474 / 1,153
ep6
ep6『さよなら小泉先生』 結成、暗闇の中の研究部
しおりを挟む
小泉らしいと言えば小泉らしいのかもしれない。
「へぇ!どんなの描いてんのか見せてくれよ!」
そういや小泉が描いた絵って見たことなかったよな、と思った俺は何気なくそう言った。
「えー!そんな、まだ人に見せられるようなレベルじゃ無いし……」
小泉(中学生)は恥ずかしそうにブンブンと手を振った。
「まあ、いいのが描けたら見せてくれよ。いつでもいいからさ」
小泉(中学生)はやや照れた様子でコクンと頷いた。
俺達が座っている横には沢山の漫画本や雑誌が積み上げられている。
「じゃあさ、学校では絵を描いて過ごしてさ、放課後はここで漫画とか読んで過ごしてるってことか?」
まあ、そんなとこだよ、と小泉(中学生)はどこか寂しそうに呟いた。
「家だと怒られるからここで夜まで一人で漫画読んで目に焼き付けて……学校で思い出しながらアレコレ描いてるの」
なるほど、一人で“漫画研究部”みたいな感じか。ウチの学校って田舎だから漫研とか無いからな。
いくら小泉(中学生)がオタクだからって言ってもさ、やっぱずっと一人ってのもなかなか辛い部分もあるのかもしれない。
そう思った俺はダメ元でこんな提案をしてみることにした。
「……なあ、あのさ、よかったら俺も仲間に入れてくんね?」
「え?」
小泉(中学生)は驚いたように俺の顔を見る。
「俺さ、流行りの漫画とかに疎くて……読んでみたいなって思うことはあるんだけどウチって金なくて貧乏だからさ」
だから、嫌じゃなかったら俺にオススメの漫画とか読ませてくんね?と俺はなるべく自然な感じを装って言ってみた。
そうなんだ、と小泉は意外そうに呟いた。
「俺には後輩が居るんだけどさ、そいつンチってレトロゲームとか漫画とか面白ぇモンいっぱいあんだよ。前はよく遊びに行ってたんだけど────」
最近、ソイツに彼女が出来たっぽくて行きづらくなっちゃってさ、と“孤独感”をアピールすることも忘れなかった。
「そっか……そういうことなら」
小泉(中学生)は少しはにかみながら答えた。
「───佐藤くんさえ良かったら、いつでも来てくれていいよ!」
お菓子も漫画も沢山あるからね、と呟く小泉(中学生)は少し嬉しそうにも思えた。
いくら小泉だって言ってもさ、やっぱ中学生だろ?
学校でも孤立して家でも居場所なくて、ってのは寂しかったんだろうな。
こうして、幽霊とも生霊ともつかない中学生の小泉と俺は─────二人だけの“漫画研究部”を結成したのだった。
「へぇ!どんなの描いてんのか見せてくれよ!」
そういや小泉が描いた絵って見たことなかったよな、と思った俺は何気なくそう言った。
「えー!そんな、まだ人に見せられるようなレベルじゃ無いし……」
小泉(中学生)は恥ずかしそうにブンブンと手を振った。
「まあ、いいのが描けたら見せてくれよ。いつでもいいからさ」
小泉(中学生)はやや照れた様子でコクンと頷いた。
俺達が座っている横には沢山の漫画本や雑誌が積み上げられている。
「じゃあさ、学校では絵を描いて過ごしてさ、放課後はここで漫画とか読んで過ごしてるってことか?」
まあ、そんなとこだよ、と小泉(中学生)はどこか寂しそうに呟いた。
「家だと怒られるからここで夜まで一人で漫画読んで目に焼き付けて……学校で思い出しながらアレコレ描いてるの」
なるほど、一人で“漫画研究部”みたいな感じか。ウチの学校って田舎だから漫研とか無いからな。
いくら小泉(中学生)がオタクだからって言ってもさ、やっぱずっと一人ってのもなかなか辛い部分もあるのかもしれない。
そう思った俺はダメ元でこんな提案をしてみることにした。
「……なあ、あのさ、よかったら俺も仲間に入れてくんね?」
「え?」
小泉(中学生)は驚いたように俺の顔を見る。
「俺さ、流行りの漫画とかに疎くて……読んでみたいなって思うことはあるんだけどウチって金なくて貧乏だからさ」
だから、嫌じゃなかったら俺にオススメの漫画とか読ませてくんね?と俺はなるべく自然な感じを装って言ってみた。
そうなんだ、と小泉は意外そうに呟いた。
「俺には後輩が居るんだけどさ、そいつンチってレトロゲームとか漫画とか面白ぇモンいっぱいあんだよ。前はよく遊びに行ってたんだけど────」
最近、ソイツに彼女が出来たっぽくて行きづらくなっちゃってさ、と“孤独感”をアピールすることも忘れなかった。
「そっか……そういうことなら」
小泉(中学生)は少しはにかみながら答えた。
「───佐藤くんさえ良かったら、いつでも来てくれていいよ!」
お菓子も漫画も沢山あるからね、と呟く小泉(中学生)は少し嬉しそうにも思えた。
いくら小泉だって言ってもさ、やっぱ中学生だろ?
学校でも孤立して家でも居場所なくて、ってのは寂しかったんだろうな。
こうして、幽霊とも生霊ともつかない中学生の小泉と俺は─────二人だけの“漫画研究部”を結成したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる