6 / 7
第五話〜シェナ・リルドナール〜
しおりを挟む
崖での戦闘を終えた俺は何故か目の前の少女こと、シェナ・リルドナールに睨まれている。
何かした訳じゃないが、原因は、
「ぴぃ~?」
この俺の頭にいるピヨ助(ちゃむ)のせいだ。
「…ピヨ…ちゃむ、いい加減俺の頭じゃなくて主人の下に戻れよ…」
「ぴぃ!?ぴぃ…」
「ちょっと!私のちゃむを邪魔者扱いしないでよ!」
「どうすりゃいいんだよ…。」
どう見ても俺にちゃむが懐いてるのが気に食わないような態度にしか見えない。
ちゃむは俺の髪の毛をもしゃもしゃしてるが、俺はシェナの目付きが気になって仕方がない。
この子、見た目はエミリと比べてより小柄でツリ目がちの目が凄く可愛いのに、性格がつっけんどんすぎて勿体ない。
よく言う黙ってれば可愛いと言われる部類だな。
「なによ。今失礼なことおもってたでしょ。」
「イエ。何デモゴザイマセン。」
おおっと。勘が鋭いみたいだな。
言葉を慎重に選ばないとな…。
「君達は冒険者か何かなのか?結構強いみたいだけど…」
「その問いに答えて、私はなんの得があるの?」
「まぁ、、そうなんだけどさぁ…。」
「気安く話しかけないで。」
「そう言われましても…君の相棒のちゃむがまだ俺の頭にいるんだよ。」
「…きっとあなたの魔力が気に入ったのね。」
「魔力?」
魔力って、、、よくゲームとかアニメで言う、魔法を使うための力、、、だよな?
ってことは、この世界にも魔法があるのか!?
ちゃむが俺の魔力に反応してるということは俺にも魔法が…
「あなたにはまだ魔法は使えないわよ。」
ズコーッ
軽くびっくりして俺は足を軽く滑らせてしまった
「俺魔力あるんじゃ…!」
「えぇ。微弱なね。」
俺の魔力少ないの?え。うそだろ。
「頭の上に乗ってるちゃむは俺の魔力きにいってるって…」
「ええ。美味しく食べてるわよ。」
「え!?こいつ髪食ってるじゃなくて俺の魔力食ってんのか!?」
「ぴみょっ!」
俺の言葉に反応してちゃむは片羽を挙げ返事をした
「勝手に食うな!!!」
「…馬鹿ね。そんなことにも気づかないなんて。」
「しょうがないだろ!この世界のことちっとも知らねーんだから!」
「…。勉強きらいだったのね。」
「ちげぇよ!俺は…だああああ!もう!」
「なによ。うるさいわよ。」
「もういい。」
恐らくここで俺が龍勇者として召喚されたなんて言っても信じないだろうな。
すでにエミリが王国中に卵の孵化のことも言ってるだろう。
後で俺が「俺こそが龍勇者です!」って出てきたら虚偽容疑でも掛けられてしまうだろうし…。
ここは適当にやり過ごすのが懸命だな。
「…俺は今からギルドに戻ってモンスターの素材を渡しに行くけど、お前らはどうすんだ?」
「特に。私達は探し物があるだけよ。」
「探し物?」
「…あんたには関係ないわ。」
「へいへい。でも、助けてくれたお礼に俺にも探すの手伝わせてくれよ。」
「いいって言ってるでしょ」
俺はお礼をどうしてもしたくてシェナの肩に手を置いたが思いっきり振りほどかれてしまった。
「…私はもういくわ。ちゃむ。」
「ぴ、、ぴぃ…」
「あ…。んだよ…。」
シェナは行ってしまった。
「…そんな怒んなくていいじゃん。」
俺も立ち上がり街の方へ戻った。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
ー冒険者ギルドー
「依頼の達成報告をしたいんだが。」
「はいはーい。プレート出してお待ち下さい~」
ポケットにしまっていたプレートを受付カウンターに置くと受付の娘は両手で包み込むように俺のプレート握ると、目をつぶり「依頼確認」唱えた
「確認できました~!依頼達成お疲れ様です~!タンポポネズミ10匹の討伐ですね!素材はお持ちですか?」
「ああ。」
「では今から報酬の方準備しますね~!」
~数分後~
「はい!お待たせしました~!報酬の銀貨5枚です~!お確かめ下さ~い」
「…確かに。確認した。」
「はぁい!次の依頼お受けしますかー?」
「一応受けておこうか。」
「かしこまりましたあ!春風様のお受け出来る依頼はこちらですね!」
受付の娘は俺に書類を差し出した。
「ドロア洞窟の謎の音の探索…?」
「はい!最近ドロア洞窟の方で謎の音が夜通し鳴り響いてるみたいなの~!それの現況を調べる依頼ですね!こちらの依頼の報酬は少なめになるんですけど、銅貨10枚になります~」
「銅貨10枚…」
少し報酬が少ないのが気になるが、受けれる依頼がこれしかないから仕方ないだろう。
「…これを受ける。」
「ありがとうございます~!では!ドロア洞窟はこの街の西南の方にあるのでお気をつけて向かってくださあい!」
かれこれ2回目のギルドだが、受付嬢が緩すぎて心配になるな…。
今も後ろで何か本見ながら適当に手を振ってるし…
…もう気にしないでおこう。
俺は街の西南、ドロア洞窟に向かうことにした。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
ードロア洞窟入口前ー
「流石に洞窟となると真っ暗だな…。」
まだ昼過ぎだというのに洞窟の中に1歩立ち入るだけでかなり暗い。
どことなく中がひんやりしているような気もする。
「謎の音ってのは本当にここからなのか?」
俺が呟くと
ボォォオオオン…
奥から低く地を鳴らすような音が響いた。
「…何だこの音…。魔物か…?」
いざ謎の音を聞くと少し気後れしてしまったが、意を決して洞窟の奥に進むことにした。
中は湿気も相まってか、所々ぬかるみがあり足を取られることがあったが、慣れてくるとよろけることも少なくなり、案外楽じゃん。とこの依頼を少し舐めてかかってしまっていた。
その楽観さが良くなかったのだろう。
「やべぇ。」
俺の目の前には丸みを帯びた水?のような生物が俺の周りを囲むようにいる。
「…よくRPGとかでいるスライムなのか??にしては…」
スライムは個体差があり、泥みたいな色合いのものや透明なもの、丸い形を保てなくて水溜まりのようになってるものもいる。
「こんなに種類が…。…流石に顔とかはないんだな。」
思わず足元にいるスライムをまじまじと観察する。
「この泥みたいなスライム…くせぇ…おえ。」
泥のようなスライムはかなり酷い悪臭を放っており、恐らくこの匂いは魔物の糞尿の匂いだ。
このスライム達は食べた物で形状が異なってくるのか。
泥スライムはジリジリこちらに近づいて来た。
「流石にこの匂いで飛びかかかられたら鼻がもげる…。やるしかないか。」
あらかじめ森で拾った木を持ってきてよかった。
俺は思いっきり泥スライムを叩く。
ペチャッ
スライムは辺りに液体をら撒き散らしながら破裂した。
「よし…!こいつら強くは無いな。」
モグラ叩きのように周りのスライムも叩いていく。
全部のスライムは似たように破裂していく。
スライムとの戦闘はタンポポネズミより楽でサクッと終わってしまった。
俺は冒険者プレートを取りだしレベルを確認する。
堀井 春風 /Lv04 /龍勇者
「あれ?レベル上がってない…。」
もしかして先程のスライムより俺のレベルがあったから経験値が入らないのか…?
その理論で言ったらレベルの上の敵を倒せば倒すほど経験値が入るのかもしれない。
スライムはだいたいLv1ほどだったんだろう。
「戦い損じゃないか…。」
ガックリと肩を落とし、俺は洞くつの奥へ向かっていった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
ー洞窟深部ー
ボォオオオオン…。
「だいぶ音が近くなってきたな…」
洞窟を進む度にどんどん音の元が近くなっている感覚があり
もうその音の正体にたどり着きそうだった。
「この辺だと思うんだけどな…。」
ボォオオオオオオオオン
洞窟を進むと急に広い空間が現れた
そして
その中心に音の元凶がいた。
「え?剣?」
そこには光り輝く鉱石に突き刺さる剣があった。
「剣がさっきの音を…?」
ボォオオオオオオオオ
「うぉ!!?」
剣は振動していた。
否、可笑しいだろ?剣だぞ?振動するものなのか?
材質によるものか?
確かに俺の元の世界に1秒間に何万回微振動する材質の物もあるとはしってるけど、
この剣もそういう材質で出来てるから振るえるとかあるのか?
「まさか音の正体が剣でした、なんてギルドの人は信じないだろうな…」
俺は恐る恐る剣に近づく。
件の柄の部分を見ると龍の紋様が刻まれていた。
「あれ…?龍?」
ゆっくり手を伸ばし剣に触れると
優しい光が剣から溢れ、俺の中に何かが入ってくる感覚がした。
「うぉ…?!なんだなんだ!?」
剣は一通り光ると徐々に光が収まり、
刺さっていた鉱石も光を失っていた。
「なんだよ、これ…。」
ピキ…ピキピキ…
「うぉ?!」
手を離そうとすると急に鉱石が砕け剣の刀身が露わとなった。
「ゑ。」
呆気に取られていると背後から足音が聞こえてきて振り返ると、背後には見覚えのある人物がいた。
「あんたなんでここのいるのよ。」
「え!?シェナ?」
「ぴぃ!」
「ちゃむまでいるじゃんか!」
先程お別れしたはずの彼女が何故ここに?
「あああ!私の龍血剣…!」
「龍血剣…?」
もしかしてシェナの探し物って、この剣だったのか?
「あんたまさか契約したの!?」
「いやまて、落ち着けよ!どうゆうことなんだよ?!契約ってなんだよ」
詰め寄ってくる彼女の勢いに後ずさりしながら落ち着くように諌める
「最悪だわ…。私が契約するにはあんたを死なすか、契約が終了するまで待たないと行けないのね…。」
今物騒なワードが聞こえた気がするけど、気の所為だよな?
「手っ取り早くバッサリいく…?いや、これで龍血剣に嫌われたら意味が無いわ…。」
「もしもーし?あれ?きこえてないのか?」
「かくなる上は…」
「俺もう帰っていい?」
「決めたわ。私貴方について行くわ。」
「ほへぇ?」
「早くあなたと龍血剣の契約を遂行するわよ。」
「え?なんか勝手に決められてる…?」
「決めてるんじゃなくて、これは確定事項よ。私はあなたについて行くから。」
急な提案に俺はNOとは言えず、この目の前の少女に付き合うしかないと察した。
「速やかに契約終了させてもらうからね。容赦なんてしないから覚悟してなさいよ。」
「おれこれ、どうなっちゃうの?」
再び出会ったと思えたのもつかの間、急展開に俺はもう着いていけないよ…。
どうすんだーーー。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
ー王宮ー
「よくぞ戻った。小坂エミリよ。」
「…。」
「さぁ、余に例のものを見せよ。」
「うふふ…。そう焦らないでください。」
「もうここに居るじゃありませんか。」
何かした訳じゃないが、原因は、
「ぴぃ~?」
この俺の頭にいるピヨ助(ちゃむ)のせいだ。
「…ピヨ…ちゃむ、いい加減俺の頭じゃなくて主人の下に戻れよ…」
「ぴぃ!?ぴぃ…」
「ちょっと!私のちゃむを邪魔者扱いしないでよ!」
「どうすりゃいいんだよ…。」
どう見ても俺にちゃむが懐いてるのが気に食わないような態度にしか見えない。
ちゃむは俺の髪の毛をもしゃもしゃしてるが、俺はシェナの目付きが気になって仕方がない。
この子、見た目はエミリと比べてより小柄でツリ目がちの目が凄く可愛いのに、性格がつっけんどんすぎて勿体ない。
よく言う黙ってれば可愛いと言われる部類だな。
「なによ。今失礼なことおもってたでしょ。」
「イエ。何デモゴザイマセン。」
おおっと。勘が鋭いみたいだな。
言葉を慎重に選ばないとな…。
「君達は冒険者か何かなのか?結構強いみたいだけど…」
「その問いに答えて、私はなんの得があるの?」
「まぁ、、そうなんだけどさぁ…。」
「気安く話しかけないで。」
「そう言われましても…君の相棒のちゃむがまだ俺の頭にいるんだよ。」
「…きっとあなたの魔力が気に入ったのね。」
「魔力?」
魔力って、、、よくゲームとかアニメで言う、魔法を使うための力、、、だよな?
ってことは、この世界にも魔法があるのか!?
ちゃむが俺の魔力に反応してるということは俺にも魔法が…
「あなたにはまだ魔法は使えないわよ。」
ズコーッ
軽くびっくりして俺は足を軽く滑らせてしまった
「俺魔力あるんじゃ…!」
「えぇ。微弱なね。」
俺の魔力少ないの?え。うそだろ。
「頭の上に乗ってるちゃむは俺の魔力きにいってるって…」
「ええ。美味しく食べてるわよ。」
「え!?こいつ髪食ってるじゃなくて俺の魔力食ってんのか!?」
「ぴみょっ!」
俺の言葉に反応してちゃむは片羽を挙げ返事をした
「勝手に食うな!!!」
「…馬鹿ね。そんなことにも気づかないなんて。」
「しょうがないだろ!この世界のことちっとも知らねーんだから!」
「…。勉強きらいだったのね。」
「ちげぇよ!俺は…だああああ!もう!」
「なによ。うるさいわよ。」
「もういい。」
恐らくここで俺が龍勇者として召喚されたなんて言っても信じないだろうな。
すでにエミリが王国中に卵の孵化のことも言ってるだろう。
後で俺が「俺こそが龍勇者です!」って出てきたら虚偽容疑でも掛けられてしまうだろうし…。
ここは適当にやり過ごすのが懸命だな。
「…俺は今からギルドに戻ってモンスターの素材を渡しに行くけど、お前らはどうすんだ?」
「特に。私達は探し物があるだけよ。」
「探し物?」
「…あんたには関係ないわ。」
「へいへい。でも、助けてくれたお礼に俺にも探すの手伝わせてくれよ。」
「いいって言ってるでしょ」
俺はお礼をどうしてもしたくてシェナの肩に手を置いたが思いっきり振りほどかれてしまった。
「…私はもういくわ。ちゃむ。」
「ぴ、、ぴぃ…」
「あ…。んだよ…。」
シェナは行ってしまった。
「…そんな怒んなくていいじゃん。」
俺も立ち上がり街の方へ戻った。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
ー冒険者ギルドー
「依頼の達成報告をしたいんだが。」
「はいはーい。プレート出してお待ち下さい~」
ポケットにしまっていたプレートを受付カウンターに置くと受付の娘は両手で包み込むように俺のプレート握ると、目をつぶり「依頼確認」唱えた
「確認できました~!依頼達成お疲れ様です~!タンポポネズミ10匹の討伐ですね!素材はお持ちですか?」
「ああ。」
「では今から報酬の方準備しますね~!」
~数分後~
「はい!お待たせしました~!報酬の銀貨5枚です~!お確かめ下さ~い」
「…確かに。確認した。」
「はぁい!次の依頼お受けしますかー?」
「一応受けておこうか。」
「かしこまりましたあ!春風様のお受け出来る依頼はこちらですね!」
受付の娘は俺に書類を差し出した。
「ドロア洞窟の謎の音の探索…?」
「はい!最近ドロア洞窟の方で謎の音が夜通し鳴り響いてるみたいなの~!それの現況を調べる依頼ですね!こちらの依頼の報酬は少なめになるんですけど、銅貨10枚になります~」
「銅貨10枚…」
少し報酬が少ないのが気になるが、受けれる依頼がこれしかないから仕方ないだろう。
「…これを受ける。」
「ありがとうございます~!では!ドロア洞窟はこの街の西南の方にあるのでお気をつけて向かってくださあい!」
かれこれ2回目のギルドだが、受付嬢が緩すぎて心配になるな…。
今も後ろで何か本見ながら適当に手を振ってるし…
…もう気にしないでおこう。
俺は街の西南、ドロア洞窟に向かうことにした。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
ードロア洞窟入口前ー
「流石に洞窟となると真っ暗だな…。」
まだ昼過ぎだというのに洞窟の中に1歩立ち入るだけでかなり暗い。
どことなく中がひんやりしているような気もする。
「謎の音ってのは本当にここからなのか?」
俺が呟くと
ボォォオオオン…
奥から低く地を鳴らすような音が響いた。
「…何だこの音…。魔物か…?」
いざ謎の音を聞くと少し気後れしてしまったが、意を決して洞窟の奥に進むことにした。
中は湿気も相まってか、所々ぬかるみがあり足を取られることがあったが、慣れてくるとよろけることも少なくなり、案外楽じゃん。とこの依頼を少し舐めてかかってしまっていた。
その楽観さが良くなかったのだろう。
「やべぇ。」
俺の目の前には丸みを帯びた水?のような生物が俺の周りを囲むようにいる。
「…よくRPGとかでいるスライムなのか??にしては…」
スライムは個体差があり、泥みたいな色合いのものや透明なもの、丸い形を保てなくて水溜まりのようになってるものもいる。
「こんなに種類が…。…流石に顔とかはないんだな。」
思わず足元にいるスライムをまじまじと観察する。
「この泥みたいなスライム…くせぇ…おえ。」
泥のようなスライムはかなり酷い悪臭を放っており、恐らくこの匂いは魔物の糞尿の匂いだ。
このスライム達は食べた物で形状が異なってくるのか。
泥スライムはジリジリこちらに近づいて来た。
「流石にこの匂いで飛びかかかられたら鼻がもげる…。やるしかないか。」
あらかじめ森で拾った木を持ってきてよかった。
俺は思いっきり泥スライムを叩く。
ペチャッ
スライムは辺りに液体をら撒き散らしながら破裂した。
「よし…!こいつら強くは無いな。」
モグラ叩きのように周りのスライムも叩いていく。
全部のスライムは似たように破裂していく。
スライムとの戦闘はタンポポネズミより楽でサクッと終わってしまった。
俺は冒険者プレートを取りだしレベルを確認する。
堀井 春風 /Lv04 /龍勇者
「あれ?レベル上がってない…。」
もしかして先程のスライムより俺のレベルがあったから経験値が入らないのか…?
その理論で言ったらレベルの上の敵を倒せば倒すほど経験値が入るのかもしれない。
スライムはだいたいLv1ほどだったんだろう。
「戦い損じゃないか…。」
ガックリと肩を落とし、俺は洞くつの奥へ向かっていった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
ー洞窟深部ー
ボォオオオオン…。
「だいぶ音が近くなってきたな…」
洞窟を進む度にどんどん音の元が近くなっている感覚があり
もうその音の正体にたどり着きそうだった。
「この辺だと思うんだけどな…。」
ボォオオオオオオオオン
洞窟を進むと急に広い空間が現れた
そして
その中心に音の元凶がいた。
「え?剣?」
そこには光り輝く鉱石に突き刺さる剣があった。
「剣がさっきの音を…?」
ボォオオオオオオオオ
「うぉ!!?」
剣は振動していた。
否、可笑しいだろ?剣だぞ?振動するものなのか?
材質によるものか?
確かに俺の元の世界に1秒間に何万回微振動する材質の物もあるとはしってるけど、
この剣もそういう材質で出来てるから振るえるとかあるのか?
「まさか音の正体が剣でした、なんてギルドの人は信じないだろうな…」
俺は恐る恐る剣に近づく。
件の柄の部分を見ると龍の紋様が刻まれていた。
「あれ…?龍?」
ゆっくり手を伸ばし剣に触れると
優しい光が剣から溢れ、俺の中に何かが入ってくる感覚がした。
「うぉ…?!なんだなんだ!?」
剣は一通り光ると徐々に光が収まり、
刺さっていた鉱石も光を失っていた。
「なんだよ、これ…。」
ピキ…ピキピキ…
「うぉ?!」
手を離そうとすると急に鉱石が砕け剣の刀身が露わとなった。
「ゑ。」
呆気に取られていると背後から足音が聞こえてきて振り返ると、背後には見覚えのある人物がいた。
「あんたなんでここのいるのよ。」
「え!?シェナ?」
「ぴぃ!」
「ちゃむまでいるじゃんか!」
先程お別れしたはずの彼女が何故ここに?
「あああ!私の龍血剣…!」
「龍血剣…?」
もしかしてシェナの探し物って、この剣だったのか?
「あんたまさか契約したの!?」
「いやまて、落ち着けよ!どうゆうことなんだよ?!契約ってなんだよ」
詰め寄ってくる彼女の勢いに後ずさりしながら落ち着くように諌める
「最悪だわ…。私が契約するにはあんたを死なすか、契約が終了するまで待たないと行けないのね…。」
今物騒なワードが聞こえた気がするけど、気の所為だよな?
「手っ取り早くバッサリいく…?いや、これで龍血剣に嫌われたら意味が無いわ…。」
「もしもーし?あれ?きこえてないのか?」
「かくなる上は…」
「俺もう帰っていい?」
「決めたわ。私貴方について行くわ。」
「ほへぇ?」
「早くあなたと龍血剣の契約を遂行するわよ。」
「え?なんか勝手に決められてる…?」
「決めてるんじゃなくて、これは確定事項よ。私はあなたについて行くから。」
急な提案に俺はNOとは言えず、この目の前の少女に付き合うしかないと察した。
「速やかに契約終了させてもらうからね。容赦なんてしないから覚悟してなさいよ。」
「おれこれ、どうなっちゃうの?」
再び出会ったと思えたのもつかの間、急展開に俺はもう着いていけないよ…。
どうすんだーーー。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
ー王宮ー
「よくぞ戻った。小坂エミリよ。」
「…。」
「さぁ、余に例のものを見せよ。」
「うふふ…。そう焦らないでください。」
「もうここに居るじゃありませんか。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる