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制服すり替え事件!謎の黒髪美少女爆誕!
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「なんだこれはぁぁぁ!!」
いつもより早く起きた朝、登校準備をしていた僕は、壁に掛かった制服を見て叫んだ。
小さいブレザー、リボン、チェックのスカート
完全に女子の制服だ。
しかも名札には、「西沢 優奈」 と書かれている。
クラスみんなの憧れの美少女、優奈だ。
一体なんでこんなことに。
僕はついに制服泥棒に手を染めてしまったのか…?
昨日の出来事を時系列で振り返ってみた。
昨日は体育祭だった。
朝は全員制服で登校し、体育着に着替えて競技をする。思いのほか盛り上がった。そしてそのままみんなジャージ姿で帰宅した。爽やかな青春の1ページだった。
終わった後観客席でクラスで談笑して、その輪の中に僕と優奈もいた。
たまたま隣同士だったので緊張していた。
僕はバレないように優奈をチラチラ見ていて…。
その時だ!
観客席にそれぞれみんな無造作に制服を置いて、片付けしながらゲラゲラ会話していた。
僕は自分のものだと思い込んでバッグに詰めて帰ったのだが
「まさか… 取り違えた…!?」
もし優奈の制服が僕の部屋にあるなら、当然、僕の制服は彼女の元にあるはずだ。
やばい、今頃、変態だと思われてるかもしれない!!
落ち着け!
焦る僕は深呼吸してから状況を整理する。
優奈はバレー部で、今朝は朝練がある。つまり、ジャージ姿で登校するはずだ。
バレー部の女子がチーム名の入ったジャージでボールを抱えて登校するのを何度も見たことがある。
制服はバッグの中に入ったままのはずなので、朝練中に女子バレー部の部室へ潜入し、密かにすり替えればバレずに済む。
…待てよ
いつも遅刻ギリギリの文芸部の僕が、朝練の時間にジャージで登校しているのを見られたら絶対怪しまれる。
そしてカバンの中を見られたら女子制服が入ってるなんて危険すぎる。
そんなことより女子バレー部の部室に侵入するのが絶対無理!!!。
変態扱いされるならまだマシ。
退学になるかもしれない。
…そうだ!
僕は鏡を見て閃いた。
ボサボサのロン毛で色白ヒョロガリ、眼鏡の僕の文芸部でのあだ名はジョンレノン。
眼鏡を外して変装すればワンチャン女子に見えるかもしれない…!
そうと決まれば作戦決行だ!
僕は優奈の制服に着替え、リボンをキュッと結び、髪を整えた。
すね毛ももちろん剃った。
鏡に映ったのは、思ったより可愛らしい女子高生。
サラサラの黒髪、華奢なシルエット、そして少し不安げな表情。
…これ、いけるんじゃないか?
眼鏡を外し、ワンデーコンタクトレンズを装着。仕草も女子らしく練習する。
「うん、よし!もうちょっと内股で、上目遣いで赤面しながらモジモジと…って、何やってんだ俺」
恥ずかしさを振り切り、僕は女子高生に成りすまして学校へ向かった。
スカートってスースーする。
僕は生きた心地がしないまま学校に向かった。
万一スカートが捲れたときに男物のトランクスが見えたらまずい。
階段では必要以上にスカートを押さえた。
優奈っていつもこんな短いスカートだったのか…。
登校中から学校の廊下まで、他の生徒の視線を常に感じた。
や、やばい、バレてる!?
さすがに無謀な作戦だったか…僕の高校生活が風前の灯火だ。
でも、怪しむというよりは、男子生徒たちが僕をチラチラ見てヒソヒソ会話しているような。
そんな時、クラスメイトの 佐々木 が近づいてきた。
「ねぇ、君…見かけない顔だけど、転校生?」
目をキラキラさせて話しかけてくる。
や、やばい、佐々木!? バレてるのか?
僕は裏声で答える。
「あ、あの…ちょっと、その…」
「おっ、緊張してるの? 困ってる事があったら遠慮無く俺に相談してくれよ!」
ちょ、佐々木! なんだそのキャラ!見たこと無いぞ!
