名ばかり聖女はかぼちゃパンツ陛下をからかいたい!

ハラペコWASABI

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27かぼ!大人かぼパン

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 純粋なかぼパンの腕に抱き上げられ、心の中で小さくガッツポーズ。
 
 これはイケる! 
 そう思ったら揶揄いたい気持ちがムクムク湧いてくる。

「パパ、遊ぼ!」

 イタズラ心で笑いながら言うとかぼパンは優しい顔で笑う。

「よし、だがその前に……マ……ママはどこにいるのだ?」

 頬を染め照れたようにママと言うかぼパンが可愛すぎる。
 抱っこされていると当たり前に距離が近くって表情ひとつがよく見えるのよ。

「どうした?」

 答えない私に向かい見せた優しい微笑みに胸がキュンと鳴った。

 これは……

 リーリンが夢中になるだけあってかぼパンの見た目の美しさは凄まじい。
 地球にいたら世界で1番イケメンやらの一位を総なめ、殿堂入りを果たしている事だろう。

 同じ人間とは思えない顔をじぃっと眺めていると優しく首を傾げたかぼパン。

「どうしたのだ?」

 ニコッと笑った笑顔にまたまた胸がドクドク。

 カッコいいのに可愛いのは反則だわ。
 大人かぼパンには気をつけないと私の胸を破壊する力がありそう。

 ちよっと揶揄ってネタバラシしようと思っていたけど、しばらくこのまま0距離でかぼパンを見ていようかな。

 と、ふと思った。

 こんなに近くで見ていたらさすがに慣れてドキドキしなくなるだろう。

 それに結婚を考えるいい機会だ。私には見せない人となりが見られそう。

 そう決めた私はスラスラと話を作る。

「ママは色々あって私と入れ替わって未来に行ったの。だから暫くいないわ」

 言葉を疑いもしないかぼパンは目を見開き心配そうに顔を歪めた。

「色々とは何があったのだ?名ばかりは無事なのか?」

「無事!理由はちょっと言えないけど安全だから心配しないで大丈夫」

「そうか……無事ならいいのだが……暫く会えないのか」

 がっかりしたように肩を落としたかぼパン。チクリと胸が痛んだけど、自分の小さな手で綺麗なかぼパンの頬に触れる。

「だから代わりに私が来たの!もしかして私じゃ嫌なの?」

 子供かぼパンから学んだ必殺拗ね顔を見せると大人かぼパンは慌てて否定首を横に振った。

「嫌なわけがないだろう!娘よ、名前はなんと言うのだ?」

 純粋で優しいかぼパンと違い、後ろに立っているランは言わなくても気付いたのか目をカッ開き私を見つめている。

 サッと目で合図するとランは大きく頷き割って入って来た。

「陛下、将来付けるお子様の名前を先に聞くのはどうかと思いますよ。楽しみが無くなります。ナナ様と入れ替わりで来たのですから名ばかりとお呼びになっては?」

 ランのナイスアシストに拍手すると、かぼパンは衝撃を受けたように声を漏らした。

「こんなに可愛い子を名ばかりと呼べと言うのか……?」

 この人私の事好きだって言ってプロポーズもしてるくせにこの言い様はなんなのかしら。

「ママは世界一可愛いから名ばかりって呼ばれるの嬉しいな!でも呼びにくかったら娘でいいよ」

 はしゃいだように言うとかぼパンは驚いたように私を見つめた。

「名ばかりが可愛い……?」

 首を傾げた大人かぼパン。
 イラつき手を伸ばし頬をつねると、途端に嬉しそうにデレデレ顔になった。

「ママの事が大好きなんだな。分かるぞ!ママはカッコいいからな」

 可愛いじゃなくてカッコいい……まぁ、そうだろう。可愛いとこなんて見せた覚えはないもの。
 少し複雑だけど。

 膝の上に座り、さっきから気になっていた事を口に出す。
 大人になったからだろうがかぼちゃパンツを履いていないのだ。これではかぼパンと呼べなくなってしまう。

「どうしてパパは今日かぼちゃパンツを履いてないの?」

「ハアッ!まさか未来の僕は大人なのにかぼちゃパンツを履いているのか?」

「うん!パパのかぼちゃパンツかっこいいよね!ママも私もかぼちゃパンツを履いてるパパが大好きなのっ」

「そ、そんな……」

 衝撃を受けたように固まったかぼパンは暫く黙って考える素振りを見せていたが、執事を呼び大人用かぼちゃパンツを注文したのだった。
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