囲まれて、毎日楽しく過ごしている。
アンドレ様が仕事に行かれた後は、使用人たちと料理や館の掃除にあけくれる。暖かくなってきたこの頃は、庭に花を植えることに勤しんでいる。
「リア様、素敵な庭園が出来上がりましたね」
笑顔のマリーに、私も笑顔で返す。
「ええ。アンドレ様、喜んでくれるでしょうか」
「まあ、リア様ったら」
そう溢し、彼女たちは顔を見合わせて笑う。
「喜ばれるも何も……将軍はここ最近、毎日ご機嫌ですから。
この花壇をご覧になり、鼻歌なんて歌って踊り出されるのではないでしょうか」
「将軍が鼻歌……踊り……!?
……ぶはっ、ヴェラ、不敬罪に問われるわよ!」
不敬罪など言いながら、マリーとヴェラは大笑いをしている。そんな二人を見て、私も笑ってしまった。
私がこの館に来た時は、皆さんはアンドレ様に怯え、私を気遣って無理に元気に過ごされていた。だが、今はこうして皆が自然に笑みをこぼすような雰囲気に溢れている。
(これもきっと、アンドレ様が優しくなられたからですよね)
花壇に植えられた白色と菫色の花を見る。アンドレ様をイメージし、丁寧に一つずつ植えたこの花々を見て、アンドレ様は笑ってくださるだろうか。そんなことを考えると、また笑みが溢れてくるのだった。
「さあ、花壇の手入れも終わりましたし、次はお庭の掃き掃除でもしましょうか」
倉庫へ向かって歩く私を、
「りっ、リア様!」
マリーが慌てて止める。この館へ来て長らく経った私は、次にどんな言葉が出るのか分かっている。
「そ、そんな、掃き掃除だなんて。
将軍の奥様が、そんなことを……」
「大丈夫です」
私は笑顔でマリーに告げる。
「私のわがままで、いつも掃除をしていることも、分かっておられるでしょう? 」
すると、ヴェラがふふっと笑う。
「もう、リア様ったら……」
こうして、私は今日も何も変わらない楽しい日々を送っている。素敵な館の人々に、大好きなアンドレ様に囲まれて、私は今日も幸せだ。以前の私からは想像出来ないほど、とてもとても幸せだ。
◆◆◆◆◆
昼過ぎ。
私はいつものように、ルイーズ殿下のピアノ指導をしに宮廷にいた。
ルイーズ殿下のピアノ指導を始めてから、数ヶ月が経った。この数ヶ月でアンドレ様との関係は、信じられないほど良いものになっていた。そして、ルイーズ殿下のピアノの腕も、着々と進歩している。
ルイーズ殿下が『子犬のワルツ』を弾き終えると、近くにいた使用人たちがわあっと拍手をする。ルイーズ殿下らしい、軽やかなワルツだった。私も使用人たちに混ざって拍手を送る。
「殿下、とてもお上手です」
私の言葉に、ルイーズ殿下は太陽みたいな笑顔を浮かべる。その子供らしい笑顔にきゅんとしながらも、先生として甘い言葉ばかりはかけられないのが私だ。
「ルバートを意識すれば、もっとこの曲らしいものになります。例えば、このフレーズはここを少し長めに強調して……」
ルイーズ殿下に手本を見せると、使用人たちがさらにわあっと声を上げる。
「リア先生、さすがです!」
「この曲だけでも素晴らしいのに、リア先生が弾かれるとさらにすごいものになります!」
いや、すごいのは私ではなく、この曲の作者だ。だが、どれだけ弁明しても、これは私の書いた曲となってしまうことは分かっている。心の中でこの曲の作者に謝罪するとともに、恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。
「リア先生はピアノの魔術師ですね!! ……と、アンドレ将軍が言っておられました」
