魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第二章

1『プレゼントだよ!』

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あれからもう一度、ツリーハウスを出し入れして、ようやく納得したアンナリーナは出発を決意した。

「魔力値の数値が低かったから、しょうがなかったと言っても、なんか納得できない」

 アンナリーナとてあの【異空間収納】のスキルが安易に取得出来るとは思っていなかった。
 駄目で元々……程度の気持ちで言ってみたのだが、取れた事に喜びよりも戸惑いが大きかったのが事実だ。

「魔力値1000000だもんね。
 でも、薬師様のツリーハウスがいっしょなら……私は」

 湿っぽくなった気持ちを引き締めるために、アンナリーナは前を見据えた。
 今向かっているのは目的の方向とは反対側、村のある方だ。
 実はアンナリーナ、これから “ 村への入り口だけを開けて ”結界を張るつもりだ。
 もちろん時間的にも、物理的にも、魔力的にも限度はある。
 だが老薬師の結界が残っている今、誘導するように漏斗状に張れば、スタンピードが起きれば大挙して村に押し寄せるだろう。

「ふふ……いい気味。
 ちょっと煽っちゃおうかな」

 防御、探索、隠形、そして飛行。

「結界、常時展開」

 貧乏性のアンナリーナは、目についた薬草などを採取しながら、森の奥に向い飛行しながら結界を張っていく。
 さすがに魔力値が残り少なくなったので、暗くなる前にツリーハウスを出せる場所を探す事にする。

 こうして、アンナリーナの旅立ちの初日は暮れようとしていた。


「ふんふんふ~ん♪」

 アンナリーナは上機嫌だ。
 外していた魔導コンロを元どおりに据え、キッチン周りの調理器具を使いやすいように配置する。
 カップボードにも食器を並べ、魔導冷蔵庫も設置し直し、中にとりあえずの食品を詰めた。
 そして今、夕食の準備をしている。

「玉ねぎ~にんじん~ベーコンを炒めて~」

 1cm角のサイコロ切りにした野菜をベーコンとともに炒め、水を加える。

「じゃがいも~じゃがいも~」

 そこにじゃがいもを入れて、火が通ったら塩で味を調え、チーズを入れて溶けたら出来上がり。
 黒パンとともに食卓へ。
 簡単だが美味しいスープはアンナリーナの好物だ。

 熱々をパンとともにいただく。
 ここ最近、手抜きの食事が多かったが、これからは毎日強行軍だ。
 体調に気をつけて行かないと駄目なので、なるべくちゃんと調理しようと反省していた。


 本格的な旅立ちの朝。

「ギフト【凝血】」

「ステータスオープン」


 アンナリーナ 14才
 職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
 
 体力値 1600(⑥)
 魔力値 2097101/2097152
(ステータス鑑定に1使用、凝血に50使用)

 ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
  [一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
 調薬
 鑑定
 魔力倍増・継続 (12日間継続)
 錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
 探索(探求、探究)
 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
 生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
 隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
 飛行(空中浮遊、空中停止)
 加温(沸騰)
 治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
 冷凍(凍結乾燥粉砕フリーズドライ)
 時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)
 体力値倍増・継続(12日間継続)
 撹拌
 圧縮
 結界
 異空間収納(インベントリ、時間経過無し、収納無限、インデックス)
 凝血


 昨夜は興が乗って、なんちゃってパスタを作ってしまった。
 3cmほどのきしめんのような生パスタを結構な量、作って今はアイテムバッグに入れてある。

 そんなことで少々寝不足なのだが、これからはアンナリーナにとっても未知の領域……隣国との境に横たわる広大な森林を縦断するので気を引き締めて行かねばならない。

「だから~ちょっと飛行して上から様子を見てみるよ~」

 ふんわりとゆっくりと、木々の小枝を避けて樹上から顔を出す。
 そして感嘆の声をあげた。

「わあぁっ!」

 地平線まで樹海が続き、隣国との境が見えない。
 背後の、アンナリーナが住んでいた村も、魔獣の森ではない森に囲まれていた。
 ぐるりと身を回してもう少し上空まで上がってみて、ふわふわと移動しながら下を見ていて……目に留まった。

「おお、いるね、いるね!
 さあ、頑張って探してくれたまえ。
 それでもって、アンナリーナからのプレゼントも受け取ってね!」

 樹上を低速で移動しながら “ プレゼント ”を探す。
 小1時間ほど移動したところで御誂え向きの群れを見つけた。
 それは集落を作って住み着いている【オーク】
 鑑定してみると、特別強い個体はいないようだ。
 アンナリーナは村のある方を向いて浮遊した。

「さあさあ、ちゃんとあっち(アンナリーナが住んでいた村の方向)向いて逃げてね!
【エアカッター、エアカッター】」

 突然、仲間の首がポロリと落ちて、仰天したオークが得物を持って辺りを見回している。

「ほらほら、逃げなきゃ!
 ダメだよ、そっちじゃない【エアカッター】」

 群れを追い込むように、外れたオークの首を刈りながら、アンナリーナは逃げ道を誘導することに成功した。
 約50匹のオークが村人たちに向かっている。
 だがアンナリーナはまだまだ足りないと思っていた。

「ここに集落ができるという事は、食料になる獲物がいるってことよね?
 それらも群れてるはずだから、ちょっと探してみようかな」

 オークのいなくなった集落に降り立ち、自分が狩ったオークをインベントリにしまう。その際に血抜きは忘れない。


「あ!魔狼の群れ、見つけたー!」

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