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鈴蘭の場合4
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「…あの、誠に申し訳ありません…。初対面の見ず知らずの女が失礼をしました。」
出来る限り頭を下げて謝った。
本当は土下座をしようとしたのだが、すぐに腕を掴まれて止められた。
ちなみに誘拐未遂の男たちは、そのあと来た騎士団に連れていかれた。
必ず重い罰を与えます!と引きずるように連れていかれた男たちはまだ気絶していた。
引きずっても起きないなんて…生きてるよね?
「本当に、もう大丈夫だ。気にするな。」
もういいからと、顔をあげるように言われてあげる。
そこにいたのは先程のフードの男。
いや、正確にはフードをかぶっていた男だ。
「その、ローブもすみません…。」
そう、フードがついていたローブは脱いでしまったのだ。
私が抱きついて号泣したから汚れてしまった。
涙やら鼻水でそれはもうドロドロに。
「買って返します。」
「大丈夫だ。ローブは汚れるものだ。汚れるものを汚しても構わない。」
なんて懐の大きい人なんだ。
ローブを脱ぐと、そんな内面に見合った容姿をしていた。
綺麗なつり目気味の二重に真っ赤な瞳、鼻筋のとおった高い鼻に、瞳と同じく真っ赤な短髪。
2メートル近くあるんじゃないかと思うほどの高い背に、服の上からでもわかる筋肉質ながたいのいい身体。
イケメン。
ワイルドイケメン。
疑いもなくイケメン。
はい、格好いい。
「見た目だけじゃなく内面もいい。懐の大きい美丈夫。惚れる。好き。」
「は?」
「あ。」
しまった、頭で考えているつもりが声に出てた。
初対面の女が突然告白なんて正気じゃない。
それにほら、相手だって固まっている。
どうしよう、どう誤魔化そう。
「惚れる?好き?え?俺に言ったのか?…いや、空耳か。驚いた。」
イケメンは無意識に言葉にしているようだ。
頭で考えているつもりなのだろう。
同じミスをしてる。
え?運命?
「いえ、好きって言いました。初対面で何を言っていると思われるかもしれませんが、懐の深さに惚れました。」
「え?俺?俺に?」
「はい、あなたにです。申し遅れました、私花野井 鈴蘭と言います。できたらスズと呼んでください。」
「あ、えっとコンラッド・ジェンソンだ。コンラッドと呼んでくれ。敬語もいらない。」
「ありがとう、コンラッド。友だちからでもお願いします。」
「え?あ、よろしく。」
流れで言わせた感はあるが、ともかく友だちにはなれたようだ。
「あ、そろそろ行かなきゃ。」
なんやかんやと起こっているうちに待ち合わせの時間が近くなる。
「助けてもらったのにお礼もできなくてごめんなさい。あの、私ここの近くの大衆食堂で働いててね、よかったら食べに来て。お礼に奢るよ。」
「いや、そんなことはいいんだ。無事でよかったから。」
「ふふ、コンラッドは優しいね。お礼もあるけど、本当は会いたいのもあるの。…会いに来てくれる?」
「え!?あ、あぁわかった。」
顔を赤くしながらも頷いてくれるコンラッド。
可愛すぎる。
「じゃあ行くね。本当にありがとう。」
「あぁ。気を付けてな。」
手を振ってコンラッドと別れた。
気がつくと、捕まってたときに感じていた悔しさや無力感はなくなっていた。
なんであの男を思い出したのかもわからなくなった。
あんなに怖かったのに、思い出すのはコンラッドが闘っていた姿ばかり。
ひらひらと簡単に避けてはすぐに気絶をさせる姿を思い出してはにやにやする。
あの男も倒されたような爽快感だった。
悔しいと思っていた気持ちは、もしも今度会うようなことがあったら気絶させてやる、という気持ちに変わった。
お母さんを泣かせたら返り討ちにしてやる、と。
「あー…簡単だなー私。」
あっさり恋に落ちたことに自分でも笑ってしまう。
すいちゃんと同じ一目惚れだ。
まだ友だちなので、これから恋人になれるように頑張っていこう。
出来る限り頭を下げて謝った。
本当は土下座をしようとしたのだが、すぐに腕を掴まれて止められた。
ちなみに誘拐未遂の男たちは、そのあと来た騎士団に連れていかれた。
必ず重い罰を与えます!と引きずるように連れていかれた男たちはまだ気絶していた。
引きずっても起きないなんて…生きてるよね?
「本当に、もう大丈夫だ。気にするな。」
もういいからと、顔をあげるように言われてあげる。
そこにいたのは先程のフードの男。
いや、正確にはフードをかぶっていた男だ。
「その、ローブもすみません…。」
そう、フードがついていたローブは脱いでしまったのだ。
私が抱きついて号泣したから汚れてしまった。
涙やら鼻水でそれはもうドロドロに。
「買って返します。」
「大丈夫だ。ローブは汚れるものだ。汚れるものを汚しても構わない。」
なんて懐の大きい人なんだ。
ローブを脱ぐと、そんな内面に見合った容姿をしていた。
綺麗なつり目気味の二重に真っ赤な瞳、鼻筋のとおった高い鼻に、瞳と同じく真っ赤な短髪。
2メートル近くあるんじゃないかと思うほどの高い背に、服の上からでもわかる筋肉質ながたいのいい身体。
イケメン。
ワイルドイケメン。
疑いもなくイケメン。
はい、格好いい。
「見た目だけじゃなく内面もいい。懐の大きい美丈夫。惚れる。好き。」
「は?」
「あ。」
しまった、頭で考えているつもりが声に出てた。
初対面の女が突然告白なんて正気じゃない。
それにほら、相手だって固まっている。
どうしよう、どう誤魔化そう。
「惚れる?好き?え?俺に言ったのか?…いや、空耳か。驚いた。」
イケメンは無意識に言葉にしているようだ。
頭で考えているつもりなのだろう。
同じミスをしてる。
え?運命?
「いえ、好きって言いました。初対面で何を言っていると思われるかもしれませんが、懐の深さに惚れました。」
「え?俺?俺に?」
「はい、あなたにです。申し遅れました、私花野井 鈴蘭と言います。できたらスズと呼んでください。」
「あ、えっとコンラッド・ジェンソンだ。コンラッドと呼んでくれ。敬語もいらない。」
「ありがとう、コンラッド。友だちからでもお願いします。」
「え?あ、よろしく。」
流れで言わせた感はあるが、ともかく友だちにはなれたようだ。
「あ、そろそろ行かなきゃ。」
なんやかんやと起こっているうちに待ち合わせの時間が近くなる。
「助けてもらったのにお礼もできなくてごめんなさい。あの、私ここの近くの大衆食堂で働いててね、よかったら食べに来て。お礼に奢るよ。」
「いや、そんなことはいいんだ。無事でよかったから。」
「ふふ、コンラッドは優しいね。お礼もあるけど、本当は会いたいのもあるの。…会いに来てくれる?」
「え!?あ、あぁわかった。」
顔を赤くしながらも頷いてくれるコンラッド。
可愛すぎる。
「じゃあ行くね。本当にありがとう。」
「あぁ。気を付けてな。」
手を振ってコンラッドと別れた。
気がつくと、捕まってたときに感じていた悔しさや無力感はなくなっていた。
なんであの男を思い出したのかもわからなくなった。
あんなに怖かったのに、思い出すのはコンラッドが闘っていた姿ばかり。
ひらひらと簡単に避けてはすぐに気絶をさせる姿を思い出してはにやにやする。
あの男も倒されたような爽快感だった。
悔しいと思っていた気持ちは、もしも今度会うようなことがあったら気絶させてやる、という気持ちに変わった。
お母さんを泣かせたら返り討ちにしてやる、と。
「あー…簡単だなー私。」
あっさり恋に落ちたことに自分でも笑ってしまう。
すいちゃんと同じ一目惚れだ。
まだ友だちなので、これから恋人になれるように頑張っていこう。
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