魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

153『疾走? エピオルス』

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「ねぇ、何か情報はない?」

 宿に戻り、テオドールと合流すると、アンナリーナは開口一番そう言った。

「街道が封鎖されていて、乗り合い馬車が運行停止している。
 俺も森から帰ったばかりで、はっきりした事はわからないがギルドに行けばひょっとするかもしれない」

「そう……
 私が大学院で聞き及んだのも同じ感じ。トラブルがあって、ここに向かっていたひとが通行止めで立ち往生してるそうだよ」

「……魔獣か、盗賊か。
 どちらにしても、目処がつくまで足止めだな。どうする?」

「できれば少しの間逗留して、大学院で図書館を開放してもらおうと思ってたんだけど……捕まったらヤバいんでできたらこの町から出たかったんだけど、タイミングが悪いわね」

 アンナリーナは溜息した。
 すっかりお手上げである。

「おまえだけでも家に戻るか?
 本に夢中で閉じこもっているとか、適当にごまかしておくが?」

 その時アンナリーナは、なぜかテオドールとバラバラに行動すべきでないという、予感めいたものがあった。

「……じゃあ、元来た道を戻って、さらに南に向かおうか。
 門を出てからエピオルスを召喚して、乗って行こう」

 そうと決まれば、善は急げ、だ。
 その夜のうちにツリーハウスに戻って、エピオルスたちの鞍をインベントリに放り込むと、アンソニーが作ってくれた移動中の食事を補充して、そしてアンナリーナは久しぶりにゆっくりと入浴して休んだのだ。


 翌朝、アンナリーナたちは宿を引き払った。
 あと2日分宿代を支払っていたのだが、キャンセル料としてそのままにして来た。
 女将は馬車の運行が完全にストップしているので、移動手段について心配していたが、とりあえず南に向かうといえば納得してくれたようだ。
 そして昼食の弁当を無理やり押し付けられるようにして持たされると、またの再会を約束して、宿をあとにした。


 そして、やはり門でも心配されたが、荷馬車などが並んでいる門の外の広場で、アンナリーナが【召喚魔法】で2頭のエピオルスを召喚すると、驚いていた兵士たちはまた、納得した。
 彼らの目の前でインベントリから出した鞍をテオドールが手早く装着していく。
 あっという間にに鞍上の人となった2人は、改めて挨拶すると駆け出して行った。


 エピオルスたちは久しぶりの召喚に、うれしそうに駆けていた。
 いつもは馬車を引いているので、それほどスピードを出せないが、今日は違う。
 アンナリーナは落ちないように、軽い結界を纏っているので、エピオルスたちは前世の高速道路なみのスピードで飛ばしている。

『こら! リーナ、いいかげんにしろ!』

 いくら落ちないと言っても限度がある。念話で怒鳴ってきたテオドールに手を振ると、アンナリーナはそのまま突っ走って行った。


「ねぇ、どのあたりで馬車を出したらいいと思う?」

 昼休憩をしている川のほとりで弁当を食べながら、アンナリーナはそう言った。

「できれば、俺たちが最初に乗り合い馬車に乗った村より先に行ってからの方がいいんだろうが……今更だな」

 今夜はどこかの野営地で寝むつもりだが、もうテントではなく馬車を出してしまった方がよいかもしれない。

「そうだね……
 じゃあ、出発しようか」


 そうしてエピオルスたちを駆けさせて、夕刻になった頃にたどり着いた中継地で、アンナリーナはその目を疑う状況に会うことになる。

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