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第三章
リディア視点
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「リディア……」
「お久しぶりね、シンシアさん。二度目も牢獄で終わるなんて、滑稽な人生よね」
鉄格子越しに見る顔が驚きの表情を浮かべた。
リディアの心に優越感が広がっていく。
形勢逆転とは、まさにこの事よ。
これも全て、ダーラ神さまのおかげ……
エリシエル神の加護を上回る力。本来であれば、聖騎士がエリシエル神の加護を受けし聖女に逆らうことは出来ない。だが、ダーラ神の強大な力の前では、加護も無意味だ。
今や、中央教会はダーラ神の力の前にひれ伏し、エリシエル神の力は及ばない。
オメガの力が聖騎士に効かない――そう、理解した時のシンシアの絶望を宿した顔。
おかしくって、たまらなかった。
流石、原初の神の一人よね。
あれで、本来の力の半分もないなんて、信じられないわ。
創世神に深淵へと落とされた時、ダーラ神の力は封じられた。そう言われているが、赤い満月が昇り、真の力が甦れば、この世界はダーラ神のもの。
聖女である私を裏切り、あの小娘に手を貸した――エリシエル神も、ダーラ神の力で消滅するわね。
リディアは、来たる勝利を思い描き、笑みを浮かべる。
さてと……
目の前の女を絶望へと突き落としてあげましょうか。
「――驚いたでしょ。なぜ、私があなたの真実を知っているのかって顔ね」
「真実って……」
「ふふふ、シンシアさん。あなた……一度、死んでいるんですってね」
シンシアの顔が今度こそ、驚愕の色を示す。
愉快で、たまらない。込み上げる笑いを抑えることができない。
「くくく……なんで、知っているのかって? これも、ダーラ神さまの思し召しよ」
「ダーラ神って……どういうことなの!? ここは、エリシエル神を奉る教会じゃないの! ダーラ神は封印されているって……」
「封印? かの神の前では、封印など無意味よ。エリシエル神ごときに、封じられる神じゃないわ」
そう、エリシエル神ごときに、封じられる神ではないのだ。
あの強大な力の前では、誰もが膝を折る。
ダーラ神と契約した時を境に、小娘によって壊された私の世界は、思い描く通りに動いていった。
偽聖女と貶められることもない。
教皇を殺めたことですら、罪に問われない。
――それだけではない。
地に堕ちた権威すら、いとも簡単に己の手に戻って来た。
オメガフェロモンがなくとも、皆が私の前に平伏し、魅了の力を使わずとも、全てを手にすることが出来る。――望みさえ、すれば。
底知れない、ダーラ神の力。
あの神さえいれば、本当にセレスティア王国を、――いいえ、世界だって手に入る。
愉快で、たまらない。
蔑み、拒絶した者たちの絶望を思うと、笑いが込み上げてくる。
私の統べる世界を壊し、支配される対象だというのに、屈しなかった女。
手始めに、最も残酷な方法で、あの女をズタズタにしてから処刑してやろうと考えていた。
――それなのに、ダーラ神の贄としなければならない。
腹立たしい。神でさえ、あの女を欲しがるなんて……
なぜ、ダーラ神はあの女に執着するのだろうか。
やはり、エリシエル神の加護を受けているからなのか。
目障りな女……
私が望む男は、皆、あの小娘を欲しがる。
あの女にあって、私にないもの……
そんなものあるわけないじゃない!!
回帰前の知識を利用して、小狡く立ち回っていたのよ。
決して、私より、あの女の方が魅力的だからじゃない。決して、違う……
……それなのに、劣等感が消えない。
過酷な状況に置かれてなお、消えない強い意志。
あの紫色の瞳が、私を落ち着かなくさせる。
あの女が憎い。
あの強い意志を宿した、あの目が憎い。
――だから、壊してやる。
希望を木っ端微塵に砕き、絶望の底へと突き落とさなければ、気が済まない。
リディアの唇が、残忍な色を湛え歪んだ。
「馬鹿な女……あなたとダレンさまって、番じゃないのよね」
「ち、違うわ!! 私とダレンは番よ。番迎えの儀式をしたもの。あなたも聖女として、あの場にいたじゃない!」
「そうね、確かにいたわ。――でも、ダーラ神さまはご存知だったわ。ダレンさまは、あなたに番の印を刻まなかったと。神の言葉よ。嘘のはずないわ」
「そ、そんなことない。神だって、嘘をつくこともあるはずよ……」
「じゃあ、見せなさいよ。番の印を。あなたの言葉が嘘でないなら、見せられるわよね?」
小娘の目に焦りの色がにじみ、屈辱に唇が歪む。
「ほらっ……やっぱり。無い印は見せられないものね。――と言うか、あなたは本当に愛されているのかしら?」
「どういう意味よ……」
「だって……ダレンさまが、オメガを選ぶはずないもの。父を奪い、母を死に追いやった女――その女とあなたは、同じオメガ。憎むことはあっても、愛せるわけない」
「そんなことない! ダレンは、私を愛してくれている。心の底から愛していたから回帰させたと、ダレンは私に言ったわ!!」
「なら、どうしてあなたを番にしないの? 愛しているなら、真っ先に番にするはずよね。回帰させてまで生かそうとした。それなのに、番にしないなんて、おかしいじゃない。番関係は、オメガとアルファの最も強固な絆のはずなのに、ね」
「それは……」
目の前の女の焦りも、不安も、恐怖も手に取るようにわかる。
ふふふ……今、絶望へと突き落としてあげるわ。
「疑問に思わなかったの? 番にしなかったダレンさまの真意を――いいえ、違うわね。騙されているって、本当は心のどこかでわかっていたんじゃないの?」
「いや……いや、やめて……」
「シンシアさん、あなたはダレンさまの家族を奪ったオメガの女と同じ。愛されることなんて、あるはずない」
「いやぁぁぁ、やめてぇぇ!!!!」
石壁に覆われた牢に女の悲痛な叫びが響く。
嗚咽を漏らし、小さく身体を丸める女の、なんと惨めなことか。
込み上げる笑いを抑えることが出来ない。
シンシアの嗚咽が冷たい石牢に響き、リディアの歓喜の声と混ざる。
やっと、やっと……
この女を絶望へと突き落とすことが出来た。
石牢の中、最期の時を絶望と後悔に苛まれ苦しみなさい。
リディアの心に幼き頃より巣喰っていた劣等感が薄れていく。
わたしは勝ったのよ。
アルファにも、オメガにも――――っ!?
「――っ、かはっ……」
背後から襲い来た衝撃に、頭が白く染まる。足元で響いた金属音に俯けば、血濡れた剣が見えた。
金糸で縫われた豪華な白のドレスが赤く染まっていく。
――理解出来ない。
自分の身に起こったことが、理解出来ない。
「シンシアさん、シンシアさん!! 今、助けますから!!」
ガチャガチャと耳障りな音を鳴らし、鍵を開けようと躍起になる男に見覚えがある。だが、その男が誰なのか、どこで見たのか、思考を巡らすことが出来ない。
このままでは、逃げられてしまう。
死ぬほどの苦痛を味わいダーラ神の眷属となった。
そして、あの女を絶望へと突き落としてやったというのに……
身体が重い。
足が動かない。
力が抜け、視界が霞んでいく。
逃がさない。絶対に、逃がさない。
……逃げないで。
わたしを置いていかないで。
伸ばした手は、誰に向けたものだったのか。
二つの足音が遠ざかっていく。しかし、力を失った身体では追いかけることも出来ない。
ゆっくりと、ゆっくりと……
視界が霞んでいく。
「また……一人、取り残されるのね」
まぶたの裏に浮かんだのは、幼き頃の思い出。
侯爵家の裏庭で、出会った男の子。
