21 / 31
鈴蘭の場合2
しおりを挟む
お母さんの誕生日前日。
フランクさんたちは上手くお母さんを連れ出してくれた。
と言っても、思ったより簡単に連れ出せたが。
「たまには大人同士で交流しないか?」
「それはいいね!あんたたちのことは娘と孫だと思ってるんだ。たまには孫は孫同士で遊んで、私たちに娘を可愛がらせておくれよ。」
「そんな…!娘だなんて嬉しいこと…!私も両親ができたみたいだと思ってたから嬉しいです!」
早くに実の両親を亡くしてるお母さんにはとても響いただろう。
疑うこともなく2人と出掛けていった。
「連れ出してもらうためだったけど、お母さん嬉しそうだったね。」
「フランクさんたちも本心から言ってたみたいだし。」
「思わず感動の場面になっちゃったね。」
3人でにこにこしながら顔を見合わせた。
「さて!それじゃあ行こっか。」
「うん!いいのが見つかるといいね!」
「今回はケーキも大きくしようね!」
おー!と手を上に掲げて出発した。
「とりあえずどこに行く?」
「まずはプレゼントにしよ。食材は買ったらすぐに持って帰りたいし。」
「じゃあ雑貨やさん見て回ろ。」
3人で話しながら歩いていると、突き刺さる視線。
どれも好意的なもので嫌ではないのだが、やっぱり慣れない。
「やっぱり見られるね。」
「そろそろ慣れてほしいけどね。」
「3人並んでるから余計かな?」
食堂で動き回っている私たちだが、忙しすぎて並んで話してる余裕なんてない。
どうも私たちは美人らしいし、それが並んで歩いていたら見ちゃうのかな?
よくわからないけど。
「それぞれ近場で探してみる?」
「そうだね。プレゼントはそれぞれ買って、食材は皆で買おうか。」
「こんなに見られながらよりましか。」
視線に耐えられたくなった私たちは、それぞれでプレゼントを探すことにした。
「じゃあ、1時間くらいでここに戻ってこよう。」
「そのあとお昼にしよっか。」
「そうしよ。」
わかりやすく大きな噴水の前を待ち合わせに決め、皆それぞれお店に向かった。
私はお母さんの好きな雑貨が置いてありそうなお店に入る。
「いらっしゃい。…まぁ!天使様!今日は何をお探しですか?」
食堂でよく見かける、お母さんくらいの女性がカウンターにいた。
「こんにちは。今日はお母さんの誕生日プレゼントを探しに来たんです。」
「あらあら!それは素敵なことですね!」
綺麗なワンピースを着たぽっちゃりな女性店主は、にこにこしながら話していた。
品が良さそうなこの店主にどんな物があるのか聞いてみた。
「女性に人気なのはここらへんにあるアクセサリーですね。」
見てみると、指輪やブレスレット、ネックレスなど様々なアクセサリーが置いてある。
きらきらと輝くアクセサリーに気分が上がる。
「可愛い!どれもきらきらしてて綺麗ですね!」
素直に感想を伝えると、嬉しそうに微笑む店主。
「ありがとうございます。ここのアクセサリーは私の手作りなんですよ。」
「え!?手作り!?こんなに細かいのが!?」
はい、と頷く店主にびっくりする。
元の世界でも器用な人がアクセサリーとか作ってたけど、身近にはいなくて誰かが作ってるのはあまり実感がなかった。
本当にこんな細かいのが作れる人がいるんだ。
「すごいですね!こんなに細かいところまで綺麗に作ってて!尊敬します!」
「ふふふ、ありがとうございます。」
嬉しそうに微笑む店主を見て、ここでプレゼントを買おうと決めた。
じっくり見ていると、綺麗な花の形をした金具のついた髪留めを見つけた。
花の回りにはレースのような模様の金具で囲まれており、花の中心にはビーズのような物がはめられていた。
このレース模様…針金みたいなので作ってあるけど、本当に手でやったのかしんじられないくらい細かい。
「これ、すごいですね。こんなに細かい模様を手作業で?」
「はい、小さな道具を使うんですが、手作業ですよ。細かい模様作るのが得意で。」
ちょっと誇らしそうに言う店主に、もっと大きく自慢していいよと思う。
「道具使っててもすごいですよ。もっと自慢しまくってほしいくらいです。」
素直に口にすると、また嬉しそうに笑う店主。
「そう言ってもらえると頑張った甲斐があります。」
「本当に素晴らしい才能ですね。お母さんのプレゼントにこれを頂いていいですか?」
「もちろんです!ありがとうございます!」
頭を下げてにこにこしながら包んでくれた。
いいのが見つかってよかった。
「今日はありがとうございました。これからも頑張ってください。」
「はい!」
店主に手を振りながらお店をでた。
予想外に早く素敵なお店を見つけてしまって、予定の時間まであいてしまった。
フランクさんたちは上手くお母さんを連れ出してくれた。
と言っても、思ったより簡単に連れ出せたが。
「たまには大人同士で交流しないか?」
「それはいいね!あんたたちのことは娘と孫だと思ってるんだ。たまには孫は孫同士で遊んで、私たちに娘を可愛がらせておくれよ。」
「そんな…!娘だなんて嬉しいこと…!私も両親ができたみたいだと思ってたから嬉しいです!」
早くに実の両親を亡くしてるお母さんにはとても響いただろう。
疑うこともなく2人と出掛けていった。
「連れ出してもらうためだったけど、お母さん嬉しそうだったね。」
「フランクさんたちも本心から言ってたみたいだし。」
「思わず感動の場面になっちゃったね。」
3人でにこにこしながら顔を見合わせた。
「さて!それじゃあ行こっか。」
「うん!いいのが見つかるといいね!」
「今回はケーキも大きくしようね!」
おー!と手を上に掲げて出発した。
「とりあえずどこに行く?」
「まずはプレゼントにしよ。食材は買ったらすぐに持って帰りたいし。」
「じゃあ雑貨やさん見て回ろ。」
3人で話しながら歩いていると、突き刺さる視線。
どれも好意的なもので嫌ではないのだが、やっぱり慣れない。
「やっぱり見られるね。」
「そろそろ慣れてほしいけどね。」
「3人並んでるから余計かな?」
食堂で動き回っている私たちだが、忙しすぎて並んで話してる余裕なんてない。
どうも私たちは美人らしいし、それが並んで歩いていたら見ちゃうのかな?
よくわからないけど。
「それぞれ近場で探してみる?」
「そうだね。プレゼントはそれぞれ買って、食材は皆で買おうか。」
「こんなに見られながらよりましか。」
視線に耐えられたくなった私たちは、それぞれでプレゼントを探すことにした。
「じゃあ、1時間くらいでここに戻ってこよう。」
「そのあとお昼にしよっか。」
「そうしよ。」
わかりやすく大きな噴水の前を待ち合わせに決め、皆それぞれお店に向かった。
私はお母さんの好きな雑貨が置いてありそうなお店に入る。
「いらっしゃい。…まぁ!天使様!今日は何をお探しですか?」
食堂でよく見かける、お母さんくらいの女性がカウンターにいた。
「こんにちは。今日はお母さんの誕生日プレゼントを探しに来たんです。」
「あらあら!それは素敵なことですね!」
綺麗なワンピースを着たぽっちゃりな女性店主は、にこにこしながら話していた。
品が良さそうなこの店主にどんな物があるのか聞いてみた。
「女性に人気なのはここらへんにあるアクセサリーですね。」
見てみると、指輪やブレスレット、ネックレスなど様々なアクセサリーが置いてある。
きらきらと輝くアクセサリーに気分が上がる。
「可愛い!どれもきらきらしてて綺麗ですね!」
素直に感想を伝えると、嬉しそうに微笑む店主。
「ありがとうございます。ここのアクセサリーは私の手作りなんですよ。」
「え!?手作り!?こんなに細かいのが!?」
はい、と頷く店主にびっくりする。
元の世界でも器用な人がアクセサリーとか作ってたけど、身近にはいなくて誰かが作ってるのはあまり実感がなかった。
本当にこんな細かいのが作れる人がいるんだ。
「すごいですね!こんなに細かいところまで綺麗に作ってて!尊敬します!」
「ふふふ、ありがとうございます。」
嬉しそうに微笑む店主を見て、ここでプレゼントを買おうと決めた。
じっくり見ていると、綺麗な花の形をした金具のついた髪留めを見つけた。
花の回りにはレースのような模様の金具で囲まれており、花の中心にはビーズのような物がはめられていた。
このレース模様…針金みたいなので作ってあるけど、本当に手でやったのかしんじられないくらい細かい。
「これ、すごいですね。こんなに細かい模様を手作業で?」
「はい、小さな道具を使うんですが、手作業ですよ。細かい模様作るのが得意で。」
ちょっと誇らしそうに言う店主に、もっと大きく自慢していいよと思う。
「道具使っててもすごいですよ。もっと自慢しまくってほしいくらいです。」
素直に口にすると、また嬉しそうに笑う店主。
「そう言ってもらえると頑張った甲斐があります。」
「本当に素晴らしい才能ですね。お母さんのプレゼントにこれを頂いていいですか?」
「もちろんです!ありがとうございます!」
頭を下げてにこにこしながら包んでくれた。
いいのが見つかってよかった。
「今日はありがとうございました。これからも頑張ってください。」
「はい!」
店主に手を振りながらお店をでた。
予想外に早く素敵なお店を見つけてしまって、予定の時間まであいてしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
264
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる