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第一章
またも裏切られた運命
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曇天の空を切り裂くように伸びる灰色の尖塔。その頂きには天使が掲げられ、まるでそれらを従えるかのようにエリセア教の唯一神エリシエルが信徒を見下ろしている。
セレスティア王国王都、教会区にそびえる荘厳なまでに重厚な石造りの建物――エリセア教の総本山、エクレシア中央教会だ。
シンシアは、門扉の前に立ち神エリシエルの彫像を見上げる。それはまるで運命の裁きを受ける罪人を罰するかのように、シンシアの目には冷たく写った。
弱き者を守り、全ての魂に楽園を与える――慈愛の神エリシエル。
運命とは神の導きであり、従うことで真の安息が得られるとエリセア教は説いている。しかし、一度運命に裏切られたシンシアにとって、神エリシエルは偽りの神でしかない。
慈愛の神が聞いて呆れるわね。
運命に殺され、転生ではなく回帰させられたこちらの身にもなって欲しいわ。
「どうした? シンシア。緊張しているのか?」
どうやらにっくき神を睨みつけていたところを緊張していると父に誤解させてしまったようだ。そんな父の言葉を受け隣に立つ母もまた、心配そうにシンシアの手を握る。
「そうよね、誰だってバース鑑定儀式の前は緊張するものよ。でも、シンシア大丈夫。ちょっと聖水に一滴血を落とすだけ。すぐ終わる儀式だからね」
「お父さま、お母さま、ご心配をおかけしました。慣れないことゆえ緊張していたようです」
「そうだな。こんな儀式さっさと終わらせてしまおう。成人を祝う宴も控えている。今夜はシンシアの晴れ舞台だ。ジャンヌが準備に気合いを入れていたから今から楽しみだ」
「えぇえぇ。シンシアの晴れ姿、きっと皆さま虜になるわ。未来の素敵な旦那さまも見つかるかしら」
楽しげに語り合う両親を見つめ心の中で手を合わせる。
今夜の成人を祝う宴だけには参加できない。これからの人生がかかっているのだから。
心に宿る罪悪感を振り払うようにシンシアは、両親へと向き直り「時間に遅れちゃうわ」と教会の門へと歩みを進める。
重厚な門扉の前には、エリセア教の聖騎士が二人、教会の門を守るように睨みを効かせている。しかし、近づいてきた令嬢が純白のドレスを身に纏っていることに気づくと、すぐに扉は開かれた。
純潔を表す白――だなんて、悪趣味にも程がある。
神に嫁入りしろとでも言われている気分だ。
シンシアが横を通り抜ける一瞬、向けられた聖騎士の視線に悪寒が走る。品定めをするような、蔑みを向けるような何とも言えない気持ち悪さに、シンシアは母の手を握る。
「大丈夫よ、シンシア。すぐ終わりますから」
ぽんぽんと宥めるように背をさすられ、気持ちが凪いでいく。ゆっくりと正面を向けば、参列者席の最奥に設けられた中央祭壇が見えた。
厳かな雰囲気の中、典礼司祭に名を呼ばれた男が中央祭壇へと歩みを進める。そして、祭壇前にしつらえられた聖儀壇の上には金で出来た聖杯が置かれていた。
バース鑑定儀式を行うのは、三人の司教。
儀礼的な洗礼が終わり男が聖杯へと手をかざし、司祭が呪文を唱えると聖杯から青い炎があがった。
回帰前と同じ光景だわ。
青い炎は、ベータの証。
赤い炎はアルファ。
誰もが、バース性の結果に一喜一憂しているだろうに、神聖な教会で感情を面に出すことは許されない。
ただ、赤い炎があがった者の表情は隠し切れぬ高揚に満ちている。
それもそのはず。
バース鑑定でアルファとなった者の未来は明るい。
アルファというだけで将来は約束されたも同然。セレスティア王国の政を担う部署への登用はもちろん、将来の幹部候補となる。
勝ち組も、勝ち組、出世街道まっしぐらだ。もちろん、支配階層と呼ばれるだけあって、目見麗しく特出して優秀な人材がアルファに多いのも事実だ。
ただ、アルファの出現率は全国民の数パーセントと狭き門でもある。九割以上はベータ、そしてさらに希少とされるのが――オメガ。
そう言えば……オメガの炎って、何色なのかしら?
次々とあがる青い炎を見つめながら、そんなことを考えていたシンシアの耳に典礼司祭の声が響いた。
「シンシア・ノクスフェル子爵令嬢、前へ」
母に背中を優しく押され席を立ったシンシアは、中央祭壇へと歩みを進める。
通路を形作る支柱は天へと伸び、まるで逃がすまいと囲い込むかのような威圧感を放っていた。
回帰前とは何かが違う。
そんな予感がシンシアの心を落ち着かなくさせる。
高鳴る鼓動を宥め祭儀壇の前で足を止めたシンシアは、三人の司教へと膝を折った。
「慈愛の神エリシエル、我にお導きを」
祈りの姿勢をとり、儀礼的な文句を口にすれば、一人の司教が燭台を差し出してきた。
鋭い切先を持つ黄金色の燭台は、蝋燭の灯りを受け鈍色に光る。
針先に指先を当てるだけで良い。
ほんのわずかその燭台に血を滴らせるだけで終わる。
ただ、それだけのはずなのに――切先が、怖くて仕方がない。
高鳴る鼓動の音が耳に響き、背を怖気が走る。頭の中で鳴り響く警鐘は、本能的な恐怖を掻き立てた。
「どうされましたかな? ノクスフェル子爵令嬢」
司教から向けられた暗く威圧的な視線に逃げ場がないことを悟り、シンシアは切先に指先を当てた。
ゆっくりと血が滴っていく。
今すぐに、燭台を叩き落とさなければ……
衝動に駆られ、動く手を反対の手で押さえた時。
――その血を、聖杯へ捧げてはいけない。
ささやかれた言葉は、現実か、幻か。
判断する間もなく、聖杯から金色の炎が立ち上った。
時が止まる。
数分――、いや数秒か。
次の瞬間には聖堂内にどよめきが起こった。
「おぉぉ、神よ。我らに神の御使いを与え賜うて、感謝いたします」
神の御使いって……
目の前の司教の言葉に、頭が真っ白になる。本能的な恐怖に突き動かされ、両親に助けを求めるように振り返った。
――だが。
視界に写ったのは、退路を塞ぐように、聖騎士が剣を構え並んでいる姿だった。
それは、まるで罪人を捉えるかのような仰々しさで、回帰前の恐怖がよみがえり喉が引き攣る。
「シンシア・ノクスフェル子爵令嬢。オメガと断定された君は今日から教会の管理下に置かれる。ご同行願おう」
隊長と思しき男が一歩前へ出て、冷酷な現実を突きつける。
オメガって、どうして……
だってわたしはベータよ。
誰か、誰か……、助けて。
その時、剣を構える聖騎士をかき分けノクスフェル子爵がシンシアの前に立った。
「待ってくれ!! エリセア教は、我が子との最後の別れすら許さないというのか!!」
「ノクスフェル子爵、オメガと断定された段階で、教会の管理下に置かれます。規則ゆえ、ご理解願いたい」
「神エリシエルは慈愛の神ではないのか!? 長年、慈しみ育ててきた我が子との別れもさせないほど、エリシエル神は無慈悲な神なのか!!」
聖堂内に二度目のどよめきが起こった。
エクレシア中央教会でバース鑑定を行うのは、セレスティア王国の政を担う貴族階級の子息、子女なのだ。エリセア教に多額の寄付をしている貴族家も含まれる。
オメガは教会の管理下に置かれる。
規則だとしても、子との別れもまともにさせてもらえないと噂が立てばエリセア教のイメージダウンは避けられない。そのことを教会の司教も重々承知していたのだろう。
「落ち着いてくだされ、ノクスフェル子爵。わたくし共も、我が子との別れを取り上げるような無慈悲な行いは致しません。聖騎士は規則に則り、シンシア嬢にそう告げただけです。では、こう致しましょう。明後日、教会の迎えをノクスフェル子爵家へと向かわせます。それでよろしいですかな?」
「慈悲に、感謝いたします」
父に肩を抱かれ、聖騎士の間をすり抜ける。
握られた手は、怒りを押し殺すように震えていた。
教会に運命を握られる恐怖。
それは、かつて牢に繋がれた日の記憶と重なる。
「シンシア……、大丈夫だ」
優しい父の声。
その大きな手の温もりに、涙がこみ上げる。
――だが、その手さえも。
やがて、引き剥がされる運命なのだ。
セレスティア王国王都、教会区にそびえる荘厳なまでに重厚な石造りの建物――エリセア教の総本山、エクレシア中央教会だ。
シンシアは、門扉の前に立ち神エリシエルの彫像を見上げる。それはまるで運命の裁きを受ける罪人を罰するかのように、シンシアの目には冷たく写った。
弱き者を守り、全ての魂に楽園を与える――慈愛の神エリシエル。
運命とは神の導きであり、従うことで真の安息が得られるとエリセア教は説いている。しかし、一度運命に裏切られたシンシアにとって、神エリシエルは偽りの神でしかない。
慈愛の神が聞いて呆れるわね。
運命に殺され、転生ではなく回帰させられたこちらの身にもなって欲しいわ。
「どうした? シンシア。緊張しているのか?」
どうやらにっくき神を睨みつけていたところを緊張していると父に誤解させてしまったようだ。そんな父の言葉を受け隣に立つ母もまた、心配そうにシンシアの手を握る。
「そうよね、誰だってバース鑑定儀式の前は緊張するものよ。でも、シンシア大丈夫。ちょっと聖水に一滴血を落とすだけ。すぐ終わる儀式だからね」
「お父さま、お母さま、ご心配をおかけしました。慣れないことゆえ緊張していたようです」
「そうだな。こんな儀式さっさと終わらせてしまおう。成人を祝う宴も控えている。今夜はシンシアの晴れ舞台だ。ジャンヌが準備に気合いを入れていたから今から楽しみだ」
「えぇえぇ。シンシアの晴れ姿、きっと皆さま虜になるわ。未来の素敵な旦那さまも見つかるかしら」
楽しげに語り合う両親を見つめ心の中で手を合わせる。
今夜の成人を祝う宴だけには参加できない。これからの人生がかかっているのだから。
心に宿る罪悪感を振り払うようにシンシアは、両親へと向き直り「時間に遅れちゃうわ」と教会の門へと歩みを進める。
重厚な門扉の前には、エリセア教の聖騎士が二人、教会の門を守るように睨みを効かせている。しかし、近づいてきた令嬢が純白のドレスを身に纏っていることに気づくと、すぐに扉は開かれた。
純潔を表す白――だなんて、悪趣味にも程がある。
神に嫁入りしろとでも言われている気分だ。
シンシアが横を通り抜ける一瞬、向けられた聖騎士の視線に悪寒が走る。品定めをするような、蔑みを向けるような何とも言えない気持ち悪さに、シンシアは母の手を握る。
「大丈夫よ、シンシア。すぐ終わりますから」
ぽんぽんと宥めるように背をさすられ、気持ちが凪いでいく。ゆっくりと正面を向けば、参列者席の最奥に設けられた中央祭壇が見えた。
厳かな雰囲気の中、典礼司祭に名を呼ばれた男が中央祭壇へと歩みを進める。そして、祭壇前にしつらえられた聖儀壇の上には金で出来た聖杯が置かれていた。
バース鑑定儀式を行うのは、三人の司教。
儀礼的な洗礼が終わり男が聖杯へと手をかざし、司祭が呪文を唱えると聖杯から青い炎があがった。
回帰前と同じ光景だわ。
青い炎は、ベータの証。
赤い炎はアルファ。
誰もが、バース性の結果に一喜一憂しているだろうに、神聖な教会で感情を面に出すことは許されない。
ただ、赤い炎があがった者の表情は隠し切れぬ高揚に満ちている。
それもそのはず。
バース鑑定でアルファとなった者の未来は明るい。
アルファというだけで将来は約束されたも同然。セレスティア王国の政を担う部署への登用はもちろん、将来の幹部候補となる。
勝ち組も、勝ち組、出世街道まっしぐらだ。もちろん、支配階層と呼ばれるだけあって、目見麗しく特出して優秀な人材がアルファに多いのも事実だ。
ただ、アルファの出現率は全国民の数パーセントと狭き門でもある。九割以上はベータ、そしてさらに希少とされるのが――オメガ。
そう言えば……オメガの炎って、何色なのかしら?
次々とあがる青い炎を見つめながら、そんなことを考えていたシンシアの耳に典礼司祭の声が響いた。
「シンシア・ノクスフェル子爵令嬢、前へ」
母に背中を優しく押され席を立ったシンシアは、中央祭壇へと歩みを進める。
通路を形作る支柱は天へと伸び、まるで逃がすまいと囲い込むかのような威圧感を放っていた。
回帰前とは何かが違う。
そんな予感がシンシアの心を落ち着かなくさせる。
高鳴る鼓動を宥め祭儀壇の前で足を止めたシンシアは、三人の司教へと膝を折った。
「慈愛の神エリシエル、我にお導きを」
祈りの姿勢をとり、儀礼的な文句を口にすれば、一人の司教が燭台を差し出してきた。
鋭い切先を持つ黄金色の燭台は、蝋燭の灯りを受け鈍色に光る。
針先に指先を当てるだけで良い。
ほんのわずかその燭台に血を滴らせるだけで終わる。
ただ、それだけのはずなのに――切先が、怖くて仕方がない。
高鳴る鼓動の音が耳に響き、背を怖気が走る。頭の中で鳴り響く警鐘は、本能的な恐怖を掻き立てた。
「どうされましたかな? ノクスフェル子爵令嬢」
司教から向けられた暗く威圧的な視線に逃げ場がないことを悟り、シンシアは切先に指先を当てた。
ゆっくりと血が滴っていく。
今すぐに、燭台を叩き落とさなければ……
衝動に駆られ、動く手を反対の手で押さえた時。
――その血を、聖杯へ捧げてはいけない。
ささやかれた言葉は、現実か、幻か。
判断する間もなく、聖杯から金色の炎が立ち上った。
時が止まる。
数分――、いや数秒か。
次の瞬間には聖堂内にどよめきが起こった。
「おぉぉ、神よ。我らに神の御使いを与え賜うて、感謝いたします」
神の御使いって……
目の前の司教の言葉に、頭が真っ白になる。本能的な恐怖に突き動かされ、両親に助けを求めるように振り返った。
――だが。
視界に写ったのは、退路を塞ぐように、聖騎士が剣を構え並んでいる姿だった。
それは、まるで罪人を捉えるかのような仰々しさで、回帰前の恐怖がよみがえり喉が引き攣る。
「シンシア・ノクスフェル子爵令嬢。オメガと断定された君は今日から教会の管理下に置かれる。ご同行願おう」
隊長と思しき男が一歩前へ出て、冷酷な現実を突きつける。
オメガって、どうして……
だってわたしはベータよ。
誰か、誰か……、助けて。
その時、剣を構える聖騎士をかき分けノクスフェル子爵がシンシアの前に立った。
「待ってくれ!! エリセア教は、我が子との最後の別れすら許さないというのか!!」
「ノクスフェル子爵、オメガと断定された段階で、教会の管理下に置かれます。規則ゆえ、ご理解願いたい」
「神エリシエルは慈愛の神ではないのか!? 長年、慈しみ育ててきた我が子との別れもさせないほど、エリシエル神は無慈悲な神なのか!!」
聖堂内に二度目のどよめきが起こった。
エクレシア中央教会でバース鑑定を行うのは、セレスティア王国の政を担う貴族階級の子息、子女なのだ。エリセア教に多額の寄付をしている貴族家も含まれる。
オメガは教会の管理下に置かれる。
規則だとしても、子との別れもまともにさせてもらえないと噂が立てばエリセア教のイメージダウンは避けられない。そのことを教会の司教も重々承知していたのだろう。
「落ち着いてくだされ、ノクスフェル子爵。わたくし共も、我が子との別れを取り上げるような無慈悲な行いは致しません。聖騎士は規則に則り、シンシア嬢にそう告げただけです。では、こう致しましょう。明後日、教会の迎えをノクスフェル子爵家へと向かわせます。それでよろしいですかな?」
「慈悲に、感謝いたします」
父に肩を抱かれ、聖騎士の間をすり抜ける。
握られた手は、怒りを押し殺すように震えていた。
教会に運命を握られる恐怖。
それは、かつて牢に繋がれた日の記憶と重なる。
「シンシア……、大丈夫だ」
優しい父の声。
その大きな手の温もりに、涙がこみ上げる。
――だが、その手さえも。
やがて、引き剥がされる運命なのだ。
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