[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep9

ep9『夢千夜』 “偽りの花嫁” 第七夜

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俺はテンションMAXの状態で敷地内を歩く。

こんな田舎町にこんな場所があったなんて知らなかった。

普段は一人で来れるような場所じゃないからな。

正面玄関に到着すると守衛のようなボーイ(?)が仰々しくドアを開けてくれた。

キッチリとしたスーツを着た女性が俺たちを出迎える。

建物内も五つ星ホテルのようにクラシカルかつ重厚だ。

映画に出てくるセットみてぇじゃねぇか。

人生で一度も目にしたことのない場所に緊張が走る。

「あ、式場見学を予約していた者ですが───────」

由江さんが受付の書類を書いている隙に佑ニーサンが俺の肩をグッと掴む。

「ね~ガックン~」

なんだよ、と俺が答えると佑ニーサンはこう言った。

「これから小泉先生が花嫁姿で出てくるんでしょ~?」

ちゃんとさ~『キレイだった』とか『可愛かった』って後で言うんだよ~?という佑ニーサンの言葉に俺は思わず聞き返す。

「は?なんだよそれ」

何言ってんの~?と佑ニーサンは俺の頭を小突いた。

「さっき由江も言ってたでしょ~?『女の子にとって花嫁姿ってのは特別なもの』だって~」

褒められたら嬉しいものだよ、女の子にとってさ~と続ける佑ニーサンの台詞に俺は思わず反発する。

「ハァ?そういうガラじゃねぇだろ、小泉も俺もさ」

女心がわかってないなぁ~と佑ニーサンはため息をついた。

「女の子ってのは花と同じなんだよ~?愛情を注げば注ぐほど綺麗に咲くんだから~」

いやいや、と俺は首を振った。

「別に俺、小泉を育ててる訳でもなくね?」

俺がそう言うと佑ニーサンは笑った。

「またまた~何の為にここに来たんだよガックン~?」

いや豪華フルコースをタダで食う為だし、と俺が間髪入れずに答えると佑ニーサンはまた笑った。

「それじゃ、そういうことにしといてもいいけどさ~?」

小泉先生に会ったら、ちゃんと可愛かったって言ってあげるんだよ~?と佑ニーサンは俺の肩をポンと叩いた。

余計なお世話だっつーの。

小泉は普段からメイドや巫女になってんだからさ。

ウェディングドレスとか今更じゃねぇか。どれも似たようなモンなんだし。

「……お待たせ。それじゃ行きましょうか」

受付を済ませた由江さんがこちらに戻ってくる。

由江さんの手には大量のパンフレットと思しき荷物が増えていた。

すかさず佑ニーサンが荷物に手を伸ばす。

「あ~。それ僕が持つよ~」

それじゃ、行こうか~と佑ニーサンと由江さんはロビーの向こうにあるスペースに向かって歩き出した。

どうやら、模擬挙式やフルコース試食会の前にプランや予算の説明の時間があるらしい。

商談を済ませてからじゃねぇとフルコースは出てこねぇって寸法なんだな。

まあ、食うだけ食ってプランの説明聞かずに帰る客とか居るかもしれねぇしさ。妥当な流れだよな。

俺も後についてその場所に向かおうとした瞬間───────

バサバサと派手な音を立て、何かをばら撒く音がロビーに響く。












ふと横を見ると───────────受付で渡されたパンフレット類を派手に散らかしてオロオロとしている女性が視界に飛び込んできた。


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