二人だけの秘密の花園。
あの子だけは、わたしをリディアとして見てくれた。
役立たずのベータではなくて、ただの女の子として。
あの子は、いったい誰だったの……
足音が近づいてくる。それは、幻か……
「……リディア、もういいんだ。悪い夢は、すべて消してあげる。二人だけの秘密の場所へ行こう。わたしだけの運命の番……」
唇に感じた熱と共に流し込まれた甘い液体――毒なのか、薬なのか。
……でも、もういい。
あなたに殺されるなら、それでいい。
「レオニスさま、だったの……ですね……」
レオニスの腕の中、瞳を閉じれば、あふれ出した涙が頬を伝い落ちていく。
想い出の人。
最期の時をあなたといられるなら、こんな人生も悪くなかった。
――もう、一人じゃない。
眠りの底へと堕ちていったリディアの顔には、穏やかな笑みが浮かんでいた。
幼き頃の秘密の逢瀬――彼と笑いあった、あの頃のような。
「お久しぶりね、シンシアさん。二度目も牢獄で終わるなんて、滑稽な人生よね」
鉄格子越しに見る顔が驚きの表情を浮かべた。
リディアの心に優越感が広がっていく。
形勢逆転とは、まさにこの事よ。
これも全て、ダーラ神さまのおかげ……
エリシエル神の加護を上回る力。本来であれば、聖騎士がエリシエル神の加護を受けし聖女に逆らうことは出来ない。だが、ダーラ神の強大な力の前では、加護も無意味だ。
今や、中央教会はダーラ神の力の前にひれ伏し、エリシエル神の力は及ばない。
オメガの力が聖騎士に効かない――そう、理解した時のシンシアの絶望を宿した顔。
おかしくって、たまらなかった。
流石、原初の神の一人よね。
あれで、本来の力の半分もないなんて、信じられないわ。
創世神に深淵へと落とされた時、ダーラ神の力は封じられた。そう言われているが、赤い満月が昇り、真の力が甦れば、この世界はダーラ神のもの。
聖女である私を裏切り、あの小娘に手を貸した――エリシエル神も、ダーラ神の力で消滅するわね。
リディアは、来たる勝利を思い描き、笑みを浮かべる。
さてと……
目の前の女を絶望へと突き落としてあげましょうか。
「――驚いたでしょ。なぜ、私があなたの真実を知っているのかって顔ね」
「真実って……」
「ふふふ、シンシアさん。あなた……一度、死んでいるんですってね」
シンシアの顔が今度こそ、驚愕の色を示す。
愉快で、たまらない。込み上げる笑いを抑えることができない。
「くくく……なんで、知っているのかって? これも、ダーラ神さまの思し召しよ」
「ダーラ神って……どういうことなの!? ここは、エリシエル神を奉る教会じゃないの! ダーラ神は封印されているって……」
「封印? かの神の前では、封印など無意味よ。エリシエル神ごときに、封じられる神じゃないわ」
そう、エリシエル神ごときに、封じられる神ではないのだ。
あの強大な力の前では、誰もが膝を折る。
ダーラ神と契約した時を境に、小娘によって壊された私の世界は、思い描く通りに動いていった。
偽聖女と貶められることもない。
教皇を殺めたことですら、罪に問われない。
――それだけではない。
地に堕ちた権威すら、いとも簡単に己の手に戻って来た。
オメガフェロモンがなくとも、皆が私の前に平伏し、魅了の力を使わずとも、全てを手にすることが出来る。――望みさえ、すれば。
底知れない、ダーラ神の力。
あの神さえいれば、本当にセレスティア王国を、――いいえ、世界だって手に入る。
愉快で、たまらない。
蔑み、拒絶した者たちの絶望を思うと、笑いが込み上げてくる。
私の統べる世界を壊し、支配される対象だというのに、屈しなかった女。
手始めに、最も残酷な方法で、あの女をズタズタにしてから処刑してやろうと考えていた。
――それなのに、ダーラ神の贄としなければならない。
腹立たしい。神でさえ、あの女を欲しがるなんて……
なぜ、ダーラ神はあの女に執着するのだろうか。
やはり、エリシエル神の加護を受けているからなのか。
目障りな女……
私が望む男は、皆、あの小娘を欲しがる。
あの女にあって、私にないもの……
そんなものあるわけないじゃない!!
回帰前の知識を利用して、小狡く立ち回っていたのよ。
決して、私より、あの女の方が魅力的だからじゃない。決して、違う……
……それなのに、劣等感が消えない。
過酷な状況に置かれてなお、消えない強い意志。
あの紫色の瞳が、私を落ち着かなくさせる。
あの女が憎い。
あの強い意志を宿した、あの目が憎い。
――だから、壊してやる。
希望を木っ端微塵に砕き、絶望の底へと突き落とさなければ、気が済まない。
リディアの唇が、残忍な色を湛え歪んだ。
「馬鹿な女……あなたとダレンさまって、番じゃないのよね」
「ち、違うわ!! 私とダレンは番よ。番迎えの儀式をしたもの。あなたも聖女として、あの場にいたじゃない!」
「そうね、確かにいたわ。――でも、ダーラ神さまはご存知だったわ。ダレンさまは、あなたに番の印を刻まなかったと。神の言葉よ。嘘のはずないわ」
「そ、そんなことない。神だって、嘘をつくこともあるはずよ……」
「じゃあ、見せなさいよ。番の印を。あなたの言葉が嘘でないなら、見せられるわよね?」
小娘の目に焦りの色がにじみ、屈辱に唇が歪む。
「ほらっ……やっぱり。無い印は見せられないものね。――と言うか、あなたは本当に愛されているのかしら?」
「どういう意味よ……」
「だって……ダレンさまが、オメガを選ぶはずないもの。父を奪い、母を死に追いやった女――その女とあなたは、同じオメガ。憎むことはあっても、愛せるわけない」
「そんなことない! ダレンは、私を愛してくれている。心の底から愛していたから回帰させたと、ダレンは私に言ったわ!!」
「なら、どうしてあなたを番にしないの? 愛しているなら、真っ先に番にするはずよね。回帰させてまで生かそうとした。それなのに、番にしないなんて、おかしいじゃない。番関係は、オメガとアルファの最も強固な絆のはずなのに、ね」
「それは……」
目の前の女の焦りも、不安も、恐怖も手に取るようにわかる。
ふふふ……今、絶望へと突き落としてあげるわ。
「疑問に思わなかったの? 番にしなかったダレンさまの真意を――いいえ、違うわね。騙されているって、本当は心のどこかでわかっていたんじゃないの?」
「いや……いや、やめて……」
「シンシアさん、あなたはダレンさまの家族を奪ったオメガの女と同じ。愛されることなんて、あるはずない」
「いやぁぁぁ、やめてぇぇ!!!!」
石壁に覆われた牢に女の悲痛な叫びが響く。
嗚咽を漏らし、小さく身体を丸める女の、なんと惨めなことか。
込み上げる笑いを抑えることが出来ない。
シンシアの嗚咽が冷たい石牢に響き、リディアの歓喜の声と混ざる。
やっと、やっと……
この女を絶望へと突き落とすことが出来た。
石牢の中、最期の時を絶望と後悔に苛まれ苦しみなさい。
リディアの心に幼き頃より巣喰っていた劣等感が薄れていく。
わたしは勝ったのよ。
アルファにも、オメガにも――――っ!?
「――っ、かはっ……」
背後から襲い来た衝撃に、頭が白く染まる。足元で響いた金属音に俯けば、血濡れた剣が見えた。
金糸で縫われた豪華な白のドレスが赤く染まっていく。
――理解出来ない。
自分の身に起こったことが、理解出来ない。
「シンシアさん、シンシアさん!! 今、助けますから!!」
ガチャガチャと耳障りな音を鳴らし、鍵を開けようと躍起になる男に見覚えがある。だが、その男が誰なのか、どこで見たのか、思考を巡らすことが出来ない。
このままでは、逃げられてしまう。
死ぬほどの苦痛を味わいダーラ神の眷属となった。
そして、あの女を絶望へと突き落としてやったというのに……
身体が重い。
足が動かない。
力が抜け、視界が霞んでいく。
逃がさない。絶対に、逃がさない。
……逃げないで。
わたしを置いていかないで。
伸ばした手は、誰に向けたものだったのか。
二つの足音が遠ざかっていく。しかし、力を失った身体では追いかけることも出来ない。
ゆっくりと、ゆっくりと……
視界が霞んでいく。
「また……一人、取り残されるのね」
まぶたの裏に浮かんだのは、幼き頃の思い出。
侯爵家の裏庭で、出会った男の子。
二人だけの秘密の花園。
あの子だけは、わたしをリディアとして見てくれた。
役立たずのベータではなくて、ただの女の子として。
あの子は、いったい誰だったの……
足音が近づいてくる。それは、幻か……
「……リディア、もういいんだ。悪い夢は、すべて消してあげる。二人だけの秘密の場所へ行こう。わたしだけの運命の番……」
唇に感じた熱と共に流し込まれた甘い液体――毒なのか、薬なのか。
……でも、もういい。
あなたに殺されるなら、それでいい。
「レオニスさま、だったの……ですね……」
レオニスの腕の中、瞳を閉じれば、あふれ出した涙が頬を伝い落ちていく。
想い出の人。
最期の時をあなたといられるなら、こんな人生も悪くなかった。
――もう、一人じゃない。
眠りの底へと堕ちていったリディアの顔には、穏やかな笑みが浮かんでいた。
幼き頃の秘密の逢瀬――彼と笑いあった、あの頃のような。
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