『ピアノの魔術師』。それも、前世の偉大な作曲家の呼び名だ。アンドレ様は分かっていて言っておられるのだろうか。
頭を抱える私を
「リアさん」
新たに呼ぶ声がした。『リア先生』でも『リア様』でもない、久しぶりの呼ばれ方に、ばばっと顔を上げる。すると、ずらっと並んでピアノ練習を見物する使用人たちの前に、いつの間にか美しい女性が立っていたのだ。金色の長い髪に、水色の煌びやかなドレス。一目見るだけで、位の高い女性だと分かる。だが、こんな女性、見たことがない。
女性は口角を上げ、嬉しそうに私に歩み寄る。そして、硬直している私の手をおもむろに握った。
「貴女が噂に聞く、アンドレの奥さんね」
アンドレと呼び捨てにされた夫の名を聞き、さらに硬直する。そして、ようやく言葉を漏らした。
「は、はい。リアと申します。よ、よろしくお願いいたします」
そう告げながらも、この美人は誰だろうと必死に考える。そして、この美人を見れば見るほど、自分が醜く思えてくる。そんな劣等感に満ちた私の隣でルイーズ殿下が嬉しそうに声を上げた。
「お姉様!帰っていらしたのですね!」
(えっ、お姉様!? )
予想外の言葉にぽかーんとする私を前に、ルイーズ殿下は美人に駆け寄る。
「お帰りなさい、お姉様。隣国への留学はいかがでしたか? 」
「ただいま、ルイーズ。とても有意義だったわ」
そう言って美人はつかつかと私のほうに歩み寄る。近付けば近付くほど、CGか何かのように欠点のない顔だ。……この世界にはCGなんてものは存在しないが。
だが、その美しい顔で下心のなさそうな笑顔を私に向ける。
「私はマリアンネ。いつも妹とアンドレがお世話になっているわね」
そう言って、足を組んでドレスの裾を持ち、優雅に頭を下げる。私もつられておどおどと頭を下げた。こういう時のために、館の人々からマナーを教わっていた。だが、突然の出来事で上手く対応できない。そして、考えたくもないが、アンドレ様の名前が出て動揺してしまった。アンドレ様とマリアンネ様は、どんな関係なのかと。
(私って、性格悪いですよね……)
そんななか、さらに動揺する出来事が起こったのだ。
「リア」
不意に私は、大好きなその声で名前を呼ばれた。いつもは名前を呼ばれるとニヤついてしまうのに、今日はビクッと飛び上がる。
一礼して扉から部屋に入ってきたのはアンドレ様で、アンドレ様は口角を上げて私を見ている。これだけでこの上ないご褒美をもらった気分なのに、胸騒ぎがしてならないのだ。
アンドレ様は目を細め、私の髪をそっと撫でた。無表情だったアンドレ様は、今や私に心を開いてくださるようになった。白銀色の髪に整った顔立ち、それだけで美しいのに、この美男の笑顔といったら……
(ご馳走様です)
そう、その言葉がぴったりだ。
私はこうして、楽しい使用人と優しいアンドレ様に囲まれて、毎日楽しく過ごしている。
アンドレ様が仕事に行かれた後は、使用人たちと料理や館の掃除にあけくれる。暖かくなってきたこの頃は、庭に花を植えることに勤しんでいる。
「リア様、素敵な庭園が出来上がりましたね」
笑顔のマリーに、私も笑顔で返す。
「ええ。アンドレ様、喜んでくれるでしょうか」
「まあ、リア様ったら」
そう溢し、彼女たちは顔を見合わせて笑う。
「喜ばれるも何も……将軍はここ最近、毎日ご機嫌ですから。
この花壇をご覧になり、鼻歌なんて歌って踊り出されるのではないでしょうか」
「将軍が鼻歌……踊り……!?
……ぶはっ、ヴェラ、不敬罪に問われるわよ!」
不敬罪など言いながら、マリーとヴェラは大笑いをしている。そんな二人を見て、私も笑ってしまった。
私がこの館に来た時は、皆さんはアンドレ様に怯え、私を気遣って無理に元気に過ごされていた。だが、今はこうして皆が自然に笑みをこぼすような雰囲気に溢れている。
(これもきっと、アンドレ様が優しくなられたからですよね)
花壇に植えられた白色と菫色の花を見る。アンドレ様をイメージし、丁寧に一つずつ植えたこの花々を見て、アンドレ様は笑ってくださるだろうか。そんなことを考えると、また笑みが溢れてくるのだった。
「さあ、花壇の手入れも終わりましたし、次はお庭の掃き掃除でもしましょうか」
倉庫へ向かって歩く私を、
「りっ、リア様!」
マリーが慌てて止める。この館へ来て長らく経った私は、次にどんな言葉が出るのか分かっている。
「そ、そんな、掃き掃除だなんて。
将軍の奥様が、そんなことを……」
「大丈夫です」
私は笑顔でマリーに告げる。
「私のわがままで、いつも掃除をしていることも、分かっておられるでしょう? 」
すると、ヴェラがふふっと笑う。
「もう、リア様ったら……」
こうして、私は今日も何も変わらない楽しい日々を送っている。素敵な館の人々に、大好きなアンドレ様に囲まれて、私は今日も幸せだ。以前の私からは想像出来ないほど、とてもとても幸せだ。
◆◆◆◆◆
昼過ぎ。
私はいつものように、ルイーズ殿下のピアノ指導をしに宮廷にいた。
ルイーズ殿下のピアノ指導を始めてから、数ヶ月が経った。この数ヶ月でアンドレ様との関係は、信じられないほど良いものになっていた。そして、ルイーズ殿下のピアノの腕も、着々と進歩している。
ルイーズ殿下が『子犬のワルツ』を弾き終えると、近くにいた使用人たちがわあっと拍手をする。ルイーズ殿下らしい、軽やかなワルツだった。私も使用人たちに混ざって拍手を送る。
「殿下、とてもお上手です」
私の言葉に、ルイーズ殿下は太陽みたいな笑顔を浮かべる。その子供らしい笑顔にきゅんとしながらも、先生として甘い言葉ばかりはかけられないのが私だ。
「ルバートを意識すれば、もっとこの曲らしいものになります。例えば、このフレーズはここを少し長めに強調して……」
ルイーズ殿下に手本を見せると、使用人たちがさらにわあっと声を上げる。
「リア先生、さすがです!」
「この曲だけでも素晴らしいのに、リア先生が弾かれるとさらにすごいものになります!」
いや、すごいのは私ではなく、この曲の作者だ。だが、どれだけ弁明しても、これは私の書いた曲となってしまうことは分かっている。心の中でこの曲の作者に謝罪するとともに、恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。
「リア先生はピアノの魔術師ですね!! ……と、アンドレ将軍が言っておられました」
『ピアノの魔術師』。それも、前世の偉大な作曲家の呼び名だ。アンドレ様は分かっていて言っておられるのだろうか。
頭を抱える私を
「リアさん」
新たに呼ぶ声がした。『リア先生』でも『リア様』でもない、久しぶりの呼ばれ方に、ばばっと顔を上げる。すると、ずらっと並んでピアノ練習を見物する使用人たちの前に、いつの間にか美しい女性が立っていたのだ。金色の長い髪に、水色の煌びやかなドレス。一目見るだけで、位の高い女性だと分かる。だが、こんな女性、見たことがない。
女性は口角を上げ、嬉しそうに私に歩み寄る。そして、硬直している私の手をおもむろに握った。
「貴女が噂に聞く、アンドレの奥さんね」
アンドレと呼び捨てにされた夫の名を聞き、さらに硬直する。そして、ようやく言葉を漏らした。
「は、はい。リアと申します。よ、よろしくお願いいたします」
そう告げながらも、この美人は誰だろうと必死に考える。そして、この美人を見れば見るほど、自分が醜く思えてくる。そんな劣等感に満ちた私の隣でルイーズ殿下が嬉しそうに声を上げた。
「お姉様!帰っていらしたのですね!」
(えっ、お姉様!? )
予想外の言葉にぽかーんとする私を前に、ルイーズ殿下は美人に駆け寄る。
「お帰りなさい、お姉様。隣国への留学はいかがでしたか? 」
「ただいま、ルイーズ。とても有意義だったわ」
そう言って美人はつかつかと私のほうに歩み寄る。近付けば近付くほど、CGか何かのように欠点のない顔だ。……この世界にはCGなんてものは存在しないが。
だが、その美しい顔で下心のなさそうな笑顔を私に向ける。
「私はマリアンネ。いつも妹とアンドレがお世話になっているわね」
そう言って、足を組んでドレスの裾を持ち、優雅に頭を下げる。私もつられておどおどと頭を下げた。こういう時のために、館の人々からマナーを教わっていた。だが、突然の出来事で上手く対応できない。そして、考えたくもないが、アンドレ様の名前が出て動揺してしまった。アンドレ様とマリアンネ様は、どんな関係なのかと。
(私って、性格悪いですよね……)
そんななか、さらに動揺する出来事が起こったのだ。
「リア」
不意に私は、大好きなその声で名前を呼ばれた。いつもは名前を呼ばれるとニヤついてしまうのに、今日はビクッと飛び上がる。
一礼して扉から部屋に入ってきたのはアンドレ様で、アンドレ様は口角を上げて私を見ている。これだけでこの上ないご褒美をもらった気分なのに、胸騒ぎがしてならないのだ。
148
あなたにおすすめの小説
「婚約破棄された聖女ですが、実は最強の『呪い解き』能力者でした〜追放された先で王太子が土下座してきました〜
鷹 綾
恋愛
公爵令嬢アリシア・ルナミアは、幼い頃から「癒しの聖女」として育てられ、オルティア王国の王太子ヴァレンティンの婚約者でした。
しかし、王太子は平民出身の才女フィオナを「真の聖女」と勘違いし、アリシアを「偽りの聖女」「無能」と罵倒して公衆の面前で婚約破棄。
王命により、彼女は辺境の荒廃したルミナス領へ追放されてしまいます。
絶望の淵で、アリシアは静かに真実を思い出す。
彼女の本当の能力は「呪い解き」——呪いを吸い取り、無効化する最強の力だったのです。
誰も信じてくれなかったその力を、追放された土地で発揮し始めます。
荒廃した領地を次々と浄化し、領民から「本物の聖女」として慕われるようになるアリシア。
一方、王都ではフィオナの「癒し」が効かず、魔物被害が急増。
王太子ヴァレンティンは、ついに自分の誤りを悟り、土下座して助けを求めにやってきます。
しかし、アリシアは冷たく拒否。
「私はもう、あなたの聖女ではありません」
そんな中、隣国レイヴン帝国の冷徹皇太子シルヴァン・レイヴンが現れ、幼馴染としてアリシアを激しく溺愛。
「俺がお前を守る。永遠に離さない」
勘違い王子の土下座、偽聖女の末路、国民の暴動……
追放された聖女が逆転し、究極の溺愛を得る、痛快スカッと恋愛ファンタジー!
妹に全て奪われて死んだ私、二度目の人生では王位も恋も譲りません
タマ マコト
ファンタジー
第一王女セレスティアは、
妹に婚約者も王位継承権も奪われた祝宴の夜、
誰にも気づかれないまま毒殺された。
――はずだった。
目を覚ますと、
すべてを失う直前の過去に戻っていた。
裏切りの順番も、嘘の言葉も、
自分がどう死ぬかさえ覚えたまま。
もう、譲らない。
「いい姉」も、「都合のいい王女」もやめる。
二度目の人生、
セレスティアは王位も恋も
自分の意思で掴み取ることを決める。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる