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ep6
ep6『さよなら小泉先生』 孤立へのプロセス
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「巫女の仕事ってさ、社務所でお守りとか売ってるだけだと思ってた」
のほほんとしてて楽そうに思ってたけど違うんだな、という俺の言葉に小泉(中学生)は頷いた。
「お正月だけのバイトの人はそうかな。でも、大晦日から元旦へのカウントダウンの時間とかあるでしょ?あの時間帯ってもの凄く混むんだよ」
のほほんって事はなくて、殺人的に忙しいかな。三ヶ日は休憩する時間もないくらい大変だよ、と小泉(中学生)は笑った。
「でも、やり甲斐もあるし……この仕事が出来てよかったって思う」
大人の方の小泉は巫女の業務内容についてはあんまり話さないからな。
色んな苦労があるなんて知らなかった。
「けどさ、それが原因でクラスで孤立してんのって辛くねぇの?」
俺の質問に対し、小泉(中学生)はまた言葉を濁した。
「うーん……確かにきっかけにはなったんだけど、それが決定打って訳じゃなくてね……」
「まだ他に何かあんのか?」
へへ、と小泉(中学生)はまたしても苦笑いを浮かべた。
「その時までは私のことを嫌ってたのはカーストの上位のその女子だけだったんだけど─────」
体育祭でね、クラス対抗の大縄跳びがあった時に……私、縄に引っかかっちゃって、と小泉(中学生)は決まりが悪そうに呟いた。
「え?それでどうなったんだ?」
「引っかかったクラスから脱落していくんだけど、うちのクラスって最後まで残ってて……優勝争いしてたのに私のせいで逃しちゃってね」
なるほどな。
元々、小泉(中学生)のことをよく思ってないカースト上位の女子が居て、ここぞとばかりにクラス全体から吊し上げになったって訳か。
「元々、あの女子が私のことをよく思ってないってのは知ってたし、イジメって程のことでもないし─────」
「イジメって訳じゃねぇけどクラスでハブられてるみたいな感じか」
まあ、そんなとこ、と小泉は小さく頷いた。
「────佐藤くんとは会ったばっかりなのに変なこと話しちゃったね」
なんだよこれ。小泉にそんな過去があったなんて知らなかったし聞いてねぇぞ?
俺は小泉(中学生)に対し、どう声を掛けていいものか躊躇した。
「なんか……大変なんだな。お前も────」
そう絞り出すので精一杯だった。
「まあ、引っかかっちゃったのは事実だし、私が悪いのは本当のことだから仕方ないよ」
小泉(中学生)はそう言うと視線を落とした。
「……じゃあさ、学校ではどうやって過ごしてるんだ?他のクラスにダチとか居ねぇのか?」
少し重くなった空気を変えるべく、俺は別の話題を振ってみた。
うーん、と小泉(中学生)は困ったような表情を浮かべた。
「小学校の時にね、すっごく仲のいい子が居たんだけど……その子は私立に行っちゃって」
塾や部活が忙しいみたいで月に1~2回しか会えないんだ、と小泉は答えた。
まずい。変なこと聞いちまったか。
「一年生の時に仲良かった子はクラスが別になっちゃって。話さない訳じゃないけど、ちょっと疎遠になっちゃったかな」
まあ確かに、大人の方の小泉も陰キャチー牛でオタクだもんな。友達が少なそうというのは納得出来る気がした。
「寂しくないのか?クラスで一人ぼっちでさ」
どうやって学校で一日を過ごしてんだ?という俺の質問に対し、小泉(中学生)はここで初めて満面の笑みを浮かべた。
「……授業中はずっとね、絵を描いて過ごしてるんだ」
のほほんとしてて楽そうに思ってたけど違うんだな、という俺の言葉に小泉(中学生)は頷いた。
「お正月だけのバイトの人はそうかな。でも、大晦日から元旦へのカウントダウンの時間とかあるでしょ?あの時間帯ってもの凄く混むんだよ」
のほほんって事はなくて、殺人的に忙しいかな。三ヶ日は休憩する時間もないくらい大変だよ、と小泉(中学生)は笑った。
「でも、やり甲斐もあるし……この仕事が出来てよかったって思う」
大人の方の小泉は巫女の業務内容についてはあんまり話さないからな。
色んな苦労があるなんて知らなかった。
「けどさ、それが原因でクラスで孤立してんのって辛くねぇの?」
俺の質問に対し、小泉(中学生)はまた言葉を濁した。
「うーん……確かにきっかけにはなったんだけど、それが決定打って訳じゃなくてね……」
「まだ他に何かあんのか?」
へへ、と小泉(中学生)はまたしても苦笑いを浮かべた。
「その時までは私のことを嫌ってたのはカーストの上位のその女子だけだったんだけど─────」
体育祭でね、クラス対抗の大縄跳びがあった時に……私、縄に引っかかっちゃって、と小泉(中学生)は決まりが悪そうに呟いた。
「え?それでどうなったんだ?」
「引っかかったクラスから脱落していくんだけど、うちのクラスって最後まで残ってて……優勝争いしてたのに私のせいで逃しちゃってね」
なるほどな。
元々、小泉(中学生)のことをよく思ってないカースト上位の女子が居て、ここぞとばかりにクラス全体から吊し上げになったって訳か。
「元々、あの女子が私のことをよく思ってないってのは知ってたし、イジメって程のことでもないし─────」
「イジメって訳じゃねぇけどクラスでハブられてるみたいな感じか」
まあ、そんなとこ、と小泉は小さく頷いた。
「────佐藤くんとは会ったばっかりなのに変なこと話しちゃったね」
なんだよこれ。小泉にそんな過去があったなんて知らなかったし聞いてねぇぞ?
俺は小泉(中学生)に対し、どう声を掛けていいものか躊躇した。
「なんか……大変なんだな。お前も────」
そう絞り出すので精一杯だった。
「まあ、引っかかっちゃったのは事実だし、私が悪いのは本当のことだから仕方ないよ」
小泉(中学生)はそう言うと視線を落とした。
「……じゃあさ、学校ではどうやって過ごしてるんだ?他のクラスにダチとか居ねぇのか?」
少し重くなった空気を変えるべく、俺は別の話題を振ってみた。
うーん、と小泉(中学生)は困ったような表情を浮かべた。
「小学校の時にね、すっごく仲のいい子が居たんだけど……その子は私立に行っちゃって」
塾や部活が忙しいみたいで月に1~2回しか会えないんだ、と小泉は答えた。
まずい。変なこと聞いちまったか。
「一年生の時に仲良かった子はクラスが別になっちゃって。話さない訳じゃないけど、ちょっと疎遠になっちゃったかな」
まあ確かに、大人の方の小泉も陰キャチー牛でオタクだもんな。友達が少なそうというのは納得出来る気がした。
「寂しくないのか?クラスで一人ぼっちでさ」
どうやって学校で一日を過ごしてんだ?という俺の質問に対し、小泉(中学生)はここで初めて満面の笑みを浮かべた。
「……授業中はずっとね、絵を描いて過ごしてるんだ」
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