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第四章
184『偽者たち』
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幌馬車の一行の前には瀟洒な箱馬車が止まっていて、それを引いているのはエピオルスだ。
そこで御者だろうドワーフと屈強な護衛が、馬車の下を覗き込んでいる。
そして馬車から降りて来たのは、富豪の娘といった佇まいの少女と、薄ら寒くなるほどの美貌の付き添いの女だ。
「通行のお邪魔をして、申し訳ございません。馬車に不具合があるようで……すぐに道の脇に退かせます」
上流階級の女性の旅装……かっちりとしたベスト様のボディスと膨らみの少ない細身の踝丈のスカート。これはアラクネ絹を使っている。足元から覗くブーツは小型の竜種のものだろう。特徴的な鱗の模様が見て取れる。
まだ女になりきっていない華奢な身体つきだが、それなりの社会的地位はあるのだろう。何よりも一般人と違うオーラがある。
連れている付き添いの女は見たこともないほど妖艶な美貌をしている。
男たちが見惚れる美貌の女も、自分では到底手の届かない衣装に身を包む少女にも、憎悪に近い妬みを向けた、この偽者の一行のリーダーをしている女は悔しさに唇を噛んだ。
彼女は傍の男に視線を向ける。
「お困りの様子ですね。
手をお貸し致しましょうか?」
「ありがとうございます。
では馬車を寄せるのをお手伝い願えますか」
幌馬車側の男たち3人が加わり、箱馬車はいとも簡単に傍に寄せられた。
その間にアンナリーナは偽者一行の鑑定を済ませ、その自力を計る。
『うん、やっぱり大したことないね。
ちょっと様子を見ようか』
「お嬢様はこれからどちらに?」
愛想笑いを浮かべて女が話しかけてくる。
それに、アンナリーナは柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「私どもは各地の……今回は街道から奥に入った農村や山村の特産物を開拓するため、旅をしておりますの」
学院で手に入れた令嬢の物腰が、こんなところで役に立つ。
「まあ、それは」
アンナリーナは女の対応をしながら幌馬車の中に積まれた木箱の鑑定を始めた。
『やっぱりね。偽ポーションや回復薬がたっぷり乗ってる。
偽者はこの連中に間違いないわ』
『どうする? リーナ』
念話で遣り取りしているアンナリーナの様子に不審さを感じたのだろう。
この一行でテオドールの役をしているだろう太った男が斧を手にしている。
『熊さん、アラーニェ、向こうから手を出してくるまで待って』
アンナリーナがそう言った途端、偽者一行のもう一人が風魔法エアカッターを放ってきた。
「!! 」
アンナリーナたちはすでに結界を展開中である。
魔法を弾かれた男は慌て、女を含めた後の3人も臨戦態勢に入る。
「熊さん、任せて!」
偽者たちの意識がアンナリーナに向いた瞬間、何かに押し付けられるような圧力を感じて、4人が崩れ落ちる。
そのまま地面に、虫のように這いつくばった。
「あなたたちのした事は許されない事です。薬師を騙ると極刑もあり得ると知っていますか?」
ジリジリと圧がかかり、押し潰されそうになった男たちから悲鳴じみた声が上がる。
「あなたたちが売った偽薬、魔獣との戦闘中に使われると思わなかったのですか?体力値を回復したつもりが回復していなかったら?」
4人の四肢の膝から先、肘から先がミシミシと軋む。
「ギャー!」
何も乗ってないはずの四肢がどんどんと押し潰されていく。
あたりは4人の叫びが響き渡り、阿鼻叫喚の様を呈している。
数分後、アンナリーナたちの前には、手足の先端をぺしゃんこに潰された4人が転がっていた。
そこで御者だろうドワーフと屈強な護衛が、馬車の下を覗き込んでいる。
そして馬車から降りて来たのは、富豪の娘といった佇まいの少女と、薄ら寒くなるほどの美貌の付き添いの女だ。
「通行のお邪魔をして、申し訳ございません。馬車に不具合があるようで……すぐに道の脇に退かせます」
上流階級の女性の旅装……かっちりとしたベスト様のボディスと膨らみの少ない細身の踝丈のスカート。これはアラクネ絹を使っている。足元から覗くブーツは小型の竜種のものだろう。特徴的な鱗の模様が見て取れる。
まだ女になりきっていない華奢な身体つきだが、それなりの社会的地位はあるのだろう。何よりも一般人と違うオーラがある。
連れている付き添いの女は見たこともないほど妖艶な美貌をしている。
男たちが見惚れる美貌の女も、自分では到底手の届かない衣装に身を包む少女にも、憎悪に近い妬みを向けた、この偽者の一行のリーダーをしている女は悔しさに唇を噛んだ。
彼女は傍の男に視線を向ける。
「お困りの様子ですね。
手をお貸し致しましょうか?」
「ありがとうございます。
では馬車を寄せるのをお手伝い願えますか」
幌馬車側の男たち3人が加わり、箱馬車はいとも簡単に傍に寄せられた。
その間にアンナリーナは偽者一行の鑑定を済ませ、その自力を計る。
『うん、やっぱり大したことないね。
ちょっと様子を見ようか』
「お嬢様はこれからどちらに?」
愛想笑いを浮かべて女が話しかけてくる。
それに、アンナリーナは柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「私どもは各地の……今回は街道から奥に入った農村や山村の特産物を開拓するため、旅をしておりますの」
学院で手に入れた令嬢の物腰が、こんなところで役に立つ。
「まあ、それは」
アンナリーナは女の対応をしながら幌馬車の中に積まれた木箱の鑑定を始めた。
『やっぱりね。偽ポーションや回復薬がたっぷり乗ってる。
偽者はこの連中に間違いないわ』
『どうする? リーナ』
念話で遣り取りしているアンナリーナの様子に不審さを感じたのだろう。
この一行でテオドールの役をしているだろう太った男が斧を手にしている。
『熊さん、アラーニェ、向こうから手を出してくるまで待って』
アンナリーナがそう言った途端、偽者一行のもう一人が風魔法エアカッターを放ってきた。
「!! 」
アンナリーナたちはすでに結界を展開中である。
魔法を弾かれた男は慌て、女を含めた後の3人も臨戦態勢に入る。
「熊さん、任せて!」
偽者たちの意識がアンナリーナに向いた瞬間、何かに押し付けられるような圧力を感じて、4人が崩れ落ちる。
そのまま地面に、虫のように這いつくばった。
「あなたたちのした事は許されない事です。薬師を騙ると極刑もあり得ると知っていますか?」
ジリジリと圧がかかり、押し潰されそうになった男たちから悲鳴じみた声が上がる。
「あなたたちが売った偽薬、魔獣との戦闘中に使われると思わなかったのですか?体力値を回復したつもりが回復していなかったら?」
4人の四肢の膝から先、肘から先がミシミシと軋む。
「ギャー!」
何も乗ってないはずの四肢がどんどんと押し潰されていく。
あたりは4人の叫びが響き渡り、阿鼻叫喚の様を呈している。
数分後、アンナリーナたちの前には、手足の先端をぺしゃんこに潰された4人が転がっていた。
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