「ご、ごめんなさい…」
僕は恥ずかしさに耐えきれず、裏声で答えるとその場から内股走りで逃げ出した。
いろいろあったがなんとか女子バレー部の部室に潜入した。
女子の部室は当然ながら初めてだ。
シャンプー、制汗スプレー、女子の汗の香り…。
優奈のバッグはどこだ?
同じようなバッグが並んでいるので端から順に開けてみる。
見てはいけないものがいろいろ入っているが、全部違う。
なかなか優奈のが見つからない。
5番目のカバンに見覚えのあるぬいぐるみのキーホルダーが!
あった…! これだ、俺の制服!
戻ってくる足音が無いか注意しながら、物音を立てずに慎重に着替えを済ませる。
優奈の制服を畳んでバッグに戻す。
よし、これで万事解決だ!
しかし、廊下に出ようとドアを開けた瞬間、バレー部の部員たちが部室に戻ってくるにぎやかな声が!
まずい! 見つかったら終わりだ!
僕は慌ててドアを閉める。
外から優奈の声も聞こえる。
脳内で悪夢の方程式が浮かぶ
部室を開けたら制服姿の僕がいる × 悲鳴を上げる女子 = 下着泥棒で僕退学!
その時、「あ、みんな体育館に貴重品袋忘れてない!?」「やばい!」「急いで取りに帰らなきゃ!」
女子たちダッシュで引き返し僕はギリギリ退学を回避した。
安心して教室に戻り、コンタクトから眼鏡に戻し何事もなかったかのように授業を受ける。
優奈も無事に制服を着て教室に入ってきた。
よし、バレてない…完璧だ!
しかし寿命が10年は縮まった。
授業中、佐々木がニヤニヤしながら話しかけてきた。
「なぁ、さっきのめっちゃ可愛い子がいたよ。転校生かな。」
「…え?」
「朝、廊下で見かけたんだよ。サラサラの黒髪でさ、めっちゃ美脚…ミステリアスな表情…」
「…おう…」
「いやぁ、俺好きになっちゃった…次会ったら告白しようかな」
佐々木の目は本気だった。
ちょ、ちょっと待て! それ、俺だって!
それからしばらく、黒髪の謎の美少女 は、学校中の男子のちょっとした都市伝説となった。
いつもより早く起きた朝、登校準備をしていた僕は、壁に掛かった制服を見て叫んだ。
小さいブレザー、リボン、チェックのスカート
完全に女子の制服だ。
しかも名札には、「西沢 優奈」 と書かれている。
クラスみんなの憧れの美少女、優奈だ。
一体なんでこんなことに。
僕はついに制服泥棒に手を染めてしまったのか…?
昨日の出来事を時系列で振り返ってみた。
昨日は体育祭だった。
朝は全員制服で登校し、体育着に着替えて競技をする。思いのほか盛り上がった。そしてそのままみんなジャージ姿で帰宅した。爽やかな青春の1ページだった。
終わった後観客席でクラスで談笑して、その輪の中に僕と優奈もいた。
たまたま隣同士だったので緊張していた。
僕はバレないように優奈をチラチラ見ていて…。
その時だ!
観客席にそれぞれみんな無造作に制服を置いて、片付けしながらゲラゲラ会話していた。
僕は自分のものだと思い込んでバッグに詰めて帰ったのだが
「まさか… 取り違えた…!?」
もし優奈の制服が僕の部屋にあるなら、当然、僕の制服は彼女の元にあるはずだ。
やばい、今頃、変態だと思われてるかもしれない!!
落ち着け!
焦る僕は深呼吸してから状況を整理する。
優奈はバレー部で、今朝は朝練がある。つまり、ジャージ姿で登校するはずだ。
バレー部の女子がチーム名の入ったジャージでボールを抱えて登校するのを何度も見たことがある。
制服はバッグの中に入ったままのはずなので、朝練中に女子バレー部の部室へ潜入し、密かにすり替えればバレずに済む。
…待てよ
いつも遅刻ギリギリの文芸部の僕が、朝練の時間にジャージで登校しているのを見られたら絶対怪しまれる。
そしてカバンの中を見られたら女子制服が入ってるなんて危険すぎる。
そんなことより女子バレー部の部室に侵入するのが絶対無理!!!。
変態扱いされるならまだマシ。
退学になるかもしれない。
…そうだ!
僕は鏡を見て閃いた。
ボサボサのロン毛で色白ヒョロガリ、眼鏡の僕の文芸部でのあだ名はジョンレノン。
眼鏡を外して変装すればワンチャン女子に見えるかもしれない…!
そうと決まれば作戦決行だ!
僕は優奈の制服に着替え、リボンをキュッと結び、髪を整えた。
すね毛ももちろん剃った。
鏡に映ったのは、思ったより可愛らしい女子高生。
サラサラの黒髪、華奢なシルエット、そして少し不安げな表情。
…これ、いけるんじゃないか?
眼鏡を外し、ワンデーコンタクトレンズを装着。仕草も女子らしく練習する。
「うん、よし!もうちょっと内股で、上目遣いで赤面しながらモジモジと…って、何やってんだ俺」
恥ずかしさを振り切り、僕は女子高生に成りすまして学校へ向かった。
スカートってスースーする。
僕は生きた心地がしないまま学校に向かった。
万一スカートが捲れたときに男物のトランクスが見えたらまずい。
階段では必要以上にスカートを押さえた。
優奈っていつもこんな短いスカートだったのか…。
登校中から学校の廊下まで、他の生徒の視線を常に感じた。
や、やばい、バレてる!?
さすがに無謀な作戦だったか…僕の高校生活が風前の灯火だ。
でも、怪しむというよりは、男子生徒たちが僕をチラチラ見てヒソヒソ会話しているような。
そんな時、クラスメイトの 佐々木 が近づいてきた。
「ねぇ、君…見かけない顔だけど、転校生?」
目をキラキラさせて話しかけてくる。
や、やばい、佐々木!? バレてるのか?
僕は裏声で答える。
「あ、あの…ちょっと、その…」
「おっ、緊張してるの? 困ってる事があったら遠慮無く俺に相談してくれよ!」
ちょ、佐々木! なんだそのキャラ!見たこと無いぞ!
「ご、ごめんなさい…」
僕は恥ずかしさに耐えきれず、裏声で答えるとその場から内股走りで逃げ出した。
いろいろあったがなんとか女子バレー部の部室に潜入した。
女子の部室は当然ながら初めてだ。
シャンプー、制汗スプレー、女子の汗の香り…。
優奈のバッグはどこだ?
同じようなバッグが並んでいるので端から順に開けてみる。
見てはいけないものがいろいろ入っているが、全部違う。
なかなか優奈のが見つからない。
5番目のカバンに見覚えのあるぬいぐるみのキーホルダーが!
あった…! これだ、俺の制服!
戻ってくる足音が無いか注意しながら、物音を立てずに慎重に着替えを済ませる。
優奈の制服を畳んでバッグに戻す。
よし、これで万事解決だ!
しかし、廊下に出ようとドアを開けた瞬間、バレー部の部員たちが部室に戻ってくるにぎやかな声が!
まずい! 見つかったら終わりだ!
僕は慌ててドアを閉める。
外から優奈の声も聞こえる。
脳内で悪夢の方程式が浮かぶ
部室を開けたら制服姿の僕がいる × 悲鳴を上げる女子 = 下着泥棒で僕退学!
その時、「あ、みんな体育館に貴重品袋忘れてない!?」「やばい!」「急いで取りに帰らなきゃ!」
女子たちダッシュで引き返し僕はギリギリ退学を回避した。
安心して教室に戻り、コンタクトから眼鏡に戻し何事もなかったかのように授業を受ける。
優奈も無事に制服を着て教室に入ってきた。
よし、バレてない…完璧だ!
しかし寿命が10年は縮まった。
授業中、佐々木がニヤニヤしながら話しかけてきた。
「なぁ、さっきのめっちゃ可愛い子がいたよ。転校生かな。」
「…え?」
「朝、廊下で見かけたんだよ。サラサラの黒髪でさ、めっちゃ美脚…ミステリアスな表情…」
「…おう…」
「いやぁ、俺好きになっちゃった…次会ったら告白しようかな」
佐々木の目は本気だった。
ちょ、ちょっと待て! それ、俺だって!
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