297 / 1,153
ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 婚約の事実
しおりを挟む
「上野、お前水森への手紙になんて書いたんだよ?」
意味が全く分からないのでそのままの質問をストレートに上野にぶつけた。
「ま、それは個人情報ってコトよ」
気になるんなら直接、水森っちに聞いてみてもいいんじゃない?と上野は小さな笑みを浮かべる。
いやいやいや……
個人情報って何だよ、意味わかんねぇよ。
「俺は水森がお前にイジメられてんじゃねぇかと思ってたんだが」
遠回しに聞いていても埒があかないので再び豪速球の質問を上野にぶつける。
「あらら。心外ー」
あーしってそんな風に見えるんだ?と上野はオーバーに落胆するような仕草を見せる。
「そんな風に見えるも何も、そうじゃないと話の辻褄が合わんだろ?あれだけ仲の良かった水森が夢野を避ける理由が無ぇんだし」
俺がそう言うと、上野は意味ありげな視線を投げかけて来た。
「ふふっ……佐藤っちってやっぱ優しいんだね」
「何がだよ!?」
妙なコトを言って返事をはぐらかす上野に対し、ややイライラしながら俺は答えた。
「だってさ。元カノだからって佐々木っちのコト守ってあげてさ。水森っちの心配までしてくれた上に今カノの彼女も大切にしてるんだもんねぇ」
羨ましーわ、と上野はクスクス笑いながら呟く。
ん?
今なんつった?
「元カノ?誰がだよ?」
上野は揶揄うように俺を見ている。
「またまたトボケちゃってー。さっき佐藤っちが自分で言ってたじゃん?『今度俺の女に何か言ったらタダじゃおかねぇかんな!』ってさ」
は!?
「俺そんな事言った?」
「さっき廊下で男子達をボコってる時に言ってたじゃん?覚えてないのー?」
それとも照れてる?と上野はニヤニヤと笑っている。
え?俺そんな事言った!?なんだよそれ!?
「覚えてねぇ……」
やっちまった。
なんて事を口走ってんだ俺は。
「だいたいさ、佐々木と結婚の約束したのだって幼稚園の時だしそんな昔のハナシ……」
そこまで言って俺はハッと自分の口を抑えた。
「えー!ついさっきの事も忘れてんのに10年前のプロポーズは覚えてるんだ~?」
超ロマンチストじゃない?と上野が更に揶揄うような視線を俺に向ける。
「違う、プロポーズなんかしてねぇ!」
おれは首を高速で横にフルスイングさせた。
「佐々木んちのカーチャンには世話になってて……よく飯とか食わせて貰っててさ。『俺もここの家の子になりたいなあ』って言ったら佐々木のカーチャンが『じゃあ、この子と結婚してうちの子になる?』って冗談で言ってたやつで……」
「でもそれで『えっ!じゃあ結婚する!』とかって言っちゃったんでしょ?図星?」
俺は黙った。
そうなんだよな。言っちまってたんだよな。昔。
けどそれってもう時効だろ?4歳児の戯言じゃねーか。
意味が全く分からないのでそのままの質問をストレートに上野にぶつけた。
「ま、それは個人情報ってコトよ」
気になるんなら直接、水森っちに聞いてみてもいいんじゃない?と上野は小さな笑みを浮かべる。
いやいやいや……
個人情報って何だよ、意味わかんねぇよ。
「俺は水森がお前にイジメられてんじゃねぇかと思ってたんだが」
遠回しに聞いていても埒があかないので再び豪速球の質問を上野にぶつける。
「あらら。心外ー」
あーしってそんな風に見えるんだ?と上野はオーバーに落胆するような仕草を見せる。
「そんな風に見えるも何も、そうじゃないと話の辻褄が合わんだろ?あれだけ仲の良かった水森が夢野を避ける理由が無ぇんだし」
俺がそう言うと、上野は意味ありげな視線を投げかけて来た。
「ふふっ……佐藤っちってやっぱ優しいんだね」
「何がだよ!?」
妙なコトを言って返事をはぐらかす上野に対し、ややイライラしながら俺は答えた。
「だってさ。元カノだからって佐々木っちのコト守ってあげてさ。水森っちの心配までしてくれた上に今カノの彼女も大切にしてるんだもんねぇ」
羨ましーわ、と上野はクスクス笑いながら呟く。
ん?
今なんつった?
「元カノ?誰がだよ?」
上野は揶揄うように俺を見ている。
「またまたトボケちゃってー。さっき佐藤っちが自分で言ってたじゃん?『今度俺の女に何か言ったらタダじゃおかねぇかんな!』ってさ」
は!?
「俺そんな事言った?」
「さっき廊下で男子達をボコってる時に言ってたじゃん?覚えてないのー?」
それとも照れてる?と上野はニヤニヤと笑っている。
え?俺そんな事言った!?なんだよそれ!?
「覚えてねぇ……」
やっちまった。
なんて事を口走ってんだ俺は。
「だいたいさ、佐々木と結婚の約束したのだって幼稚園の時だしそんな昔のハナシ……」
そこまで言って俺はハッと自分の口を抑えた。
「えー!ついさっきの事も忘れてんのに10年前のプロポーズは覚えてるんだ~?」
超ロマンチストじゃない?と上野が更に揶揄うような視線を俺に向ける。
「違う、プロポーズなんかしてねぇ!」
おれは首を高速で横にフルスイングさせた。
「佐々木んちのカーチャンには世話になってて……よく飯とか食わせて貰っててさ。『俺もここの家の子になりたいなあ』って言ったら佐々木のカーチャンが『じゃあ、この子と結婚してうちの子になる?』って冗談で言ってたやつで……」
「でもそれで『えっ!じゃあ結婚する!』とかって言っちゃったんでしょ?図星?」
俺は黙った。
そうなんだよな。言っちまってたんだよな。昔。
けどそれってもう時効だろ?4歳児の戯言じゃねーか。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる