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第四章
142『乗り合い馬車のあり方』
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この国に入って、他の国と比べるとずいぶんな合理性に気づいていたが、まさか盗賊の襲撃を理由に野営地のピットや井戸すらも無くしているとは思わなかった。
街道に等間隔に隣接する “ 野営地 ”はただ馬車を留め、休むだけの広場と言って過言ではない。
そして乗り合い馬車は野営に必要なもの一切合切を運んでいる。
馬車の天井部と屋根の間に空間があって、そこにテントが収納されていた。
もう、数えきれないほど組み立ててきたのだろう、冒険者たちは大した時間もかけずに大きめのテントを2つ貼り、乗客も慣れたもので、すぐに中を調えていく。
アンナリーナたちは御者の了解を得て、自前のテントを張ることにした。
これは、インベントリから出せばすぐに使えるようになっているので、手間いらずなのだ。
そしてそのまま中に入って夕食の準備をする、と言っても今夜はストックしてあったシチューや肉料理を組み合わせるだけだ。
この乗り合い馬車の旅では、乗客は宿で摂る以外の食事をすべて自己責任で用意しなければならない。
基本的に野営は二泊以上しない日程だが、乗客たちは宿泊した村や町で保存食をいくらか調達しておくのだ。
そういうことで、今夜も味気ない干し肉と堅焼きしたパン、それに果物でも付けば贅沢と言えるところだが、その中でアンナリーナたちは家にいるのと変わらない食事を楽しんでいる。
「リーナ、俺の夜番は初っ端の3刻になった。この食事が終わったら行ってくる」
「そう、わかった。何か差し入れるね」
テオドールが出て行った後、ツリーハウスに戻ったアンナリーナはゆっくりと入浴し、シンプルな部屋着に着替えてテントに戻ってきた。
その手にはコーヒーと紅茶、2つのポットを持っている。
「お疲れ様です」
まだ早い時間であったので、テオドールの他に御者のダマスク、冒険者のマルセル、ダン、シーメイ、ワライアの5人が焚き火を囲んでいた。
「飲み物を持ってきました。
小腹がすいてませんか?何か出しましょうか」
テオドールが頷いたのでアンナリーナは、腰のウエストポーチ経由で作業台を出した。
「コーヒーと紅茶、どちらがよろしいですか?」
紅茶は庶民でも飲むが、コーヒーは王侯貴族の間でやっと広まり出した嗜好品だ。
物珍しさからテオドール以外はコーヒーを選び、自らのマグカップを差し出した。
「このままでは少し苦いと思いますのでミルクとお砂糖を用意してますので、お好みで。
食べ物は……」
御者のダマスクはともかく、冒険者の4人は筋骨隆々でいかにも食べそうだ。
「これならどうかな」
アンナリーナが甘味を出すかと思えば、出てきたのは大盛りのフライドポテトだ。
揚げたてをそのままインベントリに突っ込んでおいたものなのでアツアツ、カリカリである。
「どうぞ、召し上がれ」
「なにこれ、美味い!」
飲み物がコーヒーなのが残念だが、彼らとしては御構い無しだ。
結局、ホロホロ鳥の唐揚げも出したところ、それでも足らなくなって、アンナリーナは新たにフライドポテトを揚げることになってしまった。
その間に、男同士話に花が咲いていたようだ。
翌朝は、昨夜の5人にスープを差し入れ、アンナリーナは胃袋から懐柔していく。
街道に等間隔に隣接する “ 野営地 ”はただ馬車を留め、休むだけの広場と言って過言ではない。
そして乗り合い馬車は野営に必要なもの一切合切を運んでいる。
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もう、数えきれないほど組み立ててきたのだろう、冒険者たちは大した時間もかけずに大きめのテントを2つ貼り、乗客も慣れたもので、すぐに中を調えていく。
アンナリーナたちは御者の了解を得て、自前のテントを張ることにした。
これは、インベントリから出せばすぐに使えるようになっているので、手間いらずなのだ。
そしてそのまま中に入って夕食の準備をする、と言っても今夜はストックしてあったシチューや肉料理を組み合わせるだけだ。
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基本的に野営は二泊以上しない日程だが、乗客たちは宿泊した村や町で保存食をいくらか調達しておくのだ。
そういうことで、今夜も味気ない干し肉と堅焼きしたパン、それに果物でも付けば贅沢と言えるところだが、その中でアンナリーナたちは家にいるのと変わらない食事を楽しんでいる。
「リーナ、俺の夜番は初っ端の3刻になった。この食事が終わったら行ってくる」
「そう、わかった。何か差し入れるね」
テオドールが出て行った後、ツリーハウスに戻ったアンナリーナはゆっくりと入浴し、シンプルな部屋着に着替えてテントに戻ってきた。
その手にはコーヒーと紅茶、2つのポットを持っている。
「お疲れ様です」
まだ早い時間であったので、テオドールの他に御者のダマスク、冒険者のマルセル、ダン、シーメイ、ワライアの5人が焚き火を囲んでいた。
「飲み物を持ってきました。
小腹がすいてませんか?何か出しましょうか」
テオドールが頷いたのでアンナリーナは、腰のウエストポーチ経由で作業台を出した。
「コーヒーと紅茶、どちらがよろしいですか?」
紅茶は庶民でも飲むが、コーヒーは王侯貴族の間でやっと広まり出した嗜好品だ。
物珍しさからテオドール以外はコーヒーを選び、自らのマグカップを差し出した。
「このままでは少し苦いと思いますのでミルクとお砂糖を用意してますので、お好みで。
食べ物は……」
御者のダマスクはともかく、冒険者の4人は筋骨隆々でいかにも食べそうだ。
「これならどうかな」
アンナリーナが甘味を出すかと思えば、出てきたのは大盛りのフライドポテトだ。
揚げたてをそのままインベントリに突っ込んでおいたものなのでアツアツ、カリカリである。
「どうぞ、召し上がれ」
「なにこれ、美味い!」
飲み物がコーヒーなのが残念だが、彼らとしては御構い無しだ。
結局、ホロホロ鳥の唐揚げも出したところ、それでも足らなくなって、アンナリーナは新たにフライドポテトを揚げることになってしまった。
その間に、男同士話に花が咲いていたようだ。
翌朝は、昨夜の5人にスープを差し入れ、アンナリーナは胃袋から懐柔していく。
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