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ep9
ep9『夢千夜』 “偽りの花嫁” 第十三夜
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「え……!?」
俺は思わず固まってしまう。
マズい、変に思われてるのか?
歩きながら俺は必死で考えを巡らせた。
なんか上手いこと返さないと──────────
係員に促され、俺達は大ホールに足を踏み入れる。
「わぁ……!」
見学者の中から歓声が上がる。
この広いホールはまるで────────おとぎ話の中のお城のパーティーのようだ。
ハートのバルーンに洪水のような花々、そして艶やかなサテン地のリボン。
女子が思い描く夢の世界が具現化されたような、とでも表現すべきだろうか。
テーブルには色とりどりの華やかな花が飾られ、食器や名札が既にセッティングされている。
「午後から挙式を挙げられる方の為のご用意なんです」
こんな風にテーマや花嫁様のイメージに合わせて自由にコーディネートが可能なんですよ、と係員が説明する。
ホールの雰囲気はピンク系統のカラーで統一されていた。
サイトで見たホールの画像ではブルー系統の飾り付けだったのでカスタマイズ可能というのは本当のようだ。
ピンク系でゆるふわ可愛いテーマの披露宴というのは花嫁の好みなんだろうな。
入り口にあったプレートには『朝川家・山崎家 披露宴会場』と記載されている。
なるほど、確かに午後からは本物の挙式と披露宴がここで行われるんだろう。
夕貴さんが俺の顔を覗き込み、揶揄うような表情をうかべた。
「……で?どうなの、本当のところは?」
途端に俺の肩がビクリと反応する。
なんでビビってんだよ俺は。
「……さ、さっきの……き、聞こえてたんですか」
やだなぁ、誤解ですよ、と必死で俺は言葉を振り絞った。
「なあに?誤解って?」
夕貴さんが真っ直ぐに俺を見つめる。
なんだよ、そんな目で俺を見ないでくれよ。
ただでさえ今日の俺は情緒がグチャグチャなんだ。
考えが纏まらなくて混乱しちまう。
思考を見透かされそうになった俺は───────急に日和ってしまった。
要するに怖くなったんだな。
愛想笑いを浮かべつつも俺は────────ついうっかり経緯を白状してしまう。
「───そう」
俺の話を全部聞き終わった夕貴さんはクスクスと笑った。
「なんか変だとは思ってたのよね。男子中学生がお姉さんの式場見学に付いてくるとか」
女の子ならともかく、男の子ってこういうの興味ないでしょ?という夕貴さんの言葉を俺は慌てて否定した。
「い……いやあの!俺、マジでフルコース試食に興味があって!」
ホントに!ただそれだけなんです!と俺が首を振ると───────夕貴さんが俺のおでこを指で軽く弾く。
「ふふ……じゃあそういう事にしといてあげる」
え、あの、と俺が言葉を発せずにいると、夕貴さんはこう言った。
「あなたと私、きっと似た者同士なのね」
「……?」
夕貴さんの言った言葉の意味は分からなかった。
俺は思わず固まってしまう。
マズい、変に思われてるのか?
歩きながら俺は必死で考えを巡らせた。
なんか上手いこと返さないと──────────
係員に促され、俺達は大ホールに足を踏み入れる。
「わぁ……!」
見学者の中から歓声が上がる。
この広いホールはまるで────────おとぎ話の中のお城のパーティーのようだ。
ハートのバルーンに洪水のような花々、そして艶やかなサテン地のリボン。
女子が思い描く夢の世界が具現化されたような、とでも表現すべきだろうか。
テーブルには色とりどりの華やかな花が飾られ、食器や名札が既にセッティングされている。
「午後から挙式を挙げられる方の為のご用意なんです」
こんな風にテーマや花嫁様のイメージに合わせて自由にコーディネートが可能なんですよ、と係員が説明する。
ホールの雰囲気はピンク系統のカラーで統一されていた。
サイトで見たホールの画像ではブルー系統の飾り付けだったのでカスタマイズ可能というのは本当のようだ。
ピンク系でゆるふわ可愛いテーマの披露宴というのは花嫁の好みなんだろうな。
入り口にあったプレートには『朝川家・山崎家 披露宴会場』と記載されている。
なるほど、確かに午後からは本物の挙式と披露宴がここで行われるんだろう。
夕貴さんが俺の顔を覗き込み、揶揄うような表情をうかべた。
「……で?どうなの、本当のところは?」
途端に俺の肩がビクリと反応する。
なんでビビってんだよ俺は。
「……さ、さっきの……き、聞こえてたんですか」
やだなぁ、誤解ですよ、と必死で俺は言葉を振り絞った。
「なあに?誤解って?」
夕貴さんが真っ直ぐに俺を見つめる。
なんだよ、そんな目で俺を見ないでくれよ。
ただでさえ今日の俺は情緒がグチャグチャなんだ。
考えが纏まらなくて混乱しちまう。
思考を見透かされそうになった俺は───────急に日和ってしまった。
要するに怖くなったんだな。
愛想笑いを浮かべつつも俺は────────ついうっかり経緯を白状してしまう。
「───そう」
俺の話を全部聞き終わった夕貴さんはクスクスと笑った。
「なんか変だとは思ってたのよね。男子中学生がお姉さんの式場見学に付いてくるとか」
女の子ならともかく、男の子ってこういうの興味ないでしょ?という夕貴さんの言葉を俺は慌てて否定した。
「い……いやあの!俺、マジでフルコース試食に興味があって!」
ホントに!ただそれだけなんです!と俺が首を振ると───────夕貴さんが俺のおでこを指で軽く弾く。
「ふふ……じゃあそういう事にしといてあげる」
え、あの、と俺が言葉を発せずにいると、夕貴さんはこう言った。
「あなたと私、きっと似た者同士なのね」
「……?」
夕貴さんの言った言葉の意味は分からなかった。
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