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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 幼馴染の姉さん女房
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暫くの沈黙の後、よくわからないまま俺は保健室を後にすることにした。
「……あ、あのさ。俺そろそろ授業に戻んねぇと」
小泉にどつかれちまう、と俺は若干白々しく言ってみる。
そう、とだけ呟くと佐々木はこちらへ向き直った。
「じゃあ最後に一つ、質問いいかしら?」
「なんだ?」
佐々木は少し意地悪そうな表情を浮かべながらこう切り出してきた。
「……わたしはいつからあなたの女になったのかしら?」
「は!???」
思わず変な声が出てしまう。
もしかしてアレか?
ちょっと前に廊下で男子がイキり散らしてたからシメた時のやつか?
いやいやいやいや……
なんでソレをコイツが知ってんだよ。
誰から聞いた?
上野か?上野だろ?
面白おかしく触れ回ってんのか?マジかよ。
「アレってあの場のテンションっつぅか、言葉のアヤっていうか……」
ブランカとかって言われてたからつい、カッとなって、と俺はしどろもどろに答える。
「……ブランカって?」
佐々木が小首を傾げる仕草をする。
そうか。
いくら佐々木が物知りでいろんな知識があるって言っても、あくまでも教科書に書いてあるような事や一般常識だもんな。
レトロ格ゲーのメインじゃない若干マイナーなキャラ名なんて知らないよな……
ゲームやらねぇ女子からしたら、『格闘ゲーム』とか『ストⅡ』って聞いてもピンと来ないだろうし、せいぜい思い浮かべるのは春麗とか昇龍拳とか波動拳ってワードやイメージくらいだろ?
だけど。
いくら演技やカモフラージュでこんな格好してるって言っても、自分が『ブランカ』って陰で呼ばれてるの知ったら傷つくよな。
だってブランカだぜ?
ジャングルの奥地で育てられた獣みたいな全身緑の男のキャラだぜ?
バルログとかならまだもうちょっとカッコいい寄りのキャラじゃねぇか。
仮にも女子に向かってブランカやダルシムなんてあだ名付けるか普通?
俺は首を振った。
「えっと……その、ゲームに出てくるキャラの事なんだけどさ」
そこから後が思い浮かばない。
「その……ドラクエⅤに出てくる主人公の幼馴染で金髪の女で」
俺はなんとか適当に誤魔化そうとしてみる。
駄目だ、整合性が取れねぇ。
なんで俺がソレでブチキレてんだよ。
どんだけドラクエに思い入れあるんだよおかしいだろ?
佐々木はクスクスと笑うとこう言った。
「……それはビアンカでしょ。知ってるわよ」
「は?」
何だコイツ。
知っててワザと俺を揶揄ったのか?
なんだよもう、と俺が少し不貞腐れた素振りを見せると佐々木は慌ててフォローしてくる。
「……悪かったわね。ちょっと意地悪言ってみたかっただけよ」
だけど、と佐々木は続けた。
「……ありがとね、庇ってくれて」
珍しく素直過ぎる佐々木の言葉に一瞬俺は固まってしまう。
お、おう、と返すのが俺の精一杯だった。
佐々木は幼稚園の頃からの友達なんだ。
佐々木の母ちゃんにもいっぱい世話になったし。
ある意味恩人でもあるんだ。
それは今でも変わらない。
俺も改めて佐々木に向き直った。
「……そのさ、カモフラージュとか演技とかで今そんなカッコしてるんだろうけどさ。もしもまたお前に対して妙なコト言ってくる奴や嫌がらせしてくる奴が居たら」
そん時は俺に言えよ?ブッ飛ばしてやっからよ、と俺は思ってた事そのままを言った。
俺がコイツにしてやれることなんてそれくらいしかねぇからな。
「………!」
佐々木は少し戸惑うような表情を見せた後、こう言った。
「……それはお互い様よ。あなたも何かあったらすぐにわたしに相談しなさいよ」
「……あ、あのさ。俺そろそろ授業に戻んねぇと」
小泉にどつかれちまう、と俺は若干白々しく言ってみる。
そう、とだけ呟くと佐々木はこちらへ向き直った。
「じゃあ最後に一つ、質問いいかしら?」
「なんだ?」
佐々木は少し意地悪そうな表情を浮かべながらこう切り出してきた。
「……わたしはいつからあなたの女になったのかしら?」
「は!???」
思わず変な声が出てしまう。
もしかしてアレか?
ちょっと前に廊下で男子がイキり散らしてたからシメた時のやつか?
いやいやいやいや……
なんでソレをコイツが知ってんだよ。
誰から聞いた?
上野か?上野だろ?
面白おかしく触れ回ってんのか?マジかよ。
「アレってあの場のテンションっつぅか、言葉のアヤっていうか……」
ブランカとかって言われてたからつい、カッとなって、と俺はしどろもどろに答える。
「……ブランカって?」
佐々木が小首を傾げる仕草をする。
そうか。
いくら佐々木が物知りでいろんな知識があるって言っても、あくまでも教科書に書いてあるような事や一般常識だもんな。
レトロ格ゲーのメインじゃない若干マイナーなキャラ名なんて知らないよな……
ゲームやらねぇ女子からしたら、『格闘ゲーム』とか『ストⅡ』って聞いてもピンと来ないだろうし、せいぜい思い浮かべるのは春麗とか昇龍拳とか波動拳ってワードやイメージくらいだろ?
だけど。
いくら演技やカモフラージュでこんな格好してるって言っても、自分が『ブランカ』って陰で呼ばれてるの知ったら傷つくよな。
だってブランカだぜ?
ジャングルの奥地で育てられた獣みたいな全身緑の男のキャラだぜ?
バルログとかならまだもうちょっとカッコいい寄りのキャラじゃねぇか。
仮にも女子に向かってブランカやダルシムなんてあだ名付けるか普通?
俺は首を振った。
「えっと……その、ゲームに出てくるキャラの事なんだけどさ」
そこから後が思い浮かばない。
「その……ドラクエⅤに出てくる主人公の幼馴染で金髪の女で」
俺はなんとか適当に誤魔化そうとしてみる。
駄目だ、整合性が取れねぇ。
なんで俺がソレでブチキレてんだよ。
どんだけドラクエに思い入れあるんだよおかしいだろ?
佐々木はクスクスと笑うとこう言った。
「……それはビアンカでしょ。知ってるわよ」
「は?」
何だコイツ。
知っててワザと俺を揶揄ったのか?
なんだよもう、と俺が少し不貞腐れた素振りを見せると佐々木は慌ててフォローしてくる。
「……悪かったわね。ちょっと意地悪言ってみたかっただけよ」
だけど、と佐々木は続けた。
「……ありがとね、庇ってくれて」
珍しく素直過ぎる佐々木の言葉に一瞬俺は固まってしまう。
お、おう、と返すのが俺の精一杯だった。
佐々木は幼稚園の頃からの友達なんだ。
佐々木の母ちゃんにもいっぱい世話になったし。
ある意味恩人でもあるんだ。
それは今でも変わらない。
俺も改めて佐々木に向き直った。
「……そのさ、カモフラージュとか演技とかで今そんなカッコしてるんだろうけどさ。もしもまたお前に対して妙なコト言ってくる奴や嫌がらせしてくる奴が居たら」
そん時は俺に言えよ?ブッ飛ばしてやっからよ、と俺は思ってた事そのままを言った。
俺がコイツにしてやれることなんてそれくらいしかねぇからな。
「………!」
佐々木は少し戸惑うような表情を見せた後、こう言った。
「……それはお互い様よ。あなたも何かあったらすぐにわたしに相談しなさいよ」
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