俺、勇者として召喚されたのに詰みました。〜これブチ切れ案件じゃないっすか?〜

なこ。

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第二話〜冒険者ギルド〜

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第二話~冒険者ギルド~
街の中心に近づくにつれ人々が沢山行き来しており、物売りや宿屋等のお店がチラホラ見える中、【冒険者ギルド】と書かれた看板を見つけた。

「ありましたね!」
「ここまで来ると本当にまるで本当にゲームだな」
「早くはいっちゃいましょ?」

彼女はギルドに入るのがすごく楽しみなのかキラキラした目で看板を見つめてる。
本当に天真爛漫で可愛いなぁ…。
はっ!これは、傍から見たら俺たちカップルに見えるのでは?
もしかして非モテ人生の俺に神様がくれたプレゼントなのでは!!!
ここで俺がギルドで冒険者として登録して、かっこよく魔族を倒しまくって…
「きゃーっ!春風君かっこいい!抱いて~っ///」(イメージ)

こうなるのではぁああああ!?


「は、春風くん?」

「ヴぇへへっうぇへ……っは!…ゴホン…で、では行きましょうか」

「春風くん、鼻血…でてるよ?」

「あ、あれ??」




鼻血を抑えながら中に入ると中に居た人々が一斉にこちらを振り返る。
ただ見られてると言うより、睨まれてる、に近いが…
なんでこんな睨まれてんだ俺ら。……ん?睨まれてるの。俺じゃね?
え?なんで?

多少視線にビクつかせながらカウンターまで足を進め、奥で紙を束ねてる者に声を掛けた。

「すいませーん?」

「あ!はい!どうなさいましたかー?」

奥からパタパタ足音を鳴らしながら来たのは褐色肌で白髪ショートヘアの猫耳っ娘だった。

「猫耳…?」

つい声に出して彼女の見た目を言ってしまった途端彼女はムッとした顔になり

「何?あんたも獣亜人じゅうあじん差別の口?獣人が嫌なら他のスタッフいるから呼ぶわよ」

「え?いや!違います!お気を悪くさせてしまって申し訳ないっす!」

「ふんっ。もういいわよ。今日は何しにきたのよ。」

「えっと、、冒険者ギルドに登録したくて…」

「あー、登録ね?ちょっとまててー。」

そういうと彼女はまた奥に引っ込んで行ってしまった。

「あの子、怒っちゃいましたね…」
「そうだな…猫耳に触れるのは良くなかったのか…」
「可愛いのにね?」

小坂さんも受付嬢の彼女のケモ耳は可愛いと思うらしく、なぜ怒るのかわからないと言った様子だった。
もしかしたらココには人種差別に似た文化があるのかもしれない。

「はいはーい書類もってきたんでー、こことこことココにサインとー…」

彼女が持ってきた書類に俺らはサインを書き込んでいく
書類には、王国に楯突く反社会勢力では無いか、国のために国民の為にモンスター討伐や依頼を受けるか、依頼や討伐による怪我等の責任は負い兼ねる、といった内容が記されてた。

にしてもこれはリアルだなぁ。
スラスラとサインした書類を受付嬢が受け取りまた再度奥に引っ込んだ。

「意外とギルドて私達の世界にある契約書と同じなんですね!」
「確かにそうだな。まぁ何があるかわからない世界だし、仕方ないよな…。」
「…がんばりましょーね!」

小坂さんは微笑んで俺を見つめていた。また俺はその表情を見た時に違和感を感じた。
なんだろうこの感じは…。

「あい。おまちどーさま。」

奥から戻ってきた受付嬢の手にはシルバーのプレートが2つあった。

「はいこれが冒険者登録済証のプレートですー。無くさないように持っててくださいねー?」

「へー?これってなんか特典とかあるのか?」

「え?おにーさんたちなんもしらないんすか?」

受付嬢は目をぱちくり開いてビックリしていた

「俺たち無知で…」
「へー…?」

受付嬢の子は舐め回すような目で俺らの体をみてなんかを察したのかニヤッと笑って言った

「あんたら他国の箱入り息子だろー?それならなんも知らなくてもしかたないもんねー?」

「え?…あ、あぁそうだ。」

 多分龍勇者候補て言ったらもっとややこしくなると踏んで、話を合わせることにした。

「しゃーにゃい。おしえてあげよー!このプレートを握りオープンスキル《能力を示せ》て言うと…なんとびっくり~!自分の能力がみることができるよーんっ!」

おいおい。ますますゲーム感増すじゃねぇかよ。

「なるほど。その能力の開示は他の人にも見えてしまうのか?」

「いーや、そのプレート舐めてもらっちゃー困るねぇ?個人情報とかそこのところしっかり守らせていただいてまーすっ」

ほお。すげえ。なら安心して使えるな…

「しーかーもっ!このプレートでパーティ編成の届け出をわざわざギルドに来てもらうことなく、楽々と出来ますぅー」

「それはどうやるんですか?」

「それは簡単!加入したいパーティに向けてプレートを握った拳を向けるだけ!んで向けられた方はOKなら同じくプレートを握りながらごっつんこするだけー!」

「むっちゃ簡単だな」

早速俺はプレートを握り小坂さんに向けた。
小坂さんは少しビックリしていたがすぐ可愛らしくコツンと拳を当てると、小さくチリンと音がなりパーティ加入が済んだ。

「ちなみにパーティメンバーはお互いのレベルを把握出来るからねー」

「お?まじか。」

すぐ俺はオープンスキルと唱え自分と小坂さんのレベルを見た

堀井    春風 / Lv01 
小坂 えみり / Lv01

そうだよなぁ…まだなんもしてないからLv1だよなぁ…。

「一緒に頑張ろ!春風君!」
「…そうだな、小坂さん」

これからだ。よし。がんばろう。強くなって、小坂さんを俺が守ろう!

「てか、今日なんか軽く依頼うけちゃいますー?」
「そうだなぁ、なんか俺たちでも出来そうな依頼を見繕ってくれないか?」
「りょーかいっ!ちょっとおまちを~」

また受付嬢は奥に行き、何かを撒き散らした音を響かせ、「あったー!」と叫びながら戻ってきた。

「この依頼なら簡単だと思います~!」

そこに書かれていたのは

ランクE
 タンポポネズミの討伐:10匹
 報酬:銅貨5枚


「このタンポポネズミは村ハズレのスレイ原っぱのとこに最近大量発生してる害獣です~!そんなに強くは無いけどすばしっこいから倒すの面倒なんで受けてくれる方が少ないんですぅ~」

「んー、そんなに強くないなら…小坂さん、大丈夫そう?」

「え?私ですか?私は大丈夫ですけど…」

「よし、じゃあこの依頼受けるよ。」

「はあい!じゃあ任せましたあ~!終わり次第また声掛けてくださいね~」

俺らは初の依頼を受けることにした。



